えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

No.46 再審えん罪事件全国連絡会ニュースより

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2010年6月8日発行 No.46


無実の人を救う5.20全国いっせい宣伝行動

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全国32都道府県、69カ所、約400人が参加しました

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 「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が再審にも適用されるとした最高裁の白鳥決定(1975 年5月20日)を記念して、国民救援会とともに、毎年行っている無実の人を救う全国いっせい宣伝行動が、今年も全国で取り組まれました。国民救援会中央本部に報告があった分で、32都道府県、69カ所で、399人が参加し、ビラは約1万4千枚を配布し、約1,100人分の署名が集まりました。その取り組みをご紹介します。

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北海道  札幌市と岩見沢市で。札幌では、「国民救援会」、「無実の人は無罪に」、「布川事件」の幟を立て、ポスターも掲示して、ビラ配布、署名。ビラ120 枚配布、布川 2 筆、名張 10 筆。岩見沢では、朝から雨天のなか、予定の 8 人の会員が雨合羽姿で集合。通行人はまばらだったが、画板垂れ幕、署名簿いずれもビニールにくるんでの行動。ビラ 50 枚配布、布川 11 筆、名張 9 筆。ビラを見て「冤罪ってなんですか?」と聞いてきた青年がいました。雨降りということもあって、ビラ受取はあまりよくなかった。(写真は、南空知支部のみなさん)
 「こんなことがまだあるんですね。許せないですね」「警察は本当に許せない。中で悪いことをやっている組織の代表みたいなものだ」。青年の反応がよく、お年寄り以上に署名に応じてくれた。ビラ170枚配布。

青森  青森市新町で。「名張事件」、「布川事件」、「国民救援会」、「守大助さんを守る会」、「無実の人は無罪に」の幟5本、全国いっせい5・20統一宣伝行動(90×270cm)横断幕を出して、ハンド
マイク宣伝。テレビで観て知っていた人など、ビラの受取は比較的良好でした。8人が参加し、ビラを270枚配布しました。

秋田  JR秋田駅「ぽぽろーど」で。反応はきわめてよく、参加者10人でビラ500枚を45分でを配りきりました。名張事件と布川事件の署名が各20筆集まりました。宮城 仙台市一番町のフォーラス前で。全国統一行動のビラに守大助さんのビラを折り込んで配布、ハンドマイクで守祐子さん他3人が訴えました。守大助さんの同窓生という方2人、高校の時の先生が、激励してくれました。声を掛けてくれた方が今までになく多かったです。

山形  山形市七日町大沼デパート前で。8人でビラ300枚を配りました。

栃木  JR佐野駅前で。「ご苦労様」とビラを受け取っていく人もいました。

茨城  水戸駅8人、土浦1人、取手4人で宣伝。水戸駅南口で、ハンドマイクで宣伝をしながら7人が5・20ビラと(5・30水戸、可視化を求めるシンポ=弁護士会と布川茨城守る会共催のビラ)をセットでまいたが、18時25分頃からやや強い降雨の為、自由通路の屋根のある所で19時まで続行。自由通路から外へ出る人、外から入ってくる人、いずれも傘をたたんだり開く準備などで、ビラの受け取りは条件が悪かった。それでも「頑張ってください」「応援しますよ」など、4~5人から声がかかりました。

群馬  前橋総合福祉会館、県民会館、国立劇場の3カ所で。5月15日は、堀越事件判決報告集会(自由法曹団、県労会議、救援会共催)で、冤罪事件についての訴えを行い、チラシ 50 枚を配布し、署名(名張 5、布川 10、仙台 10、オヤジ 10、尾道 10)が集まりました。5月18日は、日本共産党の演説会場となった県民会館で宣伝し、チラシ450枚、署名(名張 144、布川 169、尾道 14)。5月21日は、年金者組合(前進座観劇)、バス4台に車中で宣伝し、署名要請。チラシ 150 枚配り、署名(布川 72、名張 80)。5月22日は、劇映画沖縄の会場となった前橋総合福祉会館でチラシ 300 枚配り、 (布川署名 5、名張 5)「足利事件の菅家さんは冤罪が晴れ本当によかった。国民救援会が支援していたとは知らなかった」との声が。

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埼玉  浦和駅西口の伊勢丹前で。ハンドマイクで宣伝。13人の参加者のほとんどがリレートークしました。ビラ300枚を配布しました。名張事件の署名が6筆集まりました。
千葉 JR千葉駅東口で。いっせい宣伝用ビラと「感動いっぱい」ビラを配布し、ハンドマイクで訴えた。一度通り過ぎた人が、訴えを聞いてビラを取りに戻ってきた。同様の行動を6月3日にも行いました。

東京  有楽町マリオン前で。宣伝カーを出して、ビラ(中央作成のものと各事件のもの)
を配り、署名も集めました。「がんばってください。」と中年のご婦人に署名の時に言われました。

山梨  甲府駅前で。午後、民主団体、20 団体へ要請しました。5/20 の山梨日日新聞に 1面トップに裁判員制度について特集(第 1 回目)を掲載し、2面の社説でも取り上げており、冤罪事件にも触れていたため、関心が高かったです。「裁判はむずかしいが、冤罪は困る」「頑張ってください。足利はよかった」「警察も裁判所にも問題がある。これを機会に変わらなければならない」などの声が聞かれました。

長野  松本駅前で宣伝カーを出して。警察官ひき逃げ冤罪事件の塚田学君の支援も訴えました。

福井  JR福井駅前で。福井女子中学生殺人事件の幟旗を作成し、はじめての宣伝行動で
した。福井女子中学生殺人事件を知っている人が署名に応じてくれた。

富山  JR富山駅前、JR高岡駅前、アピタ砺波店前の3カ所で、合計10人が参加し、600枚のビラを配布しました。高岡駅前での宣伝では、国民救援会県本部の藤田政治副支部長がハンドマイクで訴え、ビラ配布。ビラの受け取りがよかった。

静岡  浜松駅北口、静岡駅北口地下道の2カ所で。反応は、「ご苦労様」「頑張ってください」「ありがとう」などの声をかけられました。

愛知  名古屋駅など15カ所で。机を並べただけなのに、多くの方が署名に協力してくれました。若い女性3人組も、1人が「みんなやろうよ」と引っ張ってきてくれました。

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岐阜  名鉄岐阜駅前で。自転車を止めて署名に応じる人、通り過ぎて署名に戻る人、「ひどいねー」と署名に答えてくれた高校生。自転車が行きかう場所で交差点という署名には適しない場所の中でもこれまでにない署名が集まりました。
「はじめて宣伝に参加したが、チラシの受け取りがよい」とは、羽島の女性参加者。私は 70 枚、○○さんは 50枚、本当に関心が強いと実感した、との参加者の声。若者の反応がこれまで以上によく感じた。

