えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

再審・えん罪事件全国連絡会第26回総会 各事件からの報告

再審・えん罪事件全国連絡会第26回総会

2017年12月3日〜4日
愛知県名古屋市にて
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 各事件からの報告 

1 宮城:仙台北陵クリニック・筋弛緩剤えん罪事件

宮城の会事務局長 長沼俊郎

1.再審請求審の現状

 仙台高裁では、これまで開催された三者協議(裁判所、弁護団、検察官)は三回のみであり、十分な審理が尽くされたとは言えないまま、今年度中に決定が出ることになっています。

仙台高裁へ即時抗告(2014年3月28日)後の三者協議の内容

《第1回(2016年1月19日)三者協議》
 間もなく2年目を迎えようとしているとき、1回目の三者協議が開催され、弁護団が提出した「検察に対する求釈明書」(2015年1月14日提出)について、まだ検
察官から回答が出されていないが何時回答するのか、その回答を受けて弁護人は主張
を出す方針であることが確認されました。検察の「求釈明書」への回答が本再審裁判
の核心であり、検察が回答することが先決・先行するよう裁判所の訴訟指揮を求めま
した。
《第2回(2017年3月28日)三者協議》    
裁判所から、「現時点で事実取り調べは必要ない」と述べられ、また「証拠開示命令は考えていない」と表明されました。志田意見書、池田意見書、土橋鑑定の三人の証人尋問を行い、科学的真実を明らかにして欲しいという要求に背を向ける方向が示されました。また、弁護団が求める「証拠開示」も認められませんでした。
《第3回(2017年7月18日)三者協議》
 裁判所から、「今年度末までには決定を出す。その前提で書面提出期限を事件の中身については了月末まで、法律論については9月末までとする。これ以降に提出される書面については裁判所の判断の対象にならない。なお裁判所は、決定を出すときは予告する」と表明しました。事実上の審理の終了を告げられましたが、弁護団は裁判所に「進行に関する意見書」(2017年10月2日)を提出し、三者協議の開催を申し入れました。
(※提出期限が9月末までとなっておりましたが、10月2日に提出する旨、事前に裁判所の了解を得たうえで行ったことです)

一年間の運動について

 3月25日、エル・パーク仙台で開催された「守大助さんの再審開始を勝ち取る全国集会in仙台」には、18都道府県から300名を超える参加者で、マスコミにも取り上げられました。また、賛同者として鳥越俊太郎氏、江川紹子氏、山口正紀氏、周防正行氏ら著名なジャーナリスト、学者、文化人、さらには様々な宗教者の賛同も得て、社会的に大きく支援の輪を広げることができました。
 また、11月月21日の裁判所要請行動は、累計署名数30万筆達成記念として、要請行動の模様がテレビのニュースでも取り上げられました。また、要請行動後に行われた記者会見には、地元の新聞社、テレビ局の大半が参加し、翌日の新聞には、2社が写真付きの記事を掲載するなど、かつてない大きな報道が行われました。これまで毎月取り組まれた結果、30回目を迎えることになり、提出した署名数も仙台高裁宛で9万筆、仙台地裁宛で11万筆、累計20万筆を超える署名を提出したことになります。また、第2回目の三者協議で証拠開示および証人尋問が認められなかったことを受け取り組まれた「要請はがき」運動は、短期間に3050枚のはがきが裁判所に届けられました(11月21日現在)

2.仙台高裁での勝利をめざして

 仙台高裁の闘いは最終段階を迎え、弁護団は「池田意見書(症状・病態論)」、「池田意見書(鑑定不正論)」、「補充意見書(鑑定論)」、「補充意見書(病状・病態論)」、 「新屋意見書(法理論)」、「進行に関する意見書」、守大助さんの「上申書」を提出しました。提出書面は終了し、年度内の決定を待つこととなります。
これまでの弁護団の主張で明らかになったことは、土橋鑑定の論理自体が誤っているだけでなく、実験データも無く、鑑定資料の全量消費を合わせて考えると、証拠の信用性がないことが明白です。
 (意見書からの抜粋)

※標品のベクロニウム(未変化体)から信号X(m/z258)を検出したとする土橋鑑定の論理(理屈)自体がおよそ分析科学的に成立しえない誤りであることは、今日異論を差し挟む余地がない。
※血液等の中身を調べたことを裏付ける実験データがないばかりか、標品のベクロニウムについてすらも、これを調べたことを裏付ける実験データがないのである。

裁判所の判断が出されるまでに、私たちは再審開始の一日も早い決定のため裁判所への働きかけを残された短期間のなかででも、大きく盛り上げていきたいと思います。
 全国連絡会の事務局会議で決定された①「要請はがき運動」や②11月21日の裁判所要請行動までに20万筆の署名を達成すること、その後の記者会見の実施、③来年2月4日(日)午後1時から、仙台弁護士会館で開催予定の全国集会を、43の全国の守る会・支援組織が総結集する大集会になるよう全力を尽くしましょう。



2 東京・西武池袋線痴漢冤罪小林事件

事件の概要

 小林卓之さん(当時62歳、元教員)は、2005年3月18日、帰宅のため酉武池袋線の池袋駅で始発の急行電車に乗り、ドアとドアの中間のあたりに、体の前に両手でカバンを抱え持っていました。最初の停車駅である石神井公園駅で降車した直後、「被害者」女性(当時19歳)から痴漢と咎められ、そのまま強制わいせつ容疑で逮捕されました。

検察側の主張

 検察側は、①池袋駅で発車するまでの間、ドアロ付近で、「被害者」は同じドア方向を向いて左斜め前に立っていた男性に、右手後ろ手に下着の上から陰部付近を触られた、②その後「被害者」は乗客に押し込まれて、反対側座席前に座席に背中を向けて立った、③発車後、左斜め前に背中を向けて立っていた男性が、3分間、体を押し付けてきながら右手を後ろに回し太ももと陰部付近をさわり、腔に指を出し入れした、④この男性が小林さんだ、というものです。

事実に背いた判決

 小林さんは、立っていた場所が違う、検察が主張するような痴漢行為はできないと、一貫して無実を主張してきました。
 小林さんは、事件当時、関節や筋肉を動かす激しく痛む膠原病全身性強皮症のため、右手人差し指は曲げ伸ばしが困難な「ばね指」で、中指も関節が硬くなり動きが非常に悪く、どちらも物に当たると痛みを生じます(医師の証言)。したがって、右手を後ろに回し指を腔に出し入れすることはできないし、太ももをつかむことさえ痛くてできません。
 また、「被害者」供述は、不自然な立ち位置・姿勢・犯行態様の点でも、自分に都合のよい変遷があまりに多い点でも、容易に回避行動をとれるのにとっていない点でも、不自然で矛盾しており、信用できません。さらに警察は、指先の繊維鑑定を行いましたが、採取に失敗したことをロ実に裁判では証拠とされませんでした。無実の証拠を握りつぶした疑いを拭えません。
 ところが、東京地裁は2001年2月、「被害者」供述の信用性を無批判に認め、小林さんの手指については、中指でならできないことはないと、医師の証言を無視し、懲役1年10月の実刑判決を出しました。その後、2008年1月、東京高裁で控訴棄却、2010年7月、最高裁でも上告が棄却されました。

再審を求めて

 2010年10月、小林さんは、膠原病全身性強皮症という難病を抱えたまま、服役させられましが、「小林さんの命を守れ」という社会的な批判と声のなかで、刑期から7月も早い2012年1月に早期釈放を勝ちとりました。
 2011年2月に小林さんは、東京地裁に対して再審の申立てを行い、弁護団は膠原病全身性強皮症であって痴漢行為は困難とする医師の鑑定書などを新証拠として提出、医師の証人尋問もおこなわれました。しかし、2013年8月30日、東京地裁細田啓介裁判長は「新証拠に新規性は認められない」と形式的な判断で不当にも再審請求を棄却しました。
 2016年12月5日に東京高裁第3刑事部(秋葉康弘・裁判長)が即時抗告棄却。そして、今年1月13日付最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は特別抗告からわずか1ヵ月で棄却。
 第2次再審請求を準備中。
                       痴漢えん罪西武池袋線小林事件支援する会

3 えん罪袴田事件

 袴田巌さんが不当に逮捕・起訴されてから半世紀以上が経ちました。静岡地裁による再審開始決定に異議を唱えた検察の即時抗告により、袴田さんは未だ死刑囚のまま、再審無罪判決を求めて闘い続けています。
 即時抗告審では、警察が隠し続けてきた袴田さんの取調ぺ録音テープが開示され、再審理由に該当する新事実も明らかになりました。すなわち、①取調室への便器持ち込みに関する偽証罪、②取調室に便器を持ち込み取調官の面前で小便をさせた特別公務員暴行陵虐罪、③弁護人との接見を盗聴した公務員職権濫用罪、④犯行着衣とされたズボンの寸法札に関する実況見分調書を偽造した有印虚偽公文書作成罪など、警察官が捜査や公判で数々の「職務に関する罪」を犯していたのです。
 30歳で逮捕された袴田さんは今年3月で81歳になりました。冤罪によって奪われた歳月を取り返すことは出来ません。いま袴田さんは、故郷の浜松で姉・ひで子さんと暮らしていますが、拘禁反応による妄想障害は続いています。再審無罪判決を聞くまでは、袴田さんの真の「心の解放」はあり得ません。
 2014年8月以降1~2ヵ月ごとのペースで行われてきた三者協議が11月6日、に行われ、最終意見書について来年1月19日までに提出するよう指示し、反論提出期限も2月2日に設定し、同日を持って結審する予定。裁判長は年度内に出来るだけ早く可否決定を出したいと述べています。
袴田ひで子さんからのメッセージ中に巌さんの近況が語られていますのでご紹介します。

さて、あの日、「再審開始決定」の日(2014年3月27日)、とにかく結果を知らせようと拘置所にかけつけました、面会に応じた弟は開始決定の書類を見て、「そんなの嘘だ帰ってくれ」と受付けませんでし茫、職員から別室で持つように言われ、しぱらくして弟がドアの向こうから入ってきました。・「釈放された」とぽっつりつぷやいてソファに座りました。
 「負けてたまるか」と盆も正月もなく、弟のことだけを考えて生きてきましたので、弟が戻ってきた。再臨開始決定は言葉に表せないくらい本当に嬉しいことでした.
 弟は、身柄|ま解放されましたが、「事件も裁判もない」と心は獄中のままでいると思います。今弟は、死刑囚のまま浜松の街を毎日のように歩いていますが、こんなことは世界中のどこにあるのでしょうか。
 東京高裁の審理は3年も経過していますが、やっと鑑定人尋問が予定され少し動きが感じられます。とは言え、再群開始決定の日の朝もそうでしたが、結果は半々だと限っています。
 私は、弟の自由を奪うようなことになったら「私を連れて行け」と言うつもりです。
 審理は全く油断出来ませんが、弁護団はじめ全国各地の支援者の皆さんの激励をいただきながら、「殺させない闘い」を引き続き頑張ってまいります。
 どうかご支援のほどよろしくお願いします。  2017年9月吉日 袴田ひで子

 今、ひで子さんは国民救援会が主催する講演会や都道県本部大会でのあいさつや各地の弁護士会、市民団体の集会や講演会にも積極的に参加しています。
 一日も早く再審無罪の判決を勝ち取り巌さんの肩に重くのしかかっている死刑囚の汚名を取り払いたいと思います。実行委員会は2月に全国集会を開催する計画

2017年11月吉日
日本国民救援会静岡県本部



4 えん罪豊川幼児殺人事件

田邊さんを守る会

現状

・2002年7月28日の事件から15年を経過し、犯人とされて懲役17年の有罪判決を 受けた田邊雅樹さんも、大分刑務所に収監されて9年が経ち、満50歳になっています。
 とても元気そうですが、手紙には、ご両親が達者なうちに故郷に戻りたいと書いています。
・福井県の美浜町にいらっしやるご両親もご高齢(お父様は83歳)になりました。特にお 母様は長期に亘って体調が悪く、お父様が付いていないと生活ができない状態です。
・2016年7月15日に、17の新証拠を付して名古屋高裁に対し再審申立を行いました。
 弁護団はその後も新証拠を出し続けており、現時点では合計21点となっています。
・この間、検察側から2017年3月31日付と、9月27日付の2度の意見書が出されて きました。いずれも、弁護団提出の新証拠には新規性がないという趣旨がその中身でした。
 前者に対する弁護団反論書は10月6日に提出され、後者に対しては現在準備中です。
・10月16日、大崎事件の再審開始決定に関わって注目を浴びている浜田寿美男先生が、弁護団4名と共に、大分刑務所の田邊さんに接見をしてくださいました。
・裁判所からは、今のところ何も連絡はありません。
・「守る会」では、名古屋高裁に再審開始決定を求める要請署名活動に日常的に取り組んで いますが、そのほかに今年は、総会と同日の7月29日に、救援会中央本部やこの全国連絡会などのご協力をいただきながら、第3回目に当たる「全国現地調査」を行いました。
 総会には83名、午後の全国現調には64名のご参加(夕食交流会にも31名)をいただきました。この日、新加入会員が11名ありました。

課題

・この事件では田邊雅樹さんが逮捕されていますが、①物的証拠が何一つない,②事件の目撃証言がない,③有罪の根拠は、田邊さんの強要された自白のみとなっています。従って、この自白の信用性が争われるわけですので、弁護団は自白の矛盾点、現実との齟齬を明らかにすることに重点を置いています。自白通りでは、確定判決にあるような事件は起こりえないということを、裁判所に認めさせることができるかどうかが鍵だと思います。
・また、裁判所が本気になって新証拠に目を通し、過去の証拠も含めて改めて事件を見直してくれるように持って行くにはどうしたらよいかが、大事な点だと思います。

主な取り組み

 ①再審開始を実現させるために、裁判所への要請署名活動に力を入れています。
間もなく9000筆になりますので、名古屋高裁に提出(3回目)し、要請もしたいと考えています。
 ②上記①を進めるために「事件の真相の普及」が必要なので、街頭宣伝、学習会、他組織への訴え、パンフレットの作成などに取り組んでいます。街頭宣伝は、今春から救援会の東三河支部と豊川支部も一緒に取り組んでおり、常時20名以上が参加して成果を上げています。新聞社による取材も、多いときには一度に4紙に写真入りで報道されました。
 ③上記の取り組みを強く大きなものにするために、会員拡大の目標を来年度の総会までに現在の約2倍に当たる300名とすることにしました。②とも併せて取り組んでいます。

(事務局長 渡辺達郎)



5 三重・名張毒ぶどう酒事件

経過

 第9次再審請求人  奥西  勝 さん 2015年10月4日 獄死
 第10次再審請求人 岡 美代子 さん(奥西さんの妹)

※2017.12.8 名古屋高裁刑事第1部(山口裕之裁判長)第10次再審決定予告※
          この間、ただの一度も進行協議の開催なし
 2005. 4. 5 名古屋高裁刑事第1部(小出淳一裁判長)再審開始、死刑執行停止決定
 2006.12.26 名古屋高裁刑事第2部(門野博裁判長)再審開始を取り消す不当決定
 ・
 ・
 ・
 2013.11. 5 第8次申立   2014.5.28 請求棄却   2015.1.9 異議棄却
 2015. 5.15 第8次取り下げ、第9次申立           
 2015.10.15 奥西勝さんの死亡により第9次終了
 2015.11. 6 親族・岡さんによる第10次申立刑事第1部(山口裕之裁判長)係属

第10次再審の進行
 2015.11. 6 第10次再審申立  新証拠①~⑨提出(毒物鑑定)
       封緘紙と王冠の閲覧謄写請求 ・証拠開示命令申立書(1) (2) 提出
 2016. 1.14 封緘紙の閲覧謄写実施 5.18 新証拠⑩~⑩提出-(毒物及び「糊」鑑定)
       証人尋問請求(化学技術者、科学者、研究者) 3者協議を申し入れ
    7. 6 再審請求理由補充書(1)提出
    7.20 新証拠⑩提出-(「自白」関係)  ・証人尋問請求(心理学者)
    10. 4 新証拠⑩~⑩提出-(毒物及び「糊」鑑定) 証人尋問請求
       再審請求理由補充意見書(2)と(3)提出
       3者協議と検察官への求意見申入れ
       裁判所「現在、進行協議の必要なし」と不当な回答
    11. 4 再度の申入れ
    11.22 裁判所面談  但し、裁判長参加せず、主任のみ
            事実上の面談のため記録は残さないとの対応
 2017. 5.10 検察官意見書提出(糊鑑定、自白関係)
    6.28 同(毒物関係)
    7   岡さんに対し9月5日を期限に求意見
    9. 5 岡さん意見書提出
    11. 6 弁護団記者会見 11.2に検察官の反論に対する意見書提出
       11.22に三者協議を開催するよう申し入れ「必要性を認めず」
   ・証拠開示の対象...警察・検察が作成・収集した全証拠、その一覧表、送致目録
             公民館・その周辺の写真・ネガ

活動報告

 ①要請行動 毎月実施
 ②署名   4万6352筆(11月15日現在)
 ③集会・宣伝など各地でさまざまな取り組みがされています。
  ・2.12 お伊勢さんの宣伝行動(三重)
  ・4. 5 開始決定12周年行動 裁判所前集会&弁護団報告・全国交流集会200名
  ・5.27 なくそうえん罪 救おう無実の人々第10回関西市民集会(関西330名)
  ・10.4 無念の獄死2周年行動 名古屋市笹島交差点宣伝(全国から250名)
  ・各地での定例街頭宣伝
  ・11.4 「誕生日宣伝」
 ④メディアの活用(映画「約束」「ふたりの死刑囚」など)
   東海テレビ「伝える、つなぐ~名張毒ぶどう酒事件報道の40年~」が日本民間放送連盟賞 最優秀賞

今後の方針

   
 ①棄却決定の場合_裁判所の不当性を広く知らせ、裁判所批判を集中すると共に、早期に全国的な異議審の戦いを組織する。愛知が準備している4.7(土)名古屋・全国支援者集会、8(日)現調の取り組みを結節点とする
 開始決定の場合_検察に異議申し立てをさせない取り組み
 ②異議審署名を早期に作成、名古屋高裁刑事2部に集中する
 ③裁判所および検察庁に対する要請行動を引き続き毎月実施する。新たな参加者の追求
 ④証拠隠しの不当性を広く市民に訴え、早期開示を裁判所、検察庁ともに強く求める
 ⑤88歳となった再審請求人・岡さんを支える活動に取り組む
 ⑥4.5(開始決定日)、9.10(死刑判決日)、10.4(獄死の日)などの機会を捉えた宣伝、また、定例宣伝に旺盛に取り組む
 ⑦学習会、集会などを全国各地で開催する
 ⑧メディアを積極的に広げ、新たな団体などにも支援を訴える

以上



6 滋賀・日野町事件

事件の概要

 1984(S59)年12月28日、滋賀県日野町豊田で酒店の女主人池元はつさんが行方不明となり、翌年1月18日、日野町内の宅造地で殺害された状態で発見される。同年4月28日、同女所有の手提げ金庫が日野町内の山林で、壊された状態で発見され、警察は強盗殺人事件として捜査。3年後に同店壷入り客だった阪原弘さんが逮捕された。

裁判の経過(提訴日,各審級の判決,係属裁判所)

 1988.4.2  大津地裁に強盗殺人罪で起訴
 1995.6.30 大津地裁で無期懲役の判決
 1997.5.30 大阪高裁控訴棄却
 2000.9,27 最高裁 上告棄却決定
 2001.11.27 大津地裁 再審請求申立て(第一次)
 2006.3.27 大津地裁再審棄却決定
 2006.3,30 大阪高裁 即時抗告申立て
 2011.3.18 再審請求人阪原弘さんが死亡
 20n.3.30 大阪高裁 「申立人の死亡により終了」と決定
 2012.3,30 大津地裁 遺族による再審請求申立て(第二次)現在に至る

 金庫発見現場の引当て捜査の写真が、ネガの開示によって「往路」と「復路」が入れ替えられていたことが判明し、これを契機に裁判所の態度が変わる。以後、100点を超える未開示証拠が開示され、被害者が殺害されたとされる時刻に、被害者は来客とともに近くの公衆浴場へ行き、洗い場で別の知人女性と会話していたことが分かった。また遺体発見現場での死体遺棄再現実験では、発見されたときの「頭部が南東方向」、「左伏せ」の状態に合わず、「自白」との矛盾が明確になり、さらに遺体を降ろしたときの写真がない。また事件の日、妻の実家でお浄めがあり阪原さんと出会ったとされる証言者の供述が29日だとされ、阪原さんのアリバイが虚偽であるとされたが「29日である」とする捜査の裏付けがないことが分かった。さらに科警研で鑑定された被害者の「爪」だけでなく、採取・鑑定・結果に関わる一切の資料や金庫発見現場の実況見分のネガが行方不明となっている、今年7月、事件当時の警察官2名と検察官の尋問が行なわれた。また9月には法医学者の鑑定尋問が行なわれ、遺体の損傷は自白の殺害方法と矛盾すると証言した。裁判所は今年12月末までに検察官の最終意見書提出、来年1月末までに弁護側最終意見書の提出をそれぞれ命じた。来年3月には再審可否決定言い渡しの日程を明らかにするとした。

(作成:国民救援会滋賀県本部)



7 滋賀・湖東記念病院人工呼吸器事件

事件の概要

 2003年(平成15年)5月22日午前4時半ごろ、人工呼吸器を装着した男性入院患者(72歳)が死亡した。おむつ交換で訪室した第一発見者の看護師が「チューブが外れていた」といったため警察がr居眠りをしていてアラーム音が鳴っているのを聞き逃した」として業務上過失致死事件として捜査を開始。ところが、おむつ交換に同行した看護助手の西山美香さん(当時23歳)が人工呼吸器のチューブを抜いて殺したと自白して逮捕された。

裁判の経過(提訴日、各審級の判決、係属裁判所)

 2004.7.27 大津地裁に殺人罪で起訴
 2005.11.29 大津地裁 殺人罪で懲役12年の判決
 2006.10.5 大阪高裁 控訴棄却
 2007.5.21 最高裁  上告棄却
 2010.9.21 大津地裁に再審請求(第一次)
 201L 3. 30 大津地裁 再審請求棄却
 2011.5.23 大阪高裁 即時抗告棄却
 2011.8.24 最高裁  特別抗告棄却
 2012.9.28 大津地裁に再審請求(第二次)
 2015.9.30 大津地裁 再審請求棄却
 2015.10.5 大阪高裁に即時抗告

 警察は業務上過失致死事件として立件しようとしたが、職員や入院患者および付添の家族らは誰ひとりアラーム音を聞いたものがなく、人工呼吸器は鑑定の結果、瑕疵がなかった。取調べ刑事に好意をもった西山美香さんが「私がチューブを抜いて、消音ボタンを2~3度押して患者を窒息死させた」「病院に不満があった」と自白し、殺人事件の犯人として逮捕された。この事件は自白以外に証拠がない。また迎合性が高い美香さんは、自白が・変転した。結局、チューブは外れておらず、死亡した患者は窒息死ではなく致死性不整脈が疑われている。大阪高裁即時抗告審は、三者協議も証拠調べも行なわないとしていたが、死亡した患者のカリウム値の低さに着目し、急性死の原因について検察、弁護側双方に意見書の提出を求め、今年8月結審した。同月、美香さんは刑期満了で出所した。

(作成:国民救援会滋賀県本部)



8 京都府・長生園不明金事件

2017/12「長生園不明金事件の真相を究明する会」事務局長・山岡良右

長生園3千万円不明金事件はまだ終わっていません! 西岡廣子さんは、無実です。裁判のやり直しを求めています。

 今年11月10日は、西岡廣子さんが長生園3千万円不明金事件の被疑者として、園部署(現南丹署)に不当逮捕されて18年になります。また最高裁で懲役1年執行猶予4年の不当判決が確定して12年となりました。 私達は、真相の究明と裁判のやり直しを求めて運動を続けています。私達の運動は今なお「再審を準備中」ですが、事件を風化させず本当のことを広く知ってもらうために、地元南丹市で市民に情報を発信し続けています。
 本年1月の第8回定期大会以後、約11ヶ月間の取り組みを報告します。

