えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

No.49 再審えん罪事件全国連絡会ニュース

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2010年12月7日発行 No.49


第19回総会が11/20,21に開かれる

活発な討論をし、新体制も確立

再審・えん罪事件全国連絡会第19回総会が11月20日、21日の両日に東京・豊島区で行われました。その内容をお知らせいたします。

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【第1日=20日、午後1時から4時45分】

 20日の午後1時から始まった第19回総会、まず議長に運営委員の瑞慶覧淳さんを選出し、庭山代表委員の開会挨拶で始まりました。
 坂屋光裕事務局長の議案の報告を受けて、討論が行われました。

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 大阪・東住吉冤罪事件や東京・東電OL殺人事件、長野・特急あずさ35号窃盗冤罪事件、滋賀・日野町事件、岡山・山陽本線痴漢えん罪事件、福井・福井女子中学生殺人事件、三重・名張毒ぶどう酒事件、静岡・袴田事件、大阪・大阪地裁オヤジ狩り事件、宮城・仙台筋弛緩剤冤罪事件、鹿児島・大崎事件、茨城・布川事件の12事件から裁判の状況(準備中の事件はその状況)、支援活動の報告、今後のたたかいなどについて発言がされました。

 東住吉事件からは、朴さんの「自白」通りに7㍑のガソリンを撒き火をつけたら朴さん自身が大変なことになる。このことから「自白」のデタラメさを立証していきたいとの報告があり、大阪オヤジ狩り事件からは、国賠裁判で「自白」は特高並みの警察の取調べで作られたこと等が報告されました。 
 袴田事件からは、証拠とされたパジャマが袴田さんのものではないことの立証をしていくことの報告がされ、福井事件からは、弁護団の努力により証拠開示が進み、来年1月に鑑定人の証人尋問が行われることが、東電OL事件からは、請求審での証拠開示の重要性が語られました。名張事件からは、証拠を開示させることの重要性と共に、裁判が時間とのたたかいになってきたこと、緊急の要請ハガキに取り組むこと、宗教者のアピールを取りまとめる取り組みなどが報告されました。

 山陽本線事件からは、客観的な証拠に基づかない裁判のひどさが報告され、特急あずさ窃盗事件からは、いまだに東京高裁に有罪判決を出した裁判長がいるために再審請求できないことが報告されました。日野町事件からは、予断を持った裁判官を替えさせたたたかいが報告されました。
 筋弛緩剤事件からは、再審請求についてはいよいよ光が見えてきたとの報告がなされ、また、全国でも20もの守る会が出来ていることが報告されました。大崎事件からは、8月に第2時再審請求の申し立てを行ったことなどが報告されました。

 東電OL事件や日野町事件、袴田事件などから刑務所や拘置所にいるご本人たちの状況が報告され、阪原さんや袴田さんの状況が思わしくないことが報告されました。そして、刑事施設法新法の見直しの時期がくるが、当連絡会としても意見表明していくべきとの意見が出されました。日野町事件からは、仮釈放運動に取り組むことが報告されました。また、死刑制度について、人権への配慮という観点から、死刑廃止ということを捉えていく必要があるとの意見が出されました。
 また、再審開始決定を勝ちとることが大変困難といわれてきたが当事者・弁護団・支援者が団結しての闘いにより足利事件、布川事件と勝ちとってきたことなどが質問として出されたり、刑事施設視察委員会や留置施設視察委員会について意見が出され、処遇問題の取り組みにも幅を持たせなければならないとの意見などが出されました。

【第2日=21日、9時30分~12時】

 2日目の討論は、再審請求を控えているところが、再審をすでにたたかっているところに聞きたいことがあれば出してもらうことから始めました。

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 ある事件から、守る会と本人、弁護団との連絡があまりなく、困っているがどうすればよいのか、という質問(問題提起)がり、布川事件からは、弁護団会議には守る会から必ず参加し、発言も自由にしているとの発言があり、他の事件から、弁護団と支援者は「車の両輪」と弁護団にいわれるとの報告があり、また別の事件からは、弁護団、当事者、守る会の関係はそれぞれの事件ごとに到達点が異なるので、それぞれ、団結をどう固めていくのかという接近をしていかなければならない。そして、弁護士にも、運動のなかに入ってもらうことが必要だ、などの意見が出されました。
次に、支援運動をどう広げていくかについて討論が移り、誰にもわかるように訴えること、そのための日々精進が必要であることが確認され、筋弛緩剤事件のように全国で20も守る会が広がった要因には、当事者や家族が具体的な事実を語り、支援を訴えていくことの重要性が確認されました。
また、当事者からは、同じような立場の人と話がしたい。話を聞きすごく励まされたなどの意見が出され、冤罪被害者や家族の交流の場を持つことが求められていることも出されました。
 そのほか、個人通報制度の実現や国内人権救済機関の設立などについても意見が出されました。
 討論のあと、坂屋事務局長より、財政報告がなされ、新役員体制の提案がなされました。
 決議案、財政報告、新役員体制案のすべてが全員一致で採択されました。
 閉会挨拶は、新たに代表委員になった青山学院大学教授の新倉修さんが行い、法学者の冤罪支援のネットワークを作りたい、また再審・えん罪事件全国連絡会の活動から法曹教育の生きた教材を提供し人権を守る法曹教育にも貢献していきたいとの抱負が述べられました。


再審・えん罪事件全国連絡会第19回総会決議


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 1.再審・冤罪事件をめぐる状況と本総会の任務

(1)昨年の本総会以降、布川事件で最高裁が再審開始決定を確定させ(12月14日)、足利事件で宇都宮地裁が菅家利和さんに無罪判決を出し、即日確定(3月26日)しました。また、名張事件で最高裁が再審開始決定を取り消した名古屋高裁決定を取り消しました(4月5日)。
 同時に、岡山・山陽本線痴漢冤罪事件や東京・西武池袋線痴漢冤罪小林事件で最高裁が不当な上告棄却決定を出し、難病を抱えた小林事件では実刑有罪が確定し、10月19日東京高検に出頭、収監されました。
 事実と道理にもとづき、本人・弁護団・支援者の固い団結で勝利・成果を勝ちとった事件、不当な裁判に苦しめられている事件があります。もちろん、裁判官の質の問題や事件の性質など種々の要素がありますが、それぞれの事件のたたかいを振り返り、良かった点、今後改めるべき点を学び取っていくことが重要です。

(2)いま、郵政不正事件をめぐって明らかとなった大阪地検特捜部検事の証拠改ざん問題がクローズアップされています。証拠の改ざん行為は、証拠に基づき審理判断するという刑事裁判を根底から否定するものであり断じて許されないことです。多くの国民が怒っています。当連絡会は、この問題についての見解をホームページ上で発表しました(10月15日)。
 冤罪事件では、証拠の改ざんやねつ造が行われ、ほとんどの事件で無実の証拠が隠されています。証拠改ざんを防ぐためには、検察手持ち証拠をすべて開示することが一番です。開示をすれば、改ざんした場合、すぐに判明するからです。再審事件の解決にとってもすべての証拠の開示が重要です。今回の大阪地検検事の証拠改ざん事件の解決と併せて、検察手持ち証拠の全面開示が歪んだ刑事裁判を正すために最低限必要であることを広めていきましょう。また、今回発表した声明の内容をよく学び、この問題の解決と冤罪事件の被害者救済とが繋がっていることを国民の中に広め、各事件の支援を広げていきましょう。

(3)本総会は、こうした情勢のもとで各事件の現況と展望を交流し、共有して、勝利を切り拓くための方針を討議、決定するとともに、この方針を先頭に立って実践する新役員の選出を行います。

 2.第18回総会以降の活動について(総括)

(1)活動全体としての総括

 第18回総会以降、ニュースを7回発行し、運営委員会を2回開催し、ホーム・ページをさらに充実させ、新たな加盟事件もあり、毎月第3木曜日の有楽町マリオン前宣伝の実施など一歩一歩着実に前進したといえる活動を行いました。これは、事務局の団結の結果であり、加盟団体の協力の賜と考えます。同時に、『えん罪入門』の改訂ができなかったことや8月の運営委員会で合意事項となった千葉景子法務大臣(当時)の死刑執行問題での抗議・要請を行えなかったなどの弱点もあります。前進面をさらに伸ばし、弱点を克服することが求められます。
 また、冤罪事件に対する国民の関心の高まりという好機を逃さず、加盟事件の勝利をめざし、国民救援会とより協力・共同関係を強め、国民の目に見える活動を繰り広げることが求められます。

(2)具体的な事項についての総括

 ⅰ 事務局会議の開催、体制強化
   事務局会議は、基本的に毎月1回開くことができ、概ね準備して望むことができました。
 ⅱ ニュースの発行、ホーム・ページ、『えん罪入門』の改訂
   ニュースは、毎月1回の発行をめざすという方針を決めましたが、体制の点から、1,2カ月に
  1度の発行となり、42号から48号まで7回の発行となりました。
   『えん罪入門』の改定版の出版は種々の活動に追われ、十分な体制がとれず、断念せざるを得
   ませんでした。
 ⅲ 運営委員会
   運営委員会は、最低年2回は開催することを決め、8月と11月に開催した。当会の活動をより
   活発に広範なものとするために運営委員の英知を集めるためにより頻繁な開催が求められて
   います。
 ⅳ 5.20全国いっせい宣伝行動
   国民救援会と協力し、昨年に劣らない宣伝行動を繰り広げることができた。
 ⅴ 国連の拷問禁止委員会や自由権規約委員会の勧告の活用
   事務局での学習がまだまだ不十分で、十分な活用ができなかった。
 ⅵ 処遇改善問題
   事務局での学習会を一度行いました。さらに学習を深め、収監されている人の実態に基づい
   て、刑務所においても人権が守られるようにするために、当局要請活動を十分に準備して、
   行っていくことが求められます。 
 ⅶ 財政・カンパ活動
  ①加盟事件や賛助会員からの分担金・会費の集金について
   財政活動でまず行わなければならないのが分担金の集金であるにもかかわらず、この点の意
   識が弱く、加盟事件に対して分担金の支払いの働きかけをほとんど行わなかった。また賛助
   会員についても同様の弱点が克服出来なかった。
  ②年末救援統一募金の取り組み国民救援会と共に取り組みました。
  ③独自のカンパ活動と賛助会員拡大の取り組み
  ニュースに掲載するだけとなったが、数人の方から協力頂けた。
 ⅷ 対象事件への加入の働きかけ
   前回総会以降3つの事件の支援団体に加盟していただくことができました
 ⅸ 冤罪被害者の家族の困難を和らげるための組織や企画
   問題意識を持つ人たちと相談し、具体化を進めると決めながら、出来なかった。

 3.第19回総会期の活動について(方針)

(1)事務局会議の開催、体制強化

 毎月1回、準備して開催し、1回1回の会議を成功させることが大切です。また、事務局の力量を十分に発揮するためにも事件の学習はもちろん、処遇問題など必要な学習に取り組みます。また、必要に応じて、事務局員の補充を行います。

(2)ニュースの発行、ホーム・ページ、『えん罪入門』の改訂

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 ニュースは、各事件の支援団体(守る会)の活動を交流し、教訓を学ぶためにも重要です。加盟事件の支援運動を強化・発展させるために必要な頻度で発行するようにします。
 『えん罪入門』の改定版の出版は種々の活動に追われ、十分な体制がとれず、断念してしまいましたが、現在に置いても改訂版の出版の重要性は失われていません。今後、体制的にも検討を加え、出版に向けて努力します。

(3)運営委員会

 運営委員会の開催は、当連絡会の活動をより豊かなものにするために不可欠です。運営委員の英知を集めるために必要に応じて、開催します。

(4)5.20全国いっせい宣伝行動

 国民救援会と協力し、昨年よりも大規模に工夫を凝らして宣伝行動を行います。

(5)国連の拷問禁止委員会や自由権規約委員会の勧告の活用

 事務局での学習を進め、具体的な活用を図ります。

(6)処遇改善問題

 事務局での学習会を今後も行い、収監されている人の実態に調査し、それに基づいて、刑務所においても人権が守られるようにするために、日野町事件・広島刑務所、仙台筋弛緩剤冤罪事件・千葉刑務所、東電OL殺人事件・横浜刑務所など実際の当局要請活動から学ぶとともに、国民救援会と共同でより効果的に要請が出来るように研究します。 

(7)財政・カンパ活動

 ①加盟事件や賛助会員からの分担金・会費の集金について
 分担金を納入していない加盟事件守る会にきちんと請求すること、また、賛助会員についても会費の請求をきちんと行うことが大切であり、そのために事務局会議で、集金状況を必要に応じて、到達を明らかにし、議論するようにする。
 ②年末救援統一募金の取り組み
 国民救援会と共に旺盛に取り組みます。
 ③独自のカンパ活動と賛助会員拡大の取り組み
  ニュースにカンパの訴えや賛助会員募集の訴えを掲載し、加盟事件の協力も得ながら、賛助会員の拡大に取り組みます。賛助会員が増えると共に、その会費の集金などの働きかけや管理が重要となります。名簿の整備など不十分な現状を改善します。

(8)対象事件への加入の働きかけ

 国民救援会が支援している事件だけでも、まだまだ加盟していない事件があります。支援団体があるすべての再審・えん罪事件に加盟を働きかけることが重要です。

(9)冤罪被害者の家族の困難を和らげるための組織や企画

 運営委員会で検討し、加盟事件守る会の意見も聞きながら、効果的な方法を具体的に進めます。

(10)死刑制度についての当連絡会としての見解

 7月の千葉景子法務大臣による突然の死刑執行に大きな怒りが各方面から挙げられました。
 当連絡会は、名張事件、袴田事件という死刑事件を抱える連絡会として、この問題にも積極的に関わるべきと考えます。8月の運営委員会でも抗議をすべきとの意見が出されましたが、当連絡会として統一的な見解を出しておらず、対応を検討しているうちに時機を逸してしまいました。
 今後、同様の事態に直面したときには、冤罪事件が絶えない現状に鑑み、死刑反対の立場を表明し、その立場から態度表明をしていきます。

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 第19回総会に先立ち、20日昼、運営委員会が開催され、次の2つの守る会の再審・えん罪事件全国連絡会への加盟が決定しました。
1,西宮郵便バイク事件 鵜飼晴行さんを支援する会
2,痴漢えん罪西武池袋線小林事件・小林さんとご家族を支援する会



布川事件再審公判報告

第4回公判被告人質問

「自白」でっち上げをリアルに証言

守る会 中澤 宏

 布川事件の再審第4回公判が11月15日水戸地裁土浦支部で開かれ、桜井さんと杉山さんに対する被告人質問があり、嘘の「自白」がどのように作り上げられたかを話しました。      

「自白」偏重、証拠軽視の裁判を批判

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 1967年10月10日、友人のズボンを盗んだ罪で別件逮捕された桜井さんは、アリバイを何とか思い出して「事件のあった8月28日は中野区野方の兄のアパートに泊まった」と言いましたが、警察は「お前の兄貴は来ていないといっている」と否定。
 さらに「お前と杉山を被害者宅前で見た人がいる」と言われて、警察が嘘をつくとは思っていなかった当時の桜井さんは「杉山と別の男がやったのではないか」と考えたこと。警察によって真実のアリバイを否定され、アリバイを思い出すことが出来なくなった桜井さんは「お前のかあちゃんも素直に認めろと言っている」「否認すれば死刑もある」と追い討ちをかけられ、10月15日、唯一疑いを晴らせると思っていた嘘発見器の検査結果を「お前の言っていることは全て嘘と出た。もう逃れられない」と偽られたことで「心が折れた」と絶句、法廷は静まり返りました。桜井さんは結婚したばかりの姉のことを心配し、新聞に名前を出さないことを条件に嘘の「自白」をしましたが、どっち道自分はやっていないのだからいずれ分かるだろうという気持ちで、警察の誘導に応じて自白調書が作られていったと語りました。
 最後に、弁護人から裁判官に言いたいことを聞かれた桜井さんは、「裁判官は証拠をよく見るべきで自白を信用されては困る。自分の43年間はなんだったのかと言いたい」と涙で声を詰まらせ訴えました。