滋賀  石山駅、彦根駅など10カ所で。草津駅南での宣伝には、小学6年男児が 20 分手伝ってくれました。野洲駅南での宣伝は、ノボリを立て、ハンドマイクで訴えたので、見ていく人が多く、署名してくれた人たちは、事件のことを知っていました。

京都  西大路四条で、宣伝カーを出して宣伝。ビラ100枚を配布しました。

奈良  近鉄奈良駅、JR郡山駅、近鉄大和高田駅、JR高田駅前の健康まつりの3カ所で宣伝。12人が参加し、ビラ160枚配布しました。名張事件と布川事件の署名が46筆集まりました。

大阪  淀屋橋、JR吹田駅東口、住吉大社前の3カ所で宣伝。東住吉支援する会、オヤジ狩り事件国賠支援する会、日野町事件守る会、名張毒ぶどう酒支援する会、枚方冤罪事件当事者、国民救援会兵庫県本部が参加。チラシを配布、他にオヤジ狩りニュースと東住吉リーフ(200 部)、5・29チラシも同時配布で市民に冤罪のひどさを訴え、各事件の当事者、家族もマイクで訴えました。淀屋橋では、昼休みの時間帯に宣伝。会社員が大いに注目していた。吹田駅前の宣伝では、ビラ 200 枚は直ぐになくなった。受け取りの反応は良かった。

鳥取  JR鳥取駅北口で。足利事件のことをハンドマイクで言うと、振り返る人が多かった。ビラの足利事件の菅家さんの写真を指さし、「この人知っている」という人が多かったです。「いいことをしておられる。がんばって」と言い署名する。足利事件や名張事件を知っている人が多く、驚きました。署名板を持つ人が1人だったので、4~5人が順番を待つ場面もありました。

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岡山  津山市街、アルネビル北側 高校生たちは菅家さんの顔写真に関心を示しました。年配の方のほうがビラの受け取りは悪かった。

広島  呉駅前で。遅れて参加し、18 名の署名を集めた女性会員は「若い人がよく署名してくれた。事件のことはほとんど知らなかったが、菅家さんのことは知っていて、興味を持って近寄ったようなので事件のことを話した」。訴えを聞いていて「助けてあげてください」と近寄って署名する高齢の女性。署名は、57名分が集まりました。

山口  山口市市街の「井筒屋」前で。机を出し、看板や幟を取り付けて署名用紙を並べる。ハンドマイクの訴えを聞いて、署名机に人が寄ってきます。「本当に可哀想だね」「助けてあげんとね」と言いながら署名に応じてくれました。

徳島  JR 徳島駅前 そごうデパート前広場で。若い人たちから「名張事件」の説明を求められた。
「写真のこの人(菅家さん)良かったね」と署名。全国で実行しているんですか(5月20日)と質問された。

高知  高知市の中心街で。荒川庸生さんがハンドマイクで訴え。名張事件の再審開始と釈放を求める署名を集めました。

福岡  JR海老津駅前、天神パルコ前の2カ所で。

佐賀  佐賀市の玉屋前で。ビラはよく受け取ってくれました。

大分  大分市のトキワデパート前で。ビラをよく取ってくれた。80%は手にしてくれた。

宮崎  宮崎市橘通り、一番街で。ビラの受け取りが非常に良く、「足利事件の菅家さん」というだけで、みんな知っていて受け取ってくれました。



仙台筋弛緩剤事件の支援団体が神奈川と千葉で誕生

 仙台筋弛緩剤冤罪事件・守大助さんを守る会が続々と結成されています。今年3月と5月に結成した神奈川と千葉の守る会の結成総会について、またその後の活動についてご報告いただきました。

【千葉】えん罪・仙台北陵クリニック事件 守大助さんを支援するちばの会

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 昨年12月に、守大助さんと御家族を支援するために、大助さんが収監されている千葉刑務所の地元千葉で支援する会を結成しなければならないと考える有志4名が集い設立準備会事務局を結成しました。
 この間、日本国民救援会千葉県本部の援助を受けながら議論を重ね、ようやく5月8日の結成総会を迎えることができました。当日の参加目標は、60名を目標に掲げていましたところ、56名(内子供3名)の参加をいただき、大成功であったと事務局一同思っております。

 当日は、戸賀事務局次長から、事件の概要と結成総会に至るまでの経緯の説明がなされました。その後、事件がえん罪であるという確信を参加者に持ってもらうため、テレビ朝日の「ザ・スクープ」のVTRを上映しました。このVTRは、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんが、事件の疑問点に鋭く切り込んでおり、参加者も一様にこの事件がえん罪であるという確信を持つことができました。
 つづいて、布川事件でこれから再審を闘われる桜井さんから、「大助は無実だ」「千葉刑務所は、自分や菅家さんがいた所だから縁起が良い」等々、会場から笑いが起きるほど、楽しく温かい、それでいてえん罪を許さないという強い意志を感じる連帯と激励の言葉を頂戴しました。
 そして、大助さんの御両親からの訴えでは、お母様の愛情が溢れる訴えに多くの参加者が胸を打たれ、お父様のユーモア溢れる訴えに父親の強さを感じました。

 その後、私たちが為すべきこととして、①家族・友人・知人に、この事件がえん罪であると伝える。②毎月1回は街頭宣伝を行い、えん罪を許さない、いい加減な捜査や裁判を許さないために世論に訴える。③大助さんに面会し、手紙やはがきを送って励ます。ことを確認しました。

 最後に、代表世話人に就任した秋元弁護士から、一般的に再審請求は長い闘いになるので、連帯が大切である。そして、現在各地に守る会や支援する会ができ始めているが、それぞれの活動の独自性を尊重しながらも連絡を取り合う必要があり、定期的に交流することが大切だとの問題提起がありました。この点については、今後事務局で議論することにいたしました。

 結成総会終了後には、千葉駅頭にて約20名で街頭宣伝を行いました。足利事件や布川事件の影響で、えん罪事件への関心が高まっており、ビラの受け取りもよく非常に良い反応でした。
 結成総会後も支援する会に続々と入会申込が届いています。私たち事務局といたしましては、永続的な取り組みとするために、ニュース発行などを通じて情報を発信し続け、会員のみなさんこそが大助さんを救い出すための原動力であることを発信し続けたいと思います。また、全国の守る会、支援する会のみなさんに「全国連絡会」の結成ができるよう議論していただくようお願いいたします。

えん罪・仙台北陵クリニック事件 守大助さんを支援するちばの会結成総会
事務局長 土井 温史

【神奈川】 北陵クリニック事件・神奈川の会

◇3月28日(日)に発足(設立)

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 発足総会では、会則・役員・活動計画を確定。続いて、ジャーナリストの山口正紀さんが、「北陵クリニック事件とメディア」と題して講演。警察の誤った思い込み捜査、また「科学」を無視した裁判についても、無批判に報道するメディアの実態を話され、「えん罪」はこのようなもとで作られることを告発されました。(参加者 定員58名の部屋に74名参加)

◇5月29日 学習会を開催

「再審」にむけて、「支援活動に求められるものは何か」と題して、阿部泰雄弁護士に講演して頂きました。この「事件」のポイントは、有罪とされた1件の殺人と4件の未遂すべてが、「急変時の症状は、筋弛緩剤の薬効と矛盾している」というのが全ての鑑定である(唯一の例外は、「筋弛緩剤の薬効と認められないではない」という不確かな検察側証人の鑑定のみ)。
 また、唯一の物的証拠である、科捜研の鑑定についても、すでに、多くの専門家が「誤り」「ねつ造の疑い」を指摘している。再審の手続きで必要な要件は満たしている。このことに、確信を持って全国に「守さんを守る会」を広げることを強く訴えられました。(参加者38名)

◇11月6日(土)午後「再審開始決起大集会」を予定(会場は、総会会場と同じ館内のホール)

 神奈川の会では、この集会に向けて、県内各地での「小学習会」開催を進めています。 (会員は、5月27日現在 165名)

神奈川の会代表:   渡会興雄


私と冤罪事件

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再審・えん罪事件の支援にがんばっておられる方に、事件に対する想いなどを書いていただいています。今回は、大崎事件の方にお願いしました。

「大崎事件と私」

大崎事件首都圏の会
世話人 井上正平
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 「あたいはやっちょらん」えん罪・鹿児島大崎事件、原口アヤ子さんとの出会いは、鹿児島大学の後輩・中俣勝義さん(薩摩川内市)から「大崎事件」を支援する首都圏の会があるから是非支援を、という話しがあり、初めて大崎事件のことを知りました。

 入江秀子さんの『叫び』を読み、原口アヤ子さんは絶対にやっていない、警察・検事による強制自白、アヤ子さんは一貫して自白していない、真実を見抜けなかった裁判官の有罪判決、完全なえん罪であることを確信しました。首都圏の会の世話人を引き受け、大崎事件現地調査にも3回参加しました。被害者は事件当日酔っぱらっていて、自転車ごと用水路に転落、頸椎損傷が死亡につながったのではないかと思いました(再審開始決定でも推定)。もう一つの疑問は誰が堆肥場に被害者を運んだのか。無実の原口アヤ子さんが有罪判決を受ける前に名乗り出て欲しかったと思います。

 ふるさと鹿児島で起きたえん罪大崎事件。原口アヤ子さんの元気なうちに、第2次再審請求審で再審開始、そして無罪を勝ちとり、アヤ子さんの無念を晴らしてあげたい。その一念で、有楽町マリオン前での宣伝、諸会議、集会、メーデーでの訴え、宣伝で頑張っています。
 えん罪足利事件で再審無罪の確定、布川事件の再審決定。大崎事件も第2次再審を開始させて、無罪を勝ちとる年にしていきたい。

加盟各事件と支援の状況

仙台筋弛緩剤冤罪事件

 今年の「陸奥路」は、開花した桜の花弁に着雪するなどを始め、例年にない異常気象(低温)が続いていましたが、第81回メーデー宮城県中央集会は、本来のメーデー日和となり2,400人が参加して意気高く開催されました。メーデー主催者挨拶の中で、「足利事件の完全勝利、布川事件の再審決定、国公法弾圧堀越事件の画期的な高裁判決に確信を持ち、取り調べの完全可
視化の実現、守大助さんの再審無罪をはじめとした全てのえん罪事件勝利を勝ち取ろう」と述べられ、裁判員裁判とえん罪事件への世論の高まりが訴えられました。

 守る会・救援会の面々は総勢40人が参加し、自衛隊監視差し止め訴訟署名、名張署名と合わせ会員拡大を取り組みました。
そして今年も壇上でノボリや横断幕を持って阿部弁護士と守祐子さんが事件支援を訴え、励ましの声と力強い拍手が贈られました。

「5.20えん罪なくせ全国統一宣伝行動」は、あいにくの雨の中、一時間あまりの行動でしたが11人が参加し約400枚のビラを配り、国民救援会とえん罪事件への支援の訴えをしました。街頭での宣伝ではドラマが必ずあります。今回は、信号待ちで雨宿りしていた若者にビラを勧めたら「この人知っています。守さんは高校の先輩です。」と返してくれ、お母さんへの励ましをお願いしたら、快く応じてお母さんと話されていました。また大助さんの高校の恩師の方も声掛けして励ましていただきました。

 全国で支援する会が増えています。各地の国民救援会県本部・支部の献身的な活動に感謝しています。両親そして旧弁護団も全国を飛び回って支援を訴えています。えん罪事件への関心をR布川・名張で必ず勝利して筋弛緩剤事件の再審無罪確定へ繋げていきます。 以上

仙台筋弛緩剤えん罪事件・守大助さんを
守る会事務局長 志賀保信

布川事件

布川事件の再審裁判をめぐる動きについて
検察のDNA 鑑定策動を許さず、桜井・杉山さんの早期無罪を勝ち取ろう!

