えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

再審えん罪事件全国連絡会 第20回総会_各事件からの報告

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再審えん罪事件全国連絡会第20回総会に参加された各事件から、裁判の経過と現状、これからのたたかいなどについてレポートを頂きましたので報告いたします。            (2011年11月26日)

 各 事 件 か ら の 報 告  


名張毒ぶどう酒事件

三重・名張毒ぶどう酒事件 (殺人、殺人未遂)
再審請求人 奥西 勝(おくにし まさる)さん

2005.04.05 名古屋高裁刑事第1部(小出錞一裁判長)再審開始・死刑執行停止決定
2006.12.06 名古屋高裁刑事第2部(門野博裁判長) 再審開始を取り消す不当決定
2010.04.05 最高裁第3小法廷(堀籠幸男裁判長) 異議審決定取消・差戻決定
         「異議審決定は、科学的検討がされておらず取り消さなければ著しく正義に反する」
現在、名古屋高等裁判所刑事第2部(下山保男裁判長)で差戻し異議審が進行中

差戻し異議審の現状 (名古屋高裁刑事第2部 下山裁判長)

 3回に及ぶ進行協議を経て、2011年10月3日再製ニッカリンTなどの成分分析結果が明らかとなる。
【異議審における検察官の主張】
 ①ニッカリンTには,トリエチルピロホスフェートはほとんど含まれていないか、あったとしても5%程度(弁護団は17%程度と主張)。
 ②0.58スポットはトリエチルピロホスフェートとは異なる物質の可能性がある。
【成分分析結果】
 ①(加水下での)トリエチルピロホスフェートの濃度(重量比)→ 24.7% 
 ②再製ニッカリンTの成分は、毒物鑑定で使われた古いニッカリンTと同じ。
  =0.58スポットはトリエチルピロホスフェート以外にはあり得ない。

  検察の主張はことごとく否定された!

 鑑定後の検察官の主張....鑑定書だけでは不明部分があるとして、鑑定人尋問を要求
               結果によっては、ペーパークロマトグラフ再現実験まで主張か
 弁護団の意見.........成分分析結果をふまえれば充分に再審開始を判断できる。
               鑑定人尋問は不要、即刻再審開始を求める。
 進行協議の予定は未定

その他弁護団の活動
 ①証拠開示請求 とりわけ現場から押収されたはずの王冠類
        (歯痕鑑定に使われた王冠は事件のぶどう酒に装着されていたものではない)
 ②その他新証拠に対する意見書提出

活動報告

1.要請行動  差戻し以後、裁判所と検察庁に毎月実施(毎回20名程度参加)

名張要請行動.gif

2.現地調査・集会などの取り組み
   11.03.26~27 第29回全国現地調査 16都府県100名
   11.04.05  東京:奥西さんを死刑台から取り戻す4.5集会
   11.07.09  関西:なくそうえん罪 救おう無実の人々
         関西市民集会PartⅣ(各再審・えん罪事件と共同で)
   11.09.10  ネット・救援会 名古屋:全国支援集会 24都道府県 330名
3.署名・要請ハガキ・宣伝行動など
   要請署名......70,642筆(11.16現在)
   要請ハガキ.....4,752枚( 同 上 )
   11.01.14      奥西さんを励ます誕生日宣伝(各地)
   11.04.05      名古屋高裁前「再審の花咲け!宣伝行動」
   その他各地でえん罪いっせい宣伝や独自宣伝が取り組まれています。
4.処遇改善
   拘置所要請、法務省要請(再審連絡会、救援会と共同にて)
   絵手紙.......10月末で既に、1,000通超

今後の方針

  検察官の引き延ばしを許さず,今回の分析結果をもって一刻も早く再審開始をする決断を裁判所へ
 迫っていく。

  1.  新署名の早期普及・提出  旧署名と併せて年内10万名をめざす
  2.  新要請ハガキの即時集中
  3.  1.14 バースデイ宣伝行動(奥西さん86歳)の全国的な成功
  4.  要請行動の毎月実施 えん罪被害者の独自要請も
  5.  事件DVDなどの活用による学習の推進
  6.  全国的な学者・文化人、宗教者アピールの組織
  7.  さらなる処遇改善の取り組み(法務省・法務大臣への要請)

奥西勝さんを取り戻す運動の報告ニュース・署名用紙



東電OL殺人事件

 1997年、渋谷区円山町で起きた「東電OL殺人事件」。ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさんが逮捕され,一審では無罪となりながら、控訴審で逆転有罪、無期刑が確定して刑務所から再審(裁判のやり直し)を求めている事件です。
 再審請求を審理している東京高裁は,かねてから東京高検に対し、現場の遺留物等のDNA鑑定を行うように促していました。高検が重い腰を上げて鑑定を行った結果、次の事実が明らかになりました。(鈴木廣一大阪医科大学教授による7月23日付け鑑定書)
 被害者の遺体から検出された体液のDNAは、ゴビンダさんのものではなく、しかも現場に落ちていた体毛のDNAと一致しました。

 この事実は,ゴビンダさん以外の人物が、事件現場で被害者と接触していたことを明示し,有罪判決を覆す決定的な意味を持っています。逆転有罪とした東京高裁(高木俊夫裁判長)は、ゴビンダさん以外の人物が殺害現場のアパートに立ち入ることはおよそ考えられないと断言し,有罪の根拠としたからです。
 一方ゴビンダさんは、事件より10日も前に現場に入ったことがあるに過ぎないことが証拠上明らかです。弁護団は鈴木DNA鑑定を再審を開始すべき新たな証拠として2011年7月26日に証拠申請しました。

弁護団と裁判所を欺き証拠を隠していた検察

 ところが驚くべきことに、高検は9月2日になって、未開示証拠について追加鑑定したいとの意向を表明しました。鈴木鑑定をおこなう際には、これ以上DNA鑑定可能な証拠は存在しない、と弁護団と裁判所に告げていたのはウソだったのです。しかもその中には、被害者の頚部の付着物や胸部などから検出された第三者の唾液などという、真犯人に直接結びつく重要証拠も含まれていたのです。この唾液はゴビンダさんの無実をさらに確証するものとして、弁護団により証拠申請されました。(9月12日)
 さらに、高検は理不尽にも9月16日、「新DNA鑑定は再審事由にあたらない。あくまで有罪主張を変えない」との意見書を東京高裁に提出しました。その頃、支える会の招きで来日していた妻のラダさん、兄のインドラさんと面会したゴビンダさんは、「ここまで自分の無実が明らかになっているのに、どうしてまだ刑務所にいなければならないのか」と憤りを隠さなかったそうです。
 足利事件、布川事件につづく司法の重大な過ちを許すことはできません。私たちは、東京高裁がすみやかに再審開始を決定すると同時に、東京高検が直ちにゴビンダさんを釈放することを強く求めます。