活動報告 

・1月 第8回定期総会を開催。出席者32名、事務局の報告にもとづき活発な討議を経て活動方針と決算・予算・役員を承認。会員はこの1年間で50名増え目標の200名を達成、次期大会までに250名に到達することを確認。総会終了後、激しい降雪の中宣伝車による宣伝を実施。
・2月 第1回事務局会議を開催。年間の取り組み、新しい宣伝物について検討、会議終了後定例の宣伝を実施。京都地検に対し「取調べメモ」の開示を求めたが、「法に基づき2011/12/14に廃棄されている」ことが判明。不当逮捕17年の取り組みや定期大会の模様を掲載したニュース「真相究明」第23号を発行。
・3月 第2回事務局会議を開催。宣伝資材(発送用封筒・会員拡大リーフ・スローガンボード)の作成などを検討、終了後定例の宣伝を実施。
・4月 第3回事務局会議を開催。「訴えますシリーズ」第5弾ビラの内容と不当逮捕18周年の企画について検討、250名会員達成に向けて地元南丹市での取り組みを具体化、終了後定例の宣伝を実施。
・5月 第4回事務局会議を開催。3千万円の不明金を特別損失として処理した過程における京都府の責任を明らかにした「真相究明の会」は訴えますシリーズ第5弾ビラ1万枚が完成、新聞折込みや各種集会・宣伝での活用開始。「無実の人を救う全国行動」をJR園部駅頭で実施。関西市民集会パート10に参加。
・6月 第5回事務局会議開催。会議終了後、ニュース「真相究明」24号の発送作業と宣伝を実施。不明金の処理にかかわった京都府の対応をめぐって現在の担当課職員と面談。
・7月 第6回事務局会議を開催。野中理事長が2011/7に発行した冊子の記述は、西岡さんに対する人権侵害に該当するとして京都地方法務局に申告、正式に受理され調査が行われることになった。
・8月 第7回事務局会議を開催。不当逮捕18年企画の講演会講師が決定、3年ぶりのパレードも具体化し、案内ビラの作成を検討、終了後定例の宣伝を実施。
・9月 第8回事務局会議を開催。不当逮捕18周年企画の案内ビラが8千枚完成、新聞折込み、労組・団体。マスコミへの申入れなどで活用。会議終了後定例の宣伝を実施。不明金処理にかかわる京都府の責任問題を明らかにするため、共産党府議団同席のもと担当者と面談を行なうも「記録がない、当時の責任者は記憶にないと言っている」として責任を認めず。IPJより「支援はできない」旨の回答が正式にあり。
・10月 第9回事務局会議を開催。不当逮捕18周年記念講演&パレードの内容について具体化、第9回定期総会の案内などを載せた、ニュース「真相究明」第25号を発行。定例の宣伝は発送作業に手間取り、天候の悪化もあり中止。
・11月 西岡さん不当逮捕当日宣伝をJR園部駅前で実施、参加者10名でビラを200枚配布。不当逮捕18周年講演会を「冤罪神戸質店事件」を支援する会事務局長の濱嶋氏を迎えて開催、参加者42名、講演終了後「西岡さんは無実だパレード」を実施。

今後の課題

 ※不明金の処理に際し、厚労省の指導監査要綱に照らして極めて不十分な対応に終始する京都府の責任について引き続き追及する。
 ※人権侵犯事件として受理した西岡さんの申告に対し、4ヶ月が経過しても回答がない法務局に対し早く結論を出すように求めていく。
 ※裁判で重要な証言をした長生園の現職員、元職員に対する働きかけを行う。



9 兵庫:えん罪一花田郵便局事件

最高裁が棄却、たたかいは神戸地裁(差し戻し審)へ

 姫路市の花田郵便局で起きた2人組の強盗事件で、真犯人が自首してF共犯者はジ立リアス(仮名)ではなく別のナイジェリア人だ」と一貫して主張しているのにジュリアスさんは実行犯として懲役6年が確定し、服役させられました。
 その後、ジュリアスさんは再審を求めましたが、神戸地裁姫路支部は弁護側の主張を聞くための協議すら開かないで請求を棄却。これに対する即時抗告で大阪高裁は昨年、地裁への差し戻しを命じましたが下に説明する理由で弁護側は最高裁に特別抗告。
 しかし最高裁第3小法廷は、10月31日付で弁護側の特別抗告を棄却する決定を行いました。その結果、昨年の差し戻し決定が生きて、再審請求は、再び神戸地裁で審理されることになります。

これまでの経過一地裁が「棄却」→高裁が「破棄一差し戻し」

 2012年に再審請求を受けた神戸地裁姫路支部は14年、ジュジアスさんが2人組の実行犯と認定できないことを罫めながら、裏で手を引く3人目の共犯と「推認できる」という理屈で、これまでに一度も争点になっていない「共謀共同正犯」説を持ち出して有罪を維持し、請求を棄却しました。これは同一の事件について全く違う事実認定で二度目の有罪判決をしたことになります。
 これを不服とした弁護側が即時抗告しましたが大阪高裁は昨年、「共謀共同正犯」という新たな争点について、弁護側に反証する機会を与えなかったことは、「(刑事訴訟法規則286条の主旨等に照らし)不意打ちを与え、…防御権を侵害する違法なもの」として地裁決定を破棄。審理を神戸地裁に差し戻す決定を行いました。

「高裁決定も違憲」と弁護側が特別抗告

 この決定は地裁決定を破棄した点ではよいのですが、一方で、「(弁護側に)十分防御の機会を与えて審理を尽くせば、申立人の防御の権利を損なうことにはならないというべきである」と述べています。
 つまり、手続きさえ踏めば地裁決定の認定も可能だという理屈で、言い換えれば、地裁で手続きを整え、もう一度、「共謀共同正犯」説で再審を棄却してもよいということになります。

最高裁で棄却→高裁決定確定→地裁へ差戻し

 そのため弁護側は、高裁決定は、憲法第39条「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を間はれない」という原則(二重の危険禁止)に違反するとして特別抗告したのですが、最高裁は今回、この主張を退け、神戸地裁で差し戻し審がはじまることになりました。

並行してたたかわれる3つ裁判

1 入管法裁判「無実証明しないと国外退去」

 ジュリアスさんは服役後、入国管理局に収容され、退去強制令書が発付されました。今は仮放免という措置で拘禁を解かれていますが、裁判所は 「有罪判決が事実誤認であることを当該外国人が立証すべき」と、事実上、ジュリアスさんに無罪立証を求める不当な決定が出され控訴中です。

2 ケガの国賠裁判一今月11日、地裁判決

 ジュリアスさんは服役中、肘に大けがをしましたが適切な処置がされず障害が固定。その責任を問う裁判が神戸地裁姫路支部で判決です。

3 証拠隠し・証拠改ざん追及の国賠裁判

 郵便局の防犯ビデオ映像の改ざんなどの真相を追究し、神戸地裁でたたかっています。



10 兵庫:えん罪・神戸質店事件 

申し立て目指し、弁護活動支援カンパ

 神戸質店事件は、今年の春に3名で再審弁護団を結成し、その後、弁護人の補充、緒方さんへの面会をはじめています。
 今後、本格化する弁護活動を物質的に支えるために支援する会は、今春の総会で弁護活動支援100万円カンパを提起。まもなく達成し、さらに上積みをめざします。会員は当面300人をめざしています(11月現在約200人)。

強盗殺人事件で逮捕、一審は無罪

 2005年10月18日、神戸市内の質店主が殺害されました。現場に遺留していた指紋、たばこの吸い殻のDNA、靴跡が、1年10ヵ月後の2007年8月、スピード違反で検挙された電気通信設備工の緒方さんのものと一礼また、不審者を目撃した通行人が面割で、緒方さんの目つきが似ていると供述し、強盗殺人罪で逮捕されました。
 しかし神戸地裁は、現場の遺留物は、緒方さんが、以前、防犯カメラの取り付けの相談を受けてこの店に立ち入ったことがあると主張していることと矛盾せず、目撃証言も捜査官の誘導の可能性があるとして2008年、無罪を言い渡しました。

同じ証拠で逆転有罪・無期懲役が確定

 ところが、大阪高裁は2009年9月、同じ証拠に基づいて緒方さんが金品強取の目的で被害者を殺害したと認定。無期懲役の有罪判決を言い渡しました。
 有罪の根拠とされた目撃証言は、「不審者はスポーツ刈りで黒っぽいスポーツウェアを着ていた」「目は似ているが全体的には似てない」というものです、ところが緒方さんは「縮れ毛で額に垂れた髪型」であり、営業中の服装も「薄緑色の作業着」です。
 また、被害者は大量に出血し、店内の壁や天井には多数の血痕があり、血液が付着した手で電話機や手提げ金庫に触った痕跡が発見されました。しかし、緒方さんの指紋や現場に立ち入った際に履いていた靴からは、血液反応が一切検出されていません。

有罪の根拠は間違っている

 そもそも、犯行当時の靴を1年10ヵ月も所持していることや現場に多量のタバコの吸殻や指紋などを無造作に残していくこと自体が不自然で、計画的な犯行とするのは不合理です。
また、二審判決は、目撃証言が信用できるとする根拠に、事件直後は写真の面割りで特定の人物を選べなかったが、1年10ヵ月後、緒方さんの写真を入れた面割で初めて緒方さんを特定したことをあげています。しかし、目撃者が事件直後に、写真の面割で別の人物を選んでいることは、捜査記録(面割台帳・供述調書)に残っています。

岡山刑務所から再審請求めざす一同窓生と支援者の奮闘

 緒方さんは2011年、上告を棄却され、現在、岡山刑務所から無実を訴えています。家族と小中高校の同窓生も面会に通い、支援しています。
 支援する会も、事件の記録検討会議を毎月ひらき、新証拠発見のための調査活動を続け、遺族にも配慮した上で現地での調査を本格化することをめざしています。

緒方さんに激励を 〒701-2141岡山市北区牟佐765 緒方秀彦様



11 熊本・松橋事件

 松橋事件とは、1985年、熊本県松橋町(現宇城市)で男性が殺され、その犯人として3日前に被害者と口論していた宮田さんが疑われ、警察の厳しい暴力的な取り調べを受け、犯行を「自白」させられたものです。
 宮田さんは裁判では無実を訴えましたが、犯行と宮田さんを結びつける物的証拠がないまま、「白白」を唯一の重要証拠として殺人罪で有罪とされ、懲役13年の刑が確定しました。

経過 

熊本地裁での再審請求審のなかで、
 ①被害者を10数回も突き刺して死亡させたとされる小刀には、柄の部分を含め血痕が全く見つからないこと、
 ②「自白」では小刀の柄に血痕がつかないように古いシャツを切り取った布を巻き付けて犯行をおこない、犯行後自宅の風呂釜で燃やしたことになっていたにもかかわらず、そのシャツの切りとり布が驚くことに検察庁に保管されていたこと、
 ③その小刀ではできるはずのない傷が少なくとも2か所存在することなどが法医学鑑定により明らかになりました。
 ④宮田さんの「自白」のなかで、犯人しか知らない「秘密の暴露」とされていた事実(宮田さんが深夜に被害者を尾行中に隣家の電灯がついていたとの事実)も、「白白」以前に警察が近所の聞き込みによって知っていたことも判明しました。
 しかも、これらの新証拠によって明らかとなった新たな事実について、検察は合理的な反論がついにできませんでした。
 それゆえ、熊本地裁は有罪判決の大きな柱であった「自白」の信用性が揺らぎ、確定判決に合理的な疑いが明らかに生じたと正当に認定し、再審開始決定を出しました。
 即時抗告審である福岡高裁での審理は、即時抗告(異議申立て)をした検察側からはまともな証拠がほとんど出されず、客観的証拠とは程遠いものでした。しかも弁護団は、そのような検察官の主張に対しても丁寧に反論をしてきました。
 その結果が今回の福岡高裁の決定です。



12 鹿児島・大崎事件

1、大崎事件第三次再審請求の状況

  ①2016年11月末弁護団・検察の最終意見書が出される。
  ② 12月10日大崎事件大集会を鹿児島市で開催(弁護団主催)。160人参加。
  ③2017年1月12日3者協議=弁護団、開示写真の持つ意味プレゼン(鹿児島地裁)
  ④ 1月31日弁護団、最終意見補充書提出。
  ⑤ 3月1日第13回進行協議期日(事実上の結審)
  ⑥ 6月28日鹿児島地裁、再審開始決定
  ⑦ 7月3日検察が即時抗告
  ⑧   5日鹿児島地裁、一件記録を高裁宮崎支部に送付
  ⑨   6日高裁宮崎支部、記録受理、事件番号採番(平成29年(く)第19.20号)
  ⑩   7日弁護団、高裁宮崎支部に早期の進行協議期日設定または弁護団との面談を要請→高裁宮崎支部7/20に3者による打合せ期日を設ける旨、回答
  ⑪  17日弁護団・支援者合同会議(鹿児島県弁護士会館)
  ⑫  18日弁護団、「即時抗告審のあり方」と題する意見書提出
  ⑬  20日高裁宮崎支部において3者協議開催
  ⑭  31日弁護団、「即時抗告審における新証拠の明白性の判断方法」と題する意見書提出
  ⑮ 8月31日弁護団、「即時抗告申立書に対する意見(反論)書」提出
  ⑯ 9月29日検察官、補充意見書提出
  ⑰11月15日弁護団、9.29検察官意見書への反論意見書提出