「否認するなら死刑」と自白を強要

 10月16日に暴力行為で別件逮捕された杉山さんは、17日に警察から「二人を見た人がいる。否認するならいつまで経ってもここから出られない。あくまで否認するなら死刑だ」と脅されたこと。桜井さんの自白調書と桜井兄の「8月28日に杉山は来ていない」との証言のコピーを見せられ、桜井兄弟が自分を嵌めようとしているなら法廷で対決するしかないと思い、「桜井の言っている通りに書いてください」と言ったときは悔し涙が出たと語りました。
 また「自白」後、当日の出来事を説明できずにいると「他の日のことでもいいから言え」といわれたので別の日の出来事を話したこと、警察が現場見取り図をわざと見せるようにして図面を書かせられたことなどをリアルに語りました。
 検察官の反対尋問で、いまだに検察が「不見当」としている10月30日の「自白録音テープを取調官が止めたのはどんな場面か」と質問された杉山さんは、「検察が持っているテープを出せば分かるでしょう」と声を荒げて反論。
 最後に検察や裁判所に言いたいことはと聞かれた杉山さんは「無実の証拠を隠したり改ざんして裁判所を欺いた検察を許す気はない。謝罪する気持ちがあるなら、殺人犯の親として村八分になって悔しい思いで死んでいった桜井の両親に謝って欲しい」と結びました。

次回論告で検察に説明と謝罪を求める

 二人の尋問終了後、山本裕夫主任弁護人は「次回公判の検察の論告求刑は検察の意見を表明する最後の機会となる。弁護団は、証拠を隠し、改ざんした検察に有罪立証する資格はないと考える。またこれまで請求人に謝罪することを求めてきたがいまだに明確な回答はない。論告で、証拠隠し、改ざん、偽証についてどのように考えているのか説明し、謝罪することを改めて求める」と述べました。


第5回公判報告

守る会 山川清子

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検察官の論告は3時間に及び、二人に無期懲役を求刑しました。
その内容は、二人の自白は、任意で極めて信用性の高い状況下でされ、客観的事実にも符合する。目撃供述も信用性が高い。その変遷も自白の信用性には影響しないというものでした。
例を挙げますと、以下のように述べています。

O証人の証言については、身長等に変遷があり、また目撃した男がKであるという点についても一貫せず、思いつきや虚言を交えていて証拠価値が低い。
O証言が証拠価値がない以上、W供述は信用性が高いし、時間の流れに沿って6名から目撃されているので、現場付近にいたと認められる。
 二人のアリバイは、6人の目撃証言と矛盾するので、虚偽だ。
殺害行為については、扼頸行為がなかったとは言えないし、絞頸を試みたが絞頸行為があったとまでは言えない。自白どおりにパンツを口に傷をつけずに押し込んで殺害することも可能だ。
桜井さんの自白を録音したテープもマスタテープなのにカットしてつなげた跡がないので、編集したとの中田鑑定は誤りである。録音再開後も誘導したとは言えない。
 ガラス戸の実験は、現場の状況や自白とはまったく異なる条件下での実験に過ぎず、ガラス戸は蹴っても割れないとは言えない。
採取した大半の対象不能な指紋の中に二人の指紋がある可能性がある。毛髪は現場を総ざらいして採取したとはいえないし、玄関・勝手口近くで採取されたので、犯行時に遺留されたものとは言い切れない等です。
 総じて、再審請求審で明らかになったことを無視し、都合のいい自白・事実・判断を並べあげて、確定審を正当づけることに終始した内容でした。


再審布川事件傍聴記   

布川事件守る会 橋本勲
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 11月12日(金)第5回の再審公判が、水戸地裁土浦支部で開かれた。選に漏れたのだが、突然傍聴の機会が巡ってきた。初めてのことであり、非常に驚いたが、有難く頂戴した。廷内は予想していたよりこじんまりした印象を受けた。
 傍聴席から見て一段高い正面席に裁判長、左右に女性裁判官、あとは同一フロアで左側に机と両肘付椅子に検察官2名、桜井、杉山両氏は検察側に向き合い長椅子で、その後に十数名の弁護団、書記官が裁判長席の直下で、傍聴席に向いていた。その前にマイク付尋問席があり、裁判長席に向いていた。
 傍聴席とは低い木製の間仕切り板で仕切られていた。前方の傍聴席には報道陣用の張り札16席、他の傍聴席は24席だった。
裁判は、1時20分に開廷した。検察側は休憩30分を含め、2時間40分の長きに渡り、二人で交代しながら、「初期の自白に矛盾しない」とか「六人の証言は信用出来る」とか再審決定前(確定審)の論告に終始した。とうとうと読み上げに、本当は二人は、と不安になってきた。がしかし、具体的な証拠(指紋・毛髪等)も示さず、自白とアリバイ証言のみで新しい証拠は出さなかった。
 最後に検察側から、改心の情認められず、厳命をもって、いずれも「無期懲役」をとの論告求刑がなされた。その時桜井氏は「拍手」した。その直後、柴田弁護団長が立ち上がり「証拠隠し等」で検察は謝罪しないのか!!と。また大阪でも醜いことをしているではないかと。裁判長が制止し、次回最終弁論で閉廷した。
 初めての体験をさせていただいたが、一方的長時間の読上げで、これが裁判か?と思った。桜井、杉山両氏の生の声が聞きたかった。



名張事件・・・差戻審の現状

2010.11.30 名張事件再審弁護団
平松清志

(編集部から)今年4月の最高裁差し戻し決定後の名古屋高裁での審理がどうなっているのか、わかりにくいとの声を聞き、弁護団の平松弁護士に名張事件の現状について執筆して頂きました。 

