えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

救援新聞2012年1月25日号より

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ここに掲載されている内容は、救援新聞2012年1/25号に紹介されている「再審えん罪事件全国連絡会」に関連する記事の一部です。

名張毒ぶどう酒事件           奥西さん、獄中で86歳に! 

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1.14誕生日宣伝行動を全国各地で繰り広げる

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 獄中で86歳を迎えた奥西勝さんの再審を早急に勝ちとろうと、奥西さんの誕生日の1月14日を中心に、全国で宣伝行動がとり組まれました(次号で詳報)。 たたかいの舞台・名古屋高裁のある愛知と、事件の地元・三重の活動を紹介します。

「奥西勝です」「51年間、死の恐怖におびえて裁判のやり直しを求めています」
 支援者が掲げた86枚のメッセージパネルに、通行人やマスコミの注目が集まります。道行く人からは、「がんばって」の声もかかります。奥西さんの86歳の誕生日である1月14日、名古屋市内の繁華街で行われた宣伝行動には、冷たい風が吹きつけるなか、150人が参加しました。
 ずらりと一直線に並んだ支援者が、奥西さんの思いを表したメッセージパネルを掲げてアピール。弁士が通行人に呼びかけました。
 愛知県本部の阪本貞一会長は、「奥西さんを直ちに釈放すべき。もう時間がない」と訴え、「事件解決に、いま力を合わせる正念場だ」と強調しました。
 弁護団の岡村晴美弁護士は、「すでに毒物問題でも決着がついている。検察官のコロコロ変わる主張、モグラ叩きのようなことを、これ以上許してはならない」と、検察の態度を批判しました。
 奥西さんの特別面会人である国民救援会愛知県本部の稲生昌三副会長は、「ここにきて奥西さんは気力十分。毒物の鑑定のことも理解して救出を待ち望んでいる」と、奥西さんの様子を伝えました。
 真宗大谷派の僧侶。石川勇吉さんは、昨年に続いて宗教者の共同アピールを発表したことを報告しました。
 参加者全員で、「名古屋高裁は直ちに再審を開始せよ」、「奥西さんを釈放せよ」とシュプレヒコールを冬の空に響かせ、パネルを高々と掲げました。

「奥西さん気の毒」         三重・宣伝行動に激励の言葉 


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 奥西さんを救う三重の会と国民救援会三重県本部は1月8日、8人で伊勢神宮前で事件への支援と名古屋高裁への再審開始決定を求める署名宣伝行動にとりくみ、ビラ250セットを配り、署名47人分を集めました。
 署名に応じた方からは「86歳ですか。まだ出てきてないのですか。気の毒になぁ。早く出したらなあかんわなぁ」と同情の言葉や、「がんばってください」と心温まる励ましの言葉が寄せられました。



宗教者が共同で宣伝行動    人道的見地から再審を


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 奥西さんの86歳の誕生日を前に、愛知の宗教者・石川勇吉さん(真宗大谷派)、青野清さん(日本基督教団)、うのていをさん(カトリック布池教会)などの7人が、1月13日、名古屋高裁に対し、奥西さんの再審開始と釈放を求める宗教者共同アピールを提出し、要請をおこないました。
 宗教者の共同アピールによる申入れは、昨年に続き2回目です。前回は、愛知県の宗教者が中心でしたが、今回は全国の宗教者の賛同を得て、仏教関係、キリスト教プロテスタント、カトリックなどの教会に広く賛同を呼びかける運動が実ったものです。
 7人の要請団は、「宗教者としてはえん罪犠牲者である奧西勝さんの姿を思うにつけ、一刻も猶予できない」として行動をおこしたことを述べるとともに、無実の者が自由を奪われた悲劇を放置できない。独房の中での50年は、人間の尊厳を傷つけるものだ」述べて、宗教者としての見解を述べました。

獄中からの便り

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獄中でたたかう事件の当事者たちから、編集部に届いたお手紙です。新年号に掲載しきれなかった分を紹介します。

両親の介護したい         大阪・東住吉冤罪事件 青木惠子さん

 日頃は、「東住吉事件」のご支援・ご署名にご協力くださりありがとうございます。
 私の刑務所生活も、4年5ヶ月が過ぎ去ろうとしています。胸中は複雑な思いでいっぱいですが、明るく楽しく元気に生きています。作業は、わたし、スポンジ類の集積という場所で、入荷・出荷される材料、伝票のチェック、ダーツ等もしています。
 今は、毎日がとても忙しいため、夜はよく眠れますし、余計なことを考えずにすみますから助かります。
 休日はTVを観たり、本を読んだり、独学で「手話」の勉強をしています。そして部屋は開放部屋の2人拘禁で、トイレだけは自由に行けますし、鍵がないため閉じ込められている気がしません。女子寮みたいです。

