えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

シリーズ 日本の拷問審査③


事件支援に国際人権を生かそう!

シリーズ 日本の拷問審査 ③

第1回審査の紹介 (2)

 2007年に行われた第1回審査の結果、拷問禁止委員会が日本政府にどんな勧告をしたのか、冤罪事件に関わる部分を中心にご紹介します。

自白の偏重が冤罪をつくる

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 布川事件や東電OL殺人事件など冤罪事件との闘いは弁護団や支援者の懸命な努力によって、再審の扉を少しずつ押し広げています。
 しかし、こうした冤罪を根絶するためには、その温床となる代用監獄(警察の留置場)とそのもとでの取調べ手続きの法律と実務の両面からの抜本的な改革をしなければなりません。また自白の偏重は日本の刑事司法を大きくゆがめる原因になっていることは、捜査と裁判に関わる者が深刻に受け止めなければならない問題です。
 最近日弁連で開かれた連続シンポジウム「冤罪はこうしてつくられる」では、捜査機関が自ら描いたストーリーに固執し、それに沿った供述を被疑者に強要しており、その道具として長期の勾留が利用されています。それにもかかわらず検察が十分なチェック機能を果たしていない、これが冤罪に共通する構図だと指摘されました。

国際基準の最低限を勧告

 第1回審査でも、代用監獄とそこで行われる取調べの問題に最大の懸念が表明され、その改革を求められました。
 まず委員会は、未決拘禁者(取調中の被疑者)の扱いを国際的な最低基準に適うものとするための効果的手段を即時に講ずることを求めました。とりわけ代用監獄について、警察留置場の使用を制限すべく刑事被収容者処遇法の改正を求めています。そしてこのような法改正を待たずとも、①捜査と拘禁を完全に分離すること ②警察拘禁期間の上限を設定すること ③起訴後の警察保有記録へのアクセス権と十分な医療保障など7項目の改善を要求しています。
 また取調べの問題については、委員会は、①すべての取調べの録画と弁護人の取調べの立ち会いを実現すること ②録画などの記録の刑事裁判における利用を可能とすること ③取調べ時間に厳格な規制を設けること ④条約に適合しない違法な取調べで得られた結果を証拠から排除する旨を法制化することなど4項目の勧告をしました。
 いずれも冤罪をなくすための喫緊の課題です。刑事司法の構造的欠陥が冤罪をつくり上げてきたことを私たちはイヤというほど体験しています。

忘れてならぬ布川の教訓を

 連日の深夜に亘取調べと自白の強要、無実のアリバイを求める立証責任の転換、目撃調書をはじめ無実を証明する証拠の徹底した隠匿、都合の悪い部分を切り取るテープの改ざん。捜査官の筋書に沿って事件をでっち上げ、裁判所が有罪に追い込んだのがあの布川事件でした。捜査官の人権意識の欠如、代用監獄への留置、密室での取調べ、弁護人とのアクセス不足がこれに輪をかけたことは容易に想像がつきます。構造的な冤罪製造システムの中で、無実の桜井さん、杉山さんが29年もの獄中生活を強いられたことは決して忘れてはならないことです。

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