えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

救援新聞2012年1月5日号より

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ここに掲載されている内容は、救援新聞2012年1/5号に紹介されている「再審えん罪事件全国連絡会」に関連する記事の一部です。 

大阪地裁所長オヤジ狩り事件国賠で勝利

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救援会が心の支えでした        

姉弟インタビュー


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大阪地裁所長オヤジ狩り事件の国賠裁判で昨年10月、警察の取り調べを違法と断罪する判決を勝ちとりました。事件から7年間たたかった、原告の一人・藤本敦史さんと、裁判を支えた藤本さんの姉・浜谷恵さんにお話を伺いました。

__7年に及ぶ裁判闘争が勝利で終わりました。今のお気持ちは?

【敦史】 正直ホットしたというか、終わったなという気持ちです。警察と検察に謝らせたいという気持ちはありますが、彼らは謝らないでしょうから、このうやむやは一生とれないと思うんです。
【恵】 私、裁判に勝ったら絶対に嬉しいと思ったんです。警察が悪いことをしてると、裁判所にも認められてもらえば、心からスッとした気持ちになると思っていたけど、ぜんぜんそんな気持ちわかなくて。「ああ、これで終わり?」って。
敦史 国賠勝利が確定して賠償金を直接受け取る機会があり、大阪府警の警視が現金を持参してきましたが、悪びれる様子はありませんでした。
【恵】 警察は振り込みで済ませたかったそうですが、弁護団の戸谷先生が私たちの思いをくんで、警察に謝罪の機会を作ってくれたんです。お金を持ってきて、何も言わずに帰ることはないでしょうから。でも警視の態度と目つきは、反省とか悪いなんていう気持ちはさらさらないんです。弁護士の先生とは名刺交換しましたが、すぐ横にいる敦史をあえて無視です。この腹立つ気持ちを伝えるすべがもうなくなると思ったら、本当に歯ぎしりする気持ちで、涙ためながらこらえていました。

しんどいときも、そばに

__刑事裁判から国賠まで、国民救援会も支援してきただけに、勝利がとても嬉しいです

【敦史】 国民救援会のみなさんは、裁判所への要請や傍聴席をいっぱいにしてくれた。何の見返りもないのに、ああして一生懸命来てくれたということが、すごいなと思うし、救援会の力があったからこそ、勝利できたんやろなと思います。もちろんきゅうえんかいだけじゃないけど、救援会の力はすごい大きかったですね。寒い中足運んで、時には裁判所の前で叫んでくれて。世の中にこんな人がおるんかと思いました。自分に一番力になってくれる人たちでした。

【恵】 救援会の方たちに助けられたのは、決して無理強いはしないというところです。集会なんかでも、声高に叫んで弟を救いたいと思うときもあれば、「もう事件のことは離れたいねん、勘弁してや」って思うこともありました。子育てもあり、なかなか時間も作れませんでした。そんなときでも、ほったらかしにしないで、「ほんなら、代わりにやっとくからな」って言ってサポートしてくれるんです。「あんたらのためにやってんねんで」っていう気持ちを感じたことないんです。まさに寄り添う。私らが必要としているときでも、「しんどいねん」というときでも、黙ってそばにいててくれるというか。で、行ったときにはいつでも温かく迎えてくれる、そういう方ばかりに出会えたんです。

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 家族には「しんどい」ってなかなか言えないんです。一番苦しいのは敦史だってわかっているから。敦史が勾留中、母が料理しながら、「温いもん、食べてんのかなぁ」って泣いたりすると、「私も泣けずに我慢しているのに」って当たったりもしたけど、救援会の人に会うときには、しんどいと言えて涙も出しました。それにすごく助けられました。 私、今回ほど、人に支えられていることを実感したことがないんです。恵まれていたんだなあって実感したんです。

