えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

No.48 再審えん罪事件全国連絡会ニュース

画像の説明

2010年10月5日発行 No.48


大崎事件

第2次再審請求の申立を行う!

夫や義理の弟とともに義理の別の弟を殺したとされた 無実の原口アヤ子さんと大崎事件再審弁護団は、8月30日に裁判のやり直しを求めて、鹿児島地裁に第2次再審請求の申立を行いました。

原口さん-1.gif

 原口さんは、第1次再審請求審で2002年3月26日、鹿児島地方裁判所で再審開始を勝ちとりましたが、04年に福岡高裁宮崎支部が十分な審理もせず、取り消し、最高裁で確定していました。

 8月30日午後1時過ぎ、原口さんは支援者が待つ地裁前に車椅子で現れ、「高齢の私にとって無実を明らかにする最後の機会になるかも知れない。無実を明らかにせずには死ねない。どうかご支援をお願いします」と支援者に訴えました。

 その後、鹿児島自治会館で第2次再審請求申立報告集会が再審弁護団の主催(国民救援会鹿児島県本部共催、鹿児島弁護士会後援)で行われ、全国から300人の支援者が駆け付けました。

 原口さんは、「第2次再審請求の申し立てが出来て大変嬉しい。私は義弟を殺していません。罪を着たままで死ぬことはできません。この申し立てを裁判所に認めてもらえるよう皆さまのお力をお貸しください」と訴えました。
 
 続いて弁護団が第2次再審請求の概要について報告。弁護団は、現場の状況と「共犯者」とされた人たちの「自白」が矛盾していることを示した再現実験などの新証拠と合わせて、さらに当時の供述調書を供述心理学の専門家に分析してもらい、「共犯者」供述は、はじめて殺人という重大犯罪を犯したはずの者がその共謀において、テレパシーでも使ったとしか思えないほどほとんど言葉を交わさないで意思疎通をしていること、しかも中核部分が変遷するなど実体験に基づかない可能性が高いとする意見書を提出したことを述べ、「問われているのは、司法全体に対する信頼である」と裁判所に対して強く再審開始を求めました。

報告集会.gif

 足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さん、志布志事件の川畑幸夫さん、氷見事件の柳原浩さんなども参加し、原口アヤ子さんに応援メッセージを送りました。



布川事件 第3回再審公判

「杉山さんではない」――現場目撃女性がはっきり証言

 布川事件の第3回再審公判が9月10日に水戸地裁土浦支部で行われ、43年前に事件発生直前に被害者宅を目撃した女性の証人尋問が行われました。

第3回再審公判インタビュー.gif

 43年経ってからの証言。女性は、通りがかった被害者宅の前で、被害者と立って話しをしている男性と軒下に立っている男性の顔を見たと証言しました。そして、その人物は杉山さんかという質問に対して、「杉山さんではない。杉山さんだったらわかる」とはっきり述べました。こうして、2人の無実があらためて浮き彫りになりました。
 次回公判は、10月15日で、桜井さんと杉山さんの被告人質問が行われ、11月12日に論告、判決は、来年3月16日(水)の予定です。

現地調査に12都道県から141人参加!

 9月10日の第3回再審公判に合わせて、第20回布川事件全国現地調査が10日、11日に行われ、北は北海道から南は九州・熊本までの12都道府県から141人が参加しました。1日目は、DVDで布川事件のこれまでを学んだ後、公判を終えた弁護団と当事者2人の記者会見に参加。
 2日目の11日、朝9時に布佐駅に集合し、弁護団や桜井さん・杉山さんの説明を聞いた後、事件当日に2人が通ったとされるルートを通り、被害者宅、そしてまとめの集会会場に、途中各ポイントで立ち止まり説明を聞き、向かいました。

布川事件現地調査.gif

 まとめの集会では、参加者からの「これが最後の現地調査だと思うと来ないではいられなかった」など、今回の現地調査で2人の無実を確信し、裁判所は無罪判決を一日も早く出すべきだとの熱気に包まれました。
 弁護団からは、「再審請求審では東京高裁で勝利した後、まさかの特別抗告がなされたが、今度も無罪判決を勝ちとっても検察が控訴するかもしれない。検察が控訴できないような無罪判決を勝ちとるために気を抜かないで頑張りたい」と決意が表明されました。


名張毒ぶどう酒事件

名古屋高裁包囲行動、450人で大成功!

 1審の津地方裁判所で無罪とされた奥西勝さんに逆転死刑の判決が出されて41年目の9月10日、名古屋高裁を「人間の鎖」で取り囲む集中行動が取り組まれました。

人間の鎖を実施.gif

 16都道府県から450人が参加し、「名古屋高裁はただちに再審を開始せよ」と力強く支援者の思いを唱和しました。その後、名古屋高裁と名古屋高検への要請行動が行われ、高裁には36人が「84歳になっている奥西さんの一日も早い釈放を」などと要請し、高検には21人が「主張を変遷させるなら、奥西さんを釈放し、再審公判の審理でおこなえ」などと要請しました。


福井女子中学生殺人事件

いまになって検察が新たな論点持ち出す(9.29 三者協議)

 名古屋高裁金沢支部で、前川彰司さんの裁判のやり直しをもとめて再審請求審がたたかわれている福井女子中学生殺人事件の三者協議が9月29日に行われました。

 これまで、弁護団は、66点の物的証拠や「目撃」証人の供述調書を検察官から開示させるという成果を勝ち取り、再審開始決定に向けて、請求審では事実調べが行われてきました。それで、前回7月28日の三者協議では、10月22日に意見書を提出している法医学者・押田茂実教授の証人尋問を行うこと、弁護団・検察双方ともできるだけ早期に最終意見書を提出できるよう努力することが確認されました。

