えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

救援新聞2011年4月15日号、25日号より

救援新聞4月15日号に掲載された再審えん罪事件関連のニュース

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三重・名張毒ぶどう酒事件で事件から50年目の全国現地調査  

 1961年に三重県名張市で、ぶどう酒に毒を入れ5人を殺害したとして、死刑判決を受けた奥西勝さんが再審(裁判のやり直し)を求めて名古屋高裁でたたかっている名張毒ぶどう酒事件で、3月26~27日、第29回の全国現地調査(主催=名張事件全国ネットワーク・国民救援会中央本部)がおこなわれ、16都道府県から94人が参加しました。

 「3月28日は事件のあった日から50年となります。長い長い歳月でした。この50年は、死の恐怖と身を削る苦しみの日々でした」
 1日目におこなわれた学習会では、奥西さんの獄中からの痛切な思いが紹介されました。無罪から一転死刑へ、再審開始決定から取消しと奥西さんの人生を翻 弄させた50年の月日への憤りと、奥西さんを有罪とした判決の不当性、主張を二転三転させて再審請求審を引き延ばす検察の不正義に会場からは怒りの声が上 がりました。

現調参加者.gif

 2日目はぶどう酒が届けられた経路を調査しながら事件のあった集落へ。あらためて奥西さんの無実を確信するとともに、奥西さんを犯人とするために、数々 の証言が警察・検察によって作り上げられていったことが浮き彫りになりました。参加者から「現場を歩いて、奥西さんに犯行の機会がなかったことがわかっ た」という感想もありました。
 現地調査を終え、まとめの集会では、各地の守る会や国民救援会の支援者が活動を報告。奥西さんの特別面会人のひとり、奥谷和夫さんからは「奥西さんは東 日本大震災の被災地のみなさんをとても心配していた」と話がありました。最後に「一刻も早く奥西勝さんを取り戻すために、できることはすべてやりきろう」 と確認。裁判所に対しては検察の不当な主張を退け、再審開始と釈放を、検察に対しては真摯に事件に向き合い、奥西さんをただちに釈放するよう求めていくこ とを誓い合いました。
 翌28日には名古屋高裁・名古屋高検に対して要請行動がとりくまれ、宣伝を含め21人が参加しました。

茨城・布川事件の再審裁判の判決日が5月24日に決定  

 東日本大震災の影響で判決期日が延期となっていた茨城・布川事件の 再審裁判で、水戸地裁土浦支部は判決期日を5月24日午後1時30分と決定しました。守る会では当日の行動について、3月16日に予定していた行動と同じ 行動を計画しており、全国からの参加を呼びかけています。なお、午後6時30分から予定されている報告集会には参加申し込みが必要となります。

滋賀・日野町事件の再審の審理が終結  

 3月18日に再審請求の申立人・阪原弘さんが亡くなられた日野町事件で、3月30日、大阪高裁は申立人の死亡にもとづいて再審請求の審理を終結することを決定しました。
 これを受けて日野町事件対策委員会と国民救援会中央本部、滋賀県本部が「日野町事件・阪原弘さん逝去にあたっての声明」を発表。声明では、これまでの支援への感謝とお礼を述べると同時に、これまでの総括と、今後の検討をひきつづきご遺族・弁護団とともに続けていくとしています。
 大阪高裁宛におこなっていた要請署名は5万2164人分が提出され、昨年12月に阪原さんが刑の執行を停止されてからの家族への支援カンパは125万9375円に到達しました。



救援新聞4月25日号に掲載された再審えん罪事件関連のニュース

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三重・名張毒ぶどう酒事件 奥西勝さんの再審求める声が各地で  

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 4月5日は6年前に名古屋高裁で名張毒ぶどう酒事件の 再審開始決定が出された日です。決定はその後取り消されましたが、昨年4月5日、最高裁がその取消し決定を破棄し、差し戻す決定を出しました。そして今年 の4月5日、奥西勝さんの再審開始と釈放を一刻も早くと、三重と愛知で宣伝行動が、東京で支援集会がおこなわれました。

「すぐに釈放を」と地元で宣伝行動 三重  

 奥西さんを救う三重の会と国民救援会三重県本部は4月5日、合同で宣伝行動にとりくみました。
 宣伝カーで津駅前や住宅街を回り、「検察の主張は不当な審理の引き延ばし。裁判所は検察に振り回されることなく直ちに異議申立を棄却し、釈放を」などと訴えました。
 その後、近鉄津駅西口前で署名・宣伝行動を11人でおこないました。友人の分も、と署名用紙を持ち帰る女性もいて、元気づけられるとりくみとなりました。

名古屋高裁前で「再審の花咲け!宣伝行動」 愛知  

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 国民救援会愛知県本部と愛知守る会は名古屋高裁前で「再審の花咲け!宣伝行動」をおこない、90人を超える支援者が参加しました。
 宣伝行動では、参加者たちが奥西勝さんへのメッセージを桜の花びらを模したカードに書き、ボードに貼って満開の桜を咲かせました。
 作家の佐藤貴美子さんも病をおして参加し、「奥西さんの健康が心配。一刻も早い再審を」と訴えました。
 特別面会人の稲生昌三さんは、「奥西さんが79歳のときに名古屋高裁の小出裁判長が再審開始決定を出した。しかし、門野裁判長により開始決定が取り消され、85歳になるいまのいままでないがしろにされている。裁判所の責任は重い」と訴えました。
 最後に参加者全員で「ただちに再審を開け」、「隠している証拠を開示させろ」、「奥西さんを釈放せよ」などのシュプレヒコールをあげました。