ゴビンダさん無実の新たな証拠と参考資料

fileゴビンダ通信No48と再審の新展開と家族来日の報告
file新DNA鑑定をめぐる経緯とゴビンダさん無実の新たな証拠
file鈴木鑑定は、新規明白の証拠と三者協議の経緯

再審開始要請・署名用紙

再審と刑の執行停止のための署名に、ご協力下さい....file再審開始要請の署名用紙


■連絡先 無実のゴビンダさんを支える会
     〒160-0004 東京都新宿区四谷2-10 初はシビル7階 現代人文社気付
 


福井女子中学生殺人事件

 福井女子中学生殺人事件の再審請求運動は、04年7月に再審請求してから今年で丸7年を迎えました。今年1月7日と20日に証人尋問が行われ、その後、3月8日までに検察、弁護団双方から最終意見書が裁判所に提出されました。
 それから間もなく8ヶ月が経過しています。裁判所から何時決定が出されてもおかしくない重要な段階に来ていることは間違いありません。
 この間、私たちは全国の皆さんの協力も得ながら、10月18日に20回目の要請行動を行いました。今年に入ってからは8回目の要請行動でした。裁判所に提出した署名は、団体が239、個人が32,168人分です。
 それにしても、「裁判所の決定が出されるのが遅いのではないか」という思いは私たちもしています。しかし、10月15日の県本部大会で報告(50分)をして頂いた弁護士の吉川先生に言わせると、棄却決定ならすぐ出せるだろう、長引いているということは慎重を喫している。いい加減な決定は出せないと言うことだといわれました。
その後、弁護団事務局長の吉村悟弁護士は、「いま裁判長は一生懸命書いている。年内に決定がでる可能性もある」と言っています(11月8日)。
 私たちは、こうした状況をふまえ、なんとしても一日も早く再審開始の決定を勝ちとる立場から、11月29日(火)に第21回目の要請行動を行います。この日は、午前11時から街頭宣伝、午後1時半から要請行動を行う予定です。
 皆さんもご承知のように、えん罪事件で一昨年の足利事件、今年の布川事件で連続して無罪判決を勝ちとりました。この流れを福井事件、名張毒ぶどう酒事件など多くのえん罪事件の勝利につなげて行きたいと思います。共に頑張りましょう。

2011年11月9日
国民救援会福井県本部
福井女子中学生殺人事件・事件対策委員会



えん罪袴田事件

静岡地裁は、一日でも早く再審開始決定を!

捜査機関のねつ造の疑い、さらに濃厚に

 袴田巌さんが逮捕・起訴され第一審が行われた静岡地裁で検察官が起訴状を読み上げたときに犯行着衣はパジャマと指摘した。しかし、1年2ヶ月後に味噌樽の中から麻袋が見つかり5点の衣類が中に入っていた。検察側は、犯行着衣をパジャマから5点の衣類にあっさりと変更した。なぜパジャマから変わったのか。パジャマではつじつまが合わない箇所が多く、袴田巌さんを有罪とするのには決め手が欠けていた。そこで袴田巌さんを有罪とする決め手として捜査機関が策を練ったのが犯行着衣の変更だった。しかし、当時の捜査機関が証拠をねつ造する手段として、したいから血を抜いて5点の衣類に返り血を浴びたような細工をしたか。それとも全く関係のない動物の血で細工したのか。今、DNAの再鑑定が行われている。もうすぐ結果が出される。DNAの鑑定で血痕が被害者の者でない、人血でもない、このような鑑定が出されれば袴田巌さんは完全無罪、検察は直ちに袴田巌さんを釈放すべきです。
 10月10日に開催した国民救援会第38回静岡県本部大会では、袴田事件の支援運動を全国に広めて、第二次再審請求審が行われている静岡地裁に、20,000名の署名を集め要請することを決めました。県本部では、袴田弁護団が作成したパンフを活用し、署名用紙を添えて都道府県本部に協力要請を年内に行う予定です。
 事件の地元、国民救援会清水支部は、11月6日開催の支部大会で袴田弁護団の小川秀世弁護士から「袴田事件第二次再審請求審とDNA再鑑定」について学習、来年には全国現地調査が開催できるよう準備を始めています。

2011年11月02日
日本国民救援会静岡県本部  佐野邦司


冤罪袴田事件の学習会を開催

 国民救援会清水支部は支部大会を11月6日に開催しました。開催に先立ち冤罪袴田事件の学習会を計画しました。「第2次再審請求の経過とDNA型鑑定」と題して、袴田事件弁護団の小川秀世弁護士が報告しました。
 小川弁護士は、再審請求に際しての経緯、袴田巌であることを否定しているために、弁護人選任届を書いてもらえない、死刑囚・再審請求をしてきたことの否定、書面の受け取り拒否などがあったこと。成年後見人選任の申し立て、東京家庭裁判所の逃走・・・鑑定書を開示しない、東京高裁に抗告・・・補佐人の選任。袴田秀子さんが補佐人に選任されたことで再審請求が可能になった。このような経緯があったことなどを語りました。
検察官の対応の劇的変化
 その1 検察官の公益立場の自覚...開示に前向きに取り組むことを言明
 その2 開示に前向きの裁判所
 その3 公判前整理手続きとそれに基づく門野博元裁判官の論文
 その4 検察官による任意開示...但し、5点の衣類に限定
DNA型鑑定請求に至る経過
 1 一般的な鑑定技術の発展
 2 裁判所の示唆
 3 鑑定人の協力...前鑑定への疑問
 4 検察官の反対がなかったこと

 鑑定結果は12月22日までに明らかにされる.弁護団は、鑑定可能の場合は、即時に再審開始要求を行う。鑑定不能の場合は、他の新証拠による再審開始要求をしていくことになる。いずれの場合でも、心神喪失を理由とする死刑停止、身柄拘束からの解放を求めていく。恩赦もそのひとつである。
 国民救援会が事件の地元である旧清水市で「袴田事件の学習会」を行ったのは2008年以来のことであり、朝から降り続いている雨の中を39名が参加しました。裁判の進み具合も早いこともあり、来年の早い時期に全国現地調査を行うことを支部大会でも確認しました。

2011年11月07日
日本国民救援会静岡県本部  佐野邦司



仙台筋弛緩剤えん罪事件

2011年11月23日
守大助さんを守る会

守る会・支援する会が全国に26も誕生    

再審にむけて大きく前進

 3月11日、未曾有の大地震と巨大津波が発生し、多くの犠牲者が出ました。災害に遭い亡くなられた方、被災された方々に心から哀悼の意を表し、お見舞いを申し上げます。
 私たちは、昨年11月27日第3回守る回総会を開き、一日も早く守大助さんの無罪を勝ちとるため、弁護団と共に再審請求を行う方針を決めて活動してきました。
 1月7日に家族、守る会、救援会も参加した合同弁護団会議を開いてから、今日まで活動を展開してきたところです。
 大震災による活動の中断を余儀なくされましたが、9月17日~18日守る会全国交流集会を180名の参加で大きく成功させ、地元のマスコミにも報道されました。交流集会では、全国の支援運動の前進と到達点の確認、全国の守る会との運動の交流、今後の組織と運動の全国的な発展をさせていくための「全国連絡会」の結成などを確認しました。
 守る会・支援する会が全国に26も誕生するなど再審にむけて大きく前進していると確信するものです。5月24日に再審で無罪判決を勝ちとった「布川事件」が、私たちに大きな勇気と励みになったと思います。
 足利事件、布川事件の勝利に確信を持って、守大助さんの無罪を勝ち取るため共に頑張りましょう。