1 はじめに

 2010年4月5日に最高裁が破棄差戻決定を出して8カ月が経ちました。名古屋高裁刑事第2部では、この間、3回の進行協議を経て、差戻審での審理が実質的に始まっています。 

2 毒物問題の経緯

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 最高裁が本件を高裁に差し戻した最大の理由は、毒物問題について弁護団の提出した新証拠を排斥した異議審の判断が「科学的知見に基づく検討をしたとはいえず、その推論過程に誤りがある疑いがある」ということです。
 弁護団が提出した、佐々木神戸大教授及び宮川京都大教授の毒物鑑定は、事件の際に使われた毒物が、奥西さんの所持していたとされるニッカリンTではない可能性が高いというものでした。すなわち、事件当時のペーパークロマトグラフによる成分分析の結果によれば、ニッカリンTには3つのスポットが検出されたのに、事件に使われた毒物には2つのスポットしか生じなかったことについて、当時は、加水分解により成分が消えて消失したのだとされていたのですが、それは誤りで、ニッカリンTなら検出されるはずのトリエチルピロホスフェートという物質が含まれていない別のテップ剤である可能性が高いことを、弁護団の入手したニッカリンTの成分分析とニッカリンTの製法の有機化学的な解析により示し、この結果、再審開始決定を勝ち取りました。
 これに対して、従前、検察官は、各成分の加水分解速度に加えて、各成分の抽出効率や、比較対照する検体との希釈倍率の差によって、ニッカリンTであっても3つのスポットが検出されないことがあると主張し、異議審では、この検察官の主張を採用して、再審開始決定が取り消されました。
 弁護団は、異議審決定の非科学性を糾弾し、抽出効率や希釈倍率によってスポットの違いが生じることはあり得ないことを、裁判官にも理解しやすいよう、図面やパワーポイントを使用して、説明してきました。
 これに対し、検察官は、異議審段階の主張だけでは勝ち目がないと考えたのか、平島九州大学准教授の意見書を提出し、トリエチルピロホスフェートは発色反応が劣るのでスポットに検出されなかったなどと主張してきました。
 弁護団がこの平島意見書に対する反論を提出しようとしていた矢先に、最高裁は、異議審決定を取消して、名古屋高裁に差し戻したのです。したがって、名古屋高裁での差戻審では発色問題が焦点になると弁護団は考えていました。

3 検察官の主張の変転

 差戻審に至ると、検察官は従前の主張を一変させました。従前は、事件で使用された毒物のペーパークロマトグラフ試験で検出されなかったスポットは、トリエチルピロホスフェートであることを前提として、それが検出されなかった理由として加水分解、抽出効率、希釈倍率、発色反応性など、化学的に考えられる主張を付け加えてきたのです。
 ところが、それが、弁護団の反論で到底維持できないとみるや、最高裁段階で提出した平島准教授の意見書にも依拠しないと述べ、そもそも検出されなかったスポットが「トリエチルピロホスフェートとは特定できない」などと新たな主張を始めました。
 検察官は、差戻審になって、石山帝京大名誉教授及び宮本東京農大教授の鑑定書・意見書により、弁護団が提出した佐々木・宮川鑑定に対して、執拗な批判を加えてきました。とりわけ、有機化学の専門家でもない一介の法医学者である石山氏の鑑定書は、佐々木・宮川鑑定に対する罵詈雑言に満ちています。
 弁護団が2004年4月に毒物問題についての新証拠を提出して6年も経過した今になって、全く別の主張・立証を始めるということは、訴訟遅延を目的とした著しく不当な訴訟態度というべきで、容認できるものではありません。
 現段階における、検察官の主張の骨子は、①弁護団が成分分析に使用したニッカリンTは、40年も前に製造されたものであり,その成分も変質していた可能性があること、②ニッカリンTに含まれるトリエチルピロホスフェートの量はせいぜい5%以下であり、弁護団主張のように(15%以上)多量に含まれてはいない、というものです。
 そして、検察官は「論より証拠」などと言って、ニッカリンTと三線ポートワインを再製して、ペーパークロマトグラフ試験をやって、毒物問題について決着を図るべきだと主張しています。これは、最高裁決定が「申立人側からニッカリンTの提出を受けるなどして、事件検体と近似の条件でペーパークロマトグラフ試験を実施する等の鑑定を行うなど、更に審理を尽くす必要があるというべきである」と述べたことに拠りかかって、新たな証拠漁りをしようというものです。

4 差戻審の現状

 弁護団は、11月17日の三者協議において、ニッカリンTの再製とその成分分析を行うことに同意しました。そしてまた、必要であれば、弁護団が鑑定に使用した40年前に製造したニッカリンTも提供して、成分分析することも前向きに検討しています。これにより、検察官の新たな主張が誤りであることを立証できると考えています。
 しかし、検察官は再製したニッカリンTによるペーパークロマトグラフ試験を求め、差戻審裁判所も、その意向です。検察官としては、さまざまな条件設定をして、ニッカリンTでも、場合によってはトリエチルピロホスフェートの成分スポットが出ないことがある実験結果を得ようとしているのです。
 弁護団は、当時と同様の条件で、同様な結果が予想できるペーパークロマトグラフ試験がなされるのであれば、これに反対するものではありません。しかし、この試験を行うに際しての具体的な条件が確定できませんから、再現が可能かどうか甚だ疑問です。条件を確定できずに試験を行ったとしても、到底「再現実験」にはなり得ず、意味のある結果が出るとは思えません。このような意味のない試験をして、その結果について議論が続けられるなどということは、一日も早い再審開始を待っている奥西さんにとっては、耐えられないことです。

