えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

死刑確定者に対する処遇改善などについての要請

死刑確定者に対する処遇改善などについての要請

2001年6月15日
法 務 大 臣
森 山 真 弓 殿

 本会は、三鷹事件や松川事件など謀略・弾圧事件をはじめ、八海、松山、島田など数多くのえん罪事件の犠牲者とその家族の救援運動を行っている団体であります。今日まで、無実の罪で死刑が確定して30余年を経過した後にようやく再審無罪となった、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件などの犠牲者の救援を行ってきました。そして現在は、死刑判決が確定し再審を求めている三重県・名張事件の奥西勝氏(名古屋拘置所在監)、静岡県・袴田事件の袴田巌氏(東京拘置所在監)をはじめ、15件のえん罪事件の犠牲者の裁判を支援しております。
 長年にわたるえん罪事件犠牲者の救援運動を通じて、特に死刑囚に対する取り扱いについて以下の要請をいたす次第です。

一 再審を請求中の死刑確定者に対し、死刑執行命令を下さないこと。
 最近強く懸念されるのは、一時中断していた死刑確定者の処刑が、しばしば行われるようになってきていることであります。かつて、ハンセン病の疑いをもたれて熊本県・菊池恵楓園に強制収容された藤本松夫氏が、いわれのない殺人事件の犯人と断定されて、再審請求中にもかかわらず時の法務大臣が死刑執行を命令、その直後に再審請求が棄却され、藤本氏は無念のうちに処刑された痛恨な事実を思い出すのであります。藤本氏は、同園内に設けられた特設法廷で、予断と偏見に満ちた裁判のすえ死刑判決が確定し、再審請求中にもかかわらず、生命を奪われたのでした。
 この冷厳な事実を思うとき、また、わが国の死刑制度が、国連規約人権委員会においてしばしば批判され、その廃止が求められている現在、死刑執行命令は、慎重の上にも慎重でなければならないと思います。いわんや、無実を訴えて再審請求中の者が処刑されるようなことは、絶対にあってはならないことと思います。貴大臣が奥西勝氏、袴田巌氏らに対する死刑執行を命令しないよう強く要請いたします。

二 死刑確定者に対する処遇の改善について
 ご承知のように、死刑確定者はいうにおよばず、また未決・既決を問わず、被収容者に対する劣悪な処遇は、国連人権委員会において常に批判の対象とされています。去る98年10月におこなわれた第4回審査の結果、同委員会が日本政府に提出した「勧告」の相当部分が、在獄者の処遇改善についてふれられています。特に死刑確定者に対して接見、信書の授受などを厳しく制限していることは、死刑囚の人権を無視した処遇といわざるをえません。
 しかも、法務省矯正局長の一片の通達(昭和38年)によって、死刑囚の処遇は未決に準じて行う趣旨が設けられている監獄法の規定さえもが無視されている状況は、一刻も早く改善されるべきであると思います。
 この問題について、本会および名張事件・奥西氏の支援団体などが、しばしば改善を求めて要請しているにもかかわらず、法務省当局は、一向にその姿勢を示さずに現在に至っていることは、まことに遺憾というほかありません。
貴大臣の英断を持って、以下の諸点について早急に改善されますよう、心から要請する次第です。

  1. 奥西氏の死刑執行を絶対に行わないこと
  2. 奥西氏との面会できる人の人数を増加すること
  3. 憲法及び国際人権規約を遵守し、信書の発授の制限を解除すること
  4. 名古屋拘置所が奥西氏の支援団体と誠実に対応し、同氏の処遇改善をはかること

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