えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

名張・布川推進通信2010-07-03

名張・布川事件推進通信       7月 3日号   

国民救援会の推進ニュースより

【布川事件】

7月9日(金)の再審第1回公判に参加しましょう!

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 第1回公判は、7月9日(金)午後1時30分からです。当日は、午前10時からJR土浦駅で宣伝行動を行い、裁判所まで「人権ウォーク」し、公判後に、報告集会を行う予定です。

傍聴券抽選の時間の関係で、前回お知らせのスケジュールが少し変更になっております

【具体的スケジュール(予定)】
10時 土浦駅西口で宣伝
10時30分 裁判所に向け、人権ウォーク出発
11時00分 裁判所到着
12時05分 傍聴券抽選結果発表(亀城公園で)
13時10分 弁護団・当事者・守る会代表世話人は、裁判所入口から50m地点に集合
13時15分 裁判所に向け、出発 参加者は、裁判所入口で激励
13時30分 公判開始
  公判中に、傍聴しない人などで、9月10日(金)~11日(土)に行う、第20回現地調査実行委員会
  を開催。 また、15時から地域でビラ配布を予定。(各自夕食)
17時 裁判所入口で、弁護団・当事者・代表世話人を出迎え
17時30分 記者会見・報告集会(裁判所近くの「亀城プラザ」で) 19時終了
19時30分 懇親会(ヤマト 40人ほど 会費4000円) 21時30分終了

布川事件・第1回公判の審理予定内容

 13:30から始まる、第1回公判では、冒頭手続(人定質問、起訴状朗読、黙秘権告知、罪状認否等)のあと、確定審の証拠の裁判所職権による証拠調べを行い、検察官の冒頭陳述、弁護人の冒頭陳述が行われたあと、15分休憩をとり、証拠決定ののち、検察官立証、弁護人立証と進む予定です。全体で、午後5時前には終了する予定です。


【名張毒ぶどう酒事件】

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 最高裁が名古屋高裁に差し戻し、5月28日に裁判所・弁護団・検察の三者協議が行われました。また、「差戻審のたたかいを早急にかつ壮大に全国各地で展開するため」に、6月12日に名張毒ぶどう酒事件全国活動者会議が行われ、全国で、無実の死刑囚・奥西勝さんを救出するための運動が続けられています。この全国の運動をさらに加速するために、運動の中心を担う人に現在の状況を正しく把握して頂くために弁護団(脇田敬志弁護士)に、三者協議の内容とこの間の裁判の動きを整理した文章を書いて頂きました。
 名張毒ぶどう酒事件で奮闘して頂いているみなさんにはぜひ、この弁護団の文章を読んで頂き、再審開始等を求める署名等の活動を旺盛にお願いします。

名張事件 差戻異議審三者協議報告

弁護士 脇田敬志

1 差戻異議審始まる

 最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は,平成22年4月5日,名張事件第7次再審請求につき,異議審決定(名古屋高等裁判所刑事第2部,門野博裁判長)を破棄し,名古屋高等裁判所に差し戻す旨の決定をした。

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 これにより,平成17年4月5日付の再審開始決定(名古屋高等裁判所刑事第1部,小出錞一裁判長)が復活し,手続的には上記再審開始決定に対して検察官が異議申立を行った時点に戻ったことになる。今後は,名古屋高等裁判所刑事第2部(下山保男裁判長)において,差戻異議審の審理が進められる。 そして,平成22年5月28日午後3時から三者協議の場が持たれた。出席者は,裁判所の合議体3名,検察官3名,弁護団23名であった。

 冒頭,下山裁判長から三者協議開催の趣旨説明があり、その内容は,最高裁決定を受け,差戻審理を担当することとなったが,既に事件から50年近くも経過しており,なるべく早く審理を進めたい。それには法曹三者の協力が不可欠なので,検察官及び弁護団が,今後どのような主張・立証を予定しているのか,まずは聞きたいというものであった。

 上記は,最高裁決定の田原睦夫裁判官の補足意見における「本件は,事件発生から50年近くを経過し,また,本件再審申立てから既に8年近く経過していることにかんがみ,差戻審における証拠調べは,必要最小限の範囲に限定し効率良くなされることが肝要である」との指摘にも添うものであり,正当であると考える。

 しかし,後に述べるが,その後に検察官から提案された証拠調べの方法は,最高裁決定の内容を全く無視した不当なものであった。弁護団は,一様に,検察官の発言を聞いて,驚くとともに強い憤りを感じ,その場で直ちに反論を行った。まずは,検察官の主張がいかに不当なものであるかを明らかにするため,最高裁決定の内容について説明する。

2 最高裁破棄差戻決定の理由

 異議審決定は,弁護人が第7次再審請求審において提出した新証拠1~5のうち新証拠3(三重衛生研究所のペーパークロマトグラフ試験の結果,ニッカリンT(対照検体)のRf0.58スポットにはトリエチルピロホスフェートの反応が見られたにもかかわらず,飲み残しのぶどう酒(事件検体)からはその反応が見られなかったことからすると,犯行に使用された毒物には,トリエチルピロホスフェートが含まれておらず,本件毒物が同物質を含むニッカリンTではなく,同物質を含まない別の有機燐テップ製剤であった疑いがあるとする宮川恒京都大学教授,佐々木満神戸大学教授作成の鑑定書等)について,本件毒物はニッカリンTであり,トリエチルピロホスフェートもその成分として含まれていたけれども,三重衛生研究所の試験によっては,それを検出することができなかったと考えることも十分に可能であるとの判断を行った。

 これについて,最高裁決定は,異議審決定の説示では,事件検体からRf0.58スポットが検出されなかったことの合理的説明ができないとして,「(異議審決定の判断は,)科学的知見に基づく検討をしたとはいえず,その推論過程に誤りがある疑いがあり,いまだ事実は解明されていないのであって,審理が尽くされているとはいえない。これが原決定に影響を及ぼすことは明らかであり,原決定を取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。」として,異議審決定には破棄事由があるとの判断を行った。

もっとも,最高裁決定は,次のような理由から,破棄自判を行わず,原審に差し戻す旨の決定を行った。

 すなわち,検察官は,最高裁段階になって突如,平島明法九州大学准教授の意見書を持ち出し,同意見書に依拠し,事件検体からRf0.58スポットが検出されなかった理由は,トリエチルピロホスフェートの発色反応が非常に弱いこと等によるものであると主張した。これに対し,弁護団も佐々木,宮川両教授の協力を仰ぎ,上記平島准教授の見解が化学的に誤ったものであることを明らかにする反論書を提出したが,更に,検察官は,平島准教授の意見書の内容が化学的に誤っているものではない旨の再反論を行った。この時点で,最高裁は,Rf0.58のスポットが検出されなかった理由について,更に審理を尽くす必要があるとして,原審に差し戻す決定を行ったのである。

 なお,弁護団は,上記検察官の再反論に対し,化学論争に決着をつけるべく更なる反論書を提出する旨を最高裁に予告し,鋭意準備中であったにもかかわらず,最高裁は,破棄差戻決定を行った。上記弁護団の反論の提出を待って,その内容の検討さえしていれば,最高裁は,差戻しではなく,自判するという結論が導けたのであるから,その意味で,最高裁決定は不当なものであったと言わなければならない。

3 差戻審における検察官対応の不正義

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 上記最高裁決定の趣旨を踏まえれば,差戻審における新証拠3に関する審理は,事件検体からRf0.58スポットが検出されなかったのはどのような理由によるのかを解明することとなる。そして,弁護団は,これまでの最高裁での審理経過を踏まえ,最高裁に提出する予定であった反論書を,差戻異議審に対し,平成22年5月10日付意見書(1)として提出した。

 ところが,三者協議において検察官が提案した証拠調べの内容は,これまでの審理経過を全く無視したものであった。すなわち,検察官の提案は,とにかく最高裁決定で判示された再現鑑定を実施していただきたい,また,裁判所からの嘱託があれば当時製造をしていたメーカーからニッカリンTを再製造することができるとの回答を得ているので再製造の嘱託をしてもらいたい,というものであった。

 これに対して,弁護団は,これまでの審理経過を前提に,平島意見書及びこれを基にした検察官の最高裁での主張は,上記弁護団の意見書及び関連証拠で十分に論破することができるのであるから,この問題について,最高裁が言うような再現鑑定をする必要は全くなくなった,検察官は,再現鑑定を求める前に,まずは弁護団の意見書に反論できるものならば反論していただきたい,と答えた。

 その後のやり取りの中で,驚いたことに,検察官は,差戻異議審において,現段階で平島意見書を基にした「発色反応」の主張をするつもりはない,平島准教授の尋問も求めるつもりはない,したがって,弁護団の提出した意見書への反論は予定していない,と答えるとともに,再現鑑定を実施すればRf0.58スポットの物質はトリエチルピロホスフェートでないことが分かるかも知れない,などと言い始めた。

 しかし,上記のような発言及びそれをめぐる訴訟態度は極めて不当であり,著しく正義に反するものであることは明らかである。既に述べたように,差戻審における争点は,事件検体からRf0.58スポットが検出されなかったのはどのような理由によるものかである。
これについて,検察官は,最高裁段階の終盤に至って,平島意見書に依拠し,事件検体からRf0.58スポットが検出されなかったのは,トリエチルピロホスフェートの発色反応が非常に弱いことによるとの主張を行った。これによって,最高裁が自判ではなく差戻決定をせざるを得なくなったのである。

 ところが,検察官は,差戻審が始まるや否や,平島意見書を基にした主張及び立証(平島尋問)をしない,として,従前の自らの主張を無視し,とにかく再現実験をしたいとの提案を行ったのである。しかし,当日の検察官の主張を聞いても,上記差戻審の争点と再現鑑定がどのように関連するのかが全く理解できず,弁護団もこの点を明らかにするように検察官に問い質したが明確な回答は無かった。さらに遡って言えば,その程度の主張を最高裁で新たに提出して原決定を維持しようとしたこと自体が,極めて不当な訴訟態度であった,と指摘せざるをえない。

 もし,検察官の発色反応の主張が提出されなかったならば,最高裁が発色反応主張の当否を判断するために更に審理を尽くす必要があるなどと言及する余地は全くなく,最高裁は原決定破棄の上,差戻ではなく自判したと考えられるからである。検察官の発色反応に関する主張は,結果的に単なる審理の引き延ばしに過ぎなかったことになり,著しく正義に反するものである。

 加えて,検察官は,ニッカリンTのRf0.58スポットの物質は,トリエチルピロホスフェートではない可能性があると言い出したが,これは,検察官が最高裁に提出した答弁書においても全く行っていなかった新たな主張であり,今更そのような新たな主張を持ち出すこと自体極めて不当である,と言わざるをえない。

 検察官に,上記新たな主張を許すとすれば,それは,殊更に,再審開始決定を遅延させ,奥西勝さんを一層苦しめることにほかならず,到底,許されるものではない。弁護団としては,以上のような理由から,検察官の求める闇雲な再現鑑定には反対するとともに,差戻異議審の裁判体に対しては,「必要最小限の範囲に限定された証拠調べ」の内容をまずは確定させた上で,効率の良い審理を行うことを求めたのである。

4 差戻審での勝利に向けて

 ともあれ,差戻審は始まった。平成22年7月20日には検察官から差戻審における立証計画を明らかにする書面が提出されることになっている。弁護団は,上述したような理解と認識を基本として,検察官の不正義と戦いつつ,一日も早く,奥西勝さんの再審開始・再審無罪を勝ち取りたく,それに向かっての活動に全精力を注ぎたいと考えている。 

【当面の活動の柱】

1, 旺盛に名古屋高裁あての署名を集める
2, DVDを使ってのミニ学習会を全国あちこちで開催する
3, 7月28日(水)に名古屋高裁、高検の要請を行う
(8月以降は、全国各ブロックで要請行動を行う。8月は関西、9月は東海・北信越)
4, 9月10日(金)名古屋高裁を包囲する取り組みを行う



無実の死刑囚、奥西勝さんを励ます絵手紙通信 NO.76

2010年6月28日 国民救援会中央・愛知県本部副会長 稲生昌三
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名古屋は今年一番の、しかも湿度も高い、うだるような35度の暑さ。13年目、155回の大須観音縁日の6月28日宣伝・署名行動(13名が参加、102筆)を終えて、奈良の守る会事務局長・面会人、奥谷和夫さんと面会に伺いました。24日には面会人・ネット・守る会の田中哲夫さんが面会、7月12日には大阪の面会人、早川幸子さんも面会に来るとの連絡を受けお伝えしました。
 先日、24日には拘置所へ面会人の拡大をはじめ処遇の改善を求めての要請行動、東京の堀江恭子さん、愛知の長谷川幸子さんと長尾忠昭さんの3名の新たな面会願いの願せんを提出、「今後も強く要求します、許可が出されたら、奥西さんの希望での判断をして下さい」と要請行動の様子と合わせてお伝えしました。

奥谷和夫さんから「お元気ですか」、山添村の岡さん(妹)から「元気しているか」との伝言、「まあ、まあだ。元気でやっている」と伝えてくれとのこと、「梅雨になると前々から腰が痛むが大丈夫」とのこと、「奥西さん、出る時には自力で堂々と歩いて出れるように、元気で長生きですよ」と声をかけると、「うん、足も体も動かしているから」との返事でした。

 岡さんから新茶の大和茶が届き、お礼のお手紙をしました。奥谷さんから「岡さんも面会に来たがっていたがご近所の葬式とか、いろいろ合って今回は来れませんが、近々に面会に来られる」との伝言が伝えられました。8月のお盆には奥西家のお墓参りを予定していることも伝えしました。

正義と平和のためのカトリック名古屋教区・アロイジオ・故人、相馬信夫氏の偉業を顕彰、意志を継いでの人権賞の授与が6月19日にありました。「奥西さんの長きにわたる、無実の叫び、不屈の人権回復のたたかいへの賞として受け止めて下さい」とお伝えし、その賞金の一部、1万円の差し入れをしておきました。(救援会県本部に5万円、名張弁護団に4万円を)
東海テレビと中日新聞の報道を見ておられ、(東海テレビの「毒とひまわり」のドキメントも土曜日で見たとのこと)、おめでとうとの言葉でした。

奥谷さんから「大阪で5月末、えん罪集会が350名で開催され、私と早川さんが訴えました。奈良の守る会総会も行って、名古屋高裁へ署名を広げること、9・10裁判所を囲む人の輪行動に奈良から10名は来ます」と最近の支援運動が報告されました。
 私からは①早期に再審を確定せよ、②人権回復へ釈放せよ、③証拠隠して死刑判決は許せない、全面的な証拠開示をせよとの3つの柱での支援運動、名古屋高裁と名古屋高検への要求、要請運動を今後、一層広げることを6月12日の「全国活動者会議」で意思統一、8月からの毎月の全国ブロック要請行動と9・10名古屋高裁への行動を節に、大きな支援運動の展開を進めることをお伝えしました。「皆さんにお礼、よろしく伝えてくれ」と言葉でした。
また、弁護団も全力で再審確定へ奮闘していることをお伝えしてきました。

7月末~8月2日までの国民救援会の第55回全国大会の群馬県開催へのメッセージを要請。奥西さんからは暑中見舞を書き始めているとのことでした・(毎日2枚までの制限規定)
絵手紙は6月末で735枚が届けられました。最近は写真の大判を送っています。やはりこの夏の暑さは、体にこたえる様子で、奥谷さんと顔を合わせて「今日は疲れている様子、やはり高齢には避けられないか」との想いで面会を終えました。  

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