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 最高裁第2小法廷は2010 年12 月14 日付けで、2008 年7 月14 日の布川事件の東京高裁即時抗告棄却決定と2005 年9 月21日の水戸地裁土浦支部の再審開始決定を支持し、検察の特別抗告を棄却しました。この勝利によって、布川事件の再審開始が確定し無罪への道を決定付けました。
 マスコミは布川事件の教訓として自白偏重の裁判と、取調べの前面可視化と証拠の全面開示の必要性をこぞって強調しましたが、無実の証拠を隠してきた検察は全く反省することなく、この期に及んでも有罪立証にこだわっています。
 3月19 日の三者協議で検察は、弁護側が要求したうちの一部の証拠を開示し、再審開始の根拠となった被害者宅前で桜井さん杉山さんとは別の人物を目撃したという近所の主婦の証言については証拠採用に不同意としながら、再審請求審で採用された他の証拠については同意しました。しかし、被害者が縛られていた布のDNA 鑑定を新たに主張しています。

 DNA 鑑定について弁護団は、①確定審段階の過ちについて謝罪も出来ない検察官には立証の資格がない、②再審請求審までの間で立証の機会は十分あり、いまさらの追加新規立証は被告人に過大な負担を負わせるものである、③資料となるパンツ等の保管状況が劣悪で。DNA 鑑定を実施するだけの科学的条件を備えていない、との観点でゆるされないもの(山本裕夫前事務局長)、と主張しています。

 検察は3 月19 日の三者協議に先立って裁判所から被害者が縛られていた布や、杉山さんがはいていた雪駄を借り出しており、毛髪鑑定の際桜井さんや杉山さんの髪の毛を採取し、二人のDNA を容易に抽出できる資料を既に入手していることや、過去にも「自白テープ」など証拠を捏造した実績を考えると、足利事件で科学捜査研究所が真犯人と菅家さんのDNA を無理やり合わせたように、証拠をでっち上げる可能性がないとは言い切れません。

 弁護団の指摘するように保管状況が劣悪なため、DNA が出ない可能性もあり、また、桜井・杉山さんが布を見せられた際、つばが飛んでいれば出る可能性もあり、さらには検察が細工すればDNA は確実に出る結果となります。このようにDNA 鑑定は出ても出なくても、二人を犯人であるか否か判定する基準にはならず、結果として裁判の進行を遅らせ正義に実現を妨げるものでしかありません。

第1回公判は7月9日か?
 6月11 日の三者協議と7 月9 日の予備協議日が決まりました。三者協議の結果によっては7 月9 日が第1 回公判になる可能性があります。不当なDNA 鑑定をゆるさず、一日も早い無罪判決と検察の手持ち証拠を全面開示し誤判原因を明らかにするために、裁判所と検察に要請を強めていくことが求められています。

布川事件桜井さん杉山さんを守る会事務
局長 中澤 宏

東電OL殺人事件

(東電OL事件5月報告)

ゴビンダさんの処遇状況

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 4月から2類に上がったゴビンダさんですが、本人いわく「ここでの生活には、とくに大きな変化はありません。でも周りの人たちの態度が少し優しくなった気がします」。月2 回、隔週水曜日の「2 類集会」で、お菓子を食べながらビデオを見るのが唯一の娯楽。外国映画なら、『スラムドッグ&ミリオネア』。日本のTVドラマなら、『相棒』が面白かったと言っていました。

 刑務作業は、相変わらず、デパートなどで使われる紙袋の作成ですが、最近は、昼食の配膳係を任されるようになったため、午前中は1 時間早めに座りっぱなしの作業から解放されて歩き回ることができて有り難いとのこと。そんなわけで、このところ本人の状態そのものは、まずまず順調と言ってよいようです。

 5月17 日、国民救援会と連携して横浜刑務所に対して「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第111条2項に基づく面会人の幅を広げていただきたい(2008年11月以来の制限を緩和してほしい)」との要請を行いました。この日、面談した庶務課長は、「面会を許可する重要案件の中に、『激励』も加えてほしいという要請の趣旨はわかりました。この場で私の一存では答えられないので、刑務所として検討の上、後日あらためて回答します」とのことでした。これからは、2 ヶ月に1回程度、定期的に要請を続けていく予定です。

裁判長交代と再審の状況

 東京高裁第4刑事部の裁判長交代のため2月以来中断していた三者協議が、6月4日から再開されました。狭山事件(同じ第4刑事部に第三次再審請求中)では、5月13日の三者協議で、東京高検から36点の証拠が開示されました。これは、昨年12月に門野裁判長が開示勧告したことを受けて行われたものです。門野裁判長は、ゴビンダさんについては、残念ながら開示勧告をしてくれませんでした。

 しかし、この中断期間中にもゴビンダ弁護団は新しい補強鑑定を提出しているので、今後、岡田雄一新裁判長のもとで何らかの成果が得られるのではないかと、ゴビンダさんも私たち支援者も大いに期待しています。近日中に弁護団と会合し、現在の進展状況や今後の見通しについて話し合う予定です。6月17日、高裁要請と署名提出を行い、支援者の立場からも証拠開示の必要性を訴えてきます。

「無実のゴビンダさんを支える会」
客野美喜子

特急あずさ35号窃盗冤罪事件

(経過)

年 月 日 活 動 内 容 
2008/11/01救援会中央本部役員と諏訪地方支部常任委員との打合せ会
2008/12/05救援会支部学習会
2008/12/14救援会中央本部役員と諏訪地方支部常任委員との打合せ会
2009/01/18救援会中央常任委員会で支援決定
2009/02/13救援会中央本部役員と諏訪地方支部常任委員との打合せ会
2009/03/26事件を知る会 55名参加
2009/06/18「柳澤広幸さんの無実を勝ち取る会」結成
2009/06/24会役員記者会見
2009/07/27再審・えん罪事件全国連絡会加盟申込
2009/08/23弁護団報告集会 80名参加
2010/01/16救援会県本部旗開きで支援の訴え
2010/04/11.12全国裁判闘争交流集会参加

1 報告と御礼

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 この間、「柳澤広幸さんの無実を勝ち取る会」(以下「勝ち取る会」と言います)の世話人会を5回開催し、署名等に取組んできました。署名数は全国的な支援を得て1万名を超えました。募金も集まっています。全国のみなさんのご支援に心から感謝申し上げます。

 柳澤さんも会としても再審請求を一日も早くと願っていますが、東京高裁への再審請求は未だできずにいます。再審請求のできない理由は、勝ち取る会のニュース(「お知らせ」)№1でお知らせしましたとおり、「再審開始の是非を判断する裁判長が、二審東京高裁で有罪判決を出した裁判長と同じになる可能性が高い」からです。弁護団としても「裁判長が自分でした判決の間違いを認めるとは考えられず、現時点での再審請求は回避せざるを得ない」としています。

