えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

再審えん罪事件全国連絡会 第20回総会議案

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11月23日~24日に東京・お茶の水、平和と労働センターにおいて再審えん罪事件全国連絡会の総会が行われました。総会の詳報については、次回の再審えん罪事件全国連絡会のニュースにてお知らせします。ここでは、総会の議案を掲載させていただきます。


再審・えん罪事件全国連絡会20回総会

2011年11月23日~24日
於:平和と労働センター会議室

1 はじめに(事件の勝利・前進に確信を)

 前回の総会直前以降、加盟事件では、福岡・爪ケア事件で逆転無罪(福岡高裁2010年9月),茨城・布川事件で再審無罪(水戸地裁土浦支部2011年5月)、大阪・大阪地裁所長オヤジ狩り事件で国家賠償裁判勝訴(大阪地裁2011年10月)を勝ちとるなど、貴重な成果をあげました。とりわけ、戦後の死刑・無期懲役事件で7件目となる再審無罪を勝ちとった布川事件の勝利は、足利事件に続いて,冤罪の恐ろしさと冤罪を作り出す捜査・裁判の問題点を浮き彫りにしました。再審無罪7件とは、熊本・免田事件、香川・財田川事件、北海道・梅田事件、宮城・松山事件、静岡・島田事件、栃木・足利事件、茨城・布川事件です。再審・えん罪事件全国連絡会は、このすべての事件を,冤罪であると訴えて、各弁護団、支援組織と連帯して活動してきました。
 この間、郵政不正(木村局長)事件で大阪地検特捜部検事の証拠改ざん問題など、国民の人権を侵害し,刑事裁判を根底から否定するものであり断じて許されないと、国民の厳しい批判の声があがっています。
 いま、多くの国民のなかに「無実の人は無罪にすべき」との訴えが、共感をもってうけとめられる状況が広がっています。
 本総会では、このような情勢を前向きにとらえ、すべての冤罪事件で勝利、取調べの可視化、証拠の全面開示の実現をめざして、さらに運動を進める方針と体制を確立強化します。

2 再審・冤罪事件をめぐる主な動き

(1)最高裁での刑事裁判の事実認定で新たな動き 

 昨年の第19回総会記念集会では、元裁判官の木谷明・法政大学法科大学院教授が「裁判所は変わるのか、私たち市民にできることは」と題して記念講演を行いました。
 木谷教授は、講演の中で「これまで最高裁は、事実認定については消極的でしたが、再起その態度、あるいは変えようとする動きに注目すべきとして、09年以降最高裁での職権破棄判決が相次いでいる」ことを指摘しました。
 1980年から2009年までの約30年間に最高裁が事実誤認または事実誤認が関係した法律論で原判決を破棄した事例は、0の件が10件、1件が12回、それに対して破棄事件が3件以上あったのが83年、84年、89年、そして09年の4回しか有りません。そして2010年4月、大阪母子殺しの死刑事件で原判決を破棄して大阪高裁へ差し戻すという大きな判決を出しています。
 さらに、再審事件では布川事件再審開始決定を維持し、名張毒ぶどう酒事件では再審請求棄却決定を取り消す差戻し決定をしました。
 先に紹介した大阪母子殺し事件の差戻し決定では、状況証拠によって犯罪事実を認定する場合であっても「疑わしきは被告人の利益に」という原則は適用される、その場合、認定された間接事実が「被告人が有罪であると考えればその証拠をうまく説明できる」というだけでは足りないのであって、被告人が犯人でないとしたら合理的に説明できない、あるいは説明が著しく困難だという事実関係が含まれているという重要な判断を示しました。
 木谷さんは、最高裁のこの変化の動機について、以下の3点を指摘しています。①周防監督の「それでも僕はやっていない」の影響。あの映画で捜査状況がリアルに描写され、痴漢事件の裁判所の状況について「ちょっとこれはこのままじゃまずいのではないか」と、さすがの最高裁裁判官でも思ったのではないか。それが防衛医大教授事件の判決に反映している。②そして、足利事件で最高裁自身が「被告人を真犯人と認めた原判断に事実誤認の違法はない」と言い切って上告をしたのに、その判断が完全に間違っていたことがDNA型再鑑定で白日のもとになったこと。③最後に、裁判員裁判の施行をあげ、最高裁は、一般の裁判員に対し「この程度の証拠の場合には有罪にしてはいけませんよ」とのサインを送ろうとしていることを挙げました。そして最後に、「私たち市民にできることは、これまでにも増して、裁判所を監視して、正しい判決が行われる環境づくりをしていくことだ」と述べました。
 このように、いま裁判所のなかで「疑わしきは被告人の利益に」など刑事裁判の原則に則った立場で判断する潮流と従来どおりの検察寄り・治安維持の潮流が激しくぶつかりあっています。
 私たちは、最高裁をはじめ裁判をめぐる情勢にも注視をし、裁判官が事件と真正面から対峙して、事実と道理にもとづく判断を迫る運動をさらに強化する必要があります。