取調べは全面可視化に

__警察の取調べは違法と断罪した判決を得ましたが

【敦史】 警察の取調べが違法と認定されたんだから、それを解決するにはどうしたらいいかといったら、取調べを全面可視化するしかないでしょう。僕の取調べでは、馬乗りにされたり、自殺の仕方を教えられたりしました。可視化されてたらこんなんできへん。僕たちの事件の判決で、可視化の実現に勢いがついてほしいという思いを強くしています。

__裁判に勝利した要因は?

【恵】 勝てたのは運。幸運だったと思います。まず、信頼できる弁護士の先生に恵まれたと言うこと。無罪の決定的なビデオが出てきたのも、報道の方が探り当てたことですし、弁護士の先生たちがつながってくれて、うまくやってくれはった。岡本君にたまたま当番弁護士としてついたのが戸谷先生(大阪府本部会長)で、そこから救援会と出会えたのも幸運でした。何一つ私らの力でやったことなんてないし、みなさんの頑張りと運に助けられて勝ったんです。
 でもね、ほんとはそれやったらあかんと思うんです。「あの時こうやったら」って裁判が運で左右されるんでなしに、誰でも等しく公正な裁判が受けられないといけないと思います。

あきらめずたたかおう

__勝利判決で得た経験。今後どういかしていきますか?

【敦史】 7年間パワーを使ってきた裁判です。この悔しい思いを解決するにはまず警察に謝ってもらいたいけど、それはにでしょ。それならこの経験を、世間に知らせていくことだと思います。そして、他の冤罪で苦しむ人にも、あきらめずたたかえば希望が見えることを伝えたい。それを話すことによって、僕の心が安らぐ面もあるやろうし。

【恵】 いい結果をもらってもこんだけ心に傷が残ったり、嫌な思いが残っています。冤罪でつかまった人や家族が、みんながそうぞうしているよりも辛くてしんどい思いをしているということを、経験したからこそ理解できる立場やと思うんです。私は、支援してくれる人たちに助けてもらったし、何より「信じてるよ」と言ってもらえる人がいてるということが、なによりも心の支えになったんです。いま、苦しんでいる人のそばにい続けてあげたい。「大丈夫、信じてるよ」と言い続けていくことが、私たちのこれからのたたかいというか、「生きがい」かな。そっちに向いていかなければと思っています。

【敦史】 ちょっと、わたしにもしゃべらせてぇな。

【恵】 弟の分まで話してしまった。しゃべり始めると堰(せき)を切ったように言ってしまって、だめですね。(笑い) 

新年のごあいさつ         日本国民救援会会長  鈴木亜英

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 2012年の年頭にあたり、新年のごあいさつを申し上げます。
昨年3月11日、東北地方を襲った地震と津波は2万人に及ぶ尊い生命を奪い、家屋や家財を押し流し、家族や地域の絆を剥ぎ取りました。福島第一原発事故は、今なお除染が進まず多数の人々に避難生活を強いるという言語に絶する悲劇となって、私たちの日本社会を襲いました。新年にあたり,私たちはこの苦しみを乗り越え、力を合わせて真の復興を目指してゆく決意を新たにしたいと思います。

◇     ◇     ◇

 さて、こうした不幸の中にあっても、国民救援会が支援する事件では度々明るいニュースが飛び込んできました。布川事件の桜井昌司さん、杉山卓男さん、あらためておめでとうございます。福井女子中学生事件の前川彰司さんの再審開始は嬉しい限りです。東電OL殺人事件ではゴビンダさんの再審手続きは劇的な展開を遂げました。名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんを早く取り戻したいとの運動弁護団のたたかいとひとつになって大きな前進を示しています。仙台筋弛緩剤えん罪事件の守大助さんの救援運動も全国的な広がりを見せています。袴田事件でも明るい兆しが見えてきました。目白押しの再審申し立て事件を励ます状況が生まれています。