2、支援の状況

  ①2017年2月25日 鹿児島県大崎町で大崎事件緊急支援集会(120人が参加)
  ② 3月~6月裁判所要請行動を実施
  ③ 6月10日原ロアヤ子さんのりO歳の誕生を祝う会(弁護団7人、西京子さん夫妻、支援者6人
  ④ 6月29日~7月3日「即時抗告ナるな」の宣伝行動、地検への申し入れ
  ⑤ 7月23日宮崎大集会に217人が参加。
  ⑥ 9月7日裁判所要請行動 11名、署名1,176筆提出
  ⑦ 10月14日、15日第19回全国現地調査(1日目38人が参加)
  ⑧ 10月24日裁判所要請皇后12名、署名2,485筆提出
         署名集約分5,271筆(11/25現在)

3、取り組みの課題

  ①再審めざす会の会員を増やすこと、ニュースの発行
  ②毎月の裁判所要請行動を行う。要請ハガキの取組み・宣伝行動の強化
  ③県内での決定の学習をメインとした集会の実施。



14 再審冤罪事件関西連絡会(通称たんぽぽの会)

はじめに

 関西えん罪事件連絡会として出発した再審冤罪事件関西連絡会、通称「たんぽぽの会」
は国民救援会の関西二府四県の本部と、それぞれが地元事件として支援している各事件関
係者及び守る会によって構成されています。
 2008年5月18日にそれまで各県本部ごとに様々な催しや集いなどを行ってきたものを、
裁判員裁判の実施に伴い、共同の集会を開催、集会の成功を機に「冤罪の共同を考える懇
談会」を結成。そして毎月一度の懇談を繰り返し、「関西冤罪事件連絡会」として翌2009
年5月16日に正式に発足。
 以降、毎年5月前後にFなくそう冤罪、救おう無実の人びと」と銘打って300名規模の
集会を成功させてきました。今年で10回を数えます。
 何よりも冤罪犠牲者の生の声を、直接市民に届けるということを中心に、司法制度の現
状に対する講演や、演劇など、創彦工夫を凝らして、毎回プログラムを構成しています。
 当初の参加事件は6事件。その後終結した事件、新たに参加した事件など約20事件、現
 在は7事件と国賠2件で構成されています。

現状と今後の課題

1、今年は「なくそう冤罪、救おう無実の人びとパート10」と題して5月27日(土)に開催。
 第一部では泉大津市でコンビニ窃盗事件の犯人として逮捕・起訴され、公判途上で無実を示す、隠されていた証拠等々により無罪となったSUN・DYUさんというミュージシャンの演奏と訴え、その当事者と大阪大学法科大学院の水谷教授と布川事件の桜井さんに何故に続く冤罪事件というテーマで語り合っていただきました。
 第二部では、例年通りたたかい途上の7事件と1訴訟の関係者が壇上から、それぞれの事件の現状や自らの思い、当事者が収監されている場合は家族や守る会関係者が変わって訴えました。
 最後は、たんぽぽの歌の大合唱で幕を閉じるのが恒例です。 参加者は330名。    
2、集会終了後は、改めて毎月例会を行い、ニカ月に一回ニュースの発行を続けています。
   (集会後に泉大津のコンビニ窃盗事件で無罪を実現したSUN-DYUさんも一員に)
3、10年目という節目を迎える来年に向けて、この間の経過をきちんと記録にまとめようと作業を開始しています。さらには今後のあり方についても改めて議論を始めています。
  2017年12月3日                (文責 たんぽぽの会 伊賀)



15 「なくせ冤罪!市民集会(SNOW)活動報告

1.これまでの活動を振り返って

1)SNOW設立の目的:
  「市民による冤罪を防ぐための司法制度改革」を実現するため、2013年6月8日に設立。
2)法制審路線との対決:
 法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」(SNOW設立当時、設置から2年経過。捜査権限強化の方向へと議論を進めていた)に対して、冤罪被害者、市民団体、弁護士団体、法学者からなる「反法制審連絡会議」を結成。「冤罪被害者の実体験を制度改革に反映させろ」との要請を繰り返したが、同審議会は、2014年9月18日、法務大臣への答申を強行。
3)刑訴法改悪に反対する運動:
 法制審答申にもとづ<「刑訴法等の一部を改正する法律案」の成立を阻止するため、2015年1月末、「盗聴・密告・冤罪NO!実行委員会」を組織し、国会審議の進行状況に応じて。度々の院内集会や市民集会、また日弁連への要請や記者会見などを行った。
 最終的に、法案は2016年5月24日に成立してしまったが、この反対運動を通じて、現制度が孕む冤罪の危険性に警鐘を鳴らし、SNOWの。目指す「市民による司法制度改革」への地盤たりうる幅広い連携を作り出すことができた。
4)法案成立後の活動目標:
 上記の幅広い連携を拡大一強化し、「民間法制審」や「冤罪原因究明委員会」(仮称)を立ち上げるなどして、将来的には議員立法による法制化への道筋を探求するための議論を重ねる。
 当面は、まず以下の3点を優先課題として問題の核心を明らかにしてい<。
 ・検察官上訴の制限もしくは禁止
 ・全証拠の事前開示の義務化
 ・すべての取調べの全過程の録音録画の実施とともに、その録画媒体等の使用方法