 あずさ35号窃盗冤罪事件の支援活動は、裁判所への要請署名に取り組むことが活動の主な内容となるだけに、裁判所に係属している事件と比べて大変やり辛く、難しくなっています。しかし、取り組みを強めていかなければならいと思っています。

2 一審無罪判決

 私達の運動の励みになっている一審無罪判決の一部を紹介します。判決中の被害女性をA、目撃した男性をBと記します。

 * Aの犯行目撃証言の信用性についての結論
 「以上述べたところを総合すると、Aの当公判廷における供述態度として、泣きだす場面があったとは言え、一部Bを擁護する部分を除いては積極的に虚偽を述べる動機も態度も窺えなかったのではあるけれども、Aが、被告人が財布を取るのを見た、と述べる上記犯行目撃証言部分については、何らかの夜間の車両窓における光の乱反射などの影響が否定できないことも併せ考慮すると、誤認の疑いがあり、これをそのまま信用するには躊躇せざるをえないのであって、結局、直ちに信用することはできないのである。」

 * Bの現行犯逮捕証言の信用性についての結論

 「以上述べたところを総合すると、本件現行犯逮捕時の状況について、Bが、被告人の所持する紙袋の中を上から見たら財布があった、と述べる上記証言部分については、・・・同人の犯行目撃証言中に作為性が窺える部分があることを併せ考慮すると、虚偽の疑いすらあり、これをそのまま信用するには躊躇せざるをえないのであって、結局、直ちに信用することはできないのである。」

 * 被告人の供述の信用性についての結論
 「以上述べたところを総合すると、結局、被告人の当公判廷における供述は、その冒頭において、私は財布を取ったという事実は一切ありません、と述べる部分はもちろんのこと、その全体において十分に信用することができるのである。」

 * 本件捜査の手法について
 「本件捜査の手法について、一言、敷衍しておく。本件は、未成年の私人が完全に否認する被疑者を現行犯逮捕した事から端を発した事案である。そして、本件のように未成年の私人が現行犯逮捕し、かつ、逮捕時における被害者側と被疑者側の供述内容が根本的に食い違う場合には、より客観的な証拠を収集するための裏付け捜査が求められるところ、本件では、時間の経過に伴い現場が周囲の目撃者とともに移動するという大変特殊な状況下ではあったけれども、やはり捜査機関においては、直ちに利害関係のない新たな目撃者を確保する、早期に現場検証を行う、その場合には本件車両内まで行うことはもちろんのこと、被害者の記憶が鮮明なうちに在沖品などが再現されたトートバッグを使用するなど、より適切な捜査手法が望まれるのであって、本件のように未成年の被害者側の供述だけに重きを置いた捜査手法については、長年にわたって地道に公務に貢献し、しかもその半ば公務途上に逮捕され長期にわたって勾留された被告人のその余りにも無念すぎる心情を察するときに、未だ疑問なしとはしないのである。」

柳澤広幸さんの無実を勝ち取る会
事務局長 高田彦三郎

名張毒ぶどう酒事件

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 4月5日の最高裁差戻し決定後、名張事件全国ネットワークと各地の守る会・支援する会は、日本国民救援会と協力しながら様々な取り組みを行ってきました。決定直後の7日・8日は、名古屋高検・最高検に対して「異議申立の即刻取下げ」、「奥西勝さんの身柄の即時釈放」、「未提出証拠の開示」を求め、また、4月16日に名古屋で、22日には東京で、最高裁決定の報告と新たな支援を訴える集会を開催しました。

 緊急な呼びかけにもかかわらず多くの方々にご参加いただき、自判による再審開始を避けた最高裁の不当性を指摘しつつ、差し戻された名古屋高裁での審理の引きのばしを許さず、84歳の奥西さんを一日も早く釈放させるため、早期に運動を盛り上げていくことを確認しました。

 また、名古屋高裁に向けて新たな署名を提起し、メーデー会場や5.20いっせい宣伝行動など全国各地で積極的に取り組んでいただきました。全国ネットと国民救援会の共同の取り組みとしては初めてとなる要請行動を5月21日に行いましたが(愛知県内での共闘の取り組み「栄総行動」で4月21日にも要請しています。)、ここに全国から4868筆(累計5245筆)の署名を提出することができました。新署名の提起から実質1ヶ月間でのこの数はかつてない規模のものです。

 もともと地元の三重・愛知などではマスコミ報道も多く名張毒ぶどう酒事件の認知度は高かったのですが、今回の最高裁決定が「氷見」・「志布志」・「足利」・「布川」という、えん罪の問題が注目を浴びる一連の流れの中でなされたということもあり、名張事件が全国に知られ、署名の訴えにも手応えが感じられるようになったようです。この勢いを絶やさず、さらに一回り大きな運動をつくっていきます。裁判所要請は毎月行うことを決めました。

 5月21日の裁判所要請では、要請内容をきちんと裁判官に伝えてくれているのかという問いかけに対し、対応した刑事訟廷管理官から「裁判官から要請内容の詳細はきく必要がないといわれているので、参加者の発言メモは見せていない」との回答がなされました。その場で厳しく抗議し、要請内容をきちんと裁判官に伝えるよう申し入れましたが、こうした裁判官の態度を改めさせるためにも、今後の要請行動に全国から多くの皆さんにご参加いただきたいと思います。8月からはブロック別要請に取り組むことを検討しています。ぜひご参加下さい。

 弁護団は5月10日、最高裁へ提出することを予告していた毒物に関する意見書(毒物鑑定を行った佐々木教授・宮川教授の回答書も添付)を提出しました。弁護団は、この提出をもって「最高裁が差し戻しの理由とした毒物をめぐる審理の不十分さは解消され、速やかに再審が開始されるべきである」と5月28日に行われた第1回目の三者協議に臨みましたが、出廷した3人の検察官はまともな検討もしておらず、立証趣旨や方法などを明らかにしないまま単に実験をすることのみを主張し、あげくの果てには最高裁で突然主張した「発色」問題は「当分主張しない」と、従来の主張をくつがえす引きのばしをするに至りました。