5 おわりに

 弁護団は、検察官に対し、未開示証拠の開示を求めたり、毒物関係以外の証拠についても、さらに、その証拠の意義を高めるための作業にも取り組んでいます。今、いちばん必要なことは、奥西さんの生あるうちに、再審無罪をかちとり、奥西さんを生還させることです。化学論争に早急に終止符をうち、再審開始決定を確定させるために、弁護団は全力を挙げています。いっそうのご支援・ご協力をお願いします。



加盟各事件と支援の状況

東電OL殺人事件(10~11月報告)

 ゴビンダさんは、間もなく横浜刑務所で8回目の正月を迎えようとしています。先日、11月15日付でクリスマスの挨拶状が支援者に届きました。ずいぶん気が早いと思われるかもしれませんが、これには、刑務所ならではの次のような事情があります

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 現在、2類者であるゴビンダさんは、通常の月は7通の手紙を発信することができます。しかし、12月は年賀状(1人10枚までに限定されています)以外の手紙を発信することができません。そのため11月中にクリスマスの挨拶状を送ってきたというわけなのです。
 ちなみに、年賀状に書くことができる文章は、「あけましておめでとうございます」だけ。それ以外に何らかのメッセージを書き加えてはいけないことになっているそうです。たぶん検閲の手間を省くためでしょうが、とにかく一事が万事、このような細かい規則に縛られていては、さぞかし息のつまることでしょう。
 ゴビンダさんは、「毎日、蜂の巣の中で暮らしているようなもので、一瞬たりとも気を緩めることができない」と嘆きながら、必死の努力によって、今年の4月から「2類の無事故者」を維持しています。彼を支えているのは、「いつか必ず、再審によって自分の無実が明らかになる」との一念です。
 しかし、2005年3月に再審請求してからの4年間は、ほとんど動きがありませんでした。2009年7月、ゴビンダ弁護団が、押田鑑定(再審請求時の新証拠)を補強する新しい鑑定を提出してから、ようやく3~4ヶ月に1回くらいのペースで定期的に三者協議が開かれるようになりました。
 2005年の再審請求以来、東京高裁の裁判長は次々に交代しましたが、3人目にあたる門野博裁判長(2010年2月退官)は、証拠開示になかなか積極的でした。後任の岡田雄一裁判長もそのような方針を継承しているようです。
 弁護団は、原審で検察が開示しなかった供述調書や物的証拠の開示を請求していますが、ゴビンダさんのように自白や目撃証言などの直接証拠がなく、状況証拠の認定によって有罪か無罪かが争われたケースでは、検察が隠している重要な証拠がひとつでも出されれば、確定判決の言う「状況証拠の総合評価」は崩れる可能性があります。ゴビンダさんも、私たち支援者も、来年1月に予定されている次回三者協議に注目しています。
 2008年11月から現在に至るまで、一般面会を厳しく制限されていることは、再審支援活動の妨げになっています。同じ問題を抱えている他事件と連携して、来年の受刑者処遇法の見直しに向けて改善の要求を行うことを計画中です。

「無実のゴビンダさんを支える会」
客野美喜子



福井女子中学生殺人事件

(以下は、11月20日に行われた集会での国民救援会福井県本部・五十嵐さんの集会参加者への訴えに加筆したものです。)

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 この事件が起きたのは、今から24年前の86年3月19日でした。無実の前川君が逮捕されたのは、それから1年後です。裁判は1審で当然の無罪を勝ち取りましたが、検事控訴で2審は懲役7年の逆転有罪判決が言いわたされ、上告は棄却されて、前川君は5年余服役しました。
 出所後、前川君は「犯人のままでは今後生きるに忍びない」と04年7月15日、裁判のやり直しを求めて再審請求をしました。
再審請求書を提出してから6年が経過しています。今年7月には名古屋高裁金沢支部への第12回の要請行動を行い、2万筆を超える署名を提出してきました。
 現在、前川君は病気療養中のため富山県の病院に入院しています。06年12月下旬より再審準備のため、裁判所、検察、弁護人による3者協議が行われ、07年7月21日までに4回行われ、再審にむけての審理は本格化しました。
 この間、弁護団は1昨年5月25日、検察側が開示してきた証拠に対する法医学鑑定の補充書など、確定判決を否定する新証拠17点を名古屋高裁金沢支部に提出し、さらに、未開示の関係者供述調書の提出を強く求めて来ました。その結果、裁判所は昨年10月13日、検察側へ開示を勧告。翌11月19日検察側から5名の証人調書21通の証拠開示がされました。
 以後、弁護団は開示された供述調書の分析を行い、3月5日、弁護団としての「意見書」を作成して、名古屋高裁金沢支部に送付し記者会見をしました。
 ここに来て7月28日、3年ぶりに第5回目の3者協議が開催され、協議の結果、10月22日、名古屋高裁金沢支部に於いて、公開法廷による弁護側の鑑定人で、日大法医学者・・押田茂寛氏に対する証人尋問を実施することが確認されました。
 しかし、検察側は9月17日付で、石山帝京大名誉教授の鑑定書や、供述調書など新たな証拠20点を突然提出して来ました。弁護団は9月29日の3者協議で、検察側から提出された証拠を精査する必要があるため、10月22日に予定していた証人尋問を延期し、その結果、10月22日の3者協議で、来年1月7日と20日に証人尋問を実施することが決まりました。
 再審請求審の審理は大詰めを迎えており、必要な証人尋問を実施したうえ、早ければ来春にも再審請求に対する判断が出される可能性があると考えられます。
 来年1月7日と20日の証人尋問・公開法廷への傍聴と報告集会の成功めざして、取り組みを強めて行く方針で奮闘しています。前川さんの再審開始決定、さらに無罪判決を勝ち取るため、ひきつづき大きなご支援をよろしくお願いします。
 その後、11月26日の三者協議で、来年1月の証人尋問は、非公開で行われることになってしまいました。それを受けて、12月8日に、支援団体(国民救援会福井・石川・富山の各県本部)と弁護団とで、今後の支援運動について協議する予定です。

