えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

一刻も早く再審を

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 名張事件で最高裁が出した決定によって、いったん閉ざされた再審の扉に再び光が差しはじめ、再び名古屋高裁でのたたかいが始まります。全国の力を集中し、一刻も早く再審開始決定を確定させましょう。(4/25救援新聞より)

自白偏重から科学の重視へ

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 今回の最高裁決定は、刑事裁判において科学的な鑑定結果を重視することを強調しているといえます。もともとの05年の再審決定は、裁判所が弁護団の鑑定と主張を全面的に採用し、無罪を言い渡すべき新証拠だと認めました。一方、06年に再審を取り消した高裁の審理では、検察は新たな鑑定も出さず、非科学的な弁解を連ねた文書しか提出しませんでした。ところが高裁は、根拠のない主観的な推論をたて、「本人の自白が一番信用できる」と言って再審を取り消したのです。最高裁は、こうした科学的鑑定を軽視した判断に警告を出したものと評価できます。
 足利事件では、DNA型鑑定が決め手で再審決定が出されました。布川事件でも殺害方法の鑑定や、「自白」テープの解析に基づいて再審開始が確定しています。近年、科学的な鑑定が裁判の結果に大きな影響を与えています。
 こうした科学重視の司法判断の流れをさらに強めるものです。

自白を避けた決定の問題点

 しかし、最高裁の決定にはいくつかの問題点があります。一番大きな問題は、自ら再審決定開始すべきを差し戻したことです。刑事裁判には、「疑わしきは被告人の利益に」という原則があります。これは、犯罪を犯したとする証明を、検察が一点の疑問もなく立証できなければ、被告人を無罪にしなければいけないという鉄則で、再審の場合にも適用されます。さいこうさいじしnが75年に出した白鳥決定では、「再審開始のためには確定判決における事実認定につき合理的な疑いを生ぜしめればたりると言っています。
 今回の決定では、「(再審を取り消した原決定が)科学的知見に基づく検討をしたとはいえず、その推論過程に誤りがある疑いがあり....原決定を取り消さなければ著しく正義に反する」とまで述べています。最高裁は差し戻さずに自ら再審開始を決定すべきでした。弁護団もこの点を批判しています。

良心の声集め裁判所動かせ

 事件発生から約50年。84歳になる奥西さん。残された時間は限られています。人生の半分以上を拘置所で過ごしました。名古屋高裁で始まる審理では、検察にこれ以上の引き延ばし策をさせないよう、声を上げて立ち向かう必要があります。
 各マスコミの論調も、最高裁が自判せず差し戻しをしたことを批判しつつも、再審への道を開いたことを評価し、無辜の奥西さんを救済するために審理を急げというものです。圧倒的な世論で裁判所を包囲できる状況です。
 これまでに全国で無数の宣伝・集会、全国ブロック別要請をはじめ、40回以上の最高裁要請がおこなわれ、7万5千筆の署名、、1万5千通のハガキが届けられ、最高裁を動かす大きな力になりました。決定を受けて4月16日には愛知で、22日には東京で集会が行われます。
 広範な人々に事件の真相を訴えて、「良心」の声を名古屋高裁に集中することで裁判所に再審を開かせ、奥西さんを生きて社会に取り戻す道が開けます。

「命の限り頑張る」   奥西勝さん

 決定が届いた4月6日、弁護団は名古屋拘置所を訪れ、奥西勝さんと面会しました。入浴後の火照った顔で現れた奥西さん。「差し戻し決定です」と言われてもキョトンとしていました。弁護士が「勝ったんだよ」というと、奥西さんは安堵の表情を浮かべました。 
 特別面会人の稲生昌三さんも6日と14日に面会。奥西さんは、「差戻しと聞いてちょっと不安になりましたが、一条の大きな光、再審の扉を開ける可能性、展望も見えます。支援者の皆さんには、これまでに倍する支援をお願いしたい。よろしく頼みます。命の限り頑張ります」と身を乗り出して話しました。

名張毒ぶどう酒事件略年表


年 月概要
1961年3月28日三重県名張市で毒物混入のぶどう酒を飲んで5人が死亡
1961年4月3日奥西勝さんを逮捕
1964年12月23日一審・津地裁が無罪判決
1969年9月10日二審・名古屋高裁が死刑判決
1972年6月15日最高裁で死刑判決確定
       1~6次の再審請求認められず第7次請求審へ
2005年4月5日名古屋高裁刑事1部が再審開始決定
2006年12月26日名古屋高裁刑事2部が再審開始取り消し決定
2010年4月5日最高裁第3小法廷が再審取り消し決定を取り消し、差し戻し決定

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