 改めて弁護団から詳細をご報告いただく予定ですが、検察官のこの言語道断の対応に抗議を強めていきます。さらに弁護団は、検察官未開示証拠の全面開示決定を三者協議の場で裁判所に求め、裁判所も「検討する」と回答したことから、この点での取り組みも強めたいと思います。
 今後は、6月11日(金)名古屋高裁・名古屋高検要請行動、翌12日(土)に名古屋市内において全国活動者会議の開催、7月28日(水)に大須観音定例街頭宣伝後、名古屋高裁・名古屋高検要請行動に取り組みます。

名張毒ぶどう酒事件 全国ネットワーク
事務局次長 田中哲夫

「東住吉冤罪事件」の報告

青木さん、朴さんの近況(ひまわり通信への便りから抜粋)

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 3月~4月にかけて色々なことがあり、あっという間に月日が流れたという感じです。裁判所に提出するための陳述書を書き上げ、和歌山弁護士会にお湯の件で、人権救済を申立てるため、私自身の心情などを「陳述書」に書き、弁護士さんに送りました。裁判官達が私の訴えに耳を傾けて下さることを信じ、結果を待つしかありません。(5月4日記 青木惠子)
 
 倉さん、無罪確定おめでとうございます。最高の結果になって本当に安心しました。(中略)このような報告があると、僕もすごく勇気づけられます。今年になって毎月面会があるので、とても励みになっています。皆さん、僕の立場を理解して下さっただけでなく、いつもお袋を元気づけてくれています。着実に支援が広がっていると実感できて、安心しました。感謝しています。(5月3日記 朴龍晧)

再審請求の現状

(朴弁護団:2009年7月7日、青木弁護団:同年8月7日、大阪地裁に再審請求個別事件として、同じ第15刑事部に係属)
◎第3回三者協議は、新体制(裁判長、左陪席、検察官の異動による)で行われ、証拠開示等に関して協議された。
◎第4回三者協議は7月16日の予定

活動報告

◎5月1日 メーデー参加
「再審開始をめざす東住吉冤罪事件」リーフレット200部配布および署名の収集
◎5月21日 5.20宣伝行動・署名提出

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 正午から淀屋橋にて支援する会会員8名の参加で大阪府本部市内北部ブロック(13名)と合同で無実の人々を救う宣伝行動を実施しました。「無実の者は、無罪に!」のチラシとともに「再審開始をめざす東住吉冤罪事件」のリーフレット200部を配布しました。
 ハンドマイクでは、朴さんのお母さんが「無実の者は無罪に!私の息子は無実です。助けてください」と訴え、枚方冤罪事件で無罪を勝ちとった倉美由紀さんや国民救援会兵庫県本部の藤木会長も連帯のあいさつをされました。宣伝の後、大阪地裁に5回目の署名(1団体、682 筆、朴:2 団体、646 筆)を提出しました。

たんぽぽの会(関西えん罪事件連絡会)

◎5.29関西市民集会PartⅢ

 速報5月29日午後2時から 大阪市立北区民センターで開かれた「5.29関西市民集会PartⅢ」は大ホールがほぼ満席となる約350名の参加で、報道のカメラも入る中、熱気あふれる集会となりました。 
 第1部は各事件からこの1年を振り返っての報告、第2部では、足利事件の菅家利和さんは体調不良で来られませんでしたが、布川事件の桜井昌司さんから、取り調べ時の刑事とのやり取りや検察の証拠隠しの実態が語られました。取り調べ時の可視化の重要性を再認識するとともに、検察が証拠を隠し裁判員裁判における市民に誤った判断をさせるのかという桜井さんの鋭い告発に、会場から連帯の大きな拍手がありました。

当面のスケジュール

◎6月12日(土)支援する会第7回総会午後1時30分~大阪市立いきいきエイジングセンター
◎たんぽぽの会例会
第12回6月17日(木)
第13回7月27日(火)

「東住吉冤罪事件」を支援する会
事務局長 尾崎良江
世話人 河角信治

大阪地裁所長オヤジ狩り事件の国家賠償請求を支援する会

1 国賠裁判の経過

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 大阪地裁所長オヤジ狩り事件の国家賠償請求裁判も、いよいよ大詰めを迎えています。
大阪地方裁判所で、今年の3月16日(火)から5月 25日(火)まで4回実施され、それぞれ、当時13歳・14歳・16歳の少年と藤本敦史君、岡本太志君と、その少年たちを取り調べた刑事や13歳の少年を「保護」した児童相談所の係官、捜査責任者の主任に、原告代理人の弁護士と被告代理人の弁護士から、それぞれ各人に対しての事実取調べの裁判が行われ、あとは、取調べと起訴を担当した検事の事実取調べ(7月6日(火)午後2時~3時半まで)を残すのみとなりました。

 今回の国賠裁判は、不当な逮捕・勾留、過酷な取調べによって、大切な人生の一時期を奪われた5人の少年・青年たちが、警察や検察、そして加担した児童相談所の職員の不当性を追及し責任を問う裁判です。別名「権力犯罪追及裁判」でもあり、警察・検察などの国家権力による、暴力的取調べの実態を裁判で暴露して、天下に明らかにし、全面可視化の必要性を明確にするなど、二度と再びこのような事件が起きないようにしていく裁判です。

 2人の青年は、「ぼくはやっていない」と一貫して無実を主張して、2年前、大阪高裁で無罪判決が確定、当時、13歳、14歳の少年も最高裁で無罪判決が確定し、晴れて無罪となり、普通の生活に戻ることになったのです。しかし、無罪判決後、警察・検察から一言の謝罪もありません。警察から暴力を受けた心の傷は、今も癒えないのです。まず謝ってほしい、取調べでの警察の暴力が2度と起きないように、全面可視化をしてほしいと、国と大阪府と大阪市に対し、国家賠償請求裁判を起こしたのです。

 裁判では、少年・青年・刑事の証人尋問が行われました。3月16日の裁判でA 少年(弟)は、次のように証言しました。

 「黙秘権ってないんですかと聞いたら、お前がやったんやろうと言われた。髪の毛をつかまれて引っ張られ振り回された。首をつかまれて壁に押さえつけられ、お前がやったんやろうと言われた。午後になって、もどしそうだと言ったが、気分が悪くなっても、休憩させてくれなかった。自供書にサインさせられた。内容については言われたとおりにした」

 「お母さんは、去年の11月に乳がんで亡くなった。お母さんは、息子はやってないと近所の人や知り合いの人に動き回ってくれた。しかし、お母さんは病気で亡くなった。事件のことがストレスになって病気になった」「普通にちゃんと調べてくれたら否認を貫けた。怒鳴られたりしなかったら否認を貫けた。刑事に要求したのに取り上げてくれなかった」

 「刑事さんに胸ぐらをつかまれて首を絞められた。顔のまん前で怒鳴られた。20センチから30センチの長さの棒で、頭を叩かれた」「警察の言われるままに調書を作成した。首の傷で刑事に押さえつけられたところ、赤いあざになった」「押さえて蹴られたのは、何十秒かはあったと思う。苦しかったのを覚えている。拒否したら怖いから」「松井さんから暴行、もう一人は荒井さんに怒鳴られた、次の日も同じような暴行を受けた」「やってないと言ったら暴力が怖かった。だから、やったと言った」。

<B少年(兄)の証言>
 「自分が犯人でないのに、刑事の言うがままで正直に言えなかった。後悔している。大人に対して正直になれなかった」「警察に脅されて、誰ひとり信用できなくなる状態までに追い込まれてからは、ウソの自白をしてしまった。警察の取調べは怖いという気持ちだった。無罪になる前は罪人ということ、無罪になれて普通の人間になれたのが嬉しかった」「取調べ中に大声で怒鳴られた。出席簿(ファイル)のようなものの角で頭を叩かれた。前日から寝ていなかったので、やったと言ったら終わりにしてくれると思ったので、やったと言ってしまった」「お母さんが亡くなったのは、警察のせいやと思っている。謝ってほしい」。

<松井刑事の証言>
 「暴行はしていません」「髪の毛をつかまえたことは、一度もありません」「今でも自白は、正直に話していると思う」。

 5月11日の裁判で2人の青年が、証人尋問で裁判長に、大阪府警の暴力と人権侵害を受けた取調べの実態を証言しました。

<岡本太志さんの証言>

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 「連行される前の家宅捜索の時、3,4人がかりで倒してきた、押さえつけられた」「取調室で壁に押さえつけられ、首を押さえつけられた」「密室の中で立たされ、壁に向けて立っとけと1時間以上立たされた」「取調べは、初めから犯人扱いされた」
 「二人の刑事から、人殺しと大声で責められた。一人殺してるから、こんなことは簡単にやれるわなと責め立てられた(注:岡本さんは過去に、仕事中に車で、後ろにいた子どもを轢き、その子どもが死亡するという事故を起こしていた)」「保釈された時、絶対刑務所にぶち込んでやると言われた」「取調べは可視化して、カメラ、録音テープを置いて、取調べ状況をわかるようにしてほうがいい」

<藤本敦史さんの証言>
 「248日間勾留された」「ウソ発見器に掛けられて逮捕、勾留された。なんでこんなことされるのかと聞いても答えてくれなかった」「ウソつけ!お前は人間のくずやと大声で言われた。耳元
で大声で怒鳴られた」「お前は子どもらに言わせて、のうのうとしているのか」「テーブルで押してきて壁に挟まれた」「立てと言われ、壁に向いて立たされた。2時間から3時間だったと思う」「立てと言われ立たなかったところ、椅子を後ろに引かれ、お尻から落とされ、背中に追いかぶされ、頭の上に刑事のお尻を乗せられ、ごりごりと押し付けられた(馬乗りの状態)。腕はねじ上げられ、痛いから止めろと抗議すると、真一(A 少年のこと)は、こんなもんじゃなかった」

 「特高警察を知っているかと言い、知らないと言うと、昔、取調べで死んでいったことがある。そのことは誰も知らないと言った。お前も自白しない限りそうなるかもしれんという脅しだと思った」「自白したら勾留、取り調べもなくなるという思いで辛かった」「頑張れたのは、弁護士さん、家族、友人や支援する人たちがいたからです。

 悪魔に負けてたまるかの気持ちでした」「父は、今、肝臓を悪くしてガンになってしまっている。2004年の6月14日、父の前で警察に連れて行かれた。父は、酒を少し飲む程度だったのに、毎日浴びるように飲み始めた。逮捕された時、東住吉警察に連れて行かれ、父が2時間ぐらいして署に来て、山田刑事に息子は何もしていないから謝ってくれるかと言ったら、違ってたら謝ると言ったそうだ。

 無罪が決まってから、父は東住吉署に行ったが、退職したと言われたそうだ。誰からも謝ってもらっていない。父が死ぬ前に謝ってほしい」「面会に来ても、母は泣くばかりで、父は僕を励まそうと笑って見せてくれて、勇気づけられた」「長時間勾留されていて、腰を痛めて手術を受けた」「保釈されても晴れませんでした。毎日が不安で、有罪になったらの夢を何回も見ました。家族はどうなるんやろうと不安がいっぱいだった」「国賠裁判で、警察が検察が悪いことをしたので非を認めて謝ってほしい」

<畑山刑事の証言>
 「逮捕状が出ているのだから、犯人だ」「今でも私は有罪だと思っている。犯人と思っている。無実でない」「最高裁判決、大阪高裁判決で警察が負けたが、彼らは犯人に違いない」の無罪判決を認めない畑山刑事に、傍聴席から怒りの声が出ました。

 裁判は、9月中旬以降に最終弁論を行う予定で、判決は10月以降になる予定です。

2 支援する会の活動

 私たち支援する会は、3.21府民集会や5.1メーデー会場で、支援の署名と裁判の傍聴を訴え、裁判当日には裁判所前での宣伝行動で、不当な捜査当局の実態を見てもらうべくすべての傍聴席を満杯にして裁判を注視しようと呼びかけ、傍聴を組織しました。

 引き続き、7月6日の徳山検事が登場する裁判傍聴に全力を挙げると共に、初期の目標、署名10万筆、支援する会員1,000人の組織をめざして奮闘中です。現在 署名は、個人 約8,000筆、団体 約200筆 会員は、106名。

大阪地裁所長オヤジ狩り国賠を支援する会
事務局長 中川泰一
事務局次長 川村寛治

日野町事件

1.大阪高裁が殺害方法と手首のヒモの結束方法に関する証拠のプレゼンテーションを認める

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 日野町事件弁護団は3月31日、即時抗告を審理している大阪高裁第1刑事部(的場純男裁判長)に、被害者の殺害方法と手首に残っていたヒモの結束方法に関する新証拠について、「説明をする機会を持って欲しい」と、要請しました。これに対し大阪高裁が、4月7日、要請を受け入れ、5月19日(水)午後1時30分から、二つの証拠のプレゼンテーションを受けることを決定しました。

