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反対です!共謀罪

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反対です!共謀罪

 国会論戦が始まった共謀罪。政府側が答弁を重ねるほど、矛盾や整合性を欠く事実が露呈しています。政府答弁の嘘とごまかしを検証していきます。

オリンピックを口実に新設狙う

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Q1.共謀罪を作らないと、東京オリンピックが開催できないの?

 安倍首相は共謀罪を成立させるために「国際組織犯罪防止条約(以下条約)を締結できなければ、東京オリンピックを開けないと言っても過言ではない」と答弁しています(1月23日衆院本会議)。これが共謀罪をつくる必要があるという政府の理屈です。
 その論理は、「東京オリンピックを開くためにはテロ対策をしなければならない」⇒「テロ対策をするには、国際組織犯罪防止条約を締結しなければならない」⇒「条約を締結するためには、共謀罪を新設しなければならない」というもので、条約に共謀罪をつくる義務が掲げられているから共謀罪が必要だと主張しています。
 確かに条約の第5条で、締約国には共謀罪の立法を求めています。
 しかし、条約の34条第1項には「自国の国内法の基本原則に従って、必要な措置をとる」とあります。日本の法律では、犯罪が実行された(既遂)ことを処罰することが基本原則です。それに反する共謀罪は必要ありません。
 条約に基づいた立法のために、国連が発行する立法ガイドでは、第51条に「共謀罪・
参加罪を導入しないで組織犯罪集団に対して有効な措置を講ずることも認められる」とあり、組織犯罪集団を取り締まる別の対策をとれば共謀罪をつくらなくてもいいのです。
 条約を締結した187カ国のうち、対象犯罪について共謀罪を網羅していない国は、少なくとも5つあります。新たに共謀罪をつくらなくても条約の締結はできるというのが国際的な常識です。安倍首相が条約を締結しなければ、オリンピックを開けないという建前は破綻しています。

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Q2.安倍首相は、「テロ等準備罪は共謀罪ではない」と言いますが?

 安倍首相は、共謀罪を「テロ等準備罪」と言いかえ、対象団体を組織的犯罪集団と限定し、準備行為という処罰条件まで付加したから、「これを共謀罪というのはまったくの間違い」だと言っています(1月23日衆院本会議)。
 共謀罪法案は過去に3度国会に提出されて廃案になっています。実は3度目の共謀罪の国会審議で出された2006年の与党の修正案と今回出されるであろう法案の内容は用語まで同じです。
 一緒であれば、当然「共謀罪」ですから、「共謀罪というのは間違い」という首相答弁こそ誤りです。
 ところで政府は、”国際犯罪防止条約の規定通りの共謀罪を立法をしなければ条約が締結できない”という見解を示しています。規定通りの共謀罪を作ると、対象犯罪は676にのぼります。
 ところが国会論戦が始まると、「対象犯罪が広すぎる」という批判を浴びて、政府は対象犯罪を300以下に減らす検討をはじめました。ということは、条約の規定通りに共謀罪をつくらなくても、条約の締結ができることを政府自らが認めていることになります。
 さらにもうひとつ、条約が規定上求めているのは「共謀罪」の創設です。政府はこれを理由に「共謀罪を作らないと条約を締結できない」としています。ですが安倍首相は、「これは共謀罪じゃない」と否定しています。これでは条約を締結できないことになります。
 このように、政府が答弁を重ねるほど、整合性を欠き矛盾が生じているのがいまの国会の論戦の状況です。

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Q3.日本はテロに無防備なのだから、共謀罪があったほうが安心じゃないの?

 日本はテロ対策の国際条約をすべて批准、国内法も整備されています。国連の条約でテロ対策として求められている条約は5つあります。日本はすべて締結しています。そして国連がつくる条約以外にも、テロ対策の国際的な条約が8つあります。こちらも日本はすべて締結しています。これらの国際条約にもとづき、日本の国内法もすべて整備している状況になっています。
 また、もともと日本は厳しく銃が規制されています。予備罪や準備罪、また一部の共謀罪はすでに整備されていて、国際的に見ても極めて広く未遂の段階で処罰対象とすることの法整備はされているという経緯があります。
したがって、新たに共謀罪をつくらなくても、すでに今できている国内法でテロ対策は十分に対応できると言えます。

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Q4.政府が「一般の人は処罰対象にならない」と言うから大丈夫では?

 国会論戦の中で安倍首相は、「処罰対象を組織的犯罪集団に限定したから、一般の人が逮捕・処罰されることはありえない」と言っています。 この「組織的犯罪集団」という定義について、政府案では「長期4年以上の懲役・禁錮刑の犯罪を実行する目的のある集団」となっています。ところが条文案を見てみますと、長期4年以上の懲役・禁錮刑の行為について、「組織的犯罪集団の団体の活動として計画したものは処罰する」となっています。つまり、4年以上の懲役・禁錮刑の犯罪行為をする集団=組織的犯罪集団ということにされますので、結局は何も限定していないということになるのです。
 さらに安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、正常な目的の集団であっても、「犯罪を実行する団体に一変した段階で、その人たちは一般人であるわけはない」と述べています。「一般の人」の集団であっても、捜査機関が「犯罪的集団に一変した」と判断しさえすれば、一般市民が監視・処罰の対象になりえることを自ら認めました。「一般の人には関係ない」という説明は偽りのものです。

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Q5.警察が「共謀罪の捜査」と称して一般人の情報収集なんてしますか?

 捜査対象の団体や人を決めるのは警察です。昨年、岐阜県大垣市で風力発電所の建設に反対した市民について、大垣警察が個人情報を収集し、電力会社側に漏洩していた事件がありました。情報収集された市民はダム建設の反対運動や憲法、平和運動に関わったことのある一般の方です。共謀罪がなくても、警察は、一般の方々を捜査対象にしないことはあり得ません。
 政府は、「計画」だけでなく「準備行為」を条件にあげて処罰対象を限定しているとしました。しかし、、「準備行為は一定の危険性を備えている必要性はない」とされていて、その定義は曖昧で、広範な日常生活の行為も含まれます。たとえば、ロープを買うという行為は、それ自体で準備行為となり得ますが、誰かを監禁するためなのか、荷物を縛るためのものなのかは分かりません。結局、目的に基づいてでしか準備行為を判断できませんから、
準備行為のあるなしは限定にならず、共謀自体を処罰対象としていることになります。
 そして、共謀自体を処罰するということは、人の内心を処罰することになりますので、憲法が保障する内心の自由を侵害することになります。

共謀罪は戦争国家への法整備

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Q6.いったい安倍首相は、何のために共謀罪をつくろうとしているの?

 共謀罪は、戦争国家への整備の一つであるといえます。戦争国家を整備するためには、戦争をするための法律である安保関連法制だけではなく、軍事情報が漏れないようにするための法律(秘密保護法)、すべての資源を戦争に動員するための法律(総動員法)、政府に反対するものを取り締まる法律(戦時治安法)、上からの意思決定を反映させる法律(戦時組織法)など、いろいろな法律を整備する必要があります。戦争をすることに反対する人たちがもっと広範に出てくることが見込まれる中で、反対する人たちを取り締まるために、共謀罪は使えると安倍政権は思っているのです。
 政府が「テロ対策だ」、「オリンピックのためだ」と都合の良いことだけを言う中、政府の答弁は、過去の見解とも整合性を欠き、主張自体が矛盾してきています。国会で野党から追求され答弁不能になった金田法相は、「法案提出後に議論すべきだ」とする文書をマスコミ各社に宛てて送り、「国会での質問封じ」だと批判され、文書を撤回しました(国民救援会は辞任を求める声明を発表)。これまでの秘密保護法や戦争法の法案と同じように、時間が来れば審議を打ち切って、、そのまま数の力で強行させようというねらいがうかがえます。今は質問に答えず時間だけを稼ごうとしているのです。
 国会論戦で政府は追い詰められています。共謀罪の危険性と安倍首相の欺瞞を国民に大きく知らせ、なんとしても法案提出を止めさせましょう。  

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