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 さて私がずっと望んでいました「再現実験」が(11年)5月20日におこなわれました。その結果、ガソリン7.3リットルを床に撒き終える前に、風呂釜の種火に気化したガソリンが引火し、車全体が炎に包まれることがわかりました。ですから、「自白」は、完全崩れて、真実が明らかになりました。みなさまもぜひ、DVDをご覧ください。
 突然の火災で娘を亡くし、悲しむ時間も奪われた上に、逮捕されてから16年以上になります。私は自分の運命だと割り切れますが、高齢となった両親の姿を目にする度、元気な間に帰って、介護してあげたいという気持ちが強くなります。息子も25歳になりましたが、姉を亡くし、母親の私とも引き離された時間、どんな思いで生きてきたのかと考えると不憫です。
 だいたい私が犯人だという証拠、動機が一切ありません。今回の「再現実験」で、「再審開始決定」が言い渡されるものと信じ、その日まで静かに待ちたいと思います。一日も早く、両親、息子のもとに帰り、娘のお墓に「無実を勝ちとったよ」と報告に行けるように、皆さまより一層のご支援をどうか宜しくお願いいたします。助けて下さい。決して私は、大切な娘を保険金が欲しいために殺すような母親ではありません。私は無実です。

12月3日記 青木惠子 


判事の背中押して         大阪・東住吉冤罪事件 朴 龍晧さん

 いつもお世話になり、とても感謝しています。
福井女子中学生殺人事件で再審開始決定が出たのは、大変に喜んでいます。その決定要旨を読むと、(再審のために必要な新証拠の)新規性と明白性についての定義が示されていて、その定義によれば、僕の事件の証拠も新規明白な証拠だと認めるよりないでしょう。
 とはいえ決定を勝ち取れる見込みは、それでも5分5分というところです。これでも多少、甘い考えかとも思わないではいられません。
 とにかく今が最も重要な時期です。遠くないうちに決定が出ると思うので、支援の力を結集して裁判官の背中を押して下さればと願っています。
 再審請求をしたのが、平成21年7月7日のことですから、速いスピードで、事実審理に至って決定を待つ身になりました。しかも裁判所と検察の同意を得て実験をおこなうことが出来たのですから、順調すぎるくらいです。それほど決定的な新証拠だと思っていますが、はたして裁判官が信じてくれるのかどうかです。天に祈るばかりです。これからも宜しくお願い致します。ありがとうございます。
 昨年、5月20日に静岡県小山町で新実験が行われました。裁判所と検察の同意の上でおなわれたものです。その結果、放火をおこなうのは不可能という新規明白な証拠を得ることが出来ました。「東住吉事件再現実験基金」には、今も善意のカンパが寄せられていて、この新証拠は世論の声の象徴そのものです。この実験を機にして署名数も増大していて、カンパや署名をして下さった皆さまには、心からお礼を申し上げます。
 おかげさまで、昨年8月26日には証人尋問も実施されて、もはや確定判決の根拠が完全に否定されているのが明らかとなりました。
 この新証拠がどれほど決定的なものかは、実験DVDをご覧になられると誰もが納得出来ることでしょう。それが披露されたのは、第1回全国現地調査でのことでした。106人の方々が参加して下さったそうで、本当にうれしく思います。これまで以上に無実を確信して下さり、とてもありがたい限りです。
 このように再審開始決定を勝ちとるために、たくさんの方々が協力して下さっていることには、心から感謝しています。
 昨年10月31日には弁護団が最終意見書を提出し、11月22日には僕も意見書を提出しました。今は決定を待つばかりで、天に祈りながら無実の受刑者として過ごしております。
 電気工事の職人としての誇りにかけて、僕は無実です。決定を勝ちとれるように、どうかご支援を宜しくお願いいたします。いつも本当にありがとうございます。

朴 龍晧


今年は再審の闘い           宮城・仙台筋弛緩剤冤罪事件 守 大助さん


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 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は東日本谷震災で両親が大変お世話になりました。震災で大変ななか、私への温かいご支援に感謝しています。皆さんのおかげで、今年は再審請求して闘いがスタートします。
 今度こそ隠されている証拠がすべて開示され、私が無実であることを証明したい。裁判所が検察へ証拠開示するよう勧告してもらいたいです。
 そうさせるために、全国5万人の会員の皆さん、仙台地裁へ署名を送って下さい。私は絶対に筋弛緩剤を混入してません。

取調べの全面可視化実現に向けて

可視化意見書の採択求め    奈良・支部が議会に要請

 奈良県の高取町議会は昨年12月6日、警察や検察の「取調べの可視化を求める意見書」を採択しました。現在、奈良県内では10市町の議会で可視化の意見書が採択されました。これは、国民救援会中和支部が8月に議会に働きかけていたことが実を結んだものです。
 奈良中和支部は、昨年8月、管轄内の29自治体のうち、可視化の意見書を採択していない24自治体に対し、意見書の採択を要請。意見書案と趣旨説明文を議会事務局と共産党議員に送付しました。
 意見書を採択した葛城市議会では、中和支部松尾忠支部長(当時)、池田年夫件常任委員、地元救援会員が8月に市議会議長に面談。「捜査官による違法な取調べや、威圧・暴行や利益誘導等による自白強要によって、冤罪が発生することがあってはならない」と申し入れ、議長は「可視化は必要だと思う。全議員に意向を伺いたい」と約束。9月議会では全会一致で意見書が採択されました。
 県本部の生井和仁事務局長は、「少しずつではあるが、前進していることが大事。世論の潮目も変わりつつあり、運動いかんでは、全面可視化を実現できる」と話しています。


「取調べ可視化」          わかりやすいパンフ完成


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 アムネスティなどの市民団体とともに、国民救援会も呼びかけ団体となっている「取調べの可視化を求める市民団体連絡会」がパンフレットを作成しました。
 可視化されていない取調べの問題点を指摘し、一部可視化ではなぜだめなのか、国際的基準から見て日本がいかに立ち遅れているかがわかりやすく書かれています。
 可視化を求める署名を呼びかける時の資料として役立ちます。

●A5版・16頁 頒価100円 ご注文は国民救援会中央本部まで



名張毒ぶどう酒事件      審理を終結し、再審決定を!  

弁護団の主張「裏付け」 

毒物の鑑定人を証人尋問

記者会見で尋問内容を明かす弁護団

 再審をめぐる審理がおこなわれている名張毒ぶどう酒事件で、12月26日、奥西勝さんが「犯行」に使ったとされる農薬ニッカリンTの再製造品の成分分析をした鑑定人の尋問が名古屋高裁でおこなわれました。終了後に会見した弁護団は、主張が裏付けられた」と表明。奥西さんが「自白」した農薬が、ニッカリンTではない事実がいっそう明白になりました。
 審理は、「自白」の毒物がニッカリンTではなかったとする弁護団の主張に重点をおいて進められており、ニッカリンTを再製造して成分分析をした鑑定書が、昨年10月に裁判所に提出されていました。この鑑定の結果、ニッカリンTに含まれる特定の成分の量が、24.7%であることが明らかとなり、「17%以上」とする弁護団の主張が裏付けられ、「5%以下」とする検察側の主張が退けられました。
 弁護団によると、今回の尋問で、鑑定人は検察側の主張を否定する内容の証言をしたと明かしました。また、鑑定人は事件当時におこなわれたペーパークロマトグラフ試験については、「当時の用具、器具を入手することは困難で、事実上実現不可能」という見解を示したことを明らかにしました。検察側が審理引き延ばしのために実施を求めているペーパークロマトグラフ試験をする必要性がなくなり、弁護団は「すみやかに再審開始決定を出すべき」と強調しています。
 今後の審理について、裁判所は新たな鑑定をおこなうという立場ではないことが説明され、今回の尋問結果を裁判所がまとめた後、弁護団、検察双方の意見書を提出することになりました。
 弁護団の鈴木泉団長は、「最終的な意見書を出して、裁判所は審理を終結させ、再審を始めてほしい」と話しました。

名古屋高裁前で宣伝        名張ネット・国民救援会

 名張事件全国ネットワークと国民救援会は、同日、名古屋高裁前宣伝と鑑定人尋問にのぞむ弁護団激励行動にとりくみました。
 この日は5年前の2006年に再審開始決定が取り消された日でした。朝からあいにくの雪で遠方の参加が困難ななか、地元三重と愛知からおよそ30人が参加しました。
 裁判所前で国民救援会愛知県本部の阪本会長が訴えるなか、横断幕をかかげて宣伝行動をおこない、午後1時から弁護団激励行動をおこないました。
 名張ネットの宇佐見運営委員長からの激励に対し、弁護団の鈴木団長から鑑定人尋問にのぞむ決意とお礼が述べられ、また、特別面会人の稲生昌三さんから、「奥西さん本人も今回の尋問に対して大いに期待している」ことが紹介されました。
 その後、参加者が横断幕やのぼりをかかげ、大きく拍手するなか、弁護団が力強く入廷しました。RIGHT:(名張ネットワーク・田中哲夫)


東電OL殺人事件

刑の執行停止を          

東京高検へ要請行動

東京高検へ要請行動

 無実のゴビンダさんを支える会と国民救援会などは12月27日、東京高検に「これ以上の審理引き延ばしをやめ、ゴビンダさんの刑をすみやかに停止して下さい」と要請行動をおこないました。
 この日は裁判所、検察、弁護団による三者協議が予定されており、検察側申請の鑑定結果と検察側の意見書への回答が注目されていましたが、いずれも残りの1点の鑑定が終了していないことを理由に、先延ばしとなりました。
 要請行動には18人が参加し、支える会からの要請文書と国民救援会神奈川県本部からの要請書を検察庁の担当者に手渡しました。また、参加者からも一刻も早い再審開始と刑の執行停止を求める要請が相次ぎました。
 夕方からの弁護団による記者会見では、三者協議の結果は「進展なし」で、1月24日の三者協議までには残り1点の鑑定結果と検察側の意見書への回答が提出されるものと思われると報告されました。

 

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