えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

シリーズ 日本の拷問審査⑤


事件支援に国際人権を生かそう!

シリーズ 日本の拷問審査 ⑤ (最終回)

全ての証拠を開示せよ!

 今回は、証拠開示に関するカウンターレポートの内容をお伝えします

 前回、国民救援会のカウンターレポートは代用監獄(=警察の留置場)が「自白」強要の温床になっていると厳しく指摘していることを紹介しました。
 ところで、「自白」強要は、黙秘権や弁護人を選任する権利など、被疑者が検察の攻撃から自らを守る権利(防御権)をも侵すことになります。そのため拷問禁止委員会は、前回審査で、代用監獄によって、被疑者の防御権を保障する原則全般がないがし炉にされる危険を指摘しました。
 そしてこの防御権には証拠に対する権利も含まれます。そこで委員会は、弁護人が警察の捜査記録全部を閲覧することが保障されていないこと、特に、証拠開示が検察官の裁量に委ねられ、制限されていることについて改善を求めました。

不誠実な政府回答

crazy.gif

 ところが、委員会のこの提起に対して日本政府は、刑事訴訟法の規定などを紹介し、「必要かつ十分な証拠が開示される制度が導入された」とあたかも客観的な基準に基づく十分な証拠開示の制度が実現しているかのように報告しています。
 しかし、そもそも法律の条文の説明をすることで質問の論点をすり替えること自体、日本政府が委員会の質問に誠実に回答していないことを示しています。

3つの事件あげ報告

 今回のカウンターレポートでは、国民救援会が支援してきた事件の中で3つの事件を取り上げて、具体的に証拠開示が不十分であることを指摘する事実を委員会に報告しています。
 第1に、布川事件の事例を挙げて、事件が発生したとされる時間帯に被害者宅前で杉山さんとは違う人を見たという近隣住民の供述調書や、「自白」に基づいて判決が認定した殺害方法(扼殺)とは異なる殺害方法(絞殺)を認定している所見を記載した初期捜査記録などを、30年以上隠していた事実を報告しています。あわせて昨年桜井昌司さんが違法捜査の責任などを求めて国家賠償請求訴訟を提起し、検察の全面的な証拠開示を求めてたたかっていることも報告しています。
 第2に、東電OL殺人事件の事例を挙げて、再審請求審のなかで明らかになった事実として、事件発生の翌月(1997年4月)の科捜研の鑑定で、被害者の体表(上下半身)5箇所についていた唾液の血液型がO型(ゴビンダさんはB型)であったことがわかっており、当初から捜査機関にはゴビンダさんが真犯人でないことを知ることができた事実を報告しています。

証拠隠したまま審理

 最後に、大崎事件の事例を挙げて、検察が証拠のリストを作成済みと言明しているにもかかわらず、検察のみならず、裁判所も証拠開示に全く消極的で、証拠開示のないままに裁判がなされようとしているという事実を報告しています(カウンターレポートは、今年2月に作成)。その後、大崎事件は3月6日に、証拠開示も事実調べもないまま、請求棄却の不当決定が出されています。
 第2回医となる今回の拷問禁止委員会の日本政府報告書の審査は、5月21日と22日、日弁連や国民救援会をはじめとする各NGOからの報告も受けて、日本が拷問禁止委員会をきちんと守っているのかどうかを審査します。
 今回、国民救援会からは、中央常任委員の生江尚司さんが代表として参加します。

powered by Quick Homepage Maker 4.16
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional