えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

えん罪再審事件の最近の動き(7月19日現在)

冤罪・再審事件の最近の動き

大崎事件  

裁判長が証拠リストの開示を検察に勧告!

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 大崎事件の即時抗告審が大きく動き出しました。7月18日、福岡高裁宮崎支部の原田保孝裁判長は、全ての証拠のリストを開示するよう検察側に勧告しました。
 鹿児島地裁は今年3月、弁護側が求めていた証拠リストの開示についてこれを認めず、弁護団が提出した新証拠の証人調べもいっさい行わないまま請求を棄却しました。原口アヤ子さんと弁護団は、鹿児島地裁の棄却決定を不服として、即時抗告を行いました。福岡高裁宮崎支部での審理は、今年5月に開始したばかりですが、裁判所は積極的に審理をすすめ、今月11日に請求人の原口さんらの意見陳述を行いました。検察は、意見陳述後の3者協議のなかで、弁護側が開示を求めている証拠のリストなどについて、今後も出すつもりはないとする意見書を出していました。しかし、高裁はそれからわずか1週間で、証拠を開示するよう異例の勧告を行いました。
 弁護団によると開示勧告されたのは、すでに検察側がまとめている証拠のリスト。さらに、現場で採取された指紋や足跡についての報告書など、まだ明らかにされていない全ての捜査報告書や供述調書について、警察や検察に残っているかどうかを調べた上で、リストを作って提出を求める画期的な内容になっているようです。
 鴨志田祐美弁護団事務局長は「異例の早さだと思う。世論や他の事件の再審の潮流というものを見過ごせなかったのでは。もうひとつはアヤ子さんの年齢。『このまま無実を晴らせないと、死んだも同然で、無実を晴らして生き返りたい』という心の叫びが裁判所に通じたのでは」とコメントをマスコミの取材で述べています。
 地元のマスコミでも大きく報道されています。中央本部では、この間裁判所から証拠の開示の勧告が出されている袴田、日野町をあわせて3事件について、最高検に対して「勧告」に従い証拠開示を応じるように要請する予定です。
 また、今回の勧告について、証拠開示に詳しい成城大学の指宿信教授もコメントを出していますので、指宿教授のブログより転載します。

大崎事件にかかる福岡高裁宮崎支部による証拠標目の開示勧告についてのコメント

 本日、表記のとおり、大崎事件再審請求人によって求められていた検察側手持ち証拠について証拠リストの開示勧告がなされたとの報に接し、まずはこの度の裁判体による姿勢を高く評価したい。鹿児島地裁が3月6日に再審請求を棄却した際に、証拠開示について何らのアクションをおこなわなかった態度の不当性が明らかになったと言えよう。同事件について証拠開示にかかわる意見作成をおこなった者として、また、先般の棄却決定に際して学者声明の作成に関与した者として、今次の勧告を心から喜びたい。
 けれども今回の英断そのものは決して異例というものではない。既に多くの再審請求審において請求人側の求める証拠開示の勧告がなされてきた。当職が直接関与したものとして狭山事件や冨山事件があるし、それ以外として、布川事件、東電OL殺害事件、福井女子中学生事件、袴田事件、東住吉放火事件と枚挙に暇がない。そして重要なことは、多くの事件において原判決時に隠されていたいわゆる「検察官未提出証拠」が確定判決の事実認定を大きく揺るがし、その結果再審開始決定へと至る決定的契機となっている事実である。
 周知のとおり、最近では東電OL事件ならびに布川事件(再審無罪確定)、福井女子中学生事件(開始決定。検察側の即時抗告後、取り消し決定。現在特別抗告中)といった事件は、開示された証拠群が請求人の主張を裏付ける役割を果たした。歴史的にも、死刑再審無罪事件であった松山事件等において未提出証拠の開示が請求人の命を救ったケースをこの国は経験してきている。
 こうした事件の存在は、証拠というのは決して有罪を求めるために検察側だけが独占するものであってはならず、真実発見のために用いられる「公共の財産」であることを明らかにしていると言えよう。

 もっとも、今回の開示勧告は証拠本体の開示を求めたものではなく、あくまで手持ち証拠リストの開示を求めている。今後、開示されたリストに基づいて弁護団より個別の開示がおこなわれることになるだろうが、検察官においてはこれらについて争うことなく積極的に開示に応ずるべきだ。なぜなら、検察庁法に規定されているとおり検察官は「公益の代表者」なのであって真実発見に寄与することが求められているからだ。いたずらに再審請求審において当事者的立場を貫くべきではない。請求人の年齢を考えても、個別の証拠開示の申し立てについて速やかな開示をおこなうべきであろう。
 先に鹿児島地裁が再審請求の棄却決定をおこなった際に、多くの刑事法研究者が抗議声明に連なった。その際に、我々は同地裁の決定について「真実の発見と正義の追究を目指すべき司法の役割を放棄したものと言わざるをえない」とコメントしている。今回おこなわれた証拠標目開示の勧告によって、司法が、無実を求めるひとびとの声に謙虚に耳を傾け、真実を明らかにする崇高な使命を担っていることを国民に示したことの意義は決して小さいものではないだろう。

2013(平成25)年7月18日 
成城大学教授  指宿信 (在アムステルダム)

【参考文献】
拙稿「証拠は誰のもの 真実を発見する公共財産」朝日新聞平成22年11月20日
拙稿「再審請求事件における手続的正義を問う」世界2013年5月号
拙著『証拠開示と公正な裁判』(現代人文社、2012年)、特に第6章「検察側手持ち証拠一覧とその提示」

袴田事件

東京高裁が袴田ひで子さんの成年後見人の申立却下!

支援8団体が抗議要請行動と記者会見を行う

画像の説明

 以前の「ニュース」(5月30日付)でも報告したように、袴田巌さんのお姉さんひで子さんの成年後見人の申立を東京家庭裁判所(小西洋家事審判官)が不当にも却下し、弁護団はただちに東京高裁に即時抗告を行いました。ところが、東京高裁(園尾隆司裁判長、綿引穣裁判官、吉田尚弘裁判官)は7月10日、まったく調査も行わず抗告を棄却しましした。
 この日、日本国民救援会を含む8団体=アムネスティ日本支部、日本プロボクシング協会袴田巖支援委員会、袴田巖さんを救援する清水・静岡市民の会、袴田巌さんを救援する静岡県民の会、袴田巖さんの再審を求める会、浜松・袴田巖さんを救う会、無実の死刑囚・袴田さんを救う会で東京家庭裁判所、東京高等裁判所に抗議行動をおこない、その後記者会見を行いました。
 記者会見で、袴田ひで子さんは、「面会に訪れても、本人は房から出てこなくなりました。東京拘置所からは『会いたくない』『用事はない』」などと、この間面会ができない理由が刑務官から伝えられる状況が3年間も続いていることを紹介しました。そして、2年ぐらい前に、巌さんの状況を東京拘置所に問い糺したところ医務官から、「認知症、拘禁症、糖尿病を発症している」と確かに報告されたが、その後具体的な報告は拘置所からは一切ない。その際には、「自分の便を食べるような行為もあった」と聞かされています。
 ひで子さんは、「47年間も拘置所の中にいて、精神状態が普通でいるのは無理です。会うことができれば、話ができなくても、顔色を見て今日は元気だなと思えるんですが…」とひで子さんは弟の状態を心配するとともに、一日も早く再審無罪もさることながら、長年拘禁される中で相続した土地の処分に、袴田さんの承諾・押印などの手続きが必要なため財産上や様々な権利が侵害されているので、巌の成年後見が求められることを強く求めました。
 引き続き、再審開始をめざすたたかいと同時に袴田巌さんの処遇や人権回復にむけて支援活動を強化します。

袴田事件 証人尋問、三者協議の日程と行動について

各 都道府県本部 御中

2013年7月8日
日本国民救援会静岡県本部
電話054-255-0134
Fax 054-255-6112

 猛暑の中、人権と民主主義を守るための連日のご奮闘に心から敬意を表します。
 名張と袴田事件を死刑再審2事件として重点を置き、全国で5万名署名を目標に集めることを確認しました。
 袴田事件は、33.000筆を超え、目標の5万名達成まで手の届くところまで来ました。
 ここまで到達できたのは、全国各地で袴田事件の署名を集め、支援を呼びかけて下さる役員や会員の皆さんのご奮闘のたまものです。
 事件の地元として、全国の皆さんの取り組みに感謝致しております。袴田事件の三者協議も最終段階に入ってきました。今月おこなわれる三者協議の日程と行動について、お知らせします。

証人尋問と三者協議日程と内容

 と き 7月26日13:30~15:00頃まで
 ところ 静岡地裁
 内 容 静岡大学教授  澤渡 千絵 先生の証人尋問
    *証人尋問終了後に三者協議が行われます。(17時ごろまで)

要請行動と街頭宣伝行動、記者会見(弁護団報告)について

  9時50分 静岡地裁前 集合
  10時  静岡地裁
  11時  静岡地検
  13時  弁護団送りだし(静岡地裁前集合)
  13時30分 街頭宣伝行動
  17時  静岡弁護士会ホールにて記者会見(弁護団報告)を予定

街頭宣伝行動について

 午後から 弁護団を送り出しその足で、静岡駅地下に移動、約1時間 街宣活動です。猛暑が続いていることのあり、今回は地下道を予定しています。


名張毒ぶどう酒事件

映画「約束」福島・郡山支部の自主上映が地元情報誌で紹介される

 別途添付しますので、自主上映の参考にしてください。


福井女子中学生殺人事件

弁護団が特別抗告補充書を提出!

 7月8日、弁護団は最高裁に特別抗告の補充書を提出したことを明らかにしました。今回の補充書では、名古屋高裁が棄却決定で「激高のあまり極度の興奮状態となって犯行に及んだ」とする犯人像に関して補充書を提出しました。
 弁護団は、現場に残された包丁以外の第3の凶器が使われているので、真犯人は激高して被害者を殺害したという短絡的な犯行ではなく、計画的な犯行であると主張していました。補充書では、名古屋高裁の棄却決定は認定した犯人像との違いをあらためて強調しています。


今後の主な事件の日程

 7月24日(水)  第206次最高裁統一要請行動(10時=労働・民事、11時=刑事・国賠)
 7月25日(木)  痴漢冤罪埼京線事件第6回公判(東京地裁15:30~)
 7月26日(金)  袴田事件事実調べ(静岡地裁)
 7月28日(日)  えん罪豊川幼児殺人事件田邊さん守る会第3回総会
 (豊川市小坂井町生涯学習会館  午後1時開場)
 7月28日(日)  再審・えん罪事件全国連絡会・運営委員会予定(13時~15時 平和と労働センター)
 7月31日(水)  「可視化して防げ  罪なき人の罪」
主催・日弁連  日弁連クレオ18時半~
 9月11日(水)  「作られた自白で有罪」時代との決別(18時半~弁護士会館301会議室)

*次回の第206次最高裁統一要請行動は、7月24日(水)に行います。
  8時15分から   最高裁西門で宣伝行動
 10時        民事、労働事件の要請
 11時        刑事事件の要請

*次々回の第207次の最高裁要請行動は、9月20日(金)に予定しています。
 予定というのは、最高裁が判決、決定等期日の関係で1か月前にならないと正式に受理できないと述べていることからです。ご理解をお願いします。

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