えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

大阪地検だけじゃない 証拠改ざん・証拠隠滅!

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 大阪地検の証拠改ざん問題によって、警察・検察などの捜査機関が証拠の改ざんやねつ造をする事実が国民に広く知れ渡りました。大林宏検事総長は、今回が特異な事例であるかのように「前代未聞」を強調しました。しかし、国民救援会が支援してきた多くの事件の経験から見れば、捜査機関の証拠改ざんや証拠隠しは常態化しており、裁判所もこれを黙認してきたことで冤罪が生まれていることは明らかです。この機会にあらためて警察・検察・裁判所の不正義を訴え、裁判勝利を導く力にしましょう。(救援新聞11/25号より)



こうしてえん罪作られたロゴ.gif

偽造鑑定で死刑に

三重・名張事件(1961年発生・奥西勝さん)

 三重県名張市で、懇親会で出されたぶどう酒に農薬を混入させ、5人を殺害したとして、奥西勝さんが殺人などの罪で死刑判決を受け、現在名古屋拘置所に収監されています。
 有罪の根拠は、強要された奥西さんの「自白」と、ある時期に一斉に検察の主張に沿う形に変遷した関係者の供述の他は、有力な物的証拠はありませんでした。

歯形の鑑定偽造.gif

 唯一の物証とされたのは、「歯痕」が残ったとされるぶどう酒ビンの王冠でした。一審は、王冠は奥西さんの歯型とは断定できず、「自白」や関係者供述も信用できないとして、無罪判決。しかし、2審は、自白では有罪認定できないとしながら、王冠の傷跡は奥西さんの歯型と一致するという鑑定などを根拠に、一転して死刑判決。最高裁で確定しました。
 再審請求のなかで弁護団は、歯型鑑定が倍率を調整してあたかも一致しているように見せかけた捏造だったことを明らかにしました。しかし、名古屋高裁は、歯型鑑定の証明力は大幅に減殺されたとしながら、今度は一転、「自白」が信用できるとして再審請求を棄却しました。
 現在、使用したとされる農薬をめぐって、名古屋高裁で再審の可否が争われています。

<再審開始要請先>〒460-0001 名古屋市中区三の丸1-4-1
             名古屋高裁・下山保男裁判長


実物の証拠ゼロ

宮城・仙台筋弛緩剤冤罪事件(2001年逮捕・起訴・守大助さん)

 宮城県仙台市にある北陵クリニックで準看護師をしていた守大助さんが、患者の点滴に筋弛緩剤を混入させたとして、1件の殺人と4件の殺人未遂で起訴され、無期懲役刑が確定し、現在千葉刑務所に収監されています。

捏造された証拠.gif

 警察は、守さんを強圧的な取り調べの下におき、ウソの「自白」を強要しました。
 有罪の柱となったのは、このウソの「自白」と、患者の尿や血液などから筋弛緩剤の成分が検出されたとする大阪府警科学捜査研究所の成分鑑定でした。しかし、筋弛緩剤が点滴で体内に入ったとすれば、徐々に代謝されるにもかかわらず、血液鑑定で高い濃度が検出されている点や、筋弛緩剤を混入したとされた日から1週間後に採取した尿からも検出されるなど、科学的にありえない鑑定結果で、実際の鑑定をしていない疑いもあります。さらに、通常ならば数百回から最大2千600回の鑑定がおこなえるだけの量があった鑑定資料を、大阪府警は「全量消費した」として、再鑑定ができなくなりました。再鑑定のための保存を定めた犯罪捜査規範にも違反しています。
 また、裁判所は、守さんの犯人性を示すものとして、筋弛緩剤の空アンプル19本が入った赤い針箱を病院外に持ち出そうと証拠隠滅を図った、と認定しています。しかし、その根拠となる針箱と空アンプルの証拠物は写真のみで、弁護団の証拠開示請求に対し、裁判所は検察官への開示勧告を拒否しました。写真は空アンプルのロット番号が見えないように並べて撮影されており、守さんを犯人に仕立てるための謀略である疑いが濃厚です。

<激励先>〒264-8585 千葉県千葉市若葉区貝塚町192  守大助様

「自白」テープ改ざん

茨城・布川事件(1967年発生・桜井昌司さん、杉山卓男さん)

 茨城県利根町布川に住む男性が殺害された事件で、近くに住む桜井昌司さんと杉山卓男さんが起訴され無期懲役が確定。20年間の服役を経て、09年に最高裁で再審開始が確定し、現在水戸地裁土浦支部で再審裁判がおこなわれています。

05年9月再審開始決定.gif

 有罪の根拠とされたのは、「認めなければ死刑にする」などの偽計を使って警察が強要した2人のウソの「自白」と、2人を犯人とする曖昧な「目撃証言」だけでした。
 弁護団は、再審請求の審理のなかで2人の無実を示す数々の証拠を検察に開示させました。「自白」の信用性については、開示された毛髪の鑑定書によって、死体周辺から採取した毛髪に2人のものはなく、被害者のものでもないことから、第3者が存在したことを示しました。また、「自白」と異なる殺害方法を示した死体検案書も開示させました。
 
 さらに、開示された桜井さんの「自白」を録音したテープは、10数カ所に録音の中断や編集痕が認められ、「自白」が取調官の都合のいいように誘導・編集されたものであったことが分かりました。目撃証言については、事件直後に「2人とは違う人物を現場で見た」という供述調書も開示され、2人が犯人ではないことが明らかになり、有罪の根拠はすべて崩壊しました。
 このように、検察は自分にとって都合のいい供述だけを裁判所に提出し、無罪につながる証拠は隠し続け、ときには法廷でそれらの証拠は存在しないと答弁していました。有罪判決はこうした検察の不正義によって導かれたものでした。
 再審裁判の判決は来年3月の予定です。

<無罪判決要請先>〒300-0043 土浦市中央1-12-13 水戸地裁土浦支部・神田大助裁判長


「発見」された証拠

静岡・袴田事件(1966年発生・袴田 巌さん)

 静岡県清水市のみそ製造会社の専務宅が火事になり、焼け跡から家族4人の刺殺体が発見され、従業員だった袴田巌さんが殺人の罪などで逮捕されました。逮捕から20日目に「自白」。窃盗目的で侵入したところ発見されたため、用意していたくり小刀で突刺して殺害し、放火したとして起訴されました。

みそ浸け実験.gif

 事件から1年たった一審の公判中、工場のみそ樽の中から、被害者2人の血液型と一致する多量の血痕が付着したズボンやシャツなど5点の衣類が「発見」され、数日後には、袴田さんの実家からズボンと生地・切断面が一致する端切れを警察官が「発見」。
 一審は、「自白」調書45通のうち44通について、違法な取調べがあったとして証拠から排除しましたが、みそ樽のなかから発見された衣類は袴田さんのものであると断定して、死刑判決。
 二審では、このズボンを袴田さんにはかせる実験をし、装着不能なことを確認していながら、裏地の縮みによるとの根拠のない非科学的見解により控訴棄却。最高裁で死刑が確定しました。
 しかし、再審請求の段階で弁護団がみそ樽に1年以上も浸かった衣類がどうなるのか再現実験をしたところ、衣類は血液の付着も一見しただけでは分からないほど茶色く変色し、証拠とされた衣類よりもはるかに濃い色に着色しました。
 「発見」された衣類は捜査機関によって捏造された疑いが強く、証拠として認定した裁判所の判断は誤りだと弁護団は指摘しています。
 袴田さんは、現在東京拘置所に収監されていますが、長い間の拘禁生活によって拘禁症に苦しんでおり、適切な医療処置と処遇の改善運動も再審を求める運動とあわせておこなっています。

<再審開始要請先>〒420-8633 静岡市葵区追手町10-80 静岡地裁・原田保孝裁判長

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