◇     ◇     ◇

 私たちは、このような冤罪多発の原因は,被疑者から嘘の自白をとり、不利な証拠隠し、何が何でも有罪にするという、憲法に保障された刑事原則からみてあるまじき操作の実態にあるとしてきました。このことをさらに明らかにしたのが、郵便不正事件のでっち上げでした。
 国民の強い批判の前に法務省や最高検察庁は重い腰を上げざるを得ませんでした。「常に有罪そのものを目的とし、より重い処分を成果と見なす姿勢になってはならない」「無実の者を罰したり、真犯人を逃がしたりしないよう知力を尽くして真相解明に取り組む」。これは昨年9月30日、最高検が発表した「検察の理念」10ヶ条の一部です。かけ声だけでは不十分。全面可視化と手持ち証拠の全面開示を実現させてはじめて、私たちの救援運動は新たな展望を見いだすことになります。

◇     ◇     ◇
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 さて、大法廷回付と猿払事件判決の変更を求める国公法弾圧2事件は最高裁を舞台に公務員の政治活動と言論表現の自由を求めてたたかわれています。今春はこれまでの署名活動に加えて全国的な学習活動を早期に展開し、この事件の勝利が私たちの社会の将来にとってどれほど大切かを理解しましょう。そしてこれを違憲・無罪を求めるエネルギーに変えていゆく。このことが私たちの今の仕事です。

憲法と民主主義の確立めざし    自由法曹団団長   篠原義仁

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「救おう!無実の人々を」__冤罪事件の根絶は刑事司法の基本中の基本。取調べの全面可視化と捜査当局の手持ち証拠の全面開示は,近時の足利事件、布川事件の経験からも必須ものとなっています。
 大阪地検特捜部の証拠ねつ造事件を契機に,法務大臣の諮問機関「検察の在り方検討会議」が発足し,3月31日に「検察の再生に向けて」の試行的提言がおこなわれ、1年を目途とする検討作業が進行し、法制審議会も「新時代の刑事司法制度特別部会」を設置し,その審議を深めています。
 しかし、情勢は楽観を許さず、国民救援会を中軸に全労連、自由法曹団は11月21日に平岡法務大臣に直接面談し,早期に,そして完全なる制度の実現を図るよう申し入れを行いました。
 裁判員制度の発足に伴って国民目線に立った公正な裁判の在り方が、具体的に提起されるに至り、前記制度の確立はこの視点からも絶対に不可欠です。

◇     ◇     ◇

 具体的事件に目を転じてみると、2つの国公法弾圧事件で最高裁で勝利することはきわめて重要です。「国家公務員も一人の市民で」「市民が休日を利用して勤務と関係なく」ビラ類を配布する行為を国公法違反で刑事処罰する不条理は、憲法の規定に照らして糾(ただ)される必要があります。猿払事件の後進性は,国際的視野から見ても明らかで、最高裁の新たな判断は必然です。
 このほか、国民救援会が取り組む課題・事件は多様ですが、自由法曹団は国民救援会と連携を密にして、個別事件等で具体的、実践的にたたかい、平岡法相への前記申し入れ行動や「裁判交流集会」の企画などについても奮闘してゆく決意です。

◇     ◇     ◇

 改憲勢力は、東日本大震災を口実に「非常事態規定」の創設をうたって新憲法制定議員同盟を再開。憲法審査会の規定の整備、改憲手続きの要件緩和をもくろみ憲法96条改正議員同盟を発足。そして南スーダンへのPKO派遣、「武器輸出3原則の見直し」、緊迫する沖縄情勢。運用改憲の波状攻撃も強まっています。
 3.23最高裁判決は、総選挙での「一人別枠方式」を違憲と断罪しましたが、小選挙区制で漁夫の利を得ている民主・自民は、野党の反対を押し切り、小手先の選挙制度の見直しで、最高裁判決を乗り切り、次に比例定数の大幅削減を狙っています。小選挙区制の廃止、民意の反映する選挙制度の構築は急務の課題となっています。
 新しい1年、共同の力で頑張ってゆきましょう。



獄中からの便り...

再審の道、開いて     名張毒ぶどう酒事件 奥西 勝さん     

三重・名張毒ぶどう酒事件   奥西 勝さん
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 奥西勝さんから、特別面会人の稲生昌三さんを通じて、11月30日に受け取った支援者宛のメッセージを紹介します。
(福井女子中学生事件での前川彰司さんの再審決定にふれ)
前川さん、良かった、良かった。家族の方も苦しんできたでしょう。無実、冤罪が晴らされることを願っています。
 足利、布川、そしてこの事件の冤罪が晴らされること、そして私の再審も、無罪の道を開いて欲しい。
 私の差戻し審で、一日も早い再審の確定を願い抜いています。

病と闘いながら      痴漢えん罪小林事件 小林卓之さん

東京・痴漢えん罪小林事件   小林 卓之さん
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 私は今、静岡刑務所の病舎にいます。寒い冬なので、病舎は12月より3台のエアコンがフル回転し、しかも膝掛け毛布とシーツの下に敷く毛布が配られました。
 私は一日に35個の薬を飲み、8個の塗り薬、2つの点眼薬、点滴は週3回し、そのあと注射をし、難病膠原病強皮症とせめぎ合いをしています。冬の寒さが最大の敵です。寒いと血流が悪くなり、手や足、関節、皮膚、神経系統やホルモン等の異常をきたし、内臓が冒されたらお終いです。
 私はいま、「身体障害者手帳」の3級を認定されています。厚生労働省内に専門家による研究班が組織化され研究していますが、いまだに原因はわかっていません。ここのドクターは内科が専門です。静岡には強皮症の専門医はいません。ですから私の主治医が東京からわざわざ来てくれています。また脳梗塞の後遺症で脳幹がやられていることがわかっています。さらに足が悪く、毎日、看護婦さんの指導のもとでリハビリを行っています。
 私は何も悪いことはしていないと、自分に言い聞かせながら体を少しでも治そうと努力しています。自分が落ち込めば転落し、自信を持てば明るい未来が見えてきます。毎日が病魔と気力のせめぎ合いです。自力本願をしっかり心に刻み、どんな困難があっても、それを克服しようと努力すれば、きっと生きていて良かった、といえる日が来ると確信しています。多くの方々に感謝しつつ、一歩後退二歩前進で頑張ります。



袴田事件     検察が証拠176点開示

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 1966年、静岡県清水市(現静岡市清水区)の味噌製造会社専務一家4人を殺害し金品を強奪したとして、無実の袴田巌さんが死刑判決を受け、再審(裁判のやり直し)を求めている袴田事件で12月12日、弁護団、静岡地検、静岡地裁の三者協議が行われました。

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 これまで弁護団は検察に対して証拠開示を請求し、裁判所は検察に対して、検察官が存在を認めた全ての証拠を開示するよう勧告していました。この日の三者協議で、検察は取調べを録音したテープや供述調書、事件現場での再現実験を撮影した写真のネガなど、176点の証拠を開示しました。
 録音テープは、袴田さんが起訴された後の1966年9月21日に行われた警察官による取調べを、約60分にわたって録音したものです。複製されたCDが弁護団に渡され、会見で冒頭部分が再生されました。警察官が「録音することに承諾するか」と言うと、袴田さんは細い声で「はい、いいです」と応えている様子が明らかにされました。
 弁護団によると、録音の内容は有罪判決の唯一の証拠である「自白」調書をなぞった内容が録音されているものの、何ら具体性がないことを指摘。実際に体験した人の供述か疑わせるに十分であると感じたと話しました。
 また、犯行現場への侵入方法を再現実験した写真について、「自白」どおりに侵入することができないとする内容の捜査報告書があるにもかかわらず、その再現事件のネガがなく、警察による違法な捜査については証拠開示においてもまだ証拠を隠していることがうかがわれるとしました。
 弁護団は証拠開示について、「1つの大きな前進だと思う。裁判所の積極的な姿勢を評価したい。これで全部の証拠が開示されたわけではなく、さらに記録を詳しく精査していく。これ以外にも、開示されていない証拠がある。検察側にさらに証拠開示を求めていく」と話しています。
 会見で、袴田さんの姉、袴田秀子さんは、「一歩前進だと思います。まだ(検察に)証拠はあるようなので、全面開示していただきたい。一日も早く再審開始されることを望みます。再審開始にむけて頑張ってまいります」と話しました。

