えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

救援新聞2011年 3月5日号より

■救援新聞2011年3月5日号に掲載された主な記事



茨城・布川事件

無罪と誤判解明を      47都道府県本部会長が要請

3月16日判決


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 布川事件の再審裁判判決が3月16日に出されるにあたって、国民救援会は2月15日、中央本部と全国47都道府県本部会長の連名で、桜井昌司さん杉山卓男さんに無罪を言い渡し、事件の構造的な誤判原因の解明と、冤罪の再発防止につながる判決にするよう裁判所へ要請しました。要請には中央本部・鈴木亜英、茨城・田村武夫、千葉・鷲尾清、東京・安井純夫各会長が参加しました。

 要請で鈴木会長は、「布川事件は冤罪のデパートといっていいほど、自白の強要などありとあらゆることがおこなわれた。裁判がなぜ誤ったのかを判決で解明し、言及していただきたい」と要請。田村会長は、「無実の人を44年も苦しめる裁判が発生しないよう、毅然たる判決を求めます」などと要請。全国の会長による直筆の署名を提出しました。

<無罪要請先> 〒300-0043 土浦市中央1-13-12 水戸地裁土浦支部 神田大助裁判長


3月16日の判決控え 弁護団に聞く(上)


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 茨城・布川事件は3月16日に水戸地裁土浦支部で再審裁判の判決を迎えます。布川事件の弁護団として、長年ともにたたかい続けてきた山本裕夫弁護士に、あらためて冤罪を生んだ原因とこれまでのたたかいについてお話を伺いました。

 布川事件は「冤罪のデパート」なんです。まず自白の強要、目撃証言の誘導、証拠の改ざん(録音テープの編集など)。それに公判での証拠隠し。この事件は、こうして捜査機関が桜井昌司さんと杉山卓男さんを犯人に仕立て上げた事件で、2人を犯行に結びつける物的証拠はもともと何一つありません。

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 警察は、まず桜井さんを別件で1967年10月10日に逮捕して、「8月28日(強盗殺人が起きたとされる日)にお前は何をやっていたか」と問い詰めました。40日以上も前のことをすぐに言えるわけがありません。それでも桜井さんが何とか思い出して「兄のアパートにいたのではないか」と言うと、「いや、兄は来ていないと言っている」と返しました。当時、警察がウソをつくと思っていなかった桜井さんは、「そうかな」と混乱し、ますます追い込まれていきます。
 「こいつが犯人だ」という予断に基づき「カマ」をかけ、うまく答えられないと、「やはりこいつが犯人だ」となって自白を強要する。これが昔も今も変わらぬ取り調べの実態です。外部と遮断された代用監獄(警察留置場)の密室で、「犯人はお前しかいない」と決めつけられ、言い分を何も聞いてもらえない。そうした状況に追い込まれた20歳そこそこの青年に、自白の圧力に抵抗するだけの力は、もうありませんでした。

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 検察の取調べで、2人はいったん否認します。しかし、新たに投入された検察官は、再度自白を迫り、今度は、「認めれば何年かで出られるが、否認しているから極刑になる」と脅しました。
 桜井さんが獄中で書いた日記には、公判を控えて悩む姿が綴られています。本当のことを言って死刑になるか、それともウソの「自白」をして生き残り、刑務所を出てから真犯人を探すか。桜井さんは、悩みに悩んだ末に真実に従うことを決意し、第1回公判で否認しますが、そこまで迷うほど検察の脅しが重くのしかかっていたんです。
 そうして採った「自白」に任意性などあるわけがありません。布川事件で桜井さんと杉山さんを無期懲役とした有罪判決は、この強要されたウソの「自白」と誘導された「目撃供述」でかろうじて成り立っていたものでした。


「一部録画は冤罪生む」   取調べ可視化求める集会で杉山さん

杉山さん.gif

 2月7日、日弁連主催による「取調べの可視化(取調べ全過程の録音・録画)の実現を求める院内集会」が衆議院議員会館で開催され、80人が参加しました。
 集会では、布川事件の杉山卓男さんが自らの体験を講演、杉山さんは、一問一答でリハーサルして「自白」テープが作られたことを紹介し、警察・検察が主張する「一部録画」では新たな冤罪を生むと批判。冤罪をなくすには全面可視化と検察のの手持ちの証拠の全面開示が必要だと力説しました。
 民主・自民・公明・共産・社民・新党大地の各党議員は全面可視化早期実現の決意を述べました。



東京・痴漢えん罪西武池袋線小林事件

「痴漢行為は不可能」    犯行は誤りと再審を請求

小林さんを取り戻す.gif

 膠原病強皮症によって手指を動かすことが困難な小林卓之さんが痴漢の犯人とされ、懲役1年10月の刑によって獄中から無実を訴えたたかっている東京・痴漢えん罪西武池袋線小林事件で、弁護団は2月14日、裁判のやり直し(再審)を東京地裁に申し立てました。
 同日に支援する会は再審開始と刑の執行停止を求める集会を開き、72人が参加しました。
 小林さんの主治医は、刑の執行は適切な治療を奪うもので、生命の危険が危惧されると指摘しています。今回、再審を求める上で提出された新証拠には、この主治医の「小林さんが痴漢を行うことは不可能」とする意見書や、車内の再現実験、供述審理鑑定書などがあります。
 集会では、皆さんからの手紙を一日に何回も読み、励まされています。心を強く持ってがんばりたい」との獄中の小林さんからのメッセージが読み上げられ、長男が「父を取り戻すために皆さんの協力が必要です」と訴えました。
 小林さんの一日も早い刑の執行停止と再審開始を勝ちとるために全力を挙げて取り組む決意を込めたアピールが採択されました。

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