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大崎事件第2次再審請求の特別抗告棄却決定に断固抗議する

声明

大崎事件第2次再審請求の特別抗告棄却決定に断固抗議する

最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は、2月2日、大崎事件第2次再審請求の特別抗告審で原口アヤ子さんらの特別抗告を棄却する不当決定を出した。file棄却決定
私たちは、原口さんの命の限りを尽くした訴えを非情にも棄却したこの決定に心からの怒りをもって抗議する。

大崎事件は、1979年10月、原口さんの義弟が自宅牛小屋の堆肥の中から死体で発見され、原口さんたち4人が殺人・死体遺棄で逮捕・起訴されたもので、物的証拠はなく、共犯者とされた三人の「自白」を理由に、一貫して無実を主張し続けた原口さんが懲役10年の有罪とされたものである。
10年間服役した原口さんは、1995年に再審を請求。鹿児島地裁(笹野明義裁判長)は慎重な審理の結果、2002年3月、死因はタオルによる絞殺とは言えず事故死の可能性もある、共犯者とされた三人の「自白」は変遷し、警察での強制・誘導によるもので信用できないとして、再審開始を決定した。しかし、検察が即時抗告し、福岡高裁宮崎支部(岡村稔裁判長)は一回の事実調べもせずに再審請求を棄却する不当な決定をおこない、最高裁はそれを追認した。

2010年8月、原口アヤ子さんは、鹿児島地裁に2回目の再審請求の申し立てを行い、鹿児島地裁(中牟田博章裁判長)が、弁護団が要求する証拠開示に応じず、鑑定人等の尋問すらおこなわず、原口さんの再審請求の訴えを理解しようともしないで棄却したことは許しがたいものであった。
また、福岡高裁宮崎支部(原田保孝裁判長)での即時抗告審では新証拠に関連して鑑定人の尋問もおこない、213点もの証拠が新たに開示され、再審開始決定が期待されていた。しかし、即時抗告審の決定は、確定判決が有罪の決定的な証拠とした「共犯者」の自白の「知的能力が低かったこと」「捜査官らの暗示誘導に迎合した結果、生じたものとも考えられない訳ではない」と、「共犯者」の自白の信用性は「必ずしも高いとも言えない」と認めたにもかかわらず、直接事件に関与したともされていない親族の供述が信用できるとして再審請求を棄却した。

即時抗告審の棄却決定は、確定判決を支えていた「共犯者」の供述に合理的な疑いが生じたにもかかわらず、これまで争点にもなっていなかった親族の供述の証拠価値をかさ上げし不意打ち的に再審請求を棄却した。これは「白鳥・財田川決定」など最高裁判例にも違反する不当決定である。
原口さんを有罪とした確定判決の証拠構造が脆弱であり、第1次再審請求審の鹿児島地裁で再審請求が認められたこと、第2次再審請求の審理経過からしても、最高裁には、再審にあたっても「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則は適用されるとした「白鳥・財田川決定」にもとづいた判断が求められていた。ところが、最高裁決定は、弁護団の提出していた特別抗告申立書の内容に一切答えることなく、前記に指摘した即時抗告審決定の違法性に対する審理の痕跡すら示すことなく、門前払いの決定をおこなったのである。

原ロアヤ子さんは逮捕されてから今日まで、「あたいはやっちょらん」と一度も犯行を認めたことはない。「殺人者の汚名を着たままでは死にきれない」と気丈に裁判闘争をたたかってきたのである。すでに87歳となった原口さんの、今回の決定に対する悲嘆と怒りは想像を絶するものである。
私たちは、今回の決定に対して満腔の怒りを込めて抗議をするとともに、原口さん、弁護団、支援者とともに、事実と道理をもって広く市民に呼びかけ、裁判所がその良心を取り戻し無罪判決を出すまで、たたかう意思を改めて表明するものである。

2015年2月6日

日本国民救援会中央本部
同      鹿児島県本部
再審・えん罪事件全国連絡会
大崎事件・原口アヤ子さんの再審をめざす会

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