2.これから私たちが目指すもの

1)現在の議論の到達点:
  上記連携は継続しているが、社会運動全休が、安保法制、共謀罪などに移行する中、冤罪を生まない刑事法制の整備という大きな課題を掲げる運動は、少なくとも現在のところ、刑訴法改悪反対時のような広がりをもつのは難しい。
  その一方、再審をめぐる昨今の状況により、「再審制度の不備」が顕在化してきた(とくに証拠開示)。
 *「刑事訴訟法等の一部を改正する法律丿附則第9条3項:政府は、この法律の公布後、必要に応じ、速やかに、再審請求審における証拠の開示…等について検討を行うものとする。
 以上をふまえた、現在の議論の到達点として、当面の活動目標を(刑訴法の抜本的改革という最終目標を念頭におきつつも)、「再審における証拠開示と開始決定に対する検察官上訴禁止」に照準を絞ることを、第5回総会(2017年10月14日)にて確認した。
2)「11・9くり返すな冤罪!市民集会」とゴピンダさん来日:
 再審制度の不備を正すという共通認識のもと、同集会の実行委員会に参加。この集会が成功し、法改正への一歩を打ち出したことは、大きな成果である。
 なお、東電OL事件のゴピンダさん(帰国後初来日)を招いたことで、報道にも取り上げられた。
 *ゴビンダ発言: 日本は素晴らしい国。なのに、なぜ冤罪が起きるのか。それは司法制度がおかしいから。
3)今後の活動方針:
 私たちの運動の広がりが不十分であることの反省をふまえ、運動展開のためのツールとして、ブックレット(仮  題:検察の証拠隠しが冤罪を生む)を作成。他団体にも配布し、広く世論を喚起したり国会議員を動かしたりするために活用することを計画している。

2017年11月23日「なくせ冤罪!市民評議会」代表客野美喜子



16 冤罪の責任を問う布川国賠

布川国賠を支援する会
事務局長 中澤 宏
原告 桜井昌司(布川事件再審請求で2011.5.23無罪確定)
被告 日本国(検察)・茨城県(警察)
主任弁護人 井浦謙二

 冤罪布川事件は、再審請求審で、隠されていた証拠が開示されたことで、検察・警察による自白や証言のねつ造が明らかになり、再審無罪となった事件です。
 2011年5月23日再審で無罪になった桜井さんは、2012年n月12日、布川事件の原因と責任を明らかにしたいと、国(検察)と県(警察)を相手に国家賠償請求訴訟を提起しました。

「証拠開示で真実を明らかに」を追求!

 弁護団は国賠裁判でも当初から証拠開示を求め続けました。
 2014年L月22日には、文書送付嘱託の決定が出て一部の捜査報告書などが開示されましたが、あるはずの多くの証拠はなお隠されたままでした。
 同12月、弁護団はポリグラフの記録紙や、共犯とされた杉山卓男さんの最初に取った取調の録音テープなどについて文書提出命令の申し立てを行いました。
 2016年3月17日、朝倉佳秀東京地裁裁判長は、杉山卓男さんの最初に取った取調の録音テープについてのみ文書提出命令を出しました。しかし、桜井さんがうその自白をする契機となったポリグラフの検査記録用紙などその他の証拠については命令を認めませんでした。弁護団は、開示命令を認めなかったほかの証拠について即時抗告。国も杉山さんの初期の自白録音テープの提出命令に対し即時抗告を行い、東京高裁で争われました。
 2017年2月21日、東京高裁は双方の即時抗告を棄却し、杉山さんの初期の自白録音テープの提出命令が確定しました。

いよいよ終盤。証人・本人尋問へ!

 2017年8月30日、東京地裁での審理が再開され、更新の手続きとして、桜井さんの陳述と弁護団によるまとめの主張が行われました。10月25日の進行協議で、2018年3月14日に尋問が行われることが決まり、裁判長はその日で結審する意向であることを明らかにしました。2017年12月 6 日に次回裁判が予定されています。

2018年3月14日、法廷を支援者で埋め尽くし国家賠償をかちとろう!

布川国賠を支援する会は裁判期日ごとに、要請・宣伝に取り組むとともに、法廷をいっぱいにするために広く参加を呼びかけてきました。いよいよ結審です。来年の3月14日午後の桜井さん本人の尋問が行われる法廷を必ず満席にして国家賠償を勝ち取りましょう!


17 東住吉冤罪事件青木国賠訴訟について

① 青木国賠とは・・・(詳細は別紙署名要請を参照してください)

 2018年再審無罪判決を実現した、東住吉冤罪事件の元再審請求人青木恵子さんは、無罪が明らかになっても、検察も警察も何ら責任を問われない、このままでは誤判や冤罪は無くならないのではないかと、なぜ誤った捜査や起訴が起きてしまったのかを明らかにしてほしいと国家賠償請求裁判を提訴しました。
 彼女は、二度とふたたび自分のような苦しみや悲しみを味わう人が出ないことを切に願っています。

② これまでの経過

 2016年12月20日 提訴
 2017年 3月 9日 第1回口頭弁論
 訴状にもとづき原告の請求の趣旨が、訴訟代理人と恵子さんの意見陳述という形で明らかに。被告である国と大阪府の答弁書は、「請求を棄却する」、認否及び主張は「追って準備書面で」という通り一遍の内容でした。
 その後提出された準備書面ではr起訴検事の判断は、合理的根拠に基づくものであったことは明らか」とし「起訴の判断も違法と評価される余地はない」「原告の主張は失当であり、速やかに棄却されるべきである」と、当然といえば当然ながら、原告青木さんの何故自分は逮捕され起訴されなければならなかったのか、何故警察・検察は誤ったのかを明らかにしてほしいという真摯な願いにまともに向き合おうという姿勢のかけらも見えないものでした。
 2017年 9月28日 第2回口頭弁論
  青木さんの代理人は、先立つ第2準備書面において、無罪判決を導き出した証拠構造を明らかにし、自然発火の機序やガソリン漏洩の具体的内容等など詳細に述べたうえで、被告側の準備書面に対する徹底した反論を行いました。
 口頭弁論当日はその準備書面の内容が、代理人によってパワーポイントを用い、裁判官にも傍聴者にも、短時間で理解しやすいような工夫を凝らして行われました。

③ 今後の裁判の進行と支援運動の強化について

 12月21日は、第3回口頭弁論が予定されています。
 果たして被告側の反論がそのように行われるのか。今後ともしっかりと注目していかなければならないと考えています。まさに「権力犯罪追及裁判」にふさわしく、世論を喚起し、誤判や冤罪の根絶につながるたたかいをめざしたいと考えています。
 今後は、準備手続きを挟んで3か月に1回程度のペースで口頭弁論の予定。
 8月から開始した署名は、約4700筆の集約。
 第2回口頭弁論時に2000筆を提出。次回は3000筆を提出予定。

「青木国賠を支援する会準備会」

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