 このような状況のなか、押田尋問予定の1ヶ月前の9月17日、検察は突然、帝京大学の石山教授の鑑定書及び、24~19年前作成の証拠6点、4年前作成の証拠1点を含む、厚さ5cm以上の膨大な新証拠20点、並びに、これら新証拠に基づく平成22年9月17日付検察官意見書を提出してきました。

 検察官意見書は、石山鑑定に依拠して従来検察官が提出していた法医学意見書3通の意見を否定するもので、同時に、石山鑑定ほか提出された新証拠は全く新たな多くの論点を提起しています。審理がかなり進んできているにもかかわらず、検察が従前の主張を取り下げ、全く新たな主張・論点を持ち出す手法は、現在名古屋高裁で第7次再審請求審の差戻審がたたかわれている名張毒ぶどう酒事件ときわめて類似しています。

 このような事態を受けて、9月29日の三者協議では、①10月22日に予定されていた押田教授と石山教授の証人尋問を3ヶ月程度延期すること、②検察官は、今回の検察官提出証拠群に関して、弁護人がした証拠開示命令請求の対象となった証拠については、早急に存否を確認して裁判所と弁護人に明らかにして、手元にあるものは即時に、警察から届けられたものは逐次開示に応じること、③検察官の新証拠、新争点提示に対する弁護側のその他の反論の準備期間を保障すること、を確認・合意しました。また、今後の進行については、10月22日、11月26日、12月27日の各午前10時30分から三者協議を行い、押田・石山両証人の尋問期日については、来年の1月上旬~中旬で調整することで合意されました。

 福井女子中学生殺人事件の再審請求審の審理は大詰めを迎えており、必要な証人尋問を実施したうえで、早ければ来春にも再審請求に対する判断が出されるのではないかと期待できる状況です。
弁護団は、必ず、早期に、前川さんの再審開始決定を、そして、さらに無罪判決を勝ち取る決意を固めています。


加盟各事件と支援の状況

仙台筋弛緩剤えん罪事件


大助守る会.gif

 8月28日第56回日本母親大会in福島に参加してきました。(初めて)立っているだけでも汗が流れる猛暑、南は沖縄から北は北海道と会場に入るバスの多さに圧倒されてしまいました。
 宮城から3名と「福島伊達の会・会津の会・郡山の会」、遠方から駆けつけてくれた「置賜の会」、秋田県本部の嶋田さん達からの応援をいただき、15名で持参した4000枚のチラシが最後のバスが着く前になくなるハプニング。応援の方たちは頭から背中まで汗ビッショリ、拭くこともせず人の流れに一生懸命「守君はえん罪です。」喉を枯らしながらチラシを配ってくださいました。

 私も、「大助の母です。えん罪事件です。」一人も逃がさないようになりふり構わず配り、九州の人達からは「救援新聞読んでるよ、守君の会員だよ。」 青森県の人達からも「守君のお母さん体に気をつけてね。」「埼玉で会ったよ。」などとあちこちの県の方達が必ず声をかけてくれたこと。
 静岡県・栃木県からの方達はそれぞれ「バスも中で諏訪さん・印南さんから守君のえん罪聞いてきましたよ、頑張ってね、今守る会に入会したよ。」
 わざわざ戻ってきて「同じ子を持つ母親だからお母さんの気持ちが痛いほど分かると手を握って、必ず帰ってくるからね。」の言葉に声が詰まって汗と涙の顔で頭を下げるだけで、「大助、ここにも無実を信じてくれている人がいたよ。全く知らない人達なのに励ましてくれたよ。」と心の中でつぶやくだけでした。
 見ず知らずの多くのお母さん達から「同じ母親と」言われたことが心に強く響き、日本母親大会に参加したからこそ、これまでにないたくさんのお母さん達と出会うことが出来ました。
応援の皆さんには猛暑にもかかわらず参加していただき心から感謝いたします。

守 祐子

※ 第3回守る会総会は、11月27日に開催することになりました。



東電 OL 殺人事件 8~9 月報告

国民救援会が全国大会でゴビンダさんの再審開始要請を決議

 日本国民救援会第55 回全国大会(7月31日~8 月2 日)で、「東電OL 殺人事件の再審開始を要請する決議」(以下全文))が採択されました。

ゴビンダさん.gif

 本件の再審請求人であるゴビンダ・プラサド・マイナリさん(ネパール人男性、当年43 才)は、1997 年に逮捕されてから今日まで、一貫して無実を訴え続けています。
 この事件は、「東電OL 殺人事件」という通称で世間に知られています。当初、被害者の特殊な事情がセンセーショナルに報道されたからです。しかし、この事件には、もう1 人の被害者=冤罪被害者が存在します。それが本件の請求人ゴビンダさんなのです。

 ゴビンダさんは、1997 年3 月にビザの期限切れで別件逮捕され、全面否認のまま同年5 月に強盗殺人容疑で起訴されました。一審・東京地裁は、1997 年10 月から30回以上の公判で慎重な審理を重ねた結果、2000 年4月、ゴビンダさんに無罪判決を言い渡しました。刑事訴訟法345 条によれば、無罪判決により勾留の効力は失われます。

 ところが、一審判決を不服とする検察は、東京高裁に控訴するとともに、ゴビンダの再勾留を裁判所に求めたのです。再勾留の可否について、裁判官の間でも意見がふたつに割れました。しかし、結局、検察の度重なる要求により、最高裁で3 対2の小差で再勾留が決定してしまいました。
 二審・東京高裁は、2000 年8 月から4 ヶ月、わずか8 回のスピード審理で、一審無罪を破棄し、無期懲役の逆転有罪判決を言い渡しました。「はじめに有罪ありき」の予断と偏見による不当な判決であるとして、ゴビンダさんは最高裁に上告しましたが、2003 年に棄却され、無期懲役刑が確定しました。