200人の参加で支援集会が成功 東京  

奥西さんを死刑台から取り戻そう4.5集会.gif

 東京・文京シビックホールで、名張毒ぶどう酒事件奥西勝さんを守る東京の会の主催による「今すぐ再審開始を!奥西さんを死刑台から取り戻す4・5集会」が開催され、200人が参加しました。
 集会では、まず守る会が作成した事件の解説DVDを上映。その後は芸人の松元ヒロさんが会場を大いに沸かせ、弁護団の伊藤和子弁護士を交えてジャーナリ ストの江川紹子さん、コメンテーターのやくみつるさんの対談がおこなわれました。江川さんは委員として参加した「検察の在り方検討会議」にも触れ、取調べ の全面可視化の必要性を語りました。また、2人は「奥西さんと来年の桜を一緒に見たい」と思いを語り、大きく世論を広げたいと訴えました。
 布川事件の桜井さん、杉山さんも駆けつけ、連帯の挨拶。特別面会人の稲生さんも名古屋から駆けつけ、奥西さんの今の様子を報告しました。
 守る会の代表世話人で青山学院大学大学院の新倉修教授は「この大変な時期に集会が成功して本当に嬉しい。奥西さんの再審開始と釈放を勝ちとるまで決してあきらめない」と決意を語りました。

検察の主張次々と破綻 再審開き正義示せ  

 事件の審理が最高裁から名古屋高裁に差し戻されて1年。「差戻審における証拠調べは、必要最小限の範囲に限定し、効率良く」とした最高裁決定に沿った審理が進められているのでしょうか。
 02年に始まった第7次の再審請求で弁護団は、「犯行に使われた毒物は奥西さんが持っていた農薬(ニッカリンT)ではない」とする鑑定書を提出し ました。実験の結果、もし毒物がニッカリンTであれば当然検出されるはずの不純物が検出されなかったことが明らかになり、05年に名古屋高裁刑事1部で再 審開始決定が出されました。
 その後、同高裁刑事2部で開始決定が取り消され、審理は最高裁に持ち込まれました。検察は新たに「不純物は発色が弱い」などとする従来(加水分解したなど)と全く違う主張を持ち出しました。
 弁護団はこの主張に反論するため、補充書の提出を予定していましたが、最高裁は審理から逃げ、提出を待たず、名古屋高裁に差し戻す決定を出しました。
 名古屋高裁で、検察は「最高裁で主張した発色問題は今後主張しない」と言明し、「新たな主張をおこなう」と主張を変更。そもそも検察が発色問題を主張し たからこそ最高裁は審理を差し戻したのであって、主張しないのであれば、差戻し審を続ける道理はありません。弁護団は、ただちに再審を開始すべきと強く迫 りましたが、名古屋高裁は検察の新たな主張に引きずられ、「再生・再現実験」をおこなう意向を示しました。
 検察の新たな主張は「不純物は発色が強い」ことを前提に、「ニッカリンTには問題の不純物が5%以下しか含まれていない。あるいは、検出された物質は、問題の不純物とは違うもの」という主張で、自らの最高裁での主張とも矛盾するものでした。
 さらに今年になって名古屋高裁は検察に対して、「ニッカリンTを成分分析して、弁護側の主張(問題の不純物は17%以上)に沿う結果となった場合、何を 主張するか」と回答を求めました。検察は「発色が強い」ことを前提とした「検出された物質は問題の不純物ではない」とする主張と併せて、再び「発色が弱 い」ことを主張するなどと回答。矛盾する主張を繰り返す極めて不当で不誠実な態度をあらわにしました。
 場当たり的な主張を繰り返す検察にはもはや正義はありません。これは検察主張の破綻そのものを示すものです。この間、名古屋高裁は、裁判所として、鑑定 人を見つけることもできませんでした。これ以上の引き伸ばしを許さず、再審開始を確定し、一刻も早く奥西さんを釈放することが、裁判所の当然の責務といえ ます。

江田法相が検察特捜部の取調べの全過程の可視化を指示  

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 江田法務大臣は4月8日、東京、大阪、名古屋の各地検特捜部による取調べの全過程の全面可視化を試行し、1年後をめどに検証するよう、笠間治雄検 事総長に指示しました。これは、大阪地検特捜部の証拠改ざん問題を契機に、昨年11月に発足した検察の在り方検討会議が3月31日、「検察の再生に向け て」と題する提言の発表を受けてのものです。

 江田法相の指示は取調べの全面可視化への第一歩であり、前進です。しかし、特捜部だけにとどまらず、警察・検察における取調べの全面可視化が必要です。
 この間国民救援会は、まず、「検討会議」の発足に先立ち法務大臣に要請。これまでの冤罪事件を検証し、無実の人を罪に陥(おとしい)れてきた検 察・警察の構造的問題に深くメスを入れ、抜本改革の方向を示し、委員には、法務省、警察・検察関係者を除き、冤罪犠牲者やその支援者、弁護団を入れるよう 求めてきました。
 また、「検討会議」に対し、足利事件や布川事件などの冤罪事件当事者の声も届けながら、自白強要や無罪の証拠隠しを改善するために、取調べの全過程の録音・録画(全面可視化)と検察の手持ち証拠の全面開示の実現を強く求めてきました。
 しかし、「検討会議」では、ジャーナリストや日弁連元役員などが全面可視化の必要性を積極的に提起しましたが、警察庁・最高検の元責任者が強く反対しました。その結果、3月31日に発表された提言では、「可視化を積極的に拡大すべき」との表現にとどまりました。
 これを受け、国民救援会は声明を発表。警察・検察が冤罪に対し真摯に反省していないことを反映していると指摘したうえで、国会および政府に対して、今回 の提言にとどまらず、冤罪の根本的な原因にメスを入れる、警察・検察関係者を除いた第三者機関を改めて設置し、抜本的な改革をおこなうことと、ただちに取 調べの全面可視化、証拠の全面開示の実現を強く求めていました。

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