1年間取り組んだこと

 1) 守る会の活動
  ① 役員会は、毎月1回を勉強会も兼ねて開催し、情報交換の及び学習の場として位置づけて取り組
   んできました。
  ② 街頭での宣伝行動は、原則第3土曜日に役員会の開催前にフォーラス前にて12時から1時間、
   国民救援会と共同で行ってきました。参加者は10~15人と時々によってバラツキがありますが元
   気よく、守大助さんの無実の訴えとあわせ国民救援会が取り組んでいる人権問題について時節に
   あった内容で訴えてきました。
  ③ 課題のニュース発行は、当初は隔月をめざしましたが「No.23~No.26」まで発行しました。
 2) 千葉刑務所に対する処遇改善要請は
   所長にある裁量権が自由にならない「人手不足」を理由として最低基準で運用されていることを改
  善させるためと被収容者の人権を認めさせるために取り組んできました。最近では面会に対して規
  制をかけるなど、処遇法に反するような不当な制限が出てきていますので、大助さん及び支援者の
  方々と連携して、外部交通権など入所者の過剰な人権侵害をさせないよう強化する必要がありま
  す。
 3) 今年のメーデーは
   大震災の甚大な影響から開催すら危ぶまれていましたが、「働く者に元気、地域に元気、復興メー
  デー」として開催されたことからアトラクションなしのため、毎年恒例としていました壇上からの訴えと
  決意表明はなくなりました。その分、例年以上に会場での宣伝とデモ行進で市民に訴えてきました。
 4) 昨年の総会以降の家族の活動は
   毎年1回の息子への面会と街頭および全国の様々な集会に出かけ息子の無実を訴えています。
  2008年2月25日上告棄却から現在まで、186カ所、街頭での直接の訴えも含めると約24,000人の
  人達に息子の無実を訴え続けています。

全国の動き

 1) 全国を走り回る家族と弁護団の訴えの中で
 昨年の大会(11月27日)以降に7つの守る会が結成されました。全国の国民救援会県本部、各支部、「守大助さんは無実」のために活動して頂いています支援者の方々の賜だと思っています。
 2) 全国に支援組織が増えてくる中
 全国の広がりに見合った運動のは点と再審請求審にむけた闘い方の意思統一が必要との支援者の方々から多くの声が寄せられ、中央本部事件対策委員会で議論され、中央本部、宮城県本部、宮城守る会の三者の呼びかけで、9月17(土)~18日(日)に仙台弁護士会館で、全国から180名(22会)が参加して交流会を開催しました。
 全国交流会に先立って行われた宣伝行動には、交流会参加者ら14都府県42名の参加で大宣伝行動となりました。(宣伝の様子は、地元放送局が夕方と夜の2回にわたって放映され、また翌日の地元紙には集会の記事が載りました)
 交流集会では、各守る会・支援する会の活動の様子と貴重な経験が報告され、全国連絡会の結成に向けた準備会の確認をし、再審にむけての意思統一を行いました。



痴漢えん罪西武池袋線小林事件

 昨年(2010年)7月に最高裁から上告棄却の不当判決を受けた小林卓之さんは、「刑の執行」のため同年10月19日に東京高等検察庁に出頭し、現在、静岡刑務所に収監されています。
 国民救援会東京都本部、小林事件支援する会、弁護団は、小林さんの「刑の執行」に対して、膠原病全身強皮症や2年前に起きた脳梗塞など、本来、専門医の治療を受けなければならない状況や、主治医が「難病者の刑の執行は、適切な治療を奪う者で重大なこと」と生命の危険を危惧していたこともあり、刑事訴訟法に基づき「刑の執行停止}を求めてきました。テレビなどマスコミも、えん罪だけでなく難病の小林さんの「刑の執行」のひどさを報道。また、インターネット上で「小林さんの命を守るネットユーザーの会」が作られ、短期間で、「執行停止」を求めるネット署名が2000筆集まるなど社会的にも大きな反響を起こしました。
 さらに、10月13日(30名)や19日(50名)の収監当日には、救援会員、支援者などが霞ヶ関・弁護士会館前での宣伝行動や法務省への抗議・要請を行いました。しかし、法務省・東京高検は「刑の執行」を行い、小林さんは車椅子で収監されました。
 小林さんは、東京拘置所から、11月に静岡刑務所に移監。東京都本部、支援する会や婦人民主クラブはじめ、地元国民救援会静岡県本部の皆さんとともに、毎月静岡刑務所へ激励面会と共に処遇改善の要請を行ってきました。4月には、霞ヶ関での宣伝行動と法務大臣に対して「刑の執行停止」を求める要請行動や6月に入って、刑法28条「刑期3分の1を経過した後、仮に釈放することができる」という要件を満たしたことから、7月7日には関東地方更生保護委員会、7月11日には静岡刑務所にたいして早期の仮釈放を行うよう要請行動を行いました。10月には、小林さんが関東更生保護委員会にたいして「仮釈放申請書」を提出。仮釈放にむけた具体的動きが始まりました。
 裁判については、今年2月24日に、弁護団が痴漢えん罪事件では全国的にも始めての再審裁判を求める申立てを東京地方裁判所に行いました。当日は、支援する会として「再審開始・刑の執行停止を求める2.14集会」を行い、長野県や愛知県からの参加者も含め72名の方が参加しました。現在、弁護団は、新たな証拠の準備と主張の補充作業を行っています、
 現在、小林さんも健康面では、弁護団による治療や薬、刑務所生活での改善を記した12通に及ぶ要望書や支援者の声や要請によって、刑務所としては相当配慮ある対応がなされてきており、安定した状況で生活しています。しかし、68歳で、難病や脳梗塞の後遺症もあり、冬の寒さや夏の暑さなど刑務所生活は相当身体にこたえています。支援運動としては、当面、小林さんの一日でも早い仮釈放を実現するため、静岡刑務所、関東地方更生保護委員会に対しての要請書名などに全力を上げて取り組んでいます。ご支援よろしくお願いします。



長野・あずさ35号窃盗えん罪事件

事実と違う「被害者」の供述

 2005年5月10日、JR新宿駅6番線ホームで、午後9時発の特急あずさ35号松本行きで東京への出張から帰宅しようとしていた地方公務員の柳澤広幸(当時37歳)が、電車内で財布を盗ったと咎(とが)められ、逮捕・起訴された事件です。一審の東京簡裁は無罪としましたが、東京高裁で逆転の有罪(懲役1年2月の実刑)、最高裁で上告棄却され、柳澤さんは服役後、無実を訴えて再審を求めています。

事件の概要

 事件当日、柳澤さんは同伴者と2人で禁煙車に乗車。出発までの時間を利用し、売店で買ったシュウマイを白い手提げ紙袋に入れ、タバコを吸うために喫煙できる5号車(自由席)に乗り、通路で立ってタバコを吸っていると、車内が混雑してきたため、右窓側1番A席の空席に座りました。持ってた紙袋は両足の甲に乗せ、前の座席に立てかけるように置きました。一服し、紙袋を持って席を立ち、自席に戻ろうと歩き出した時に、背後からA男に「財布を盗ったろう」声をかけられ、財布を顔の前に突きつけられました。
 柳澤さんは、自席を離れホームで話していたA男とB女(ともに未成年)の2人に、言いがかりをつけられ脅されたと思い、パニック状態になりました。車外に降ろされた柳澤さんは「明日も仕事があるので電車に乗せてください」と名刺を出し、事情を説明するため駅事務室へ向かいましたが、警察署に連行され、A男による「現行犯逮捕」とされ、4ヶ月間勾留されました。柳澤さんは一貫して無実を訴えてきました。

一審無罪、逆転有罪

 東京簡裁の無罪判決では、ホームから犯行を見たとするA男、B女の供述は信用できないとしました。裁判所による現場検証も行われ、あずさ号の窓の大きさ、イスの高さ、A男B女2人と電車との距離などから、バックから財布を盗ることを目撃することは不可能であると認定。そして、2人が供述した「犯行の様子」なども不自然であり、虚偽の疑いもあること、反対に柳澤さんの主張は一貫しており信用できると、しました。また、捜査についても、逮捕時に両者の主張が根本的に違う場合は慎重な捜査が必要、と批判しました。
 ところが東京高裁は、何ら根拠なく、「B女はバックのことを気にしていたというから見えないところにいたのは不自然であり、見えたという供述は信用できる」「女性らが嘘をつく動機はない」と不当な有罪判決を言い渡しました。
 最高裁段階で、柳澤さんが目撃証人を求めて配ったビラを見て、A男と言い争っているのを見た証人が名乗り出ました。A男は、柳澤さんを先回りして6号車よりのデッキで柳澤さんが持っていた袋の中から財布を取り戻して追及したとしていますが、柳澤さんは座席を立ったらすぐ後ろから声をかけられたと主張しています。この証人は、柳澤さんが証言した位置で言い争っていることを目撃しており、柳澤さんの証言の正しさを裏付けました。しかし、最高裁は上告棄却の不当決定でした。

誤った裁判のやり直しを求めて

 事実と証拠を無視した不当な裁判によって「犯人」とされ、服役を余儀なくされた柳澤さんは、「許すことはできない」として、現在再審請求を準備中です。

連絡先 柳澤広幸さんの無実を勝ちとる会
     〒392-0012 長野県諏訪市大字四賀7101番地  藤沢仙芳 方



大崎事件

原口アヤ子さんと元夫の一日も早い再審開始を!

鹿児島地裁は、一日も早く原口さんに再審開始決定を出してください

 大崎事件は、1979(昭和54)年10月、原口アヤ子さんが元夫と義弟の2名とともに被害者を殺害し、さらに甥を加えて4人で、被害者の遺体を遺棄したとされた事件です。元夫ら3人は一審の鹿児島地裁で有罪が確定。原口さんも81年1月、最高裁で懲役10年が確定しました。 原口さんは、当初から一貫して無実を訴えてきました。そして、事件から31年余が経過しています。
 昨年8月、原口さんは第2次再審請求の申し立てを行い、今年5月、大崎事件で着せられた殺人犯の汚名を何としても晴らしたいと鹿児島地裁で、自己の潔白を訴える意見陳述を行いました。
 2002(平成14)年3月、鹿児島地裁は、確定審が原口さんを有罪とした根拠となった証拠をつぶさに検討し、有罪の決め手となった「共犯者」たちの自白も、客観証拠も信用できないとして、原口さんに再審開始決定を出しました。それを福岡高裁宮崎支部は、事実調べもしないで、まともな理由もなく、再審開始決定を取り消したのです。
 いま行われている第2次再審請求審で、弁護団は新たな法医学鑑定や供述心理鑑定等の新証拠を提出しています。これらの新証拠によって、「共犯者」とされた人達の知的障害に全く配慮しないで捜査や裁判が行われたこと、それによって「共犯者」たちがウソの「自白」に追い込まれたこと、さらに、ウソの「自白」が被害者の遺体の状況など客観的証拠と全く合わないことがさらに明らかにされています。
 原口アヤ子さんの再審を求める署名は、現在11,500筆集まっています。第1次の時には、地裁段階で3万、高裁段階で4万、最高裁段階で2万5千集まりました。この第2次請求審で何としても原口アヤ子さんの再審開始を勝ちとるために、10万の署名を集めたいと思います。そのためには、事件の真実をもっともっと多くの人に語り広げることが必要です。
 国民救援会は、9月末に開かれた第7回中央常任委員会で、哀歌が事件・布川事件で勝ちとった「無実の人を救おう」との流れをさらに大きくし、えん罪事件の勝利をめざし「なくせ冤罪!全国いっせい行動_足利・布川に続き無実の人々を救おう」(11月13日~20日)を取り組みました。
 この行動に呼応して、大崎事件でも毎月15日の天文館の宣伝行動といっしょに中央駅や大崎町や大隅で、また鹿児島市内で学習会や裁判所要請などとりくみを強めたいと思います。
 原口アヤ子さんの元夫の追加再審請求審で支援の輪をさらに広げることができると確信しています。
 原口アヤ子さんが元気なうちに一日でも早く再審開始を実現させるために皆さんのお力を貸してください。ともにがんばりましょう。

鹿児島県本部 福一



えん罪姫路強制わいせつ事件

...証拠は女性供述のみ

事件の概要

 2007年9月21日、職場で体調を崩した女性職員(以下A子)を、上司である男性が病院からA子のアパートまで車で送りました。食事を心配した男性に、A子は「マクドナルドのハンバーガーなら食べられる」と言うので男性はカギを借りて一旦仕事に戻り、女性が寝ている間にそっと夕食を差入れました。また、A子の車は病院に止めたままなので、翌22日朝の出勤も男性が迎えに行きました。事実はただそれだけです。
 ところが約半月後、A子は、男性がアパートに上がり込んで体を触ったと言いました。この話を聞いた社長が、毛札に相談したことから捜査が始まり、男性は逮捕・起訴されました。

明確なアリバイ

 この事件で「犯行」を裏付ける証拠はA子供述だけです。A子は、①男性が差入れにきたときと、②翌朝迎えにきたとき、部屋で体を触られたと供述。
 一方、男性は「差入れと送迎は事実だがすぐに帰った。わいせつ行為はしていない」と主張。男性には明確なアリバイがあります。
 まずA子は①の時刻を、「19時から20時の間の30分間」と供述しています。しかし、職場のタイムカードは男性の19時20分退社を記録しています、職場からマクドナルド経由でA子宅まで1時間、逆にA子宅から職場に直行すると30分なので、19時から20時のどの時間帯もA子宅にいることはできません。
 そこで判決は、犯行時刻を20時30以降と認定しましたが、男性は車で1時間かかる自宅に帰宅してテレビを見ると「阪神がボロ負けしていた」と供述しており、実際に阪神が8対1で負けたこと、試合が21時06分に終了したことが供述後明らかになっています。
 ②の「犯行」時間についてA子は一貫して「朝6時半にきて30分間(7時まで)部屋にいた」と主張しています。しかし、男性のタイムカードは7時09分出勤を記録しており、A子宅から職場まで来るまで30分かかります。
 そのため検察官は時刻を30分早め、6時に訴因変更を申し立て、神戸地裁姫路支部は「懲役2年」の実刑判決を言い渡しました。

不意打ちで有罪

 男性は、「迎えの直前、『あと5分で行く』とA子に電話したので電話の記録を調べてもらえば6時30分と分かる」と訴えており、NTTドコモ関西も、裁判所の問合わせがあればデータを提供すると回答しました。ところが大阪高裁は第1回公判でこの調査を却下。
「6時30分訪問としても10分程度の犯行は可能」と、時間を短縮して有罪判決を出しました(実際は10分でもA子の病院経由ではタイムカードに間に合わない)。
 しかし「10分」というのは判決で始めて裁判官が言い出したもので、A子も検察官も主張していない、「不意打ち」の事実認定です。
A子が何のためにウソをついたのかは不明です。はっきりしていることは、A子は男性に借金のお礼メールを送っているのに「お金を借りたことはない」などと明らかなウソを法廷でいくつも繰り返していることです。
男性はA子の供述だけで有罪判決を受け、最高裁でこの不当判決が確定しました。現在、A子による損害賠償請求裁判をたたかっています。

連絡先  国民救援会兵庫県本部
      〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通6-6-12 山本ビル



えん罪・西宮バイク事件

 2004年1月、西宮市で発生した郵便バイクと歩行者(男性)がはねられたひき逃げ事件。歩行者は死亡。配達業務中の鵜飼晴行さんは突然、左後方から強い衝撃を受け転倒。一時意識を失ったが、当初から自分も被害者と訴えています。
 事故原因の究明には歩行者の遺体のレントゲン写真の検討が不可欠だが裁判所は証拠調べせず、正確な遺体の状況も不明なまま業務上過失致死罪で禁固2年6ヶ月・猶予4年が確定後に免許取り消しを不服とした行政訴訟で入手できたレントゲン写真から、歩行者の右側に単車では商事得ない粉砕骨折が発見され、四輪車のバンパーなら合理的説明ができるとの法医学鑑定を得て再審請求。しかし08年、最高裁で棄却。また、免許取消処分の取り消しを求める行政訴訟も敗訴。現在、再審請求のために裁判記録から存在すると考えられる目撃者を捜しています。
連絡先  国民救援会兵庫県本部
      〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通 山本ビル



滋賀・日野町事件

阪原さんの一周忌にむけて第2次再審請求準備中

日野町事件とは

 1984年12月、滋賀県東部の日野町で酒小売店の女店主が殺害され、手提げ金庫が盗まれました。事件発生から三年後、1988年になって、この店でコップ酒を飲む常連客であった阪原弘さん(当時53歳)が日野警察署に呼び出され、連日のように取調べを行い、「認めなければ、嫁の嫁ぎ先に行ってガタガタにする」「親戚や近所を火の海にしてやる」などと脅しや暴行を加えました。阪原さんは、平常な判断力をなく、ウソの「自白」をさせられました。警察は、阪原さんが酒代欲しさに、手提げ金庫を脇に置き帳面をつけていた女店主の隙を突いて居間に上がり、首を手で締めて殺害し、死体を車で宅地造成地に遺棄し、その店内に戻って物色し、手提げ金庫を山に持っていって5万円を奪ったとされました。

裁判の経過

 裁判では、無実を訴えましたが、1995年大津地裁で無期懲役の有罪となり、控訴しましたが、1997年大阪高裁で控訴棄却となり、最高裁で2000年に有罪が確定し、服役を余儀なくされました。
 2001年、阪原さんは日弁連の支援を受け、大津地裁に再審請求を行いました。

事件の問題点

 この事件では、ウソの「自白」以外に阪原さんと犯行を結びつける客観的な証拠は存在しません。反対に阪原さんには、犯行当日は知人宅で酒を飲み、そのまま翌朝まで寝たというアリバイがあること、「自白」では首を絞めたとされているにもかかわらず、遺体には紐などを使って絞めたという鑑定結果があることなど、「自白」が却下的な証拠と矛盾し、作られたものであることが明らかになっています。

再審にむけて

 大津地裁は2006年阪原さんの再審請求を不当にも却下し、阪原さんと弁護団は大阪高裁に即時抗告をしました。
 阪原さんは、広島刑務所に服役していましたが、2010年から食事が食べられず、免疫力が落ち、体重が34キロにまで落ちて重篤な状態になりました。家族や支援団体は、幾度も治療や刑の執行停止などを要請しました。検察庁は12月に阪原さんの刑の執行停止を決め、外部の病院に入院させましたが、2011年3月18日に亡くなりました。
 阪原さんの死亡によって、大阪高裁審理中だった第1次再審請求は打ち切りになりましたが、家族が2012年3月の阪原さんの一周忌にむけて第2次再審請求を申し立てる準備をしています。



奈良・冤罪香芝強制わいせつ事件

....犯人像、大きく食い違う

事件の概要

 2006年12月12日夜、奈良県香芝市内の路上で、帰宅途中の女子高生が、道を聞いてきた男性にその後待ち伏せをされ、わいせつ行為を受けました。犯人として、軽度の知的障害のある中南(なかみなみ)源太さん(当時25歳)が逮捕され、警察から強要されて「自白」しました。しかし、アリバイを思い出し、「自白」を撤回、否認しましたが、強制わいせつ罪で起訴されました。中南さんには前科がありますが、刑に服し、家族と立ち直ろうとしていた矢先のことでした。
 この事件では、目撃者や物的な証拠がないため、被害者の供述の信用性が争点になりました。被害者は、警察での「面割り」では何枚もの写真の中にある中南さんを選び、法廷では犯人に間違いないと証言。奈良地裁は2008年3月31日、被害者の証言は信用できるとして、懲役2年6月の判決を言い渡しました。

