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名張事件第8次再審請求棄却決定に抗議する(5月29日)

名張事件第8次再審請求棄却決定に抗議する

2014年5月29日
日本国民救援会
会長  鈴 木 亜 英

5月28日、名古屋高等裁判所(刑事1部、裁判長:石山容示、裁判官:河原俊也、伊藤寛樹)は、奥西勝さんの名張事件第8次再審請求に対して、異例の速さでこれを棄却する決定を行った。
1 弁護団によると、4月25日に行われた三者協議において5月中に準備した新証拠を6月に追加提出すると予告していた事情の下での決定である。決定のその拙速性からは、再審請求を受けた裁判所として、確定判決の証拠構造を確認し、追加提出予告のものを含む新証拠が、新旧証拠の総合評価を行ううえで、何を弾劾するものと位置づけられるかという初期の審理すら怠たり、ひたすら棄却を急いだという深い疑いをとうてい払拭できない。
2 そして、後述するとおり、棄却判断の理由とするところの不当性とともに、人倫に反する付言を加えていることからも、国民救援会はこの決定に対して厳重に抗議する。
⑴ 決定は、提出した証拠について「第7次請求と同じ証拠に基づく同じ主張で、請求権は消滅している」と指摘し、いわゆる門前払いの判断を行った。そして、犯行の機会を持つ人物は外に存在していないとした確定判決の心証や、第7次請求審における、証拠を無視した「科学的知見」によらない恣意的な推認判断と無罪の厳格な証明を要求するという、刑事裁判、なかんずく請求人の利益のために存在する再審制度に対して、刑事裁判の鉄則を逆立ちさせる立場を引き継いで、無情に棄却したものである。
⑵ さらに決定は、拙速判断を行った理由について付言し、「収容先である医療刑務所に病状照会をし、裁判官が同所を訪問して請求人と面会するなどして確かめた同人の加齢の程度や健康状態の悪化の程度を踏まえた上、本件再審請求については、当裁判所の判断を早期に示すこととした」と述べている。
奥西さんは、第7次請求中の2012年春から体調を崩し、同6月に収監先の名古屋拘置所を出て八王子医療刑務所に移送されたが、2013年5月には一時危篤状態となり気管切開などの手術を受け、その後は小康状態を保っているとはいえ、重篤な病態が続いていることに変りはない。その事情を「踏まえた上…判断を早期に示すこととした」とは、一体どういうことを言っているのか。裁判官の情理とは、通常の人間が有する品格の水準と比べて、かくも軽薄・冷酷なものであるのかに思いを至らせるとき、激しい憤りとともに、心底からの驚きを禁じ得ない。
3 1961年に発生した名張毒ぶどう酒事件は、これまで2回にわたって「無罪」の判断がなされた事件である。それを、「何が何でも有罪」との立場で、覆されてきた。その手法は、刑事裁判の適正・公正性を投げ捨てたさまざまな違法に彩られているが、「奥西さんは犯人ではない」という真実は揺るがない。惨めに孤立する裁判所に比して、広範な識者と国民世論がこれを確信し、支えている。
国民救援会は、奥西さんの雪冤の日まで、今後も各界・各層の皆さんと連帯・共同して、激励、支援のために力を尽くす意思を、あらためて表明するものである。

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