 この決定は、この間、足利事件や名張事件に対して裁判所が示した、客観的な証拠について慎重な判断をしようとする、変化に沿ったものと考えられます。弁護団は4月16日の弁護団会議で、この二つの証拠説明について、パワーポイントなども使い、裁判所に対して短時間に、分かりやすく説明するためのリハーサルを行い、当日に備えています。

2.浜田寿美男先生の自白に関する心理鑑定書原案が弁護団に届く
 元奈良女子大教授(3月末で定年退官された)の浜田寿美男先生にお願いしていた阪原弘さんの自白に関する心理鑑定書の原案が、弁護団に届きました。鑑定書(案)の全文は、A4版で190ページにも及ぶもので、浜田先生の意気込みが感じられるものです。

 鑑定書(案)の基本構成は、第1部が、現決定が想定した虚偽自白の理論によって、「真の自白」と「虚偽の自白」を的確に判別できるか。第2部が、請求人が自白に落ちて、自白内容を展開していく過程は、真犯人の「真実が暴露される過程」であったのか、無実の人が「虚偽に陥っていく過程」であったのか。第3部が、請求人が起訴されて以降、自白を撤回していく過程は、真犯人が「虚偽の冤罪者を演じていく過程」であったのか、無実の人が「真実の冤罪体験を語っていく過程」であったのか、となっています。
 弁護団として、浜田鑑定書(案)を充分に検討し、5月末までには鑑定書を完成させてもらい、早期に裁判所へ提出できるよう準備することになりました。

3.日野町内で6月13日(日)に大宣伝・署名行動を行います

 日野町事件対策委員会では、去る2月20日、日野町必佐公民館に130人を集めた行われた滋賀「守る会」総会の成功を受け、次に日野町内全域を視野に入れた「大宣伝・署名行動」を、6月13日(日)に取り組むことを決定しました。
 6月13日(日)午前11時に日野町の必佐公民館に集合し、参加者の意思統一と昼食を済ませた後、午後1時から宣伝カー数台で日野町内を宣伝するとともに、町内の「字」毎に署名班を送り、各戸を訪問し、宣伝リーフを配り、対話し、再審開始要請署名をお願いします。この大宣伝行動に、ぜひご参加下さい。

4.広島刑務所が支援者との面会を依然として拒否しています

 昨年来、阪原弘さんにたびたび手紙やハガキを送り、阪原弘さんからは、2度もハガキを貰うなど、親密な関係を続けている広島県福山市の井上進さんが、4月2日、家族とともに面会を求めました。しかし、広島刑務所は「所長裁量」を口実に依然として面会を拒否しています。

日野町事件対策委員
佐藤佳久

大崎事件

第二次再審請求間近!

大崎事件「首都圏の会」の活動

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 原口アヤ子さんは、この6月15日に83歳になります。最近は目と足が悪く手紙を書くのも、外に出るのも大変なようです。一日も早く再審の開始を願っています。6月5日に、原口アヤ子さんの再審を求める宮崎の会の結成総会が開かれました。
そこに出席した弁護団の弁護士の報告によれば、この8月には第二次再審請求をおこなうと言うことです。私たちにとっても待ちに待った闘いが始まります。

 2002年3 月、鹿児島地裁が7年に渡る審理の末、事件全体に対する合理的疑いを認め、原口さんの無罪を示唆する再審開始決定を出しました。しかし、福岡高裁宮崎支部は一回の事実審理もせず、再審をおこなうことは「確定判決の安定を損ない三審制を事実上崩すことに連なる」との理由で不当にも再審開始決定を棄却しました。原口さんは2004年12月に最高裁に特別抗告をおこないました。

 国民救援会は最高裁で争う事件の支援をして、最高裁前で統一宣伝活動行動をやっていましたが、そこに2 カ月に一度、原口さんも参加してきました。毅然として宣伝・要請行動にとりくんでいる姿に多くの人が感動しました。そこで、「大崎の守る会」を作ろうと言うことになり、其々が忙しい人たちでしたが、すぐ準備会を作り、事件の学習をして2005年7月に32人が集まり「首都圏の会」を結成しました。

 ところが残念なことに、2006 年1月に最高裁が特別抗告を棄却しました。最高裁・東京での闘いは、わずか6 カ月で終わってしまいました。さて、「会」をどうするか、「解散しよう」「一時休戦」など色々と意見が出ました、そして悩みました。そんな時に、ある弁護士に「事件をたたかう主戦場は全国何処でもが主戦場だ」と言われました。それで原口さんが無罪を勝ち取るまで闘おうと「会」の継続を決めました。そこからが「首都圏の会」の本当の活動が始まったと言えます。

 宣伝する時の「のぼり旗」も、「やっちょらん」パンフも負けてから作りました。東京には多くの事件が上がって来ます。そんな中で大崎事件を埋没させない、風化させないためには、宣伝だけは欠かさずおこなう。街頭での訴えだけでなく、とにかく様々な集まりがあれば必ず出かけて行って訴えるようにしています。今年の1月からは、大崎事件の定時宣伝を再審・えん罪連絡会と共同で毎月第3木曜に有楽町でおこなっています。

 東京と鹿児島は遠いです。原口さんと会える機会もそうありません!ですからチャンスを生かすこと、毎年10 月におこなわれる現地調査への参加は勿論。6月の熱海での裁判勝利集会に参加する原口さんに会わせて毎年「誕生会」をひらいてきました。今年は4月に原口さんに東京に来てもらうのではなく会員が熱海に行って「前祝い」をおこないました。一昨年の誕生会では、無謀にも入江さんの小説「叫び」を演劇にして上演しました。200名の方に見て頂きました・・・

 世話人会は月に一度、ニュースは2カ月に一回発行。とにかく、お花見も、忘年会もやる、明るく、楽しく運動することにしています。30名でスタートした会員も、現在230名になっています。「やっちょらんもんはやっちょらん!」この原口さんの「叫び」こそが唯一の真実です。私たちは、この言葉を確信にして活動しています。弁護団の並々ならぬ努力で、いよいよ4年間待った第二次再審の申し立ても間近です。何としても第二次再審を開始させ、原口さんの無実を勝ち取るまで頑張っていく決意です。

大崎事件「首都圏の会」事務局長
岩田意積

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