開示の動きが広がる可能性

弁護団の小川秀世弁護士

 弁護団は、これまでに裁判所に提出されたすべての記録から、具体的に重要な証拠が存在し、それが隠されていることが明らかだということを主張してきました。また、公判前整理手続きで一定限度ですが権利が認められてきた証拠開示を、再審でも認められなければおかしいという議論を、法律的な根拠もふまえて主張してきたことが実を結んだのではないでしょうか?
 また、裁判所や検察庁・法務省の姿勢も変わったように感じられます。他の再審事件、世論、検察の証拠改ざん事件が生じたことなどが、いろいろな形で影響したのではないかと思います。
 福井女子中学生事件で、裁判所から検察に対して証拠開示の勧告が出されたことを、袴田事件でも裁判所に訴えました。袴田事件にも大きな影響を与えていることは間違いありません。
 証拠開示について、短期間で、ものすごく進んだということは、再審を求めている事件、証拠開示が遅れている事件に、非常にいい影響を与えるのではないかと思います。このような動きが全国的に広がる可能性は十分にあると思います。


取調べの全面可視化を        市民集会に230人が参加

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 国民救援会も参加している取調べの可視化を求める市民団体連絡会は12月7日、東京・弁護士会館で市民集会「なぜ、無実の人が『自白』してしまうのか~取調べの可視化が必要なワケ~」を開催し、230人が参加しました。
 まず、青山学院大学の高木光太郎教授が、法心理学の専門家の立場から基調講演をおこないました。高木教授は、自白は必ずしも暴行や恫喝をしない、穏やかな取調べで自白することもあるとして、足利事件の菅家さんの取調べでのやり方を解説。日本の捜査当局の取調べは古典的は手法で、取調べの全面可視化が実現すれば、取調べの問題点を検証できると強調しました。
 続いておこなわれたパネルディスカッションでは、布川事件の桜井昌司さんが「取り調べる側と取り調べられる側に信頼関係など生まれるはずがない。全面可視化が実現していれば、私は起訴されなかったし、起訴されても一審で無罪になった」と発言すると、会場内は共感の拍手と笑いに包まれました。
 布川事件弁護団の青木和子弁護士は、「布川事件では、自白部分の録音を裁判官は信用してしまった」と、検察・警察が主張する一部可視化の危険性を指摘しました。
 小坂井久弁護士は、日本の取調べについて「叩いて伸ばして、枠に入れて固める板金捜査」と言われる古典的手法を用いていると強調し、取調べ等について議論されている法制審議会の部会でも全面可視化に向けての動きは遅々として進んでおらず、捜査当局の根強い抵抗があることを指摘しました。
 高木教授は、全面可視化とともに取調べ技術の高度化が必要であり、時代に見合った科学的なものにしていく必要性を指摘しました。
 最後に、「一日も早く取調べの全過程の録音・録画を実現することを求める」アピールを採択しました。



国際人権活動日本委員会      法務省へ要請行動

 国際人権デーの12月10日を最後の日とする1週間は「人権週間」とされています。人権週間のとりくみとして12月6日、国民救援会も加盟する国際人権活動日本委員会、法務省と外務省へ、個人通報制度の実現を始め、日本の人権問題の改善を求める要請行動をおこない、国民救援会から2人が参加しました。
 午前は、法務省に対して要請をおこない、取調べの全面可視化の実現などを要請。検察の捜査・起訴の問題が明らかとなり、法務省・検察は自ら真摯に反省することが必要と訴えました。
 昼は、総務省前で宣伝行動をおこない、各団体や事件当事者が日本の遅れた人権状況の実態を訴えました。
 午後は、外務省に同様の要請をおこない、日本委員会の吉田好一代表委員は、「個人通報制度は、国連が世界中の人に与えた権利であり、日本政府は権利を妨害している」と厳しく批判しました。

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