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シリーズ 日本の拷問審査④


事件支援に国際人権を生かそう!

シリーズ 日本の拷問審査 ④

取調べ全過程の可視化を

 第2回となる日本政府報告審査。国民救援会は、何を拷問禁止委員会に訴えているのか。2回に分けてお伝えします。

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 07年の前回審査以降、日本の刑事司法とそれをめぐる世論に大きな変化がありました。09年に裁判員制度が導入され市民の司法への関心が高まる中、足利事件(10年)、布川事件(11年)、東電OL殺人事件(12年)と相次いで無期懲役事件の再審が開かれ、無罪が確定しました。
 これらの事件を通じて、冤罪を生み出す要因があらためて浮き彫りになりました。第一に、代用監獄(警察の留置場)で強要されたウソの「自白」が有罪の決め手となったこと(足利事件、布川事件)。第二に、無実の証拠が開示されないまま、長年にわたって隠されてきたこと(布川事件、東電OL殺人事件)です。
 まさに拷問禁止条約が誠実に実行されていれば、このような冤罪は防ぐことができたし、もっと早くに冤罪被害者は救済されていたはずなのです。今回の審査では、再審無罪事件を大きな力に、冤罪を生む構造的な問題を告発し、刑事司法の根本的な改革への契機とすることが求められています。そのために国民救援会のカウンターレポートでは次の点を指摘しています。

冤罪生み出す代用監獄

 まず、ウソの「自白」を生み出す捜査の問題です。
 代用監獄の下での取調べ=全生活を捜査機関の支配下におかれ、長期の身柄拘束で社会から孤立させ、弁護人の立ち会いもないまま、密室の取調べで自白を強要されるという「仕組み」は、“人に重い苦痛を与えて自白を得ようとする”ものですから、まさに拷問です。日本の捜査のシステムそのものが拷問禁止条約でいう拷問に該当するわけです。
 しかし、度重なる国際人権機関の廃止勧告にもかかわらず、日本政府は今回の審査でも代用監獄とその下での取調べを合理化し、居直ろうとしています。
 例えば、取調べの全面可視化の勧告に対し、裁判員裁判対象事件で「録音・録画の試行開始し」ているなどとしていますが、実際は自白した被疑者に供述調書を読み聞かせ、被疑者が署名するシーンを録画するというもの。一部可視化にとどまっていて、かえって危険なものです。

原因を被害者の性格に

 見過ごせないのは「取調べ官に迎合しやすいなど相手方の...特性に応じた取調べを行う」ことを規則に追加し適正な取調べに努めているなどとうそぶいていることです。これには「元ネタ」があります。足利事件で「菅家利和さんがなぜウソの自白をしたのか」を検証した警察・検察の報告書です。この報告書では、自らの取調べには全く無反省である一方で、結論部分で「迎合の可能性がある」「被疑者の性格」問題だったなどと冤罪発生の責任を菅家さんに転嫁しているのです。政府報告は、取調べ自体には無反省なまま、「被疑者の特性に応じ」た取調べを行うとの規則を追加したことを、委員会に報告しているのです。朝の7時に警官6人が家に来て、警察署に連行され、午前9時から午後10時まで「お前がやったんだ」「早く白状しろ」言われ続け、足のスネを蹴るといった暴行まで受けて作られたウソの自白を、「被疑者の性格が悪かった」と言って済ました姿勢はそのままです。
「こんな姿勢では虚偽自白の再発は防げない、取調べの全過程の可視化が最低限必要だ」と私たちのレポートは問題を告発し、第2回審査に客観的な事実を提供しています

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