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シリーズ 日本の拷問審査②


事件支援に国際人権を生かそう!

シリーズ 日本の拷問審査 ②

第1回審査の紹介 (1)

 5月にジュネーブの国連欧州本部で行われる拷問禁止条約に基づく第2回日本政府報告の審査。国民救援会も代表を派遣し、日本の実態を告発します。今回は、第1回審査の一端をご紹介します。

実態告発し反論

 2007年の拷問禁止条約第1回審査で日本政府が提出した報告書は、取調べや身柄拘束については、憲法や刑事訴訟法などが整備されているから拷問の心配はいらないというもので、法律の条文や制度の解説に終始。これでは人権状況の実態は皆目分かりません。そこで必要になるのが現場からの実態報告。すなわち、私たち人権NGO(市民団体)からのカウンターレポートです。

拷問禁止.gif

 国民救援会は、日々支援している事件の例をあげて、実際には憲法が守られていないことを具体的な事実でレポートしました。名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さん、袴田事件の袴田巌さん、北陵クリニック事件の守大助さん、東電OL殺人事件のゴビンダさん、そして足利事件の菅家利和さんが実際に体験した仕打ち、いまも強いられている不当な処遇をとりあげ、自白強要、外部との文通・面会の制限、きわめて不十分な医療の実態など条約違反の事実を告発しました。
 こうした事実を踏まえて、被疑者を24時間、警察の管理下におく「代用監獄(警察の留置場)」での長期にわたる身柄拘束と長時間の取調べがウソの「自白」を生む温床であることを指摘。憲法には任意性のない自白は証拠にできないと書いてある、適正な身柄拘束を確保する法律があるので心配ない、という政府報告が詭弁であることを明らかにしました。また、最高検は、過度の証拠開示が再審無罪につながったなどとする無反省な「報告書」を発表していますが、これも厳しく批判しています。

委員会からの勧告

 審査の後、委員会から出された勧告は厳しいものでした。
 拷問禁止委員会は精神的苦痛を与えることも拷問だとする条約第1条の定義が日本の刑法に含まれていないことを懸念し、適切な刑罰とともに特定の犯罪として国内法に取り込むべきと勧告しています。日本政府は報告の中で、我が国の刑法には特別公務員暴行陵虐罪などがあって、例えば、警察官が、被告人・被疑者に暴行または陵虐を加えたときは刑罰に処せられるから心配は無用だと強弁したからです。
 特別公務員暴行陵虐罪という犯罪は「公務員の適正」を確保する目的から設けられており、被疑者・被告人の人権侵害を防止する立場からは規定されていません。しかも、この刑罰は、実際の運用上直接的な暴力が犯罪とされるだけで、条約が問う精神的苦痛は問題とされていないのが現状です。脅迫まがいの違法な捜査も対象とはならないのです。
 こうしたことから委員会は「条約の定義による『精神的拷問』は刑法195条(特別公務員の暴行陵虐罪)において明確に定義づけられていないこと、また脅迫など関連する行為に対する刑罰が不適切であること」について、強い懸念を表明したのです。

精神的拷問、明確に

 ではどうすればよいでしょうか。拷問罪を独立した犯罪として新設するか、暴行・陵虐などの既存の犯罪類型のなかに精神的苦痛を明確に含めることです。いずれにしても「精神的苦痛」が刑法をはじめとする国内法にしっかり組み込まなければなりません。

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