犯人像と異なる

 しかし、被害者が語る犯人像と中南さんとは大きく異なっています(下表)。とくに身長については、被害者は対面した犯人の身長を「180センチくらい」と供述、一方、中南さんは168センチ。有罪判決は、154センチの被害者から見れば「見上げるほど長身という点では異ならない」としています。しかし、当時被害者は182センチの男性と交際しており、事件直前までその男性と一緒にいました。その被害者が、10センチ以上低い身長を「180センチ」と間違えるでしょうか。

比較表.png

「自白」が無実示す

 中南さんの話によれば、「自白」と女性の供述も大きく食い違います。①「自白」では、犯行の際に携帯電話をしていたとなっていますが、通話記録はありません。②被害者は高校の制服を着ていましたが、「自白」では「年齢20歳位)。③被害者は「犯人は走って逃げた」旨述べていますが、「自白」では「単に逃げた」となっています。
 なお中南さんは、「自白」を撤回した後は、 犯行時間には家で母親とテレビを見ていたと主張し、母親も同様の証言をしています。

再審を求めて

 しかし、奈良地裁では不当な懲役2年6ヶ月の有罪判決でした。また大阪高裁、最高裁でも有罪判決で確定しました。
 中南さんは、服役を終えて、誤った裁判を正したいと再審を準備中です。

<激励先> 中南さんを守る会
       〒630-8325 奈良市西木辻町200 白鳥ビル2F 国民救援会奈良県本部内

全国連絡会20回総会への報告

えん罪・香芝強制わいせつ事件
中南源太さんを守る会事務局

1.はじめに

 私たち「守る会」は昨年4月、中原源太さんが刑期満了によって出所し、『あくまでも「えん罪」を晴らす』との決意のもとに「再審」への取り組みを開始しました。
 中南源太さん家族の強い絆のもとに弁護団が結成され、「守る会」、国民救援会奈良県本部も支援を続けることを決め、今日にいたっています。

2.現状は

 (1)弁護団の結成のもとに、家族、「守る会」、救援会が一体となって会議を開催しています。
 (2)これまでに弁護団から、裁判についての経過や問題点が報告され、認識を深めてきました。
 (3)認識を深める中で、争点は、証拠が「被害者の証言」のみ...という現実にそれぞれの疑問点の解明に時間がかかっています。
 (4)「被害者証言と自白の任意性について」の鑑定を供述心理学の濱田寿美男先生に依頼しています。今年中に完成の予定です。
 (5)目撃者探し継続中です。

3.これからの取り組みについて

 (1)「守る会」第3回総会を12月3日(土)に開催し、運動を強化していきます。
 (2)「守る会」の学習会など独自活動を強化する体制を整えていきます。
 (3)弁護団会議の方針のもとに、「守る会」として行動していきます。
 (4)全国連絡会との連携も深めていきます。
 (5)被害者側との接触を試みてみます。

もしあなたが裁判員だったらこの証拠でどう判断しますか?

滋賀・JR山科京都駅間痴漢冤罪事件

....痴漢常習者と間違われ

突然の逮捕

 2011年1月18日、中学校教諭の柿木(かきぎ)浩和さんはJR東海道本線の石山駅から高槻駅への通勤途中、山科、京都駅間で、尾行張り込みを続けていた私服警官たちに取り囲まれていました。

身動きとれず

 事件発生前、柿木さんと同じ路線を利用する女性から、京都府警に痴漢の被害にあったと相談が寄せられ、警察は捜査を開始しました。警察は、複数の痴漢被害者が話した犯人の「風貌」に似ているとして柿木さんを、痴漢の常習者としてマーク。10日間にわたって監視、追尾をしていました。
 事件当日は、雪のために、ダイヤが乱れていました。柿木さんの乗った電車も発車が遅れ、列車内は大変混雑しており、身動きもとれない状態でした。

物証なき事件

 「被害者」とされる女性は、京都駅で電車を下車して立ち去ろうとしていたところ、同じく下車した女性警察官2人に呼び止められ、「被害」申告したというもので、果たして「被害」の自覚があったのか疑問です。加えて、「被害」の内容についても「京都駅を降りる際に臀部を撫で上げられた感触があった」という警察官の「現認」行為以上のことについても、ほとんど触れられておらず、警察官の誘導が強く伺えます。
 また、当日の混雑した電車内で痴漢行為を現認することは、弁護団が行った再現実験でほとんど不可能であることも明らかになりました。そして何より、逮捕直後に行った微物検査では、柿木さんの手には被害女性の服の繊維が付着しておらず、柿木さんと犯行を結びつける客観的証拠は何もありません。つまり、柿木さんが痴漢行為を行ったとの証明は、直接的には警察官の証言しかなく、その警察官の目撃供述でさえ曖昧で、その内容は変遷しています。

逮捕へ躍起に

 捜査の端緒となったそのもの「痴漢被害者が話した話した犯人の風貌」についても、実際にその日の柿木さんの服装や風貌とは全く異なっていて、別人としか考えられないものでした。柿木さんを「痴漢の常習者」としたことが見当違いだったのですが、複数の痴漢被害者の申告がなされ、犯人逮捕のために構えて出動していた警察には「犯人」を捕まえないわけにはいかない事情がありました。
 柿木さんは、逮捕後から一貫して容疑を否認し、現在、京都地裁でたたかっています。

連絡先   日本国民救援会滋賀県本部
      〒520-0051 滋賀県大津市梅林1丁目3-30 滋賀県労連内



東住吉冤罪事件

「東住吉冤罪事件」の現状報告

「東住吉冤罪事件」を支援する会

事件概要

 1995年(7月22日)、大阪市東住吉区の青木惠子さん宅が全焼し、入浴中だった青木さんの長女(小学校6年生)が逃げ遅れて亡くなりました。火災原因が特定できなかったことから、青木さんと内縁の夫が保険金目的の放火殺人事件の犯人として逮捕、起訴されましたが、2人は公判開始以来、一貫して無実を主張しています。「朴自白」以外に直接証拠はありません。
 2006年、最高裁で無期懲役が確定し、青木さんは和歌山刑務所、朴さんは大分刑務所に収監されています。

再審請求とその後の状況

 2009年7月に朴さん、8月に青木さんが「真犯人は漏れた気化ガソリンと風呂釜の種火」等々の新規・明白な証拠の数々をもとに、大阪地裁に再審申立をしました。2009年12月~2011年5月までの10回にわたる三者協議の中で、弁護団は証拠開示請求とともに、朴自白の信用性をめぐって、新たな再現実験の実施を強く要請してきました。その結果、今年5月20日、裁判所も了解し、検察事務官が立ち会いのもと、新再現実験が行われました。三者協議での新再現実験報告後、8月26日の第13回三者協議において、実験を監修された弘前大学の伊藤昭彦教授に対し証拠調べの尋問が行われ、10月31日に弁護団は新再現実験結果を盛り込んだ最終意見書を提出しました。