(2) 布川事件の再審無罪のたたかいを学び、活かそう

 今年5月24日、水戸地裁土浦支部は、布川事件の桜井さん、杉山さんに無罪判決を言い渡しました。再審無罪判決は、何よりも2人の不屈のたたかいの結実であり、弁護団の献身的な努力、そして全国の守る会や国民救援会など各界・各層の大きな支援運動が相まって勝ちとった成果です。
 また、当事者、弁護団、支援団体の団結が勝利する力となりました。布川事件の再審無罪は、代用監獄の廃止、取調べの全面可視化、証拠の全面開示など、冤罪根絶のための抜本的対策の切実性をあらためて提起しています。
 判決は、2人と事件とを結びつけるような客観的な証拠は存在しないと断じ、検察が有罪の根拠として挙げた3点をことごとく退け、①目撃供述は信用できない、②唯一の直接証拠である「自白」は、信用できないばかりか任意性にも問題がある、③アリバイ供述がいずれも虚偽であるとは認められないと認定しました。
 一方で、桜井さん、杉山さん、守る会などが強く求めてきた検察の無罪の証拠隠しなどの違法な捜査・訴訟活動への言及はせず、「自白」偏重に立って誤判を重ねてきた裁判所の誤りに対する謝罪もありませんでした。

 布川事件は、これまで物証がなく確定有罪判決が「柔構造」で再審がむずかしいと言われてきました。その意味でも、布川事件の再審無罪をかちとった桜井さん、杉山さん、弁護団、守る会の3者の団結と粘り強いたたかいに活かしていくことが大切です。
 布川事件再審請求弁護団・山本裕夫事務局長は、布川の再審開始を勝ちとるために5つの弁護団方針を紹介しています。

<布川事件の5つの弁護方針>

 ①総合評価の実現に向けて、論点を多く設定して新証拠を多く提出。
 ②確定判決の証拠構造の脆弱性の徹底追求
 ③徹底した証拠開示要求
 ④高裁段階でも徹底した事実調べと追求新証拠の提出
 ⑤警察・検察の捜査と検察の公判活動の不当性を追求

<守る会をはじめ大衆的な支援活動の重要性>

 ①獄中の時から長年にわたって2人を支え、ともに成長してきたこと
 ②毎月ニュースを発行し、情報の共有化と支援活動の具体化
 ③現地調査や学習会の継続と事件の真相究明にむけて弁護団との団結
  *弁護団会議への代表の出席と守る会会議への弁護団からの出席
 ④独自の財政確立
  守る会会費、募金の訴え、救援美術展、救援バザーなどの活動

(3)東電OL殺人事件、東住吉冤罪事件などで再審にむけて大きく前進

 足利事件、布川事件の再審以来、「自白」や状況証拠の信用性に科学性が求められています。裁判所も弁護団が提出した新証拠の事実調べを行い、検察に対して科学的は反証を求める傾向も出てきています。
 決定が11月30日となった福井女子中学生殺人事件では、64点の未提出証拠が開示された結果、関係者の供述が重要部分でいっせいに変遷しており、警察に誘導されていく過程が鮮明になり、再審開始決定が期待されています。
 東電OL殺人事件の再審請求審では、今年7月、再審請求を審理している東京高裁が、かねてから検察に対し、現場の遺留物等のDNA鑑定を行うようにうながしていましたが、検察が重い腰を上げて鑑定を行った結果、つぎの事実が明らかになりました。
 被害者の体内から検出された体液のDNA型は、ゴビンダさんのものではなく、しかも現場に落ちていた体毛のDNA型と一致したのです(鈴木廣一大阪医科大学教授による7月23日付け鑑定書)。
 この事実は、ゴビンダさん以外の第三者が、事件現場で事件に近接した時間帯に被害者と接触していたことを明らかにし、有罪判決を覆す決定的な意味を持っています。逆転有罪とした東京高検は9月2日になって、さらに未提出の42の証拠があるなどと臆面もなく表明しました。鈴木鑑定を行う際には、これ以上DNA鑑定可能な証拠は存在しない、と弁護団と裁判所に告げていたのはウソだったのです。ところが、その中に含まれていた、被害者の頚部の付着物や胸部などから検出された唾液のDNA型が、7月に明らかになった被害者の体内に残されていた精液と一致することが明らかになり、確定判決の動揺がいっそう強まりました。しかし、このように、重要な証拠を一審以来隠しつづけてきた検察の態度は許せません。全面証拠開示の必要性があらためてはっきりしました。
 また、東住吉冤罪事件では、確定判決における有罪認定の柱となった朴さんの「自白」にもとづく放火再現実験の結果、「自白」のような放火が不可能という鑑定結果が出されました。その鑑定人(弘前大学・伊藤昭彦教授)への尋問が8月26日におこなわれ、あらためて有罪判決を覆す結果が出たことが証言されました。

