えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

「白鳥決定」40周年に際して、再審と権利とえん罪の根絶を求める決議

「白鳥決定」40周年に際して再審と権利と冤罪の根絶を求める決議

 今から70年前に、日本国憲法が制定され、刑事訴訟法が改正され、国際人権諸条約を批准し、刑事手続きにおける人権の保障が可能となる基盤がつくられてきました。
 1975年5月20日、最高裁判所第1小法廷は、白鳥事件に関する再審請求を棄却する札幌高等裁判所の決定を維持したものの、再審開始の要件について判断する場合であっても、刑事手続きの鉄則である「疑わしいときは被告人の利益に」という考え方が適用されることを明言し、新旧証拠を総合的に評価して判断すると明示しました。さらに、翌1976年10月に最高裁判所第1小法廷で財田川決定が出されました。 この白鳥・財田川決定を受けて、いずれも死刑事件である免田事件(1983年)、財田川事件・松山事件(1984年)、島田事件(1989年)で、再審無罪判決が次々と出されることになりました。
 長期にわたる身柄拘束を利用して、あまりにも糾問的な捜査によってえん罪が数多くつくられたことに対し、科学的な捜査の厳密な実施とともに、代用監獄を利用した不当な身柄拘束や誤った見立てによる強引な取調べの根絶こそが「基本的人権の保障を全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現する」という刑事訴訟法の目的にもっともふさわしい条件です。えん罪は、当事者の人権を侵害し、しかも真犯人を逃がすことになり、二重の意味でこの目的と相容れません。
 私たちは、近年、足利事件、布川事件、東電OL殺人事件などにおいて相次いで再審無罪判決が言い渡され、えん罪被害者の救済が果たされたことを高く評価する反面、名張毒ぶどう酒事件、福井女子中学生殺人事件、北陵クリニック事件、日野町事件、大崎事件、恵庭OL殺人事件、飯塚事件などで、まだ救済の手が届いていないことは重大な問題だと思います。また、袴田事件(2014年3月)、東住吉冤罪事件(2015年10月再審開始決定)については、再審開始決定で確定判決の明白な誤りが克明に指摘されているにもかかわらず、検察側が執拗に抵抗する姿勢をとり続けていることに対し強く抗議します。
 名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さん(89歳)は、本年10月4日午後12時過ぎ、八王子医療刑務所で獄死しました。第9次再審開始請求中のことです。奥西さんは終始一貫無罪を主張してきましたが、その主張に耳を貸した裁判所は、一審の津地方裁判所と第7次請求審の名古屋高等裁判所だけでした。検察官のみならず、裁判所のこのような姿勢に対しても強く抗議しなければなりません。
 私たちは、今回のシンポジウムを通じて、白鳥決定にいう「疑わしいときは被告人の利益に」という刑事手続きの鉄則がまさに「扇の要」であることを再確認しました。さらに、いわゆる自由権規約第14条にいう国際人権法に照らして、「代用監獄の廃止、取調べの全糧の可視化、取調べにおける弁護人の立会の保障」も焦眉の課題であることを強く認識しました。
 私たちは、国民主権の原理に立って、憲法にいう適正な刑事手続きの実現のために再審の権利が人権として保障され、えん罪によって苦しめられることのない社会をめざして、闘うことをここに誓います

2015年11月7日
白鳥決定40周年シンポジウム参加者一同

powered by Quick Homepage Maker 4.16
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional