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シリーズ 日本の拷問審査①


事件支援に国際人権を生かそう!

シリーズ 日本の拷問審査 ①

拷問禁止条約って、なに?

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 5月にジュネーブの国連欧州本部で開かれる拷問禁止委員会で、日本政府報告の第2回審査が予定され、国民救援会も国際人権活動日本委員会の一員として代表派遣やカウンターレポートを提出します。拷問禁止委員会の審査について理解を深めるために、拷問禁止条約 注1)の連載を始めます。

自白強要は拷問

 今、世界各地で目を背けたくなる非情な拷問が行われています。日本でも終戦までは治安維持法のもとで凄まじい拷問が行われました。
 実は、石を抱かせてソロバン責めにするとか、水責めにするようなものだけが拷問ではありません。

 国連・拷問禁止条約は第1条で、「《拷問》とは、①身体的なものであるか精神的なものであるかを問わず」「②人に重い苦痛を故意に与える行為」で、「③本人若しくは第三者から情報若しくは自白を得ること」などを目的として、公務員などが行う行為であると定義しています。

 ですから、足利事件や大阪地裁オヤジ狩り事件に見られる警察官の暴行、「娘を殺したのはお前だ。鬼母だ」と怒鳴り続けた東住吉事件の自白強要、言論弾圧事件の自白強要など、みな、肉体的・精神的苦痛を与える拷問になりえます。
 また、処罰や強要、これに類することを目的とした行為も拷問となりえます。卒業式で教職員に君が代斉唱を強要し、歌わなければ罰するという行為や、橋下徹大阪市長による職員への思想調査アンケートの強要も問題となります。

 そして重要なのは、拷問の禁止は絶対的であることです。戦争その他の緊急事態を含め、
 「いかなる例外的な事態も拷問を正当化する根拠として援用することはできない(第2条)」のであり、上司の命令でも許されません拷問に至らなくても、「残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰」も禁止です(第16条)。

 そして、違反行為が発生した場合、国家は事実の調査、処罰、再発防止と教育、そして被害者等の保護・補償とリハビリテーションを受ける権利の確保が義務付けられています。例えば、治安維持法犠牲者や従軍慰安婦問題など条約批准前の行為でも、政府は積極的に事実を調査して償い、教訓化して伝えていく責任があるのです。ほかにも、死刑など残虐な刑罰と処遇、入国管理局など様々な施設の収容者の人権、拷問の恐れがある国への送還の問題、人身取引も条約の対象です。

人権は国際課題

 人類は、ファシズムの台頭と第二次世界大戦の悲劇から、人権侵害の放置は世界平和への脅威となることを認識し、人権は国際社会の課題になりました。国連総会は国際的な人権保障のために世界人権宣言 注2)と、これを具体化した国際人権規約を採択。次いで拷問禁止宣言と、これを具体化する拷問禁止条約を採択しました(84年、第39回国連総会)。人種差別撤廃条約や女性差別撤廃条約と同じで、拷問禁止条約も世界人権宣言と国際人権規約から生まれた人権条約です。日本は1999年に批准し、その条文は国内で直接適用されます。
 この条約を救援運動に活かすために、次回から、拷問禁止条約にもとづく日本の人権審査の様子をみていきましょう。

 注1)拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約
 注2)世界人権宣言第5条「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない」

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