(4)名張毒ぶどう酒事件で検察の不当な引き延ばしを許すな

 10月4日、差戻し審の最大の争点であった再製した「新ニッカリンT」の成分分析の結果が出され、以下の通り検察の主張が崩壊しました。
 今回の成分分析の鑑定は、ニッカリンT中に含まれているトリエチルピロホスフェートは、弁護団主張の17%以上か、検察官主張の5%以下であるか、また、0.58スポットに検出されたものは、弁護団主張のとおりトリエチルピロホスフェートであるのか、それとも検察官主張のトリエチルピロホスフェートではないのか、が焦点でした。鑑定の結果、再製ニッカリンTに水が溶融した場合トリエチルピロホスフェートは24.7%含まれており、また、0.58スポットはトリエチルピロホスフェート意外にはあり得ないことが判明しました。これにより、検察官の新たな主張が完全に誤っていることが明らかとなり、一方、弁護団の主張が改めて裏付けられました。
 なお、鑑定人の行ったエーテル抽出の結果(トリエチルピロホスフェートがでない場合もあるとしたもの)は、抽出条件の違いによるもので意味はありません。また、鑑定結果を受けて検察が主張する、当時の方法によるペーパー・クロマトグラフ検査の再現などは、当時の検査条件が不明なのであり、条件設定次第で結果が異なるようなものでは再現に科学性・客観性がないために、実施しても新たな混乱を招くだけです。検察がこの期に及んで主張していることの本質は、またもや新たにおこなう、不条理な引き延ばし以外の何ものでもありません。
 名張毒ぶどう酒事件は、今年で事件発生から丸50年。半世紀に及ぶ長い間、奥西勝さんは「無罪」と「死刑」の狭間で命をもてあそばれ続けています。名古屋拘置所の独房での生活は40年を超え、奥西勝さんは今年1月で85歳になりました。
 名古屋高裁刑事第2部(下山保男裁判長)に対して、直ちに不当な検察の異議申し立てを棄却し、再審開始決定の確定と奥西勝さんの釈放を求めていくことが緊急に求められています。

(5)大阪地裁所長オヤジ狩り事件国賠の勝利

 10月28日、大阪地裁所長オヤジ狩り事件国賠裁判は、一審につづき大阪高裁(坂本倫城裁判長)でも勝利判決を勝ちとり、確定させました。高裁判決では、警察の取調室という密室で行われた脅しと暴力があった事実を確認し、「このような取調方法は、不必要に威圧的で、人格を侮辱し、黙秘権等の人権を侵害しかねないものであり、国家賠償法上違法と言わざるを得ない」として一審同様、違法な取調べを認定しています。
 代用監獄を利用した密室での取調べが、「自白」強要の温床として国民の批判が高まっているなかで、代用監獄廃止と取調べの全面可視化の運動にとっても大きな力となる判決です今回の判決を今後の運動に活かしていきます。

3 第19回総会以降の活動について(総括)

(1) 活動全体としての総括

 第19回総会以降、ニュースを5回発行し、運営員会を1回開催し、ホームページをさらに充実させ、新たな加盟事件もあり、毎月第3木曜日の有楽町マリオン前宣伝もねばり強く続けています。また、刑事被収容者処遇法の5年後の見直しに対して、加盟事件から実態の報告を受けて国民救援会と連名で法務大臣に対して、抜本的な見直しと法改正を求める要請行動を行いました
 しかし、全国連絡会の果たすべき役割は大きく、その期待に十分応えられていない現状もあります。引き続き、前進面をさらに伸ばし、各事件とのネットワークの充実や重要判例や裁判資料などの集積とデータの活用など課題を遂行することが求められます。
 また、冤罪事件に対する国民の関心の高まりという好機を逃さず、加盟事件の勝利をめざし、国民救援会とより協力・共同関係を強め、国民の目に見える活動を繰り広げることが求められます。

(2) 具体的事項についての総括

 ①各事件の現地調査、集会などの取り組み
 この間、各事件で現地調査や集会などが積極的に取り組まれ、多くの参加者を得て成功しています。7月、決定が間近といわれて緊急に開催した福井・女子中学生殺人事件の第3回全国現地調査には新倉代表委員が参加しました。9月、重要な段階を迎えた三重・名張毒ぶどう酒事件全国集会には24都府県から330名が参加。10月に開かれた宮城・仙台筋弛緩剤冤罪事件の全国集会には20都府県22の支援組織から180名が参加するなど、真実を広め、支援運動の前進の契機となっています。
 引き続き、現地調査や学習会などに積極的に取り組みます。

 ②処遇改善問題
 3月18日、23年間にわた無実を訴え続けてきた日野町事件の再審請求人・阪原弘さん(75)が亡くなりました.国民救援会は守る会や弁護団とともに、阪原さんの病状の情報公開と、刑の執行を停止し外部診察を行うよう強く求めてきました。それにもかかわらず、これらの要求を退けて深刻な事態を招いた刑務所当局の責任は重大です。国民救援会は、重い病状にある袴田事件の袴田さんの刑の執行停止を求める運動を強めます。
 東京・西武池袋線痴漢冤罪小林事件の小林卓之さんは、家族、弁護団、守る会のねばり強い要請によって医療など処遇の改善が図られてきました。現在は、仮釈放を中心に関東更生保護委員会への要請を強めています。
 今年5月、刑事被収容者処遇法が施行されて5年目の見直しにあたりましたが、法務省は規則の改正のみで、国会でも法律の見直しについて審議が全く行われませんでした。連絡会は、同法の見直しにむけて、日弁連の呼びかけで、法律の全面改正を求める院内集会を市民団体とともに共催するなど、運動を進すすめてきました。
 また、連絡会は、今年7月に各支援組織に対して処遇の実態の報告を求めて、これをもとに面会、通信など外部交通権の拡大と医療問題を中心に刑事被収容者処遇法の抜本改正を求める意見書を法務省(法務大臣宛)に提出しました。引き続き共同したとりくみをすすめ、被収容者の処遇改善と権利拡大に向けて運動を強めます。

 ③5.20全国いっせい宣伝行動など
 白鳥決定を記念して「無実の人には無罪判決を」と訴える5.20全国いっせい宣伝行動と布川事件再審無罪判決後の宣伝は、42都道府県112カ所で行われ、延べで145支部714人が参加し、約2万6千枚のビラを市民に配布しました。国民救援会と協力し、昨年を上回る宣伝行動を繰り広げることができました。
 今年は、例年に増しビラの受け取りもよく、署名も628人分を集め、マスコミ18社から取材を受けるなど、連絡会の存在をアピールすることにもなりました。
 現在、「なくせ冤罪!全国行動(11月13日~20日)を取り組んでいます。全国40都道府県70カ所以上で宣伝行動が行われています。また、事務局では首都圏の支援組織に呼びかけて毎月第3木曜日に有楽町マリオン前で宣伝行動を行っています。とりわけ、5月の布川事件の無罪確定報告宣伝と7月の東電OL殺人事件の新DNA型鑑定報道直後と9月のゴビンダさんの家族も参加した宣伝は、マスコミも取材にくるなど大きな反響がありました。

 ④取調の全面可視化と証拠の全面開示の実現をめざして
 足利事件や厚労省元局長事件をはじめ相次ぐ冤罪事件の無罪判決や大阪地裁所長オヤジ狩り事件国賠裁判の勝利判決などによって、「密室での取調べがウソの『自白』を生み、冤罪を作り出している」との理解が市民のなかにも広がりを作り出しています。
 また、連絡会は、国民救援会などとともに法務大臣、国会議員への要請、街頭宣伝活動を行ってきました。
 国民の全面可視化を求める声や冤罪事件のたたかい、また弁護士会や市民団体の共同した運動の広がりのなかで、江田法相は4月、地検特捜部等で全面可視化を試行するよう検事総長に指示し、5月には取調べの可視化の法制化など捜査・公判のあり方の見直しについて、「法制審議会」に「新時代の刑事司法制度特別部会」が設置されれました。同特別部会での審議待ちにならず、取調べの全面可視化・証拠の全面開示の実現へさらに運動を強めることが求められています。
 一方、全面可視化の動きに対抗して、新しい捜査手法導入など警察権限を大幅に強めようとの動きが出ています。基本的人権を制限し、捜査権限を大幅に強めることへの警戒と批判が必要です。
 引き続き、冤罪をなくすための司法制度改革実現にむけて協力、共同のたたかいを強めることが必要です。

 ⑤運営委員会
 運営委員会は、1回しか開催していません(5月に、拡大事務局会議として1回開催した)。しかし情勢に見合う運動を展開するためにも年1回の開催では期待に応えられません。当会の活動をより活発に広範なものとするために、より頻繁な開催が求められています。各事件とも財政状況も厳しいと思うので、拘禁者の処遇改善問題で法務省などへの要請行動など組み合わせるなど工夫して開催します。

 ⑥事務局会議の開催と運営
 事務局会議は、基本的に月1回開催し、各事件の動きをつかむように努めて、それをニュースなどに反映してきました。しかし、情報の入手は発信が偏っている状況もあり改善が必要です。その点では各事件から積極的にメールなどで情報提供をお願いします。とりわけ、ホームページでの各地の行動や裁判の動きを短い記事でもかまいませんので、写真を添えて送ってください。
 また、連絡会は日本の刑事裁判でも歴史に残る重要な事件や運動に関与してきました。その実績もありマスコミ等からも問合わせがあります。こうした期待に応えるためにも、各事件の判決・決定など裁判資料のデータ化と情報提供することによって、社会的信頼を高め影響力を強めるようにします。
 そのような要求に応えていくためには、さらに事務局の強化・充実していく必要があります。

 ⑦ニュースの発行、ホームページの充実、『えん罪入門』の改訂問題
 ニュースの発行について、2ヶ月に1回発行をめざして5回の発行となりました。毎月発行という要望もありますが、連絡会の財政状況からすると年6回程度の発行で行かざるを得ません。また、現在、各事件への発送部数に大きな差があり、印刷費・送料等のこともあり各事件へ発送部数を統一することも検討が必要です。
 ホームページは、布川事件など大きな成果があり、連絡会へのホームページへのアクセスが増えました。
 『えん罪入門』の改訂版の出版は種々の活動に追われ、十分な体制がとれず、断念せざるを得ませんでした。

 ⑧財政・カンパ活動
 財政活動(加盟事件や賛助会員からの分担金・会費の集金)では、前年度では分担金の未収金が多く単年度では赤字でした。今年度は事務局でも各新組織に要請して協力を得て改善を図ってきました。しかし、また賛助会員について、積極的に会員拡大の取り組み、財政を強化することが必要です。
 年末統一募金の取り組みについては、国民救援会とともに取り組み、例年どおりの金額が連絡会に配分されました。また、連絡会としても年末のニュースに振込用紙を入れてお願いしました。

 ⑨連絡会への加入の働きかけ
 前回総会以降、国民救援会が支援している冤罪事件への加盟の要請を行ってきましたが、今期では新たに奈良・冤罪香芝強制わいせつ事件から加盟の申請がありました。
 また、獄中から裁判への助言を求める手紙などが多数寄せられました。事務局では、連絡会の目的、会則に基づいて対応していますが、重要な案件については運営委員会に報告するようにします。

 ⑩冤罪被害者の家族の困難を和らげるための組織や企画
 関西地方の冤罪事件の当事者と家族、支援団体で、「タンポポの会」が結成され冤罪犠牲者同士が交流し励まし合い、連帯を強めて運動を進めています。昨年の総会では、全国的な交流会の開催など之要望が出されましたが、具体化できませんでした。関西の「タンポポの会」の経験に学んで具体化を図ります。

4 第20回総会期の活動について(方針)

(1)事件の真実を訴えて共感・支援を広げる課題

 これまでの成果を身につけて、当事者の団結のもとに、裁判の争点・現状・展望を、「疑わしきは被告人・請求人の利益に」という刑事裁判の鉄則をふまえた再審・冤罪の法理への認識を深めながら、正確・的確に事件の真実を広く訴えて、国民的共感と支援の輪を広げることが何よりも重要です。学習、現地調査、宣伝、署名ほかの各種要請や取調べの全面可視化・全面証拠開示の制度や運用要求などで、いっそう工夫してこれを具体化するとりくみを強めます。
 また、重要な段階を迎える名張毒ぶどう酒事件、福井女子中学生殺人事件、東電OL殺人事件(この③事件は1審無罪判決)の再審開始決定を勝ちとることにより、無罪判決への検察の上訴権の禁止の課題を鋭く社会に問いかけることになります。③事件の再審開始を勝ちとるために共同のとりくみを強めます。

(2)冤罪なくす司法改革の実現をめざして

 最高検は9月30日、検察官の心構えを示した基本規程「検察の理念」を発表しました。「理念」では「無実の者を罰しない」「被疑者・被告人等の主張に耳を傾ける」など当たり前の心得を示しています。しかし実際には、無罪証拠を隠し、再審開始へ抵抗しており、この検察の姿勢を厳しく批判していくことが重要です。
 当面、取調べの全課程の可視化、検察の手持ち証拠の全面開示、代用監獄の廃止を求めて運動を強化します。具体的には、①引き続き、国民救援会および、市民団体、弁護士会との共同を広げ、市民へのアピールを広げるとともに、政府・国会へ実現を求めていきます。②今後、冤罪事件犠牲者の生の声を法務大臣や民主党などへの要請をすすめるとともに、可視化などが審議されている法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」への働きかけを強めます。

(3)処遇改善問題 

 事務局での学習会を今後も行い、収監されている人の実態を調査し、それに基づいて、刑務所においても人権が守られるようにするために、日野町事件・広島刑務所、仙台筋弛緩剤冤罪事件・千葉刑務所、東電OL殺人事件・横浜刑務所など実際の当局要請活動から学ぶとともに、国民救援会と共同でより効果的に要請ができるように研究医します。
 来年秋には、拷問禁止条約の第2回日本審査が行われる予定です。11年7月、日本政府は「政府報告書」を拷問禁止委員会に提出しています。前回の日本審査の際には、カウンターレポートを提出するとともに要請団を組織し、布川事件の杉山卓男さんと桜井恵子さんが参加して、冤罪当事者の訴えが大きな力を発揮しました。
 前回の教訓を活かして、連絡会として各事件から代用監獄での自白強要の取調べの実態や刑務所等での条約違反の処遇実態をカウンターレポートにまとめるなど、国民救援会や国際活動日本委員会と協力して第2回日本審査にむけて準備を進めます。

(4)5.20全国いっせい宣伝行動

 国民救援会と協力し、昨年よりも大規模に工夫を凝らして宣伝行動を行います。
 来年5月は、裁判員裁判の3年後の見直しの年を迎えます。国民救援会などとも協力して、冤罪を生まない司法制度改革を求める集会を検討します。

(5)国連の拷問禁止委員会や自由権規約委員会の勧告の活用

 人権規約や国連の「勧告」を学び、裁判や刑務所交渉などに活かしていきます。

(6)運営委員会

 運営委員会の開催は、当連絡会の活動をより豊かなものにするために不可欠です。運営委員の英知を集めるために必要に応じて、開催します。

(7)ニュースの発行、ホームページの充実

 ニュースは、各事件の支援団体(守る会)の活動を交流し、教訓を学ぶためにも重要です。加盟事件の支援運動を強化・発展させるために必要な頻度で発行するようにします。

(8)財政・カンパ活動

 ①加盟事件や賛助会員からの分担金・会費の集金について
  分担金納入の促進。また、賛助会員についても会費の請求をきちんと行うことが大切であり、そのた
  めに事務局会議で、集金状況を必要に応じて、到達を明らかにし、議論するようにします。
 ②年末救援統一募金の取り組み
  国民救援会とともに旺盛に取り組みます。
 ③独自のカンパ活動と賛助会員拡大の取り組み
  ニュースにカンパの訴えや賛助会員募集の訴えを掲載し、加盟事件の協力も得ながら、賛助会員
  の拡大に取り組みます。賛助会員が増えるとともに、その会費の集金などの働きかけや管理が重
  要となります。名簿の整備など不十分な現状を改善します。
  

(9)対象事件への加入の働きかけ

 国民救援会が支援している事件だけでも、まだまだ加盟していない事件があります。 支援団体があるすべての再審・冤罪事件に加盟を働きかけることが重要です。

(10)冤罪被害者の家族の困難を和らげるための組織や企画

 運営委員会で検討し、加盟事件守る会の意見も聞きながら、効果的な方法を具体的にすすめます。

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