 ゴビンダさんには、自白、犯行目撃証言などの「直接証拠」がありません。したがって、「間接証拠」(状況証拠)の認定によって、有罪か無罪かが争われました。二審東京高裁は、「全ての状況証拠を総合的に評価すれば、被告人が犯人であることに合理的な疑いを入れる余地はない」と言い切っています。
 しかし、じつは検察が法廷に出してきた証拠が「全ての状況証拠」ではありません。検察は、有罪立証に役立つ、被告人に不利な証拠しか提出しないからです。検察が隠している証拠(現在のような公判前整理手続であれば当然に開示されていたはずの証拠)が出されれば、確定判決の言う「状況証拠の総合評価」は崩れる可能性があります。

 どうか一見書類を精査の上、弁護団の証拠開示請求に応じるよう検察に勧告してください。 ゴビンダさんは、再審によって誤判が正され、晴れて無罪となって故郷に帰る日が必ず来ることを信じて、今この瞬間も過酷な獄中生活に必死で耐えています。

 2005 年3 月24 日付の再審請求において提出した新規明白な証拠にもとづき、確定判決を根本的に見直し、1 日も早く再審開始を決定されますよう、ここに要請いたします。
東京高等裁判所第四刑事部 岡田雄一裁判長殿

無実のゴビンダさんを支える会
日本国民救援会中央本部・東京都本部

再審開始要請署名に、ご協力ください

署名用紙は、こちらから file再審開始署名


ゴビンダさん処遇:外部交通に新たな難問が発生

letter.gif

 以前からの面会人の制限に加えて、今年の8 月から「家族への発信不許可」という外部交通の問題が新たに発生しました。
これまでゴビンダさんはネパールの家族への手紙を客野宛に郵送し、それを客野がネパールに行く方々に託して、現地で家族に手渡してもらっていました。
 ところが、今年の8 月、ゴビンダさんが約1 年ぶりに書いた家族への手紙を、これまでのように客野宛に送ろうとしたところ、封筒の宛名(客野)と内容物の宛名(家族)が異なるという理由で発信不許可にされてしまいました。刑務所側は、ゴビンダさんから家族に直接、航空便で郵送しなければならないというのです。

 なぜ、これまで、わざわざ「客野経由で託送」という面倒なことをしていたのか?それは、下記のとおり、ネパールの郵便事情が非常に悪く手紙の紛失が日常茶飯事だからです。ネパールにも日本と同じく郵便局はありますが、ネパールはまだ住所が細かく表示されていないため、郵便物は全て郵便局止めで、日本のように郵便物を各家庭に届けるといったサービスはありません。したがって、ネパールの人々は、常に自分宛の手紙が届いていないか、郵便局に出向いてチェックし続けていなければなりません。

 それでも、郵便局が確実に手紙を保管していてくれればよいのですが、郵便局はきちんと本人確認をせず手紙を渡してしまいます。とくに、海外からの封書は狙われやすく、中に現金などが入っていないかと開封され、入っていれば現金を盗られ、入っていなければ捨てられてしまいます。手紙の紛失は例外的な最悪のケースではありません。

 このようなネパールの特殊な郵便事情を説明しても、なお刑務所は今回に限っての特別発信さえ認めようとせず、ゴビンダさんが心をこめて書いた手紙は今も当局に領置されたまま、ゴビンダさんの手元にさえ戻ってきていません。こんな硬直したやり方にどんな意味があるのか理解に苦しみます。次回の要請で改善を求めたいと思っています。

 家族に手紙を出せなくなってしまい、すっかり落ち込んでいたゴビンダさんですが、9 月半ばになって、ひとつ嬉しい出来事がありました。ゴビンダさんの妹さんのラディカさんがオーストリアの人と結婚してオーストリアに住んでいます。ご主人と昨年生まれたお嬢ちゃんと、お姑さんと四人で暮らしています。ラディカさんから手紙が届き、ゴビンダさんの長女のミティラを大学に行かせるために呼び寄せるということが書かれていたのです。ゴビンダさんと家族たちの以前からの願いがようやく実現しました。

「支える会」でも、今後のミティラの進むべき道について、色々頭を悩ませていました。 ネパールにいても、仕事は何もありません。さらに大学に進むにも、お金がかかり、しかも、卒業しても仕事がないことは変わりがないということで、日本に留学の話なども出ていましたが、金銭的な問題もあり、心配していました。オーストリアでは、次女のエリサも来年卒業したら、受け入れてくれるとかで、一番安心な道で、ほっとしています。

「無実のゴビンダさんを支える会」
客野美喜子

名張毒ぶどう酒事件

ワイン.gif

 名張毒ぶどう酒事件の名古屋高裁刑事第2部における差戻し審は、5月28日及び8月30日に裁判所、弁護人、検察の三者による進行協議(いわゆる三者協議という)が行われましたが、この中で検察官から驚くべき主張がなされました。

 7次最高裁特別抗告審の差戻決定は、事件当時の三重衛生研究所のエーテル抽出法によるペーパークロマトグラフ検査結果において、事件検体からは試験紙にニッカリンTの製造過程で生成される副生成物の一つの「トリエチルピロホスフェートの発色反応がなかった点」について証拠調べが不十分と指摘しました。

 しかしながら、差戻し審の第1回三者協議(5月28日)において、検察は、「発色」については当面問題にしないとしたうえ、「0.58 スポット」に発色した副生成物は「トリエチルピロホスフェート」でない可能性があるので、あらためて製造中止となっているニッカリンTや三線ポートワインを再生して、その点を証明したいと新たな主張を持ち出しました。

