えん罪事件の真相を広め、裁判支援、在獄者の処遇改善運動をすすめています

No.80再審えん罪事件全国連絡会ニュース

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2016年 11月25日発行 No.80

再審・えん罪事件全国連絡会第25回総会のご案内

無実の人を救うための日頃の活動に敬意を表します。
昨年の総会以降この間、8月10日、大阪高裁で東住吉冤罪事件の青木惠子さんと朴龍皓さんに再審無罪判決が言い渡され確定しました。自白の信用性だけでなく任意性も認めず、証拠から自白を排除した画期的な内容です。死刑・無期懲役事件では戦後9番目の再審無罪判決です。
また、6月30日には熊本・松橋事件で再審開始を勝ちとるなど大きな前進を勝ちとってきました。この成果に続けと、名張毒ぶどう酒事件をはじめ、滋賀・日野町事件や鹿児島・大崎事件の再審請求審が重要な局面を迎えています。
つきましては、再審・冤罪事件をめぐる情勢をつかみ、各事件の教訓を学び合い、引き続き加盟事件の無罪判決を勝ちとることをめざします。そして、この間の運動を総括し、新たな方針と役員体制を強化するために下記のとおり第25回総会を開催します。
          記
【再審・えん罪事件全国連絡会第25回総会】
日時 12月4日(日)午前9時~12時半
会場 平和と労働センター(全労連会館)304、305会議室
〒113-0034 東京都文京区湯島2-4―4 電話03(5842)5610

松橋事件

再審開始決定について

松橋事件弁護団共同代表 弁護士 齊藤 誠

 1 再審開始決定

熊本地方裁判所は、2016年6月30日、請求人である宮田浩喜氏(1933(昭和8)年6月15日生で、現在83歳)の成年後見人衛藤二男外からなされた再審の請求に対し、「再審を開始する」との決定をしました。

 2 本件事件の概要

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この事件は、1985(昭和60)年1月8日、当時の熊本県下益城郡(現宇土市)松橋(まつばせ)町において、一人暮らしの男性が死体で発見されました。頸部付近に刃物で刺したような合計13個の創傷がありました。司法解剖により、死因は果物ナイフ様の刃物で頸部付近を刺されたことによる失血死、死亡推定時期は1985(昭和60)年1月4日から同月6日の間とされました。
宮田さんは、死体が発見された1月8日から同月20日までの間、任意という名目で、連日朝から深夜にわたる長時間に渡る取り調べを受けました。当初は否認していましたが、同月18日のポリグラフ検査で陽性反応が出たと捜査官から告げられた後、同月20日に自白に転じ、逮捕されました。
そして、2月10日、殺人罪ならびに銃砲刀剣類所持等取締法違反等被告事件で起訴されました。
宮田さんは、第1審の第1回公判期日の罪状認否において起訴事実を認めました。しかしながら、第4回公判期日において被告人質問が実施されましたが、あいまいな供述を行い、第5回公判期日からは犯罪事実を完全に否認しました。
最初の国選弁護人は、宮田さんが否認に転じたことから辞任し、新たな国選弁護人が選任されました。
第1審の熊本地方裁判所は、1986(昭和61)年12月22日 懲役13年の判決を、控訴審は、福岡高等裁判所で、1988(昭和63)年6月21日に控訴棄却の判決がなされました。 私は、この上告審である最高裁判所の弁護人に選任されましたが、最高裁判所は、1990(平成2)年1月26日に上告を棄却しました。
その後、宮田さんは、1999(平成11)年7月22日に刑期を終了し、現在に至っております。

 3 私が再審事件に関わったきっかけ

私は、最高裁判所の上告審の刑事弁護人を担当しましたが、上告は棄却されました。けれども私は、宮田さんは無罪だ、「やっていない」という確信と、この事件は、最初に国選弁護人となった弁護士が、宮田さんの資力を考慮せず、既定の弁護方針(公判廷で罪を認めると言うこと)に従えないのであれば、私選弁護人を依頼し直した方がよい旨を勧めるなどした不適切な弁護活動によって、第1回公判期日において宮田さんが公訴事実を認めたということがあったためにこのような結果となったと思っており、なんとしてでも再審を請求し、宮田さんの無罪を証明したいと思っておりました。
そうしたところ、現在も弁護団のメンバーであり、名張事件の弁護団に加入するなど再審事件に積極的に取り組んでいる野嶋真人弁護士が、私と同じ法律事務所の一員となったことから、一緒に再審の準備をしようと言うことで、1993年、当時宮田さんが収監されていた岡山刑務所に接見に行きました。宮田さんに、再審請求の準備に入ることを伝えたところ、宮田さんは大変喜んでおられました。