新再現実験

 本事件の証拠は朴さんの「ガソリン7.3リットルを床に撒き、ターボライターで火をつけた」とする自白以外にありません。新再現実験は、「ガソリン7.3リットルを撒き終わる前に風呂釜の種火に引火し、朴自白の放火行為は不可能」であることを真正面から立証するものです。
 再現した土間兼車庫に火災事故当時に置かれていた車と同種の車両を配置し、風呂釜、浴槽、煙突、車庫の傾斜等を可能な限り再現しました。朴自白どおり7.3リットルを撒き切るには36秒かかることを別途、水で確認し、その速度で居間に面していた車の左後方部ポリタンクに入れたガソリン7.3リットルをまくと、まき始めて20.8秒でガソリン蒸気が風呂釜の種火に引火。あっという間(1.6秒)に小屋は真っ赤になりました。
 今回の実験では7.3リットルのガソリンを36秒のみでなく、60秒かけてまく実験も行いましたが、ともにまき始めて約20秒で、すなわちガソリンをすべてまき終わるまでに種火に引火し、着火の動作に移る前に火だるまになってしまうことが分かりました。この実験によって、自白どおりの放火行為は不可能であることが証明され、自白が全くの虚偽であることが判明しました。

活動状況

 以上の状況を踏まえ、11月5日~6日には弁護団の協力のもと、100名を超える参加者を迎え、第1回全国「現地調査」を行いました。その席上、①署名を集めてください。②学習会を開催してください。③支援する会の会員を増やしてください(カンパもよろしくお願いします)。と3つの行動提起を行い、広く支援を呼びかけました。早速、会員になっていただいた方、また、支部大会での学習会開催を約束していただいた支部もありました。
 今後、宣伝活動、労働組合へのオルグも行い、一日も早い再審開始を求めて多くの署名を大阪地裁に届けていきます。皆様のご協力、ご支援をよろしくお願いします。

再審開始めざす・署名用紙

大阪地裁オヤジ狩り事件

画像の説明

11/11 大阪高裁国賠請求裁判の勝利が確定

大阪地裁所長オヤジ狩り事件の国賠請求を支援する会
国民救援会大阪府本部
やった! 原告5人のみなさん おめでとう!
報告集会.gif

全国のみなさん、支援する会、団体のみなさん、長い間のご支援ありがとうございました

 10月28日、大阪高裁別館81号法廷において午後1時10分、坂本裁判長の判決の言い渡しは3分ぐらいで終わりました。傍聴席には入れない人であふれ法廷の外で待機し、判決はどうなったのかと心配しながら待っていました。法廷の小さな窓から中を見ると傍聴者の方が喜んでいる方がいなかったので心配していました。判決が終わって傍聴者の人に聴いても「なんだかわからない判決だった」という人もおり、戸谷弁護士に聞くと「勝利の判決と評価していい」と言われて待っていた支援者の方から「やった!」「良かった」と歓声が沸き起こり、皆ほっとしていました。

大阪高裁前にて勝利の一報に喜ぶ支援者

 高裁前の玄関で国民救援会府本部の河角事務局次長が「控訴審勝訴」の垂れ幕を持って、支援者全員で記念写真を国民救援会中央本部の田島記者と大阪民主新報の長田記者が撮影をしてくれました。報告集会のある大阪グリーン会館まで徒歩で移動しました。
 大阪地裁所長オヤジ狩り事件国賠判決報告集会・控訴審勝訴が開催され、国民救援会府本部の伊賀副会長の司会で進められ、弁護士、原告、家族、支援者から次々と発言がありました。

 戸谷弁護士「捜査が違法だと認定している。今日の判決は一審以上の価値がある判決です。府警の調べで捜査官が大声で怒鳴る、机を叩きつけることが人権侵害で違法と断罪した。上告は許されない」
 山口弁護士なんといっても、大阪府の責任を認めたことを高裁のレベルで出たのが大きい。泉南アスベスト国賠が同じ高裁で逆転敗訴になったので、4日前から気になって眠れなかった。毎回傍聴席をいっぱいにして頂いたことが、裁判官に通じているのです。ご支援ありがとうございます」
 小林弁護士「ご支援ありがとう、勝訴判決です。捜査が違法だったことが認定され賠償が認められて良かった。大きく胸を張っていい判決です」

支援の御礼

 原告・藤本敦史さん「本当にみなさんにお礼を言いたい。ありがとうございました。刑事裁判、国賠裁判と勝ち続けて来られたのも弁護士さん、支援者のみなさんのおかげです。任意同行に行ってから7年裁判でたたかってきました。本物の勝ちです。警察、検察に謝ってもらいたい。これからも僕自身のたたかいが続く。親父にもいい報告が出来ます。ありがとうございます。ほんまに救援会は素晴らしい、日本を変えていく一番のグループで大切な会です」
 原告・元少年K君(当時13歳)「今日はありがとうございます。今は早く謝って欲しいです。支援してくれて感謝の気持ちでいっぱいです」
 原告・元少年M君(当時14歳)「結果良かった。(賠償金)兄が増えて僕は減って残念や。いまだに犯人と思っている。謝りにちゃんと来て欲しい。みなさんがおらんかったらここまで来れなかった。以前だったらしゃべれなかったのがしゃべれるようになった」
 原告・元少年(当時16歳)「勝ちは良かった。8ねんになるんですがお母さんに一番謝って欲しい。線香1本もあげてほしい。8年間みなさんお忙しいのに顔も知らない人が支援してくれ、人間の団結力ってすごい。自分も裁判の応援で救援会みたいになれるかなぁ」
 浜谷さん(藤本敦史さんの姉)「勝訴と聞いてほっとしています。犯人でないと警察から言ってくれないのが腹立たしいです。心の中で曇っているのが正直の気持ちです。他の冤罪事件で弟と一緒に希望と力になれることで頑張っていきます」
 京都の橋本さん「法廷の小さな窓から裁判長を見ていた。勝利として評価していいと言われてほっとした。たんぽぽの会(関西えん罪連絡会)でも支援していこうと決めた。警察の違法を他の冤罪事件でも作り出せるように頑張っていきたい。判決を確定させるように頑張っていきましょう」
 兵庫の大藤さん「三ノ宮で勝利した宣伝を夕方します。違法な取調べがあったとされたのは意義があった。27席の傍聴席に入れさせて頂きありがとうございました」