 7次審とその後の異議審、特別抗告審での争点であった「0.58 スポット」=「トリエチルピロホスフェート」=「発色」問題(試験検体には発色し、事件検体からは発色がなかった点)について検察は一切異議を唱えず、発色しなかったのは、①事件検体の量が少なかったこと。②トリエチルピロホスフェートは発色反応が弱いと判断されること。③宮川鑑定の実験環境が事件当時の実験環境と違うなどと主張して争ってきました。

 しかし、最高裁は、検察のこれら主張は科学的根拠に基づかない推論にすぎないと厳しく批判し差し戻したものです。
検察の新たな主張の差し替えは、無辜の死刑囚の訴えを真摯に受け止めず、真実から目を背け、いたずらに自分の立場にこだわり、自らの過ちを国民の前にさらすことをひたすらに回避するという浅ましさを示すものです。

 検察の新たな主張に裁判所(下山保男裁判長)は、充分差戻決定を読みとることなく、検察官の新たな主張の意図が自らの過ちを覆い隠すために審理を引き延ばすことにあることを見逃して、検察に同調する態度を示して、9月13日までに最高裁決定が指摘する「近似の条件」の内容や実験の手順などを文書で示すように命じました。検察官からは既に意見書が提出されていますが、おおよそ、先のような新たな主張にそった内容と推測されます。

 来年で事件発生から丸半世紀。奥西勝さんは84歳になっています。検察が一に戻ってあらたな主張を持ち出して実験を行うことは、今までの各級裁判や各再審請求審の審理をないがしろにするものです。また、この再審手続きの請求者は奥西さんで、検察ではありません。検察が新たな主張を持ち出すことは遅れた防御であって許されるものではありません。

 時間の猶予は全くありません。すでに検察の反論主張は特別抗告審と差戻し審で提出された弁護団の意見書によって科学的な根拠がないと否定されています。差戻し審で科学的証明ができない以上、異議を取り下げるのが公益の代表でもある検察の立場であり、検察が国民に代わって示すべき社会正義です。

 こうした状況の中、名古屋高裁の逆転死刑判決からちょうど41年目となる9月10日、名張事件全国ネットワークと日本国民救援会の共催で、名古屋高裁を「人間の鎖」で包囲する集中行動を取り組みました。この行動には、全国17都府県から450名に及ぶ皆さんの行動となりました。互いがしっかり手を握りあって名高裁を包囲するとともにシュプレヒコールをあげて、早期再審開始を強く求めました。
 この日の要請行動で提出した署名は、名12古屋高裁に対する個人要請署名4,962 名分(累計25,963 名)、名古屋高検に対する団体署名96 団体(累計385 団体)でした。

今後の要請行動は

・10月22日(金)に首都圏・関東・甲信越ブロック
・11月に北海道・東北ブロック
・12月に中国・四国・九州・沖縄ブロック

と予定されています。

 9月21 日、厚労省村木(元)局長無罪事件が確定し、証拠偽造をしたとして主任検事が逮捕されました。名張事件も同様です。警察・検察の執拗な取り調べで、関係者ら口裏合わせをし、ついには口を閉ざしました。真実を闇に葬った警察・検察の行為は、証拠偽造と同様ではないでしょうか。
 さらには、実況見分調書に添付された写真の日付が実際に改ざんされている疑いが弁護団より指摘されています。9月24 日には、こうした捜査機関の体質を改め、名張事件で隠されている証拠の開示を求める要請を名古屋高裁、名古屋高検に行いました。

名張毒ぶどう酒事件 全国ネットワーク
事務局次長 田中哲夫


日野町事件

再審開始要請署名5千筆提出

トータル4万5千筆に到達

コスモス.gif

 日野町事件対策委員会は、9月9日午後、家族の次女・則子さんとともに大阪高裁第1刑事部に行き、再審開始を求める5千筆の個人署名と、先の日本国民救援会第55回全国大会で採択された「日野町事件の再審開始を求める決議」を、合わせて提出しました。

 これによって、2006年3月30日に大阪高裁へ即時抗告を申し立てて以後、4年半の間に提出した再審開始を求める個人署名の総数は、4万5千筆となりました。
 この日、署名提出を前にして、正午から大阪高裁の3つの門前で支援を訴える宣伝活動を行いましたが、則子さんらの訴えを聞いて、裁判所構内の工事に来ていた昼休み中の建設労働者の方々が、署名をしてくれるなどの反響がありました。
 対策委員会では、年内には、さらに5千筆の署名を提出し、目標としている「5万筆署名」を必ず達成して、再審開始決定を出すよう大阪高裁に強く迫ろうと決意して
います。
 これまでに38都道府県から署名運動への協力を得ていますが、重大な裁判情勢を迎えて、全国すべてから都道府県からの協力をお願いしています。

浜田「鑑定意見書」を近く提出

弁護団の証拠提出書を添えて

 弁護団が、阪原弘さんの「自白調書」や「法廷供述」について、供述心理学の立場から分析し、鑑定書を書いていただくよう依頼していた浜田寿美男奈良女子大名誉教授の「鑑定意見書」が完成しました。
 この鑑定意見書は、200ページにわたる詳細なものですが、これに弁護団が作成する「証拠提出書」を添えて、9月末にも大阪高裁へ提出されることになっています。    
 なお、浜田先生と弁護団の了解を得て、この「鑑定意見書」と、弁護団の「証拠提出書」を合わせたものを、再審開始を求めて活動する関係者のために「学習資料」として、近く発刊することになりました。ご期待下さい。

