えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

◆えん罪西宮郵便バイク事件

兵庫・えん罪「西宮郵便バイク事件」

事件の概要

事故被害者が加害者にされた

郵便配達中、突然の衝撃

現場概略.gif

 2004年1月11日午後5時55分ごろ、当時、西宮郵便局に勤務していた鵜飼晴行さん(当時54歳)は、集配業務のためバイクで兵庫県西宮市内の変形4差路(右の図参照)中央を通過中、突然、左側から強い衝撃を受け転倒、気を失いました。 
 路上で気づくと左の路側に男性(69)が倒れていました(男性は病院に搬送後、頭蓋骨骨折による出血性ショックで死亡)。鵜飼さんも救急車で搬送されました。
 そして、当初から自分もはねられた被害者で、犯人は別にいると主張しましたが、業務上過失致死罪で起訴され、08年2月、禁固2年6月(執行猶予4年)の判決が確定したのです。

バイクがぶつかった証拠は、何もないのに

北側からの写真.gif

 この事件では自白や目撃証言など直接証拠はありません。しかし裁判所は、現場を通りがかった学生が「後ろでガガッドンという音を聞いてふり返ったとき、バイクしかみていない」と証言しているだけで「交差店内に他の車両は存在しなかった。事故原因は鵜飼車以外に考えられない」結論づけました。(学生も事故の瞬間は見ていない)


Bike.gif

 また、男性の着衣に付着していた「赤い塗料」とバイクの塗料の鑑定を有罪の根拠にあげますが、厳密な鑑定結果は、成分が似ているだけで同一と断定できないとしており、別の「白い塗料」はバイクと異なると鑑定されています。
 また、判決は、男性の近くの路面についていた擦過痕をバイクのものとしますが、バイクの傷は擦過痕の形状と全く一致しません。


かばん置き台がはねた? 非常識な有罪判決

カバン置き台.gif

 また、裁判所はバイクがどのように人をはねたかについて、「駐車場を出ようとした男性は、時速25~35キロで走行するバイクの『かばん置き台から左ハンドル部分』にぶつかり跳ね上げられ、空中で回転した結果、頭を南向きにして落下し、頭部を強打した」と言います。
 しかし、低速のバイクが男性を約5mも跳ね飛ばすことや、かばん置き台が空中に人を跳ね上げるという想定自体が常識的にも物理的にも不自然です(弁護団の実験でも人は飛ばない)。
 一方、バイクの左側面に、後ろからこすった擦過痕が多数、残っていることや、ほぼ自動車1台分の間隔を置いてバイクと男性が倒れていたことは、ひき逃げした真犯人がいるという鵜飼さんの主張を裏付けています。

鵜飼さんも被害者~レントゲン鑑定で再審請求


右足すね.gif

 事故の真相究明には亡くなった歩行者の怪我の状況の検討が必要です。
しかし男性は病院で死亡したため司法解剖が行われず、法廷には、足を外部から撮影した写真しか提出されていませんでした。 
 そこで弁護団は、控訴審(大阪高裁)で、びょういんからレントゲン写真を取り寄せて調べること(照会)を求めました。ところが控訴審はこれを却下。正確な受傷状況も不明なまま、有罪が確定しました。

 しかしその後、「鵜飼さんの運転免許取り消し」を不服とした別の裁判(行政訴訟)でレントゲン写真の入手が実現。調べると、上図のように右下腿部(すね)に骨が真っ二つに離断する粉砕骨折があることが分かりました。そして、法医学鑑定(山本鑑定)の結果、この骨折は、
  ① 作用する面が薄い物体が骨を真後ろから二つに離断したと考えられる。
  ② このような骨折は、バイクとの衝突では生じない。
  ③ バイクに跳ね飛ばされて、ガードレールにぶつかることも考えられない。
  ④ 四輪車のフロントバンパーが衝突したと考えるのが合理的である。
といことが分かり、この鑑定を新証拠に再審請求を申し立てました。

不当!屁理屈決定で再審請求を却下__「請求審」棄却決定

(神戸地裁尼崎支部 渡邊壯裁判官)

 ところが再審請求を受けた渡辺壯裁判官は、

「レントゲン写真について控訴審は」その証拠資料としての内容も一応予測した上、これを取り調べなかったものと認められるので(中略)新規性を有するものになるとは考えられ」ない。
などとして訴えを退けました。 
 つまり、「前の裁判官は、レントゲンが出てこなくても、この骨折があることをちゃんと分かった上で調べなかったのだから新しい証拠とは言えない」というのです。

控訴審はの図.gif

 控訴審は、前輪の泥よけの上にある「かばん置き台」が人をはねたとして鵜飼さんを有罪とした(実際は台の上にかばんがある)。
 図の上の線が、かばん置き台の高さ。下の線が骨折したすねの高さ。かばん置き台では骨折は生じない。そこで棄却決定(高裁)は新たにバイクの「ステップ(足置き)」にあったかもしれないという理屈も持ち出しているがステップの前にハンドルやフードにぶつかる。

ごまかすな! 市民の目は節穴じゃない~「想定外」は記録上あきらか

 しかし、前述のように控訴審の段階では、外から写した写真しかなかったのです。そのため控訴審は、「右足の腫脹は転倒時に生じた可能性がある」と、腫れがあるとしか言えず、そこに深刻な粉砕骨折があることを前提にしていません。 
 だからこそバイクのどの部分が歩行者とぶつかったのかについて、すねよりもはるかに高い位置にある「バイクのかばん置き台から左ハンドルにかけての部分」だと認定したのです。
 つまり、控訴審がすねの粉砕骨折を予想していないことは記録上明らかなのです。
「粉砕骨折」の存在は控訴審の想定をはるかに超えた事実であり、レントゲン写真と山本鑑定は再審を開くべき新規明白な証拠といえます。

市民に理解できない非常識の裁判__「即時抗告審」棄却決定

(大阪高裁 森岡安廣裁判長)
車のバンパー.gif

 弁護団はただちに大阪高裁に上訴(即時抗告)し、レントゲンと鑑定が新規明白な証拠であることを主張しました。
 その結果、森岡廣裁判長は、さすがに新規性を否定することができず、新しい証拠であることを認めました。ところが決定は、こともあろうに「ガードレールと衝突して骨折した可能性がある」として棄却したのです。
「ガードレールでは生じない」という鑑定に対して、「ガードレールかもしれない」という判断です。なぜガードレールなのかについては一言もふれていません。弁護団の話を聞いていないのでしょうか。市民には、理解できない非常識な裁判をみんなの力でただしましょう。


連絡先

「えん罪西宮バイク事件」鵜飼晴行さんを支援する会
〒650-0022 神戸市中央区元町通り6-6-12 国民救援会兵庫県本部内
TEL:078-351-0677 FAX:078-731-7376


 

※第2次再審請求めざして目撃者を探す運動と宣伝を行なっています。ご支援を!      
          

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