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名古屋刑務所にういての要請

名古屋刑務所での受刑者暴行事件に関連して受刑者の人権擁護と事件関係者の徹底処分を求める要請

2002年11月18日  
法務大臣 森山 眞弓 殿  
日本国民救援会中央本部
再審えん罪事件全国連絡会

 11月8日、名古屋地検特捜部は、名古屋刑務所の刑務官5人を、今年9月、受刑者に集団暴行を加えて大けがをさせたとして、特別公務員暴行陵虐致傷の疑いで逮捕しました。
 報道によれば、事件は、暴行をうけた受刑者が、処遇に関連して、名古屋弁護士会に救済申立ての手紙を出したところ、刑務所側からその取り下げを求められ、それを拒否したことに対し、「制裁」として革手錠の腰ベルトを着用させられ強く巻きつけたために、腹部を圧迫され約40日間のけがを負わせられたというものです。
 死亡を含む他の事件も報道されていますが、重大な問題です。
 こうした事態は、刑務所が保身に固執し実態を隠そうとしているあらわれであり、不当な処遇の横行について、受刑者とその家族から多くの訴えが寄せられている事を裏付けるものです。
 私どもは、受刑者の人権が守られるよう、以下の事項を要請するものです。

1 本事件に関連して
①捜査機関による徹底した捜査と、関係者の厳正な処分をすること。
②すべての刑務所・拘置所での受刑者(死刑確定囚含め)に対する暴行および今回のように受刑者の不服申し立てを暴力・脅迫によって止めさせようとするなど人権侵害の実態を改めて調査し、その結果を国民に公表すること。
③その結果、明らかになった事件に関係した職員を、告発を含め厳正に処分すること。
④調査にあたっては、今後2度とこのような事件を起こさないために、外部に臨時の調査委員会などをつくり、実態調査を行った上問題点を明らかにし、抜本的な対策を国民の前に示すこと

2 拷問禁止条約について
①来る国連総会において、拷問等禁止条約の選択議定書を積極的に支持し賛成すること、採択後、直ちに署名をすること。
②早急に必要な国内的調整をおこない、選択議定書を批准すること。
③拷問等禁止条約の批准に際して、政府は第22条の個人通報制度の受諾を留保した。政府部内において必要な措置をとり、早急に受諾を宣言すること。
 なお、政府は、現在に至るまで条約19条に基づく政府報告書を委員会に提出していません。この政府報告書の審査は、原則、批准後1年以内になされることが規定されている事を考えれば、これはきわめて異例な事態です。上記の要請とあわせて、政府が、国内外のNGOとの十分な意見交換を行ったうえで、政府報告書を早期に提出することを求めます。

3 人権擁護法案を廃案にし、政府から独立した人権救済機関を
 今回の事件で、刑務所が当初「制圧は正当な職務行為に基づく措置だった」と説明を行い、事件発生後ただちに十分な調査・対応がされていません。また、新聞報道によれば、森山法務大臣は、「全国の施設を調査したが、なかった」とコメントを発表しましたが、その後、岡山刑務所でも暴行事件の疑惑が報道されるなど、内部で起きた人権侵害に対し、法務省に事実を明らにしすみやかな人権侵害の救済を期待することは極めて困難であることが示されました。国会を含む第3者機関による徹底した真相究明が求められています。
 現在、国会で審議されている人権擁護法案では、人権救済機関が法務省の外局であるなどの問題点が指摘され、野党は一致して反対しています。この人権擁護法案を廃案にするとともに、政府から独立した真の人権救済機関の設立を求めます。

4 憲法および国際的な人権規約にもとづき、受刑者の人権を守る処遇を
 救援会は、以前から、死刑囚をはじめ受刑者の処遇―手紙のやりとりや面会の不当な制限、十分な医療を受けられない問題等―について、当該刑務所や拘置所、法務省矯正局に対し、改善を求め要請してきました。しかし、法務省などは、それを真剣に受け止めることなく、放置してきました。
 今回の暴行事件の背景には、法務省の対応にもみられるように、受刑者の人権がないがしろにされてきたことがあります。
救援会は、あらためて憲法と国際人権規約などにもとづき、人間の尊厳を守る処遇を求めるものです。そのために、職員への憲法および国際人権規約などの教育の徹底を求めます(これは第4回国際人権規約委員会での勧告でも指摘されている点です)。

5 刑務所職員の労働条件の改善と増員を
 刑務所内での人権侵害の起きる背景として、刑務所職員の労働条件や人員不足が指摘されています。救援会は、職員の権利の拡大と労働条件の改善、大幅な人員増を求めるものです。

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