第8回 全国現調に参加を

11月13日 ㈯~14日(日)
浜田寿美男氏が記念講演

 日野町事件第8回全国現地調査を、11月13日㈯13時~14日㈰12時30分に、東近江市と日野町を会場に行います。今回の現地調査では、弁護団から即時抗告審における弁護活動について報告を受けるとともに、このほど、阪原弘さんの「自白調書」や「法廷供述」について、「供述心理学の知見に基づいた鑑定意見書」を書かれた浜田寿美男奈良女子大名誉教授から、そのポイントを分かりやすくお話していただきます。
 再審開始決定を目指す重要な裁判情勢を踏まえた今回の全国現地調査に、ぜひ、全国からご参加下さい。

【全国現地調査実施要綱】
  日 時 11月13日 ㈯ 13時から
        14日 ㈰ 12時半まで
  会 場 八日市グランドホテル(東近江市東沖野1-1-5)
  参加費 1,000円(会場、資料代など)
  宿泊費 13,000円(1泊2食)
  内 容 1日目 学習と交流(夜は懇親会)弁護団報告と浜田先生の講演など
        2日目 現地調査班と、宣伝・署名活動班に分かれて行動。まとめ会議。
  申込み 国民救援会滋賀県本部へ  ℡077-521-2129 FAX077-521-2534


阪原さんの健康状態は

一進一退を繰り返す

 この夏、阪原弘さんが健康を害して、独房と病舎を行き来している状態については、前号で詳しく報告しましたが、直近に面会をされた石川元也弁護士の報告によると次のような阪原さんの状態が分かりました。
 面会室には、車椅子で運ばれてくる。前回の面会時より、痩せているよう。阪原さんは「ここ(広島刑務所)では体が直らないので、外の病院に移して欲しい」と訴える。いまは、腰が痛い、頭が痛い。8月21日から、2週間ぐらい病舎にいた。
 医務部長は、「おまえは胃が無い(以前に胃の全摘手術を受けている)から、薬は出さない」と言っているとのこと。

 石川弁護士は、阪原さんに、「体の具合の悪い日に、その状態をノートに記録するよう」に勧め、それを弁護団に送るよう説得された。阪原さんは、自信がないが努力するとのこと。加齢による記憶力や表現力も低下しており、阪原さんと、きちんとしたコミュニケーションを取るのに困難が生じていますが、阪原さんを、しっかりと激励しましょう。

激励先

〒790-8651 広島市吉島町13-114  広島刑務所内 阪原弘さん宛

日野町事件対策委員会
佐 藤 佳 久

「東住吉冤罪事件」の報告

青木さん、朴さんの近況 

(ひまわり通信への便りから抜粋)

秋4.gif

 7月に父が面会に来てくれました。高齢になり、耳も遠くなった父が「元気か」と一言。会話を続けようと努力していろいろと話し掛けてくれます。私は「うん、うん」とうなずき聴いているだけです。母は体調が悪い上に足も悪くなり、父が介護している状況です。「早く帰ってきてもらわな。生きているうちにな。もう、15年かあ」と、しみじみ話す父の姿を目にして、私は早く帰って面倒を見てあげたいと心が痛み、涙が出そうになりました。一日も早く真実が明らかになり、勝利できますように引き続き、ご署名、ご支援をどうかよろしくお願いいたします。(8月記 青木惠子)

 この夏は熱中症対策が取られました。昼休憩が通常30分のところを1時間に延長、戸外運動時の野球やバレーボールの禁止、舎房廊下の送風機能の常時運転(通常は停止)などです。ツナギ服を作るにはスタンダードタイプで1着につき1.5×2.5m程度の生地が必要で材料の点数は35点にもなり、85工数の作業です。家庭であれば1着、3日間ぐらいかかるかもしれません。再審請求も2年目になりますが、まず、証拠開示の実現です。これからも支援どうかよろしくお願いします。(8月29日記 朴龍晧)

再審請求の現状

 9月24日の第5回三者協議を前に検察からは証拠開示に応じる必要がないとの文書が届きました。

活動報告

◎8月26日署名提出
 日本国民救援会第55回全国大会決議と第7回目の署名(青木:377筆、朴:411筆)を大阪地裁へ提出しました。
9月14日現在で、青木署名38団体、6002筆、朴署名30団体、5917筆です。全国大会の会場で150筆もの署名をいただき、ありがとうございました。
◎全国展開
 国民救援会各都道府県本部にリーフレット、個人署名用紙・団体署名用紙を送付し、署名をお願いしました。また、各支部の連絡先もわかり次第、署名のお願いをする予定(一部実施済)
◎兵庫県支部報告
「東住吉冤罪事件」の学習会が9月3日、西宮市で行われました。この学習会は、この間、兵庫県内で継続的に行われているものの一環で、今回で5回目となりました。感想として、1.裁判資料を読みこむ。2.DVD を何回も見る。3.今まで支援関係者が話さなかったことを聴く。この三つの事が今回の学習会で大事な事だと知りました。

「おまわりさんは、正義を守りみんなの生活を守ってくれる人」正直、警察が間違って他の人を逮捕するなんて考えられませんでした。今回学習会に参加して国民救援会の活動は国家権力が相手であることを改めて感じました。

 ザ・スクープスペシャルで放映された火災再現実験ビデオを観て、改めて「朴自白」の嘘が暴かれました。参加者からは「誰が見ても放火ができる状況ではない」「裁判官は自白だけで審理も尽くさず判決を出す」等可視化の必要性の発言がありました。

たんぽぽの会(関西えん罪事件連絡会)
◎ 第14回例会9月14日(火)
◎ 9・10名張毒ぶどう酒事件名古屋高裁
 集中行動の参加報告
  今後の活動として、学生も参加できる小集会を企画してはとの意見

当面のスケジュール

◎国民救援会近畿各府県本部大会に参加、
 支援要請
 9月18日京都府本部大会
 10月3日大阪府本部大会
 10月9日兵庫県本部大会
◎たんぽぽの会
 第15回例会10 月27日

「東住吉冤罪事件」を支援する会
事務局長 尾崎良江

大阪地裁所長オヤジ狩り事件の国家賠償請求を支援する会

国賠裁判の経過―― 判決は、来年1月20日!

紅葉2.gif

 大阪地裁所長オヤジ狩り事件の国家賠償請求裁判は、9月21日に結審し、いよいよ来年1月20日午後1時15分に判決が出されることになりました。
 4年前、周防正行監督の「それでもボクはやってない」の映画が大ヒットし、なぜ冤罪が起きるのかマスコミからも一躍注目されました。この映画がきっかけで日本の冤罪事件をマス・メディアが取り上げるようになったように思います。そのトップバッターとして無罪判決を勝ちとったのは、オヤジ狩り事件です。

 2年半前に藤本敦史さんと岡本太志さんが大阪高裁で無罪判決を勝ちとり、連日、検察庁に「上告するな!」の要請行動を行いました。メーデーの日に、弁護人から検察が「上告を断念した」との電話をもらったときは、「えっ!ほんまに」と疑いました。無罪判決が確定したんだと本当に嬉しかったです。

 このオヤジ狩り国賠裁判は、無実の5人の名誉回復とともに、警察・検察の暴力的・脅迫的な取調べと証拠隠しなどの実態を天下に明らかにし、まさに「権力犯罪」を断罪することをも目的としています。警察や検察などの国家権力による暴力をも使っての取調べの違法性を認めさせ、警察や検察に謝罪させること、そして5人が暴力を受けた損害を賠償させることを求めた裁判です。

裁判では、警察や検察は謝罪しないどころか、3月16日の裁判で、少年を取り調べた大阪府警の松井刑事は、「暴行はしていません」「髪の毛をつかまえたことは一度もありません」と平気でうその証言をしたのです。

 さらにびっくりしたのは、岡本さんに密室で罵声と暴力で自白を迫った大阪府警の畑山刑事の証言です。証言台で汗を拭きながら、こわい顔つきで、暴力団風の威圧的な話し方で「今でも犯人と思っている。無実ではない」、「裁判で警察は負けたが、彼らは犯人に違いない」と大きな声で居直りの証言を行いました。

 これには、傍聴席から思わず、「判決は無罪だ。謝れ!」の声が出ました。最高裁と大阪高裁の無罪判決を認めない態度に、多くの傍聴者が怒りを覚えました。大阪府警は、市民の常識からかけ離れており、まさに異常であることが明らかになりました。

支援する会の活動

 私たち支援する会は、これまで、支援の署名と裁判の傍聴を訴え、裁判当日には裁判所前での宣伝行動で、不当な捜査当局の本件は9月27日に神戸地裁姫路支部で無実の男性に損害賠償を命じる不当な判決が出され、これに対して男性が控訴した。本稿は25日に入稿されたものです。
 実態を見てもらうべくすべての傍聴席を満杯にして裁判を注視しようと呼びかけ、傍聴を組織してきました。
 裁判所前での宣伝行動では、「市民の常識にかなった当たり前の判決を、5人の願いを叶える判決を出して下さい」とハンドマイクと宣伝カーから力を込めて訴えてきました。署名は、現在1万筆を突破して、10586筆を裁判所に提出してきました。

 来年のお正月は、この事件の勝利の初夢を見て、判決日を迎えたいと思います。そして、オヤジ狩り国賠裁判勝利の祝賀会で、新年からおいしいお酒を飲めるようにしたいと思います。そのためには、裁判長への要請ハガキ1000枚の大運動に全力で取り組みます。引き続き署名にも取り組んでいきたいと考えています。

大阪地裁所長オヤジ狩り国賠を支援する会
事務局長 中川泰一

えん罪・姫路強制わいせつ事件

えん罪・姫路事件支える会
世話人 濱嶋隆昌

8月1日に行われた運営委員会で加盟決定された新たな事件です。

 昨年7月に懲役2年の実刑判決が確定したO・Kさんは今年8月に仮釈放となり、現在、保護観察中です。しかし、嘘の供述をした自称「被害者」A子が起こした1千万円余の損害賠償請求訴訟の一審判決が2日後に迫っています。判決がどうであれ、O・Kさんと私たちは最後までたたかう決意をかためあっています。

 本稿では、姫路事件の支援運動で特徴的なポイントを4点、報告したいと思います。

秋1.gif

1、第一回公判前に受理できた希なケース特徴の第一は、本件は一審の第一回公判前の段階で国民救援会が受理できた、えん罪としては、希なケースであるということです。
 事件は2007年9月に発生しました。職場で体調を崩したA子を上司のO・KさんがA子のアパートまで車で送っていったところ、後日、A子が社長に「部屋でわいせつ行為を受けた」と虚偽の申告をし、これが発端で捜査が始まり、O・Kさんは11月に逮捕されました。
 国民救援会兵庫県本部とO・Kさんの婚約者が電話で連絡をとれたのが08年1月30日です。県本部はすぐに地元・姫路支部と連絡をとり、翌31日に役員が家族から事情を聴き、その足ですぐ、姫路拘置所のO・Kさんに面会に行きました。

 姫路拘置所は1回3人、1日2回まで面会できたため、当日中に家族と救援会が全員会えたのです。この面会で私たちは、第1回公判が翌日であることを知ります(期日は家族も知らなかった)。
O・Kさんは「不本意な自白をさせられたが、持病もあり体調がとても悪いので、とりあえず明日の公判では容疑を認めて、外に出てからたたかおうと思う」と話しました。