国民救援会福井県本部事件対策委員会



名張毒ぶどう酒事件

2010.11.25

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 名古屋高裁刑事第2部の下山裁判長は、11月17日に行われた3回目の進行協議において、ニッカリンTとぶどう酒(三線ポートワイン)を再製造し、新ニッカリンTの成分分析に加え、事件当時と似た条件でのペーパークロマトグラフの再現実験を行いたいとの意向を示しました。
 これは、差戻し異議審における検察官主張に基本的に同意したものですが、その検察官の主張たるや、自らの最高裁段階での主張(トリエチルピロホスフェートの発色度合いの弱さ)をいとも簡単に引っ込め(それ自体決して認められるものではありませんが)、代わって主張し出した姑息な引きのばし以外のなにものでもありません。誰かを犯人に仕立て上げるためには手段を選ばず、証拠改ざんもいとわないという検察の体質がここにもよく表れています。
 これに対し弁護団は、ニッカリンTの再製造とその成分分析に限って同意し、その結果、弁護団が主張する程度のトリエチルピロホスフェートの含有量(17%程度)が確認できれば検察官主張の誤りが明らかになり、ペーパークロマトグラフの再現実験を行うことなく速やかに再審が開始されるべきであると主張しています。私たち支援組織もまた、これまで提出された弁護団意見書によって最高裁が求めた科学(化学)的な検討は尽くされたものと、実験の不要性を訴え、早期再審開始を求めてきました。
 しかし、裁判所は新ニッカリンTの成分分析の結果いかんにかかわらず、ペーパークロマトグラフの再現実験を行おうとしています。そこには、そもそも今裁かれているのが自らが下した41年前の死刑判決であることの自覚や85歳になろうとしている奥西勝さんの再審にかける切実なる思いへの配慮はみじんも感じられません。差戻し審の審理は必要最小限の証拠調べに限定すべきとした最高裁の意見も全く無視しています。いたずらに審理を引き延ばすだけの再現実験は大きな世論で断念させなければなりません。
 さらに、ペーパークロマトグラフの再現実験の実施にあたっては、ニッカリンTの再製造に必要とされる2ヶ月程度の間に事件当時との「近似の条件」の具体的な設定や実験の立証趣旨を明確にするとされていますが、そもそもぶどう酒の正確な再現性に疑問があるだけではなく、条件設定いかんによっては結果が異なることが充分予想され、そのために再現のない不毛な科学(化学)論争に陥ってしまうことは誰の目にも明らかです。この点からも再現実験は不要です。
 そこで、今取り組んでいる裁判所宛個人要請署名に加え、裁判所宛の要請ハガキに新たに取り組むことにしました。全国のみなさんへ版下をお送りしますので、是非ご協力下さい。
 また、来年1月14日には奥西勝さんの満85歳の誕生日を記念し、ますます高齢になる奥西勝さんに対し一日も早い再審開始を求める宣伝行動を全国で行いたいと思います。積極的なご協力をお願いします。

名張毒ぶどう酒事件 全国ネットワーク
事務局次長 田中哲夫



日野町事件

第8回全国現調に90人

宣伝行動の中で新証言も得る

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 第8回全国現地調査が、11月13日~14日に東近江市と日野町で行われ、11都府県90人が参加しました。
 13日 は東近江市で、学習と運動の交流があり、弁護団報告や阪原「自白」についての鑑定意見書を書かれた浜田寿美男奈良女子大名誉教授の講演、各地の支援運動の報告などがありました。14日は日野町で、現地調査班と宣伝・署名活動班に分かれて行動し、最後に必佐公民館で「まとめ」が行われました。
 今回の現地調査では、大阪高裁に再審開始決定を求める運動とともに、阪原弘さんの健康状態等も考慮し、広島刑務所長への仮釈放要求運動に取り組むことを確認しました。
 なお、現地調査の宣伝行動中、被害者の生前のことについて、住民から新たな証言も寄せられ、それを証拠化する作業をすすめることになりました。

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浜田「鑑定意見書」を提出

ぜひ、浜田鑑定をお読み下さい
 
 弁護団は、阪原弘さんが捜査段階から再審請求の現在までに行った全供述を対象にして浜田寿美男奈良女子大名誉教授が、供述心理学の知見に基づいて書かれた「鑑定意見書」を、弁護団作成の「証拠提出書」とともに、10月13日、大阪高裁へ提出しました。
 浜田先生の「鑑定意見書」は、200ページにおよぶ詳細なものですが、大変、分かりやすく書かれています。対策委員会では、浜田先生と弁護団の了解を得て、この「鑑定意見書」と、弁護団の「証拠提出書」を合わせたものを、運動をすすめるうえでの「学習資料」として、発刊しました。ぜひ、ご購読下さい。

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<購読の申込みは、国民救援会滋賀県本部へ>
 (℡077-521-2129 FAX077-521-2534)
 頒価は1冊1,000円で、送料として、別途80円(メール便)が必要です。

