えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

大崎事件で3回目の再審開始決定

鹿児島・大崎事件の検察の即時抗告棄却決定にあたっての声明

 本日、福岡高等裁判所宮崎支部(根本渉裁判長)は、冤罪・大崎事件の第3次再審請求(請求人・原口アヤ子さん及び、原口さんの元夫で共犯者の一人とされた男性の遺族)について、原口さんらが真犯人であると認定するには合理的な疑いが残るとした鹿児島地方裁判所の再審開始決定を支持し、検察の即時抗告を棄却した。
 私たちは、即時抗告審で福岡高等裁判所宮崎支部が請求人の原口さんの長年にわたる無実の叫びに真摯に向き合い、迅速な審理を尽くしたことに心から敬意を表する。そして、鹿児島地裁(冨田敦史裁判長)が「白鳥・財田川決定」が示した「疑わしいときは被告人の利益に」の鉄則を貫き、裁判官の良心と法に照らして、事実と道理にもとづいた再審開始決定を支持したことを高く評価する。
 そもそも本件では、原口さんと犯行を結び付ける物的証拠はないにもかかわらず、警察の過酷な取り調べによって「共犯者」とされた男性3人らの「嘘の供述」によって原口さんは有罪とされ、無実の罪で10年に及ぶ獄中生活を余儀なくされた。原口さんと家族は、今日まで「殺人犯」の汚名を着せられ、長く苦しい屈辱の日々を強いられてきた。原口さんは、逮捕以来38年間にわたって一貫して無実を主張し、「あたいはやっちょらん」「今回が、私が生きているうちに無実を明らかにする最後の裁判になるかも知れません。しっかり調べをして、私を無罪にしてください」と、裁判官に訴えてきた。
 第3次再審請求審では、鹿児島地方裁判所は、弁護団が提出した法医学鑑定書や供述心理鑑定だけではなく、新たに開示された証拠や、確定審や過去の再審請求審で出された新旧証拠を総合的に判断した上で、確定判決に合理的な疑いが生じたとして、再審開始を決定した。あらためて証拠開示の重要性が明らかにされた。  
 本日の決定は、第1次再審請求審の鹿児島地裁の再審開始決定(2002年3月)、そして昨年6月の第3次再審請求での鹿児島地裁に続き、三つの違う裁判体が再審開始を認めたものである。
 原口さんは、6月には満91歳を迎える。今回の再審開始決定の意味は重 く、原口さんが生きているうちに誤った裁判の責任を司法が償う最後の機会です。人道的にも検察の特別抗告は許されない。検察には、今回の決定に従い、無実の原口さんらを冤罪に陥れたこれまでの捜査と裁判への対応を厳しく反省し、特別抗告を直ちに断念して、再審開始決定に従い速やかに再審公判で無罪論告を行うことを強く求める。
 私たちは、原口さんの無実の訴えを受け止め、裁判資料の学習や現地調査などを重ねて、原口さんらの無実を確信して支援運動を続けてきた。大崎事件の再審をめざす運動にこれまでご支援をいただいた全国の皆さんに心から感謝申し上げる。原口さんが命あるうちに再審無罪を勝ち取るまで奮闘する決意を表明する。
2018年3月12日
                        日本国民救援会中央本部
                        日本国民救援会鹿児島県本部
                        再審・えん罪事件全国連絡会
                        大崎事件・原口アヤ子さんの再審をめざす会

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