えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

救援新聞2011年 1月15日号より

■救援新聞2011年1月15日号に掲載された主な記事



滋賀・日野町事件

阪原さん回復へ

 昨年12月6日に、刑務所内で危篤状態となって外部の病院に移送された日野町事件の阪原弘さんが、適切な治療と家族の看病によって、徐々に回復に向かっていることが、日野町事件対策委員会からの報告で明らかになりました。現在は肺炎も治まりつつあり、自力で呼吸ができるようになりました。酸素吸入も昼間はマスク型から鼻に装着するチューブ型に変わり、多少の会話が出来るほどに回復しました。
 こうしたことから、これまで病院に詰めていた家族も交代で自宅に戻り、長期的に阪原さんの看病ができる体制へと移行しました。しかし、刑の執行停止以降の治療費や個室料、家族の旅費と滞在費など、家族にとっての経済的負担が大きいことから、対策委員会では引き続き阪原さんへの激励と支援カンパを呼びかけています。

<激励先> 〒732-00052 広島市東区光町2-9-24 ロードビル202号
      国民救援会広島県本部
<支援カンパ送金先>
      ゆうちょ銀行 口座番号15130-8343201番 山本則子



東京・痴漢えん罪西武池袋線小林事件

処遇に一部改善

 昨年10月に懲役1年10ヶ月の刑が執行され、現在静岡刑務所に収監されている痴漢えん罪西武池袋線小林事件の小林卓之さんの処遇について、一部で改善がみられることが支援する会の報告で明らかになりました。
 小林さんは膠原病全身強皮症という難病や脳梗塞に罹患して加療中でしたが、検察官が執行を強行。支援者や家族などが、法務省や静岡刑務所などに対して刑の執行停止と医療に関わる処遇の改善を要請をし続けた結果、11月26日にようやく難病治療に必要な週3回の静脈注射の投薬が実施され、冷水での食器洗いの免除や、入浴の介助など、一部処遇の改善がみられました。
 しかし、12月3日に弁護団、家族と支援者が面会したところ、 小林さんは収監前と比べて11キロも体重を落とし、病気を悪化させないための温水使用ができないなど、問題点も数多く見つかっています。
 弁護団は、誤った裁判をやり直すための再審請求の申し立てを2月14日におこなう予定です。

<激励先> 〒420-0801 静岡市葵区東千代田3-1-1 小林卓之様



高橋勝子さんと布川事件②

画像の説明
画像の説明

 獄中の桜井昌司さん、杉山卓男さんと交わした手紙は3千通ほどです。この通数がなぜわかったかというと、手紙のやりとりを始めるときに、国民救援会の副会長でもあった山北孝之さんから、「番号を振っていた方が欠落していたときにわかる」という助言をいただきました。そうすれば刑務所に許可されず届かなかった手紙がわかり、後で理由を検証することができるからです。その番号を見て、とどかなかったものも含めると結果的に約3千通になりました。

試行錯誤して

布川のつどい.gif

 ラブレターじゃないので、はじめはなかなか筆が進みませんでした。だけど、保護者になっていない支援者から、こういう手紙を入れてくれないかと頼まれて、やがてメッセンジャーになりました。はじめはカギ括弧で全部書き写して、最後に「という伝言がありました」と付け足して出したところ、刑務所からダメだと言われました。それでも、支援者の声を伝えたくて、「手紙らしい」文章にするために試行錯誤して、認められたり、認められなかったりしました。
 再審開始が決定してから、マスコミが「思い出の手紙はありますか」とよく聞いていました。きっと華やかな「3千通の手紙」を想像されているんだと思います。
 でもね、思い出の手紙はないんですよ。こちらも向こうも伝言を入れたりするので、1回の手紙がとても長いし、しみじみ1対1でやりとりしているわけではないですから。私の方は書かないと支援者からどんどん来て急かされるし、向こうからは小さい字で、当時の制限ギリギリの長く細かい文章での返事が来て、忙しいやりとりでした。

要請で改善広げ

 面会や手紙にはさまざまな制限がありましたそして、支援運動の広がりや度重なる要請で改善できたこと、改善できなかったこともありました。
 まず、写真を入れることはすべてダメでした。要請を続けた結果、保護者が写っている写真は入れることができるなどとなりました。面会についても、何度か刑務所に通った人は会わせてくれたときもあったのですが、所長が変わると保護者以外はダメだと後退することもありました。面会時間もはじめは15分、20分と短かったのですが、要請の結果、30分になりました。他にも、たまには差し入れで男性向けの雑誌もいいかなと思ったのですが、刑務所の教育部長から「露骨すぎるからダメだ」と言われたこともありました。(つづく)



裁判官から独立して判断

裁判官が陪審員に審理の内容を説明        韓国参与裁判②

 韓国の参与裁判の視察に行った伊賀カズミ副会長。地方法院(日本の地裁)での裁判官との懇談を終え、実際の参与裁判の様子を傍聴しました。
 法廷では陪審員の選任手続きがおこなわれていました。これは、本来は非公開とされています。選任手続きの終了後に傍聴希望者が入廷。

公判は粛々と

参与裁判2.gif

 法廷は正面壇上に女性一人を含む裁判官3人、そして向かって左下に参与裁判に参加している市民である陪審員の席があり、選任された8人が2列に座っています。一人は予備陪審員、ただし最後まで誰が予備の陪審員かはわからないのだそうです。裁判官とともに並ばず独立の席を設けられているというのが陪審員たるゆえんです。

地方法院.gif

 勤め先の中華料理店の金庫から現金を盗んだという男性が被告人として弁護人の横に着席しています。勾留請求は却下され、在宅起訴され出廷。勾留請求のうち約2割が却下されると聴き、日本の却下率(09年は0.9%)の低さを改めて実感しました。検察官は前歴から常習性ありとして、刑の重さが争点だと主張。対する弁護人は、前科はあるが今回は自首しており賠償も済んでいる、争点は常習性があるのかどうか、その上で刑罰をどうするのかを判断してほしいと陳述。そして裁判官は陪審員に対して、検察官の証明が十分かどうか、証拠に基づいて判断すること、自首による刑の免除、情状による裁量減刑もあるなどと説明しました。
 公判は求刑や昼食をはさみ、粛々と進みます。検察官は被告人の前歴について縷々述べ、モニター上に犯歴や本件被害場所、状況などを細かく映し出して説明し、常習性は明らかと重罰を訴えます。対する弁護側は、被害者である店主が、被害は賠償されており処罰は望んでいないと証言したこと、更正のために家族みんなが協力すると約束していることなどを主張しました。そして量刑調査官とよばれる量刑基準や家族関係等被告人の状況を調査する裁判所職員が、調査内容を報告しました。

熱心な陪審員

 裁判官がたびたび、陪審員に対して検察官・弁護人のやりとりを丁寧に説明している様子が印象的でした。陪審員の皆さんも大方が熱心にメモをとって聞いていました。説明を受けながら、徐々に争点、判断内容が明らかになっているように思えました。
 午後5時30分。被告人質問の途上、次の予定のために退席時刻となり、結末に心を残しながら、法院を出発しました。翌日のソウル弁護士会との懇談の席上、この参与裁判の弁護人も参加されており、結末を聞くことができました。(つづく)

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