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隠した証拠すべて開示を 滋賀・日野町事件

隠した証拠すべて開示を! 裁判所だますため,捜査機関が証拠捏造

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滋賀・日野町事件    再審めざし新署名提起

2回目の再審申立をする家族と弁護団

 検察が隠していた証拠から,無罪証拠や捜査機関の不正が明るみに出てきました。しかし、まだまだ隠された証拠があります。亡くなった阪原弘さんの名誉回復めざし、証拠開示と再審開始を求める新たな署名運動を始める日野町事件について滋賀県本部会長で弁護団の玉木昌美弁護士に寄稿いただきました。
   (救援新聞2013年9月15日号より)

 滋賀県日野町豊田で酒類販売店を営む女性が、1984年12月28日午後8時ころから行方不明となり、翌85年1月18日、日野町内の宅地造成地で手首を紐で結ばれた状態の死体となって発見されました。
 酒屋の店先で飲んで帰る客であった阪原弘さんが、3年以上経過した88年3月9日から12日まで連日、日野署に呼び出され,激しい取調べを受け、店内で被害者の首を手で締めて殺害したと「自白」し、起訴されました。
 一審から一貫して否認して争うも、金が入った金庫をとるために殺害した強盗殺人として無期懲役の有罪判決が言い渡され,確定。阪原さんの再審請求は大津地裁で棄却され,大阪高裁の即時抗告審係属中に本人が死亡したため終了し,現在遺族による第2次再審請求審が大津地裁に係属しています。

有罪の根拠はすでに崩れた

 阪原さんはお金に困っていたわけでもなく、その「自白」には、犯人なら知っているはずの事実も含まれておらず、「動機」もなければ、秘密の暴露」もないのです。
 それだけではありません。阪原さんが有罪とされた根拠がことごとく崩れているところに特徴があります。
 逮捕の決め手となった微物鑑定(被害者の着衣についていた埃が阪原さん出入りの場所のものと類似というもの)は一審で、証拠としての価値がないことが確認されました。再審段階では、物色を示すとされた手鏡の指紋も、警察の鑑定のつまむように持ったという判断が誤っており、鏡の縁をつかむように持っていたことを弁護団申請の鑑定人が解明しました。
 一番重要な殺害方法も自白の方法では殺せないことが判明し、そのほかにも状況証拠とされた紐の結束方法等を解明するなど有罪の証拠とされたものが根拠とならないことが明らかになりました。

弁護団の主張認めつつ棄却

 第1次再審請求審で、大津地裁は、弁護団が解明したそれぞれの論点を総合的に判断するのではなく、個々バラバラに評価したうえ、「確かに」と弁護団の主張を認めつつ、そうでないかも知れないという可能性論を展開し再審請求を棄却しました。「疑わしきは被告人の利益に」の原則を無視するものです。もっとも重要である殺害方法については、「自白」では中腰で両手を使って首を絞めたとなっていましたが、それだと、頸が固定せず、喉の部分の骨折や顔の損傷が説明できないなど「客観的証拠と矛盾する」ことを認めながら、阪原さんの「記憶違い」等とごまかしました。
 捜査官に対し自白を維持したことと遺体発見現場を案内できたこと(引当)が問題として残りましたが、後者については、即時抗告審で浜田寿美男教授の鑑定意見書を提出し、虚偽自白の理論により、捜査官も阪原さんも誘導を意識しないまま現場引当ができることを解明しました。

開示証拠から重大事実判明

 昨年10月の進行協議で裁判所は、「弁護人の証拠開始請求について、職権発動はしない。ただし、刑法445条の事実の取り調べは行う」と、自白経過に関する捜査報告書関係9点と金庫の引当捜査の際の写真のネガについて、検察官に対し提出を求めました。
 その結果、重大な事実が判明しました。
 ひとつは、阪原さんが遺体発見現場と金庫投棄現場へ自発的に案内したことの証明として出されていた実況見分調書の写真です。往きの写真とされていたものに、実は帰りの写真が多く含まれていました。また、分岐点での阪原さんによる指示説明もないことが判明したのです。写真の問題は,裁判所をだますために、証拠を偽造、捏造したというべきものです。「阪原さんは,警察の誘導もなしに自発的に任意に案内した」という捜査官の証言は全く信用できないことは当然です。
 もう一つは、阪原さんに任意の事情聴取がなされた1985年9月17日よりも前の9月13日の段階で逮捕状が出されていた(実際の逮捕は88年3月12日)にもかかわらず、逮捕状の執行をしなかったことが伴明。これは、逮捕状を取ったものの、阪原さんにアリバイがあることが判明したため、それをつぶすために時間が必要だったと推測されます。

重要な証拠がまだまだ存在

 弁護団は、引当だけでなく、実況見分のネガの分析を続け、店外犯行説等を検討していますが、まだまだ重要な証拠が隠されています。たとえば、店員の変更前の供述のように、犯行現場とされている酒屋の西側出入り口が施錠されていたとするなら、店内で殺害したという阪原さんの「自白」は信用できないことになりますが、被害者が店外で殺害されたことを裏付ける関係証拠の開示は全く不十分です。検察と裁判所を証拠開示に向けて、さらに詰めていくことが求められています。日野町事件再審開始を求める会と国民救援会は、弁護団と団結し、さらなる証拠開示と阪原さんの再審開始を求める新たな署名運動を開始し、さらに運動を強化することにしています。

署名等問い合わせ

 〒520-0051
 大津市梅林1-3-30 滋賀県労連内
 国民救援会滋賀県本部
 TEL 077(521)2129 FAX 077(521)2534

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