 4 再審準備と決定

現地熊本の弁護士に呼びかけ、再審請求を行うための準備を開始しました。当初は、飛行機旅賃も自費負担で、現地の調査に何度も入りました。その準備の過程で、検察庁に証拠物の開示を請求したところ、証拠物が開示され、その証拠物を検討している中で、宮田さんが、自白を変遷させ、「本件切出小刀に、シャツの左袖を巻き付け、犯行後に燃やした」という、自白では燃やしたはずのシャツの左袖が発見されました。
準備は、当初の数年は、もっぱら関係者からの聞き取りを行いました。何人もの人に連絡をして、直接お会いして、ビデオを回しながら、聞き取りを行い、その中で、新たな事実もわかってきたりしました。
その一方、法医学者等の専門家の鑑定にも力を注ぎました。
そして、約20年の準備を経て、日本弁護士連合会の支援決定を得て、2012(平成24)年に再審の申立を行いました。
申立の時は、宮田さんは、裁判のことも刑務所に入所していたことも覚えておらず、そこで成年後見人を選任しての申立になりました。
20回の三者協議の結果、本件再審開始決定を得ることができました。当初から思うと感無量の気持ちです。
5 本件事件の特徴
本件においては、宮田さんの自白のみが、宮田さんと本件犯行を結びつける唯一の直接証拠です。外にこの犯罪と宮田さんとを結びつける客観的な証拠は皆無であり、また目撃証人などの第三者の証言もなく、この宮田さんの自白の任意性や信用性に関する判断がゆらげば、確定判決が有罪認定とした事実認定に合理的疑いが生じ、宮田さんには無罪の判断がなされるという事件です。

 6 再審開始決定の内容

 (1)再審決定においては、宮田さんを本件犯行に結びつける唯一の直接証拠である自白が、捜査段階では、当初切出小刀で「そのまま刺した」という供述が、途中で、「本件切出小刀に、シャツの左袖を巻き付けた上で刺して、犯行後にこの巻き付けた布を燃やした」と変遷しましたが、この自白では燃やしたはずのシャツの左袖が、この自白後、警察によって差し押さえられ、かつ警察の鑑定の結果、血液が付着していないことが確認されていたことが認定されました。その結果、宮田さんが本件切出小刀に巻き付けた布は本件シャツ左袖から切り取った布ではなかったという事実がいえるだけでなく、本件切出小刀に血液が付着しないように布を巻き付けた旨の供述は宮田さんの体験に基づく供述ではないのではないか、すなわち、本件切出小刀に布を巻き付けたという事実そのものが存在しなかったのではないかとの合理的な疑いが生じてくると認定しております。
 (2)そこで、犯行に先立って凶器に血液が付着しないよう布切れを巻き付け、犯行の直前にこれを締め直したという出来事が実際にあったことだとすると、それは、実行行為と密接に関わり、かつかなり特徴的な出来事であり、検察官が主張するように「宮田の自白のうちの周辺的な事情に関するもの」ということはできないとして、そうであるにもかかわらず、実行行為と密接に関わる事項に関する自由に、非体験供述が含まれている疑いが生じていることは、宮田の自白全体の信用性をも相当程度動揺させるものであると認定しました。取り分け、本件巻き付け布に関する宮田さんの自白供述は、具体的かつ詳細で迫真性に富むものであるところ、これが宮田さんの創作であったとすると、宮田さんの自白の他の部分についても、供述が具体的であること、詳細であること、あるいは迫真性に富むことが、自白の信用性を担保する事情にならないとしています。
それに加えて、本件巻き付け布に関する新証拠によって当該自白の信用性に疑義が生じ、本件切出小刀に布を巻いたという事実の存在に疑いが生じる結果、確定判決において解消されたとする本件切出小刀に血液が付着していないことの不自然性、不合理性が復活することになるとしています。
 (3)すなわち、本件切出小刀は、木製の柄に金属製の刃体が差し込まれているところ、宮田さんが供述する犯行の態様等からすると、本件切出小刀や軍手には相当量の血液が付着していたはずであると考えられ、刃体のみならず、木製の柄や柄と刃の接合部分付近に血液が付着したり、柄の内部に染み込んだりした可能性も十分に考えられるところであるのに、本件切出小刀のあらゆる部分から血液が一切検出きれなかったというのは、不自然、不合理と思われ、疑問を抱かざるを得ないとしております。
その結果、確定第1審判決は、本件切出小刀に布を巻き付けたとする宮田さんの自白に依拠して、本件切出小刀の刃と柄の接合部分等に血液が付着していないことが不自然、不合理ではないと判断したのですが、本件巻き付け布に関する新証拠によって確定第1審判決の判断根拠は揺らいだといえるとしています。
 (4)一方日本医科大学の法医学教室の大野曜吉教授の鑑定に基づき、被害者の殺傷によって生じた傷のうち、首のところにあって頸椎骨に達している創8と左胸上部にある創14は、本件切出小刀の形状と矛盾し、本件切出小刀では成傷し得ないのではないかとの合理的な疑いが生じていることも認定されました。
そうして、大野鑑定は、それ自体、本件切出小刀と凶器との同一性について疑いを生じさせるものであるが、本件巻き付け布に関する新証拠により、本件切出小刀に血液が付着しないように布を巻き付けたとする宮田さんの自白の信用性が動揺し、本件切出小刀に布を巻いた事実の存在について疑いが生じた結果、本件切出小刀のあらゆる部分から血液が一切検出されなかったことに関する疑問が復活していることを併せみると、本件切出小刀は本件犯行の凶器ではないのではないかという疑いは、一層強いものになるといえると認定されました。
これらの結果、犯行に用いた凶器が何であるかは、犯行に関する自白の核心となる事項の一つであり、その具体的な用い方とともに、両方とも犯行に関する自白の核となる部分を構成しているとみるべきであり、そうすると宮田さんの自白の信用性は、本件巻付布に関する新証拠と本件凶器に関する新証拠の検討によって、その核となる部分においてかなりの程度動揺すると決定は認定しています。
 (5)その他、再審決定は、各立証命題に関して弁護人が提出した新証拠の明白性と、当該新証拠と旧証拠を総合して、宮田さんの自白の信用性に関する確定審の評価が、なお維持し得るか否かを逐次検討しております。
ア. その一つとして、宮田さんが、皮膚を直接突き刺した旨自白した致命傷となった創3は、セーターの上から刺されたものであるという事実と、宮田さんは自白の中で、被害者が倒れてから刺したことを否定しているところ、創5ないし11は、被害者が倒れた後で形成されたことが明らかになったとしたという、この二つの弁護人の主張をとりあげて、再審決定は、宮田さんの自白には、犯行態様という核心部分において、客観的事実と整合しない創作(非体験供述)が含まれているとの疑いを払拭することができないとして、これは、宮田さんの自白全体の信用性を評価する上で考慮すべき事情としております。
イ. またもう一つ、宮田さんの自白では、被害者らを追尾し、殺害の機会を窺って待機していたこととなっていますが、確定第1審判決では、「秘密の暴露」が認定されるとした、追尾行為の途中、「民家の明かりがついていた」ことを宮田さんの自白の中で述べており、それがその後の捜査によって裏付けられたという秘密の暴露についても、これを秘密の暴露とみるのは適切であるとはいえず、自白の信用性を担保するそれなりに重要な事情と位置付けている確定判決の評価をそのまま維持するのは難しいというべきであると認定しています。
ウ. 本件ポリグラフ検査に関しても、対照質問法による結果は、定型的類型的に信用性の乏しい証拠として、最低限度の証明力を有さず自然的関連性を欠くものとして証拠能力は否定されるとし、緊張最高点質問法による検査結果は、宮田さんの各裁決質問に関する認識・記憶の形成過程が、犯人であること以外の事情に由来しないとの具体的立証がないと認定し、本件ポリグラフ検査に関する新証拠によれば、本件ポリグラフ検査の結果は、確定判決が認めていた程には宮田の自白の信用性を担保し得る証明力はないと認定しました。そして、確定判決が認めていた証明力の程度に鑑みると、本件ポリグラフに関する新証拠及び旧証拠を総合して明らかになった事実は、宮田の自自の信用性に関する確定判決の判断を相当程度動揺させるといえると判断しています。
エ. 自白の変遷についても、本件軍手の処分に関する新証拠により、軍手の処分の件は、取調官が、軍手が発見されないことはあり得ないとの認識の下、宮田に対し、客観的事実との矛盾を具体的に示して追及した結果、供述が変更されたことが、より明確になったとして、本件軍手の処分や本件巻き付け布の件に関し、宮田さんが自白調書において述べた供述変更の理由は、新旧証拠に照らして検討すると、合理的ではなく、客観的状況と整合しないし、本件巻き付け布の件について、新証拠によって、本件巻き付け布の存在や、これを焼却処分したという事実の存在自体に疑義が生じていることからすると、本件巻き付け布と共に焼却したという軍手の処分についても、同様の疑義を抱かざるを得ないとして、本件軍手の処分の件や本件巻き付け布の件について、宮田さんが、取調官の追及に迎合し、客観的事実との矛盾を解消する内容の供述を創作したのではないかという疑念が生じたとしている。
そうすると、本件切出小刀に血液が付着していないことに対する疑問が復活するのと同様に、犯行に密接に関連する軍手の処分について、客観的証拠が存在しないことの疑問が解消されずに復活することになり、これも宮田の自白の信用性を動揺させる事情となるとしている。
オ. 本件では、宮田さんは、第1回目の口頭弁論期日における罪状認否では罪を認めると供述しました。これについて、再審決定は、第1審の最初に選任された国選弁護人は、宮田さんの資力等を考慮せず、既定の弁護方針(公判廷で罪を認めると言うこと)に従えないのであれば、私選弁護人を依頼し直した方がよい旨を勧めるなどした点で、弁護活動としての適切性を欠いていると評価されました。
その上で、そもそも、宮田の公判廷における自白は、確定第1審第1回公判期日の罪状認否での概括的な陳述と、第4回公判期日の被告人質問における供述(犯行について断片的な記憶は述べるもののほとんど記憶がない旨の供述)であって、最初に選任された国選弁護人からの回答によって明らかになった上記の事情も併せて考えると、宮田の公判廷における自白に独自の証明力を認める意味はあまりないとしました。
加えて、宮田さんの、少なくとも最初に選任された国選弁護人との2回目の接見時の態度は、全面否認を指向しているとも受け止め得るものであったとみるのが合理的であるとして、第1回公判期日の前から、当時の国選弁護人に対し、犯行を否認する意向を示していたという事実は、捜査段階の自白は虚偽のものであったとする宮田の公判供述を支える方向に働く事情でもあるとしました。
 (6)再審決定は、このように、宮田さんの自白には、犯行態様という核心部分において、客観的事実と整合しない創作(非体験供述)が含まれているとの疑いを払拭することができないのであるとして、これは、宮田の自白全体の信用性を評価する上で考慮すべき事情となると判断して、再審の決定を行ったのです。
そのほか、本決定は、原判決の判断において、自白の信用性を担保するとされたものについても、証明力についての疑義が表明され、その結果、新旧の全証拠からは、宮田さんの自白の信用性を担保する存在自体が認められないとして、宮田さんと本件犯行を唯一結びつけうる宮田さんの自白に、確定判決の有罪認定を維持しうるほどの信用性を否定したため、確定第1審の判決の事実認定に合理的な疑いが生じたとして、再審の開始が決定されました。

 7 再審開始決定後

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 (1)宮田さんは、現在は施設におられます。しかし、再審開始決定の際の記者会見に出席され、私の、「再審が認められました」という呼びかけに応じられて、涙を浮かべて喜びを表わされました。このことはニュースとなって全国に報じられました。
一方、自白では燃やしたはずのシャツの左袖が、その後に警察によって差し押さえられ、かつ警察の鑑定の結果、血液が付着していないことが確認されていたにも関わらず、裁判所に証拠として提出されていません。これについてはマスコミからも「証拠隠し」として強く批判されているところです。
 (2)検察官は、熊本地方裁判所に対して、即時抗告の申立を行いました。
検察官は、宮田さんが、捜査段階において一貫して自己が犯人である旨任意に自白していることを不当に軽視して、枝葉末節にとらわれた独自の心証形成に基づき、かつ強引な判断で明白性のない証拠を採用して自白の信用性を否定して再審開始を決定したと批判しております。
 (3)現在、松橋再審申立事件は、福岡高等裁判所において、即時抗告に対する三者協議が、2 016年8月30日を第1回として始まり、第2回が11月24日と決定しております。
この第1回目の三者協議では、検察官は、法医学者の意見を新たに提出し、事実取調請求の可能性を述べております。
 (4)宮田さんはすでに83歳であり、早く、再審裁判を開始して、無罪の結論を聞かせてあげるべく、弁護団は、即時抗告審において、一刻も早く棄却決定を得るべく、最大限の努力を行う決意です。(国民救援会発行『救援情報』NO91より転載)

袴田事件・即時抗告審

東京高裁が「証拠のリスト開示」を命令せず!

DNA鑑定の検証が本実験に着手へ

11月7日、東京高裁刑事8部(大島隆明裁判長)で東京高裁と東京高検、弁護団による3者協議が行われました。
この日の3者協議内容について、弁護団が記者会見を開き下記の内容を明らかにしました。
弁護団が求めていた全証拠の一覧表(証拠リスト)の開示について、検察が裁判所の「勧告」に従わずに証拠を出さないので裁判所からさらに強い「開示命令」を行うよう求めたが、大島裁判長は現時点では「開示命令」を行わないことを決めた。
DNA型鑑定の検証実験について、地裁決定の根拠になった弁護側DNA型鑑定の検証実験について、実験の具体的方法などを決める「予備実験」から、実際の試料を用いて行う「本実験」に入ったことを伝えたという。しかし、大島裁判長は検証実験の終了時期については言及しなかった。
10 月19 日付で検察が提出した味噌実験について弁護団として、これまで3者協議で一度も論点として議論がなかった点について、いきなり鑑定意見書を提出することは不公正であり信義則にも反すると抗議したこと。さらに、今回の「鑑定意見書」について検察官の意見が全くふれられていなので、「鑑定意見書」で何を主張したいのか、早急に意見書と「鑑定意見書」の下となった味噌漬け実験の材料とすべてのデータと写真のネガフィルムを弁護団に開示することを求めたこと。
弁護団が提出した取調べ録音テープ28本と翻訳書を裁判官が熟読するとともに、テープそのものをぜひ聞いて、違法不当な取調べの実態を実感してもらいたいこと。
検察の不当な引き延ばしを許さないたたかいを
この日、袴田巖さんの再審無罪をめざす実行委員会は東京高裁と東京高検に要請行動を行いました。要請では、神奈川県本部をはじめ県本部大会での決議を執行するとともに、DNA鑑定の検証は無意味であり、そのほかの証拠によっても死刑判決は破たんしており一日も早く検察の即時抗告の棄却を求めました。
袴田巖さんの再審無罪をめざす実行委員会は、裁判所がDNA検証実験を強行し、この日の3 者協議では証拠のリスト開示についても開示命令を行わないなど、即時抗告審の審理は予断を許さない状況です。検察の巻き返しを許さず、再審開始確定させ一日も早い再審無罪をめざして支援運動を強化します。来年2月に東京で全国集会を予定しています。
≪袴田事件 次回三者協議12月27日(火) 要請行動の行動≫
12時15分 東京高裁宣伝行動
13時15分 東京高裁要請(予定)
14時00分 東京高検要請(予定)
14時45分 弁護団激励行動
15時00分 弁護団三者協議へ *終了後、司法記者クラブで会見予定

名張毒ぶどう酒事件

無念の獄死1周年行動に200人が参加

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昨年11月、奥西さんの妹・岡美代子さんによる第10次の再審請求申立から1年が経とうとしていますが、裁判所は、3者協議を開かず実質的な審理に入ろうとしていません。
弁護団は、今年5月には毒物に関する証拠に加え、ぶどう酒びんに巻かれていた封緘紙裏面の糊に関する鑑定を新証拠として提出しました。封緘紙には、製造時とは異なる糊が付着しており、真犯人が毒物混入時に貼り直しの偽装工作を行っていたことが強く推認されます。また、「自白」どおりの犯行準備行為は実現可能性が極めて低く、「自白」が虚偽であることを示す実験結果も新証拠として提出されました。
この間、愛知県本部と愛知守る会が呼びかけた「無念の獄死1周年行動」には200人が参加し、名古屋高裁に対して、すべての証拠を開示させ、直ちに実質的審理を行って早期に再審開始決定を行うように強く要請しました。岡さんは87歳となり、再審請求審は迅速な審理が求められています。引き続き、全国からの支援を強めます。
≪次回以降の、要請行動≫
12月13日(火)要請行動 名古屋高裁(13:30)名古屋高検(15:00)
2017年
1月19日(木)要請行動 名古屋高裁(13:30)名古屋高検(15:00)

大崎事件

11月末に最終意見書提出決定、年度内にも再審の可否を決定か !

11月22日午後4時から3者協議が鹿児島地裁(冨田敦史裁判長)で行われました。
大崎事件の再審をめざす会と国民救援会は、午後2時から三者協議に先立って天文館で宣伝行動を行い、地元鹿児島県本部をはじめ、宮崎県本部、中央本部などから10人が参加しました。冤罪事件いっせい宣伝行動のビラとあわせて、12月10日に日弁連が主催して行う大崎事件の集会案内のビラを配布しながら、大崎事件の署名協力を訴えて、カンパ1000円と署名74筆が寄せられました。
その後、裁判所前で三者協議に向かう弁護団を激励する集会を行い、各県からの激励と決意が語られ弁護団を送り出しました。
この日の三者協議は午後4時から行われ、その後弁護士会館で記者会見が開かれました。
記者会見の冒頭、弁護団の鴨志田事務局長から、以下の報告がなされました。
裁判所から双方に対して11月末までの最終意見書提出についての確認がなされ、三者で確認した。
前回の協議の際提出された「18本の写真ネガ」について、弁護団がプリント・印画した。この中に、これまで目にしたことのない写真があったので、これについては最終意見書提出のあとに補充書として提出したいことを表明し、了承された。また、検察から出された「新たな証拠」に表記されているものからみると、まだ提出されていない「欠番ネガフイルム)」などがあると見られることから、これについて「まだ未提出があるのではないか」と迫った。
この間、検察から出された新たな証拠から、関係証人のやカセットテープの存否も含めた証拠開示について、弁護団は裁判所に対して証拠開示命令等申立書を提出していることについて、検察の回答期限が12月16日とすることが確認された。
上記のようなやりとりから、再度三者協議が開かれることとなり、次回は来年1月12日(木) 午前11時30分から行うことになった。
裁判所からは、「今の裁判体で決定を書きます」と言われ、これは「今の裁判体のうちの一人が年度末での移動があるが、この裁判体での決定を書く」とあり、「判決」ではなく「決定」なので異動の前つまり、年度内に決定を出すとの意思表示であると弁護団は受け止めた。
その上で、鴨志田弁護士は「弁護団は現在、最終意見書のとりまとめに全力を上げている。本日もこのあと弁護団会議を開く。アヤ子さんが高齢であることから、今回の申し立てで何としても再審開始を勝ちとりたい。12月10日の日弁連主催の集会を多くの参加で成功させ、世論でも盛り上げていきたいので協力を」と呼びかけました。
森弁護団長からは「いよいよ大詰めとなってきた。アヤ子さんの健康を心配している。年度末までには決定がでる見通しなので、アヤ子さんにはこの冬を乗り切っていただいて、良い報告を届けたい」と。木谷弁護士からは「裁判所の対応に明るい方向を持った。再審開始決定がでた場合、検察は即時抗告をすることが考えられるが、世論の力も借りて止めていきたい」と語られました。
すべてをやり切り再審開始を勝ちとろう
鹿児島県本部は、三者協議に合わせて九州各県の協力を得て裁判所要請をはじめ、鹿児島市内の繁華街で署名・宣伝行動を行ってきました。
今後は、弁護団の最終意見書の提出に合わせて12 月10 日に鹿児島市内(サンプラザ天文館6 階A ホール)での報告集会と、地元大崎町での集会を計画しています。全国から再審開始を求める署名を集中してください。
(国民救援会宮崎県本部事務局長・堀田孝一)

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≪原口アヤ子さんの命あるうちに再審無罪を勝ちとるための集会≫
と き 12月10日(土)13時半~17時
会 場 サンプラザ天文館6階ホール(鹿児島市東千石町2-30)
天文館バス停、市電電停から徒歩3分 *参加費無料

仙台北陵クリニック・筋弛緩剤冤罪事件

再審開始を求めて、仙台高裁へ要請を行う!

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11月22日、仙台北陵クリニック事件全国連絡会は、第18回目の再審開始を求める仙台高裁要請を行い、神奈川1名、茨城2名、那須2名、岩手1名、宮城10名の計17名が参加しました。
今回担当県として、初参加した宮城の三橋道子さんは「私も一人の母親としてご両親の思いを考えると、なぜこんなにも時間がかかるのかと、”怒り”をも感じます。司法、科学、医学は人をおとしいれる為のものではないはずです。人の心もって判断してください」と訴えました。また同じく初参加の、那須守る会の森野明義さんは「守大助さんが事件を起こす動機は、職場での人間関係も仕事上の悩みも家庭でのトラブルも全くありません。彼の声に謙虚に耳を傾けて再審をお願いします」と要請しました。今年85才になる岩手県北上市から来た佐藤仁さんは「何回もこちらに伺って、裁判官にお願いしてきました。高齢のため今回が最後かもしれません。是非再審をお願いします」と語りました。
毎回の要請行動に参加している国民救援会神奈川県本部の高橋満さんは、10月23日に71名の出席のもとに開催した第52回神奈川県本部大会で採択した特別決議を読み上げ、裁判所に対して、「少なくとも弁護人の請求する証人の証拠調べと全証拠の開示を勧告されること、その上で、科学と道理に立脚し、事実と証拠に基づく公正な判断をされ、一審の棄却決定を見直して再審開始を決定されるよう」要請しました。
また、この日の要請では、国民救援会東京都本部、兵庫県本部、愛知県本部、山形県本部の各大会での決議を裁判長、裁判官宛に提出しました。
応対した鈴木徳夫・仙台高裁刑事訟廷管理官と菅澤潤一・仙台高裁事務局総務課課長補佐は、皆さんから伺ったご要望と要請書は、必ず裁判官にお届けしますと語りました。
要請後、裁判所正門前にて記念写真、仙台市一番町フォーラス前にて6人で「守大助さんは無罪・再審を」の宣伝署名活動を行い13名の署名、47枚のチラシを配布しました。
≪今後の仙台高裁への要請行動の日程≫
12月の裁判所要請=12月16日(金)午後1時
2017年
1月の裁判所要請=1月16日(月)午後1時
2月の裁判所要請=2月16日(木)午後1時
*いずれも仙台高裁ロビー集合
是非、要請の期日前に、要請に間に合うよう、いま集まっている署名は急いで全国連絡会事務局(国民救援会宮城県本部)までお送りください。(国民救援宮城県本部事務局長・吉田広夫)

特急あずさ号窃盗冤罪事件

再審請求認めぬ不当決定報告集会に80人

特急あずさ号窃盗冤罪事件の再審請求棄却報告集会(主催:特急あずさ窃盗冤罪事件無実を勝ちとる会、国民救援会)が11月6日、長野県諏訪市で開かれ、80人が参加しました。
この事件は、2005年、当時、諏訪市職員であった柳澤広幸さんが、東京への出張の帰り、特急あずさ号の車内で財布を窃盗したとして犯人にされたもので、一審は無罪でしたが、二審で懲役1年2月の逆転有罪判決が出され、最高裁で確定しました。柳澤さんは満期出所後、「私は窃盗などやっていない」と再審を申し立てました。しかし、今年2月、最高裁が再審を認めない不当決定を出しました。
集会では、不当決定のポイントについて国民救援会の鈴木猛事務局長が報告し、記念講演では布川事件の桜井昌司さんがみずからの体験を語り、冤罪を作り出す警察、検察、裁判所を厳しく批判しました。また、事件当時、出張で一緒だった金子ゆかりさん(現諏訪市長)が激励にかけつけました。
あいさつに立った柳澤さんは「私は窃盗などやっていません。再審開始を信じていました。本当のこと(無実であること)は、自分が一番わかっています」と述べ、「なんでこんなことにしてしまったのか。逮捕されて1週間眠れなかった。その悔しさはいまも同じです」と涙を目に浮かべ、悔しさをにじませました。「裁判記録をもう一度見直して、半歩でも前進したい」と冤罪を晴らすまでたたかう決意を述べました。
最後に、不当決定に抗議し、再審無罪を求めるアピールを参加者全員で採択しました。

相次いで再審棄却の不当決定

◇高知白バイ事件

高知白バイ事件に対し、高松高裁は10月18日、弁護側申請の証人を調べることもなく、片岡晴彦さんの即時抗告を棄却する不当決定を出しました。片岡さんは最高裁に特別抗告しました。
国民救援会四国ブロック、片岡さんを支援する会は毎月の裁判所要請、さらに9月24日には「再審開始決定を勝ちとる総決起集会」を70人の参加で開催するなど支援を強めてきました。

◇天竜林業高校成績改ざん事件

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天竜林業高校成績改ざん事件に対し、静岡地裁浜松支部は10月25日、北川好伸さんの再審請求を認めない不当決定を出しました。北川さんと弁護団は、10月28日に東京高裁に即時抗告を申し立てました。引き続きのご支援をお願いします。

金田法相の死刑執行に抗議する

2016年11月15日
日本国民救援会
会長 鈴木亜英

金田勝年法務大臣は11月11日、福岡拘置所の田尻賢一さんの死刑を執行した。国民救援会はこの死刑執行に強く抗議する。
国民救援会は、戦前、拷問や残虐な刑罰の廃止を掲げて運動し、戦後は、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の死刑再審無罪事件をはじめ、不当な死刑判決など有罪判決を宣告された冤罪犠牲者を救出してきた。現在も、無実の死刑囚、袴田事件の袴田巌さんの支援をしている。他方、昨年10月、名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんが冤罪を晴らせぬまま無念の獄死をした。熊本・菊池事件のように、支援していた死刑囚が無実を叫びながら死刑執行された苦い経験ももっている。加えて、誤判だけでなく、国民救援会は、松川事件のように弾圧謀略事件で死刑を宣告された恐怖をみずからの体験として運動をすすめてきた。人間のおこなう裁判に絶対に誤りがないという保障はなく、誤判による死刑はその悲惨さとともに、回復不可能な事態を招く、国家の名による犯罪行為である。
世界的には、国際自由権規約で死刑廃止の方向が打ち出され、国連総会においても、「死刑の廃止を視野に入れた死刑執行の停止」を求める決議が繰り返し採択されている。また、自由権規約委員会や拷問禁止委員会は、日本政府に対して、「死刑制度廃止」への検討、及び死刑執行の停止を繰り返し強く勧告している。世界では、事実上死刑を廃止している国を含めると140カ国と大多数が死刑廃止国となっており、OECD(経済協力開発機構)加盟国35カ国の中で死刑制度を維持しているのは日本、韓国、アメリカだけである。
先月、日本弁護士連合会が、人権擁護大会において死刑廃止宣言を初めて採択し、死刑制度についての国民的な議論が起こり始めた。その矢先の死刑執行は、このような動きに挑戦し、国民的議論を封殺しようとするものである。
国民救援会は、あらためて死刑執行に強く抗議し、死刑廃止条約(自由権規約第2選択議定書)を批准し、死刑制度を廃止することを要求するとともに、当面、死刑の執行を停止し、政府が死刑廃止にむけて国民的議論を尽くすうえで必要な情報を公開するなどの措置をとるよう求めるものである。

今後の主な事件の日程

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 12月 3日 『再審に新しい風を!』出版記念講演会
 (東京飯田橋TKC東京本社2階会議室)
 12月 4日 再審・えん罪事件全国連絡会第25回総会(東京)
 12月10日 大崎事件「再審無罪を勝ちとるための総決起集会」
 鹿児島・サンプラザ天文館6階Aホール・13時半~
 12月13日 名張毒ぶどう酒事件名古屋高裁13時、高検要請15時
 12月16日 北陵クリニック事件仙台高裁要請 午後1時~
 12月27日 袴田事件東京高裁要請 正午から裁判所前宣伝
 1月16日 北陵クリニック事件仙台高裁要請
 1月19日 名張毒ぶどう酒事件名古屋高裁13時、高検要請15時

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