浜田鑑定意見書は、日野町事件の「阪原自白」についての理解を深めるためだけでなく、他のえん罪事件の「自白調書」を読み解くうえでも、大変、示唆に富んだ内容です。

仮釈放を求める運動を開始

阪原さん 服役18年を超える
 
 阪原弘さんが、1988年3月に逮捕・勾留されてから、身体の拘束は22年半を超えています。
 また、2000年10月、最高裁で刑が確定し服役してから10年以上を経過し、地裁、高裁、最高裁判決で付された未決勾留日数の算入(合計3100日)を加えると、刑の執行済期間は、優に18年を超えています。
 刑法28条は「無期刑については、10年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放できる」とあり、布川事件の桜井さん、杉山さんも、仮釈放要求運動の結果、この法律の適用によって仮釈放されています。
 今年で75歳となった病弱の阪原弘さんの体力の衰えが目立つようになり、充分に食事が摂れず、体重も35㎏となり、発熱、ふらつき、頭痛、腹痛、嘔吐、手足のむくみなど、体調不良にたびたび見舞われており、いつ劇症化し、死に至るかもしれず、一刻も早い釈放が求められます。阪原弘さんを何としても家族のもとに取り戻したいと思います。
 今回の現地調査では、再審開始決定の獲得を求める運動とともに、阪原弘さんの仮釈放を勝ち取るために運動を新たに始めることを確認しました。ご支援下さい。

仮釈放要請先 〒790-8651 広島市吉島町13-114 広島刑務所、室憲治所長宛
阪原弘さんの激励先(同上の住所地の広島刑務所内へ)

日野町事件対策委員会
佐 藤 佳 久


「東住吉冤罪事件」の報告

青木さん、朴さんの近況

(ひまわり通信11月号への便りから抜粋)

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 10月の報告 10/4 進級の発表 3類のままで悔しい限り。10/8 運動会で「ボール送り」に参加、楽しい時間を過ごせた。
 10/11 なくなった娘の誕生日、大人になった彼女を想像し、「おめでとう」と語りかけた。「いのちのメッセージ展」で遺族のメッセージ・遺品を目にして、辛く、悲しかった。
「食事時に水の代わりに白湯を出してほしい」という要求は願せん提出後、昼食時・部屋での食事時にもポット1本分の白湯が給与されるようになった。4回目の冬にして、お湯を口にできた。
今年もお世話になりました。

(10月記 青木惠子)

 11月10日、建て替えのため中断されていた運動会がある。今回は応援組で、初めての運動会なので楽しんで応援することにする。作業報奨金はついに1等工になった。1割増しがついて10月分は6,210円。ツナギ作業服の生産高は標準の半分弱(150着/月)のため、改善に日々努力を重ねている。
 大分でも支援が少しずつ広がり、とても勇気づけられます。再審請求は今後、次第に重要な局面を迎えるようになるでしょう。これからも宜しくお願いいたします。

(10月28日記 朴龍晧)

再審請求の現状

 前回の三者協議において、裁判所からの強い要求もあり、11月12日の第6回三者協議を前に、証拠開示勧告申立書(10/8付で補充)に対し、検察から数点の証拠が開示されました(11/10付)。これらの証拠をめぐるやり取りも含め、12月24日に第7回三者協議が開催されます。

活動報告

◎日本国民救援会の各本部・支部大会に参加
リーフレット・署名用紙を配布し、署名のお願い等支援要請をしました。
  9月18日 京都府本部大会
  9月25日 奈良県本部大会
 10月 3日 大阪府本部大会
 10月 9日 兵庫県本部大会
 10月17日 兵庫県垂水支部大会
 11月 9日 大阪府岸和田支部大会
 11月16日 大阪府淀川支部大会
 大阪府堺支部大会
 11月27日 滋賀県本部大会

◎街頭宣伝活動
・10月18日、「冤罪を作らないために大阪地検特捜部の証拠改ざんの徹底究明、取り調べの全面可視化」をとの、日本国民救援会大阪府本部の淀屋橋宣伝行動に参加。朴さんのお母さんもマイクを持って「息子は酷い取り調べでうその自白をしてしまったけれど放火はしていません。無実です」と訴えました。

・11月23日には、JR大阪駅前で「証拠改ざん、「自白」強要、無実の証拠隠し 冤罪を作り出す検察の体質にメスを」と救援会大阪府本部の大宣伝行動に参加しました。

署名提出

◎裁判所前宣伝と第8回署名提出
 10月28日、小雨降る中を岸本会長、朴さんのお母さん、兵庫県支部の加藤支部長を含め8名で裁判所前宣伝を行いました。参加したメンバーが次々にマイクで再審開始、取り調べの全面可視化、検察の証拠開示を訴えました。大阪地検特捜部の証拠改ざんが報道されたためか、受け取りは良かったです。
 大阪地裁第15刑事部へは、署名(青木:17団体、749筆、朴:15団体、814筆)とともに、大阪府本部大会決議および兵庫県本部大会決議を読み上げて提出し、早期の再審開始を要請しました。
司法記者クラブにもリーフレット・署名用紙、大会決議のコピーを届け、本日の宣伝・署名提出を伝えました。

◎署名総数(11月1日現在)

青木
団体6759
個人6734筆6733筆

当面のスケジュール
◎救援会各支部大会に参加、支援要請
 大阪府池田支部大会、同北支部大会等
◎救援会大阪府下および兵庫県下の各支部へ学習会の実施要請
 
たんぽぽの会
◎第16回例会11月26日
 来年も市民集会を開催予定
◎第17回例会12月14日

「東住吉冤罪事件」を支援する会
事務局長 尾崎良江

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