画像の説明

 淀川支部の新舛さん「7年経って支援する会の世話役になって勝利は嬉しいです。学習会もしてもっと救援会を大きくしていきたい」
 住吉支部の岸さん「オヤジ狩り事件の学習会でお父さんが署名を集めているのに感動した。一審で勝訴二審でも勝訴で良かった。4年前に地元の帝塚山周辺に1000枚のビラをまいた。1通の手紙が来て『少年、青年は犯人でないと信じている。私も応援します』と、綺麗な字でした。帝塚山は金持ちが住んでいる地域です。みんなはいいものはいい、悪いものは悪いとはっきり言ってくれます。橋下知事にあきらめろ、断念せよと勝ちとっていきたい。」
 東住吉冤罪事件・朴さんのお母さん「オヤジ狩り裁判で何回も傍聴に行きました。違法を認めたのが良かった。」
 旭支部の太田さん「謝っていないことに腹が立ってしょうがない。下っ端の警察官は上からうそ八百教えられている。」
 住吉支部の浦山さん「地裁所長の家も知っている。何回も傍聴に行った。先日、地元でビラ(10月15日号の救援新聞)をまいていて警察の横暴、可視化について考えるようになった。真犯人は誰か?傍聴席に入れなくて残念でした。」
 国民救援会府本部事務局長の姫野さん「取調べは違法だ!勝利です。1月20日の一審の勝利の時も大阪府庁への要請行動に何度も行った。府庁の近くの谷町交差点で吹雪の中でびらまきしてハンドマイクで宣伝した。平気でうそつく警察は何でもやると批判してきた。10月31日まで橋下知事の任期です。本人たちがくじけず頑張りぬいたので支援できた。上告を断念させるまでみなさん頑張りましょう。」
 支援する会事務局次長の川村さん「2007年1000世帯にビラまきをして激励の手紙が来た。救援新聞を持って勝利を勝ちとったと報告に行きました。可視化の問題で取り組んでいきたい。チラシをまいてハンドマイクでも宣伝しながらやっていきたい。警察、検察は徹底的に謝れとやっていきたい。」

ガンバロー.gif

 支援する会事務局長の中川さん「緊急のお願い!救援会の各支部で橋下知事にファックス、電報を届けて下さい。高裁に提出した署名は6382筆(個人)、310筆(団体)でした。特に今回は,大阪の全支部(31支部)から署名の成果がありました。さすが大阪の救援会です。底力を発揮したのが良かった。みなさんの努力で集めた一筆、一筆の署名が、裁判長の心を動かし勝利に結びついたのです。本当にありがとうございます。勝利を確定させるために上告するな!を大阪府庁に10月31日午前10時に府庁前に集合して橋下知事に要請に行きます。大阪府警にも抗議に行きます。11月4日にも行きます。上告期限が11月11日までです。最後の踏ん張り時です。みなさんよろしくお願いします。」
 最後に、国民救援会府本部伊東副会長の音頭で、勝利を確定させるまで団結ガンバローを元気よく三唱し,原告団と家族、弁護士を囲んで記念写真を撮りました。
 国民救援会中央本部田島記者が昼の宣伝から傍聴席、報告集会まで取材にカメラマンに大奮闘されました。
 今度はこの勝利を府民のみなさんに『救援会はオヤジ狩り事件の国賠に勝利した素晴らしい会です』と大いに宣伝をして会員を増やしていきましょう。来年は、お隣、兵庫県の神戸で全国大会が7月に開催されます。「オヤジ狩り事件の国賠で勝利した大阪です」「会員拡大でも全国トップで頑張りました」と全国のみなさんに胸張って報告できるよう、勝利を1日も早く確定させましょう。また、大阪民主新報の長田記者も取材、カメラマンで頑張ってくれました。
 大阪高裁で宣伝する時、いつも晴れて天気も味方しているのか今回も秋晴れでした。最後に宣伝に17人の参加者で200枚のビラを20分であっという間に配布できました。参加されたみなさんありがとうございました。国民救援会府本部の伊東副会長、姫野事務局長、支援する会の中川事務局長から大阪高裁の坂本裁判長に最後のお願いをしました。「暴力を取り締まる大阪府警の警察官が、密室の取調べで原告の元少年、青年に髪の毛をつかんで引きずり回したり、殴る、蹴る、首を絞めるの暴行に厳しい判決を出して下さい」「暴行、脅迫をした警察官を法に照らして処罰する判決を出して下さい」など力を込めて訴えました。
画像の説明

大阪弁護士会も取調べでの暴言、暴言は止めるべきだと声明

地裁前.gif

 10月31日、午前10時大阪府庁前に集合して要請行動を行いました。橋下知事の代理人に「上告するな!」と強く申し入れ、大阪府警には、取調べの全面可視化と冤罪の再発防止を申し入れ、府警の刑事一課の担当者3人が対応し「地裁判決と高検判決でも警察の暴行があったと認定している。謝ってほしいと言っている」「元少年、青年に謝るべきだ」「オヤジ狩り事件で冤罪に巻き込まれた元少年と青年のお母さんとお父さんが悩んで癌になり亡くなった。冤罪に巻き込まれていなかったら死んでいなかった。家族まで犠牲になった。
 昨年10月の東警察署の取調べでの録音テープの暴言をテレビのニュースで聞いてびっくりした。市民から警察は怖いところや批判の声が出た。今年5月にも関西空港警察署の取調中、外国人に机を蹴って、殴る、蹴るの暴行をしたのが新聞で大きく報道され、オヤジ狩り事件から7年半も経っているのに、今も暴行するなど大阪府警は何も変わっていない。大阪弁護士会も取調べでの暴言、暴行はやめるべきだと声明を出した。いま、日本中から大阪府警の警察官は暴言、暴行を繰り返して、いったい何してるんやと批判の声が上がっている。府警の信頼を取り戻すため府民に暴言、暴行をしないと言うべきだ。取調べを全面可視化して暴言、暴行をなくすべきだ。」の要請に対し、大阪府警から「みなさんの要請は真摯に受け止めます」との回答がありました。この要請行動には国民救援会府本部姫野事務局長、河角事務局次長、支援する会から佃副会長、中川事務局長ら9名が参加しました。

判決翌日に各社の新聞社が一斉に報道

新聞.gif

「二審も捜査に違法性」(毎日)「自白強要・二審も認定」(朝日)
「二審も大阪府に賠償命令、取調べ・逮捕は違法」(産経)「取調べ不当に威圧的」(読売)「違法な捜査・高裁も認定」(大阪日日)「二審も違法捜査認定」(神戸)

「上告するな!」と大阪府知事へ要請

記者会見.gif





 上告するな!の大阪府知事への要請には、団体・個人併せて312通を提出。取調の可視化など再発防止の具体策を求める大阪府警本部への要請には、団体441通を提出しました。

勝利判決確定を受けて原告5人がコメント

 11月11日、 大阪府が上告を断念したことを受け、午後4時に司法記者クラブで弁護団の記者会見が行われました。
 ●元少年K君「大阪府が上告しないのが良かった。これから仕事で頑張っていく。
 ●元少年S君「府が上告しないのは自ら悪いと認めたことだ。長いたたかいが終わりホッとしている」
 ●岡本大志さん「上告するだろうと思ったが終わってホッとしている」
 ●藤本敦史さん「勝てて本当に良かった」
 ●元少年M君「終わってホッとしています」

イラスト.png

長い間のご支援ありがとうございました。

大阪地裁所長オヤジ狩り事件の国賠請求を支援する会
日本国民救援会大阪府本部

 

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