 私たちは、「もし、あなたが本当にやったのなら認めて罪を償うべきです。しかし、もし、やっていないのであれば、法廷で認めたことを後で覆すのはきわめて困難です。その時は認めるべきではありません。何よりも真実を大切にしてください」とアドバイスしました。O・Kさんは「一晩ゆっくり考えます」と答え、私たちは別れました。

 後で分かったことですが、O・Kさんについていた国選弁護人は、面会にくるなり「実刑やな。100万(示談金か?)用意できる?」と一方的に話すだけで、O・Kさんの主張を一言も聴かず、わずか10分程度で帰ってしまいました。O・Kさんは何度も弁護士に手紙を書きましたが、面会はそのとき一度きりで、警察、検察だけでなく、弁護士にも分かってもらえないことで絶望し、外へ出たい一心で公判でも罪を認める心境になっていたのです。

 国選弁護人と相談する間もなく翌日、迎えた第1回公判。罪状認否でO・Kさんは、「起訴状の内容は事実と大きくかけ離れています」と、否認しました。一晩考え、真実を守る決意をしたのです。一方、情状を求める方針で準備していた弁護人は混乱しましたが、とりあえず一旦、閉廷して、再度期日を指定することになりました。
 もし、対応が一日遅れて罪を認めていたら、後のたたかいは一層困難になっていたでしょう。

2、家族とともに調査・証拠を発掘第二の特徴は調査活動です。
 国選弁護人はO・Kさんに有利な証拠を一切調べていませんでしたが、O・Kさんには逮捕前からの婚約者がおり、彼女がO・Kさんの携帯電話に、事件直後、A子が「ありがとうございます」とメールを送っていた履歴を発見したのです。
 もし「犯行」があったとすれば矛盾する内容です。調べる価値があるので、婚約者に事件前後約1年分のメールの全記録を調べてリスト化してもらい、重要な部分は救援会で写真撮影。面会で事実経過を確かめ、調査・検討を重ねた結果、メールの時刻、職場の退社時刻、移動時間、手帳の記載からアリバイが成立することが分かったのです。

 通常の調査では、検察側開示証拠の内容の把握で苦労しますが、本件の場合、婚約者の奮闘のおかげで、独自の証拠発掘で無実と分かったのです。

 調査と同時並行で国選弁護人との共同の道を探りましたが、最終的にO・Kさんの意思で、現在の吉田竜一弁護士にお願いし、ようやく、法廷で正面から無実を訴える態勢ができたのです。
これ以後、家族・弁護士・救援会の対策会議を団結の要とし、同時に、姫路支部を中心に調査委員会を設け、検討会議、公判傍聴、中間報告集会などを重ねました。委員会としてえん罪と確信できた段階からは、裁判所に対して、えん罪の可能性が高いことを説明し、「慎重な審理を求める要請書」を提出、家族にも勧めて上申書を提出するなど、可能な支援・アドバイスを行い、09年4月、中央本部の正式な支援決定を得、同年「姫路事件支える会」を発足。署名運動もスタートしました。

3、重要用務処理者として面会 
 第三の特徴は、重要用務処理者としての特別面会をかちとったことです。O・Kさんは一度、保釈されましたが、一審の有罪判決で再び大阪拘置所に収容されました。家には高齢の両親だけが残っていることや様々な地域事情を考慮して、私たちはあえて近所の人には運動を広げず「入院した」ことにして、住所・氏名は匿名で運動を続けることにしました。
 ところが、たまたまO・Kさんの近くに住む一人の救援会員が、O・Kさんが当事者であることを知らずにO・Kさん宅周辺の住民から救援会のカンパを集めてくれたのです。地元に理解者をつくることは、ご両親を守る上で重要です。 

 そこでO・Kさんに面会して、このことを伝えたところ、カンパ協力者の一人の市会議員の男性が旧知の仲であることが分かり、相談した結果、その男性に限って、事件のことをうち明けることにしました。男性は拘置所の面会室でO・Kさんと久々の対面を果たし、その後、O・Kさんと家族の精神的な支えとなりました。

 さらにその後、署名をしてくれる人も現れたため、私たちは、もう一度O・Kさんと相談しようとしましたが、この時すでに有罪が確定し、O・Kさんは滋賀刑務所(収容分類A級)に収容されており、面会も未決の時のようにできません。そこで私たちは、受刑者処遇法第111条2項にある、いわゆる「重要用務処理者」としての面会を滋賀刑務所に求めました。

 刑務所と何度も交渉した結果、弁護士から用務を委託されている証明を提出することで許可が出ました。その後は刑務所の対応は非常に丁寧で「特別面会」として様々な配慮をしてくれ、地元対策、法廷対策もはかどりました。
 その結果、現在では地元周辺で5人の理解者が支えになってくれています。

4、無実を訴えながら仮釈放かちとる第四の特徴は仮釈放をかちとったことです。
 仮釈放は刑務所長の申し出を受けて地方更生保護委員会が審査し、決定します。審査では悔悟の情と更正の意欲、再犯のおそれ、社会感情、被害者感情などが考慮されます。
 そこで私たちは、O・Kさんが民事裁判(損賠)の法廷に立てるよう、審査の形式的要件である応答日(有期刑の場合、刑期の3分の1)を越える今春を待って、滋賀刑務所と近畿地方更生保護委員会を訪ね、えん罪性を説明。「刑事裁判の判決を無批判に前提にしないでほしい。無実を訴えているから悔悟の情なし、損害賠償を請求され
ているから被害者感情悪し、と機械的に判断しないでほしい」と要請。話はよく聴いてくれました。
 そして、O・Kさんも真面目に服役し、法廷で無実を主張したいと真剣に訴え続けた結果、8月26日、O・Kさんは刑期を約2ヶ月残して仮釈放されました(満期は11月6日)。

 両親、婚約者、支援者、たんぽぽの会が迎えると、O・Kさんは、「お前は否認してるから絶対に仮釈放はない!といわれ、満期を覚悟した。今自分がここにいることが信じられない」と涙を流しました。これは、単に早く出られたというだけでなく、判決言い渡しの法廷に間に合ったこと、そして何よりも無実を訴えながら仮釈放が認められたという事実の重みに意義があります。

 以上のように様々な成果はあります。しかし、第一回公判前に受理できたものの、その後わずか17ヶ月余りで最高裁で確定という拙速裁判のために、O・Kさんの救済に結びついていないことが無念でなりません。それでもO・Kさんと私たちはたたかい続けます。

岡山・山陽本線痴漢えん罪事件

山本真也さん・岡山駅前で最高裁の不当判決を批判

最高裁へ抗議する

紅葉1.gif

 稲葉泰子副支部長、田中金一・谷口朋美両常任委員も裁判所の判断を批判し、訴えました。元岡山県庁の職員の方が、チラシの受け取りを拒否したのですが、事件について話すと「否認することは大変なことだ。ついつい警察の手に乗ってしまう。裁判所は人の一生をもっと考えなければ」とチラシを受け取りました。約1時間でチラシ300枚を配りました。

 9月14日、不当判決を受けて黙っていては、腹の虫が納まらないことから、救援会の第189回最高裁要請行動に参加しました。最高裁前で山本さんは、「岡山地裁が判断した、満員のギュウギュウ詰めの電車内で、他の乗客に気づかれずに、足を広げたり、曲げたり、肩を下げる等を組み合わせれば痴漢はできるとの常識はずれについて、最高裁が何の判断も示さないのは、憲法の番人としての役割を放棄するものである」とマイクで抗議しました。

 最高裁では、若梅上席書記官に、山本さんが
 ① 1審・2審では、マスコミは無罪報道の準備をしていた。最高裁までもが地裁の判断を追認するとは信じていなかった。勤め先のJR 西日本会社から「懲戒解雇」を受け、30年も勤めたが退職金は0、再就職もままならない。私と家族のこれからの人生と生活設計が大きくねじ曲げられた。
 ② 痴漢事件の事実認定は、被害者女性の供述が100%取り入れられ、検察が立証していないことまで裁判官が判断することは、憲法違反である。他の事件では、このようなことのないよう強く要請する。
 ③ 無実の者が無実を立証することはできない。裁判官は「疑わしきは被告人の利益に」の刑事裁判の鉄則を守ってほしい。

と抗議と要請をしました。また、第2小法廷千葉勝美裁判長宛に「上告棄却に強く抗議するとともに、罪を犯していない人が一生台無しになる冤罪を生まない慎重な審理を要請」文を手渡しました。 
 今後の取り組みについては、弁護団、当事者との協議によりますが、再審が出来るよう新たな情報を得るべき努力をしたいと思っています。

日本国民救援会岡山県本部
事件事務局担当 竹原正樹

大崎事件

花.gif

 鹿児島・大崎事件は、8月30日鹿児島地方裁判所に第2次再審請求申立をしました。国民救援会鹿児島県本部、「再審をめざす会」では、この再審申立と報告集会を成功させるために国民救援会中央本部の援助も得て県内の民主団体への訪問活動、会員、知り合いへの呼びかけ、1万3千枚のチラシ配布、折込み、全国の国民救援会県本部、九州各県本部へは、大崎事件の「支援する会」の結成と報告集会への参加を呼びかけました。

 報告集会には、弁護団からの、弁護士会、法科大学院の学生、大学法学部の学生、労組への呼びかけもあり、300名の参加者で大盛会でした。足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さん、氷見事件の柳原浩さん、志布志事件の川畑幸夫さんらの原口アヤ子さんへの激励、県弁護士会会長の鳥丸真人さんからも「無罪判決を勝ち取るまで弁護士会は原口アヤ子と弁護団を支援する」とあいさつがあり、支援者を励ましました。会場では、100筆の署名と42,665円の募金が寄せられました。

 首都圏「再審を勝ち取る会」、宮崎、熊本の「支援する会」、千葉、兵庫、福岡など九州全県からの参加がありました。国民救援会大隈支部では、8月24日に支部大会を開き、「めざす会」の再建と会員に集会参加を呼びかけようと決意を固めあいました。
 報告集会当日は、昼と夕方の2回、天文館通りでの宣伝、署名活動を原口アヤ子さんも参加してのべ87名の参加でビラ1000枚、署名253筆、カンパ2,167円が寄せられました。マスコミの反響も大きく、原口アヤ子さんへのテレビの密着取材を始め、県内テレビ、新聞各社が報道しました。
 9月15日は、2回目の宣伝、署名活動を天文館通りで8名の参加で行いました。雨の中、署名96筆、チラシ170枚配布、いろんな階層の人たちから署名がありました。
 9月21日には、8月中旬から国民救援会、めざす会に寄せられた署名1095筆を持って第1回の鹿児島地裁への要請行動を9名の参加で行いました。原口アヤ子さん、国民救援会、「めざす会」の支援者と一緒に鹿児島地裁の筆頭書記官、事務官と面会して、「一日も早い再審開始決定を」とそれぞれが訴えて、中央本部、千葉県本部の大会での決議文と野村昭也さんの上申書も一緒に手渡し、書記官からは「今日、要請があったことを伝えます」との返答がありました。

 10月16、17日は第13回全国現地調査です。全国から多くのみなさんの参加で第2次再審請求申立書を学習し、現地を見て、事件への理解を深め、原口アヤ子さんを激励してほしいと準備をすすめています。

国民救援会鹿児島県本部 福一涼子

powered by